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以下の小説にはBL・やおい・耽美と呼ばれる表現が含まれています。

プレゼントには赤いリボンを

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「さっさと入ったらどうだ?」
 あ、いいんだ。
 ソファーに腰掛けることは許可されていないので、近くの床で胡坐をかくと、愛甲は怒りを通り越して呆れた声で「お前もお前だよ」と呟いた。
「ワリ」
「軽いんだよ、いつもてめぇは」
 今度は苦虫を噛み潰したような顔で言われる。うーん、さっきの白石さんへの顔に比べればまだ許してもらっているのかね、俺。本来の原因は俺なんだけど。彼女のいうこと信じてお前を連れ出したのが原因なんだし?けど素直に謝るのもなんだかなー。元はといえばこいつが色んな女に手を出すのが発端みたいなところもあるし、明日誕生日だっていうのも・・・って、あ。
 壁の時計は0時十五分を指している。ソファーの前のテーブルには白石さんが用意したデカいケーキ。
 俺は立ち上がると、愛甲の許可も取らずに部屋の明かりを消した。そしてポケットからライターを取り出すと、ロウソクに火を灯す。
 炎の明かりっていいよなー、ほっとする。
 オレンジ色に染まった、仏頂面の愛甲相手に、俺は陽気に歌うことにした。
「はっぴ、ばーすでぃ、とぅ、ユー」
 あまりにも突然歌ったものだから音程が外れて酷かった。俺のこの行為に、堪えていた奴がついに爆発した。膝を叩いて笑い出し、酒が入っていることもあるが、二人で音程を外したまま楽しく歌い通した。最後の火を消すのも二人で消した。酒臭い息で。
「で、何をくれるんだ?」
 笑いを含んだ声で愛甲が暗闇で俺に問う。プレゼントなんかいらん、って昼間言ってたのはお前だろうが。
「なんもねえよ」
「ホントに?」
「うわ。ヤラシイ言い方。なんなら赤いリボンで縛ってやろうか」
「よせよ、リボンはプレゼントに架かっているもんだろ」
 愛甲はニヤニヤ笑いながら、ケーキの横にある包装紙の間から赤いリボンを取り出した。暗闇でようやく目が慣れてきたが、奴め、ソファーから降りて俺ににじり寄ると、事もあろうか股間に手を伸ばしてきた。
「もしもーし。愛甲くーん。何をしているのかなー?」
 ああああ、何かジッパー下ろされているんですけど?股間がすーすー、
「って触ってんじゃねーよ。ホモかっ」
 ずるりと息子が外に引っ張られる。縮こまっているそれに、奴がリボンを巻いていく。
「こらこらこら。ずいぶん積極的だな、おい」
 俺が慌てていると、力強い手で肩を押されて押し倒される。待て待て待てぇ!
「なんか今日はすっげえムラムラする。お前でもいいからすっきりしてぇんだよ。協力しろ」
 きょ、協力はするがこの体勢は何だ。俺をやる気か?しかしお前のその顔は俺にメロメロになっている時の顔だな。つまり雄の顔じゃない。
 人差し指で唇を撫でてやると、奴は遠慮なしに舌を絡めてきた。もちろん目は俺を見詰めたまま。エロい。エロすぎる。なんだこのエロ男は。雄なのにフェロモン出しやがって。ところがどっこい、俺のほうが臨戦態勢に入ってないんだよ。あ、こういう時こそ。
「例のおもちゃ、使ってみないか?」
 んっ、と愛甲は鼻から声を出しながら俺の指を解放すると、四つんばいになってベッドルームまで取りにいった。しかしベッドの下に手を伸ばさず、サイドテーブルに置いてあった飾りの一つを手にとって戻ってきた。スカイブルーのグラデーションをしたソフトクリーム形のもの。そしてローションと一緒に俺の目の前に差し出してくる。
「え?」と俺は混乱した。よく見れば確かにスイッチらしいものもある。いやいや、これってさ、どう見てもオシャレなランプかな?ぐらいなものだろう。誰が堂々とバイブを立てかけておく男がいる。
「お前で反省したんだ」
「は?」
「隠すから皆に探される。堂々としとけば誰もそうだとは思わない。違うか?」
 そうかもしれないが。ヒヤヒヤしないのかね、女の子があれこれ見たりしてて。
 俺はそう思ったが、目の前で愛甲がスイッチをいれて隠微な震えが目の前に展開されると、どうでもよくなってしまった。
「あ、ああっ、いぃ、もっと奥まで入れてくれ」
 裸で四つんばいにさせて後ろからバイブを入れてやると、愛甲は嬌声を上げた。あー、この感じ、前に遊んだ時と同じだな。すごくイヤらしい声。遠慮なしにそそり立った奴の一物からはもう先走りが糸を引いて垂れている。突っ張った手足は痙攣し、奴の形のいい締まった尻は、その青い適度に柔らかいそれをどんどんと飲み込んでいく。
「いい、そこ。すごい。あああ、やっぱりバイブはいいな、すごくクる」
 うっとりと快感に酔いしれた愛甲には俺の存在は映っているのかね。と俺が少し引いていると、ふいに奴がこちらに顔を向けた。潤んだ瞳。充血している。まあ誕生日だし、楽しそうでなにより、と笑いを返してやると、愛甲は少し眉を寄せた。そして急に四つん這いから仰向けになった。勿論バイブを尻に咥えたままだ。片足を上げて、わざと俺に見せつけながら、奴はそそり立った股間に手を添えて息を荒げた。舌を出して誘うように唇を舐める。
「いっ、いっってぇぇ」
 俺は悲鳴を上げた。一瞬何が起こったのか分からなかった。しかしすぐに状況を把握する。息子にぐるぐる巻きにされたリボンが締まったのだ。いや、俺の息子がでかくなったのか。
「ようやくその気になったな。真面目に俺と遊ばないからそういう目に合う」
 ニヤと馬鹿にした笑いを浮かべた愛甲に苦笑いを返すと、俺はリボンを解いた。片結びにされなかっただけ感謝すべきか?
「お前の方こそ一人で楽しみやがって」
「何を言ってる。今日は誕生日だぞ。ホストが楽しんで何が悪い?」
 俺はいつもの人をくった様な笑いをした愛甲が愛しくて、奴の上に圧し掛かると、しゃぶりつくように唇を堪能することにした。リモコンでバイブの強弱をつけながらキスをしていると、鼻だけで甘い声を上げてくる。
 唇を離せば、「ぁはぁああっ」と酸素を欲する声と嬌声がこだまする。俺は跨いだまま、ようやく服を脱いだ。愛甲に即されて下も脱ぐ。奴の一物からは、一度イッたんじゃないかというくらい精液が出ていたが、まだビンビンに上を向いていた。
「触るなよ、爆発するから」
「すればいいじゃん」
「もっと楽しみたい」
「そうだな。今度は俺も楽しみたい」
 俺は押し倒したまま、奥まで埋まったバイブを手に掛けた。ずる、と引っ張っていくと、その度に愛甲は切ない声を上げた。
「ああっ、すれて、いいところにぃっ、高嶋ぁ、抜くな、抜くなって」
 目を閉じて震える男は本当にイケメンで、そんな男が素直に俺に身体を委ねるところがまた俺の心を揺さぶってくれる。お前はホントずるい奴だよ。誰にでもいい顔をして、誰にでも好かれるんだから。
 バイブを抜き取ると、愛甲は名残惜しそうに放心した顔をした。そんなところに俺は自分の一物をぶち込む。急にだ。遠慮もなく根元まで。
「ぅ、ああああっ、お、おおきいっ、く、っう、少しは、加減しろ」
「イヤだね」
 あんなオモチャに負けてたまるか、と対抗した俺は馬鹿ですか。ああそうですね。
「は、ぁ、あっ、あっ、あっ」
 リズミカルに腰を振ると、柔らかい愛甲の蕾がめくれて俺の一物に絡みついてくる。背中に回された手がデカいし、力強い。弓なりになっている腰周りは贅肉がないし、腹筋だって割れてるし。ああ、まずい。俺は幸せすぎて眩暈がした。快感ってだけじゃなくて、なんというかこいつが俺を受け入れて喜んでいる姿がまた。
「ああ、す、」と思わずとち狂ったことを言いそうになった俺を遮るように、奴の唇が俺の口を塞いできた。俺は口の中で「きだ」と続きを唱え、腰のピッチを上げた。
「ん、ん、んぅう」
 キスで口が塞がっていた唇が、酸素を欲して外れてしまう。
「はぁっ、はあっ、あっ、ふかい、ん、っ、そこっ、あああ、いくっ、いっちゃ、ああああっ」
 愛甲は絶頂を迎えた。びゅくびゅくと大量の精液が俺の腹を濡らし、俺もまた抱きしめられたまま奴の中でイった。信じられないくらいの快感だった。気だるい中で奴と目を合わせると、心なしか照れているようで、こいつは俺の「す」の続きが何なのか気づいたのだろうかと思ったが、
「あぁあ、すごかった。やっぱりアナルはいい」
と、童貞を卒業した少年のように言ったので、気のせいだったようだ。ま、言わなくてよかったよ。ホント。俺たちホモじゃないし、好きな女だっているし?こんな関係も長く続くわけないし?
 そんなことを思っていると、愛甲が急に唇を寄せてきた。もう少しで触れる、というところで奴は意味深に笑い「す」とだけ言う。そしてキスをしてきて、もごもごと俺の口中で何かを言った。
 これはもしかして。
「もしかして、寿司が喰いたい、のか?」
「正解。動いたら腹減ったわ、出前頼もうぜ。トロ十貫といくら十貫な」
 愛甲は笑いながら俺の下から抜け出すと、尻から精液をこぼしながらバスルームに向おうとする。
「痛風になるぞ」
 俺が呆れながらモデル張りの背中に言うと、奴は後ろ手にバスルームのドアを閉めるところだった。
「お前が馬鹿なことを言うよりマシさ」

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