【新世界エヴァンゲリオン】

 

 

 

<通学路>

 

 

ヒカリはいつもより少し早く待ち合わせ場所に着いた。

腕時計を見る。

あの二人が来るにはもうしばらくかかるだろう。

そう思っていたのだが、予想より早く彼女は現れた。

 

「ヒ〜カ〜リ〜!!」

ヒカリは走ってくるアスカという数カ月ぶりの光景を見て目を丸くする。

(…碇君はネルフかしら?)

ヒカリはその時点ではまだ事態の深刻さに気付いていなかった。

「おはようアスカ。どうしたの走ったりして?」

「はぁはぁはぁ…ねぇシンジ見なかった?」

息も絶え絶えで汗を流しながらアスカが聞いた。

「え?」

「先に出たみたいなんだけど…」

アスカは真剣に焦っていた。

 

 

 

 

【第拾弐話 棘と痛み】