今回は“陥入爪(かんにゅうそう)”・“巻き爪”について当院で行っているマチワイヤ(超弾性ワイヤー)による矯正治療についてお話しします.
当院では診療の一環として 「保険外診療 」として行っておりますので、本編をお読みいただきご理解いただければ皆様お気軽にご利用下さい.なお、巻き爪矯正は根治治療(永久に完治するもの)ではありませんのでご理解下さい.
巻き爪は趾に力の入るテニス、スキー、スノーボード、山歩きなどで痛みやすく、深爪、合わない靴、爪下血腫などの外傷などが原因と言われています.寝たきりの老人や片麻痺の麻痺側ではほとんどが巻き爪になることから、十分に歩かなければ巻き爪が発生するのが自然の経過であると考えられます.ですから活動性の少ない高齢者では、とくに痛みはなく治療の必要はないと思われます.
一方、陥入爪は爪の先端が趾の柔らかい組織に入り込み炎症が生じます.爪が短いと軟部組織(爪のまわりの柔らかい組織)が床からの外力により持ち上がり、爪の彎曲を強めさらに爪が刺さって炎症を起こします.
マチワイヤを爪に装着するには爪側のふちが爪のまわりの柔らかい組織から3~5mmくらい伸びていることが必要です.装着に不十分な長さで来院した場合には、深爪をしないように、とくに爪の角を切らないように患者さんに指導して1~2ヶ月後に来院していただけるようお願いすることもあります.爪の陥入により痛みが激しい場合には爪の角に米粒大程度の綿を挿入(コットンパッキング cotton packing)することで痛みを和らげ、爪が伸びるのを待つことが出来ます.この処置は著明な感染がない限り患者さん自身で出来ますので指導いたします.
次に当院で行ったマチワイヤでの治療例を紹介します.
症例1