再生にはQuickTime3.0以上が必要です |
カメラを一定の角度で少しずつ回転させてシャッターを押しながら360度ぐるりと撮影します。撮影には本来三脚を使用することになっています。三脚の水平回転軸の中心とカメラのレンズの焦点をぴったり合わせてカメラを固定するのが理想です。さらに回転角度も正確に計りながら撮影を行ったほうがいいみたいです。しかしこのような仕様を満たすには三脚の改造が必要ですし、三脚をわざわざ持ち歩くのも大げさですよね。面倒なので手持ちで撮影することにします(笑)。
手持ちで撮影する場合、回転角度など測りようもないので、シャッターを押す際にファインダーから見える景色の左端(または右端)になにか目印を決めて、次の位置を写す際にその目印がある程度オーバーラップするようにして順に写してきます。なるべくオーバーラップする部分を多くとって、小さい角度でたくさんの枚数をとったほうが、最終的に画像のつなぎあわせ部分がより自然になります。そのことからもカメラを縦位置でかまえたほうがいいかもしれません。またホワイトバランスを固定できるデジカメの場合オートではなく固定で撮影しましょう。これにより各画像の色合いのバラツキを最小限に抑えることが出来ます。
さて、たいていのデジカメは普通のファインダーと液晶ファインダーがついてますね。液晶ファインダーを使う場合はどうしても腕を少し伸ばしてカメラを体から離した状態で撮ることになります。その状態で体を回すと、体の回転中心から離れた位置でカメラを振り回すことになり、理想からかなりかけ離れた状態になります。そこで考えました。まずカメラのレンズ付近からおもりをつけた糸を垂らします。地面には回転中心の目印として石ころでも置いておきましょう。デジカメから吊したおもりと地面の目印が触れるか触れないかの高さと位置を保ちながら、あくまでもデジカメを中心に、体のほうをぐるりと回転させます。
なお、最終的に作成するムービーは320×240ドット程度なので、デジカメの撮影モードはVGA(640×480ドット)程度で十分でしょう。
ズーム付きデジカメを使い広角側で撮影すると、撮影画像が全体に「たる型」に歪む場合が多いようです。今回使ったC-900ZOOMも結構歪みが大きいです。このままでは画像をつなぎ合わせた箇所が不自然になってしまいます。まず画像毎にこの歪みを補正しておきましょう。なお、この球面フィルタを用いた補正テクニックは、少し前の日経MACの記事で紹介されていたものです。
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準備した画像を全部横一直線につなぎ合わせて、超ワイドパノラマ画像を作ります。この画像のつなぎ合わせが一番根気のいる作業です。例えば画像が9枚あったとして、1と2をつなぎ、それに3をつないで…と順番につないでいったとします。接合部が不自然にならないように細心の注意を払い、傾けたり、変形させたりと悪戦苦闘しながらなんとか1から9までなんとかスムーズにつながったとします。ここであなたは衝撃の事実の前に唖然して言葉をなくすでしょう(笑)。そうです、1から9までの間でいろんな誤差が積み重なって9から1へ戻る部分のつなぎ目が全く合わないのです。だいたい超横長パノラマ画像の両端がスムーズにつながるようにするにはどう作業すればよいのだろう?と頭をかかえてしまいました。そこで考えたのは、1の画像を真ん中付近で2つに分割してパノラマ画像の両端に配置する方法です。もともと一つの画像だったのですからぴったりつながるのは当然です。その手順を紹介します。
位置はぴったりと合わせたのに、画像のつなぎ目がまる見えなのは各画像の撮影時の露出が微妙に違うからです。こんな時は「イメージ」→「色調補正」→「レベル補正...」を使います。プレビューを見ながらレベル補正の中間調のスライダを左右に動かしてみて、最も境目が目立たなくなったところで止めます。色あわせの基準は2つに割って両端に配置した1枚目の画像です。この画像はいじらずに、他の画像をこれにあわせていきます。
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以上で画像のつなぎ合わせは完了しました。レイヤーを統合して、画像の周りの余分な余白を取り除くために、切り抜き(トリミング)を行います。トリミング後、適当にレタッチを施したい人は満足のいくまでレタッチして画像の見栄えを良くして下さい。次に「イメージ」→「画像解像度...」を選択して、現在の画像サイズを見て下さい。偶然でも幅が96の倍数、高さが4の倍数になっていた人はラッキーです。そうでない人はそのように合わせなければなりません。画像解像度のダイアログボックスに現在表示されている幅の値をいったん96で割って、小数点を切り捨てた後再度96をかけて、その値をダイアログボックスに入力します。高さは自動的に計算されてしまうので4の倍数になっていなくてもそのままにして、解像度を変更します。高さが4の倍数になっていない人は「イメージ」→「画像サイズ...」で高さが4の倍数になるように数値を入力します。当然画像の上下が数ドット切り取られてしまいますが、これぐらい気にしない気にしない。
最後に画像全体を90度反時計回りに回転させて、JpegまたはPICTで保存します。これで前処理は完了です。
まずアップルのサイトからQTVR Make Panorama 2をダウンロードしましょう。起動したら先ほど保存した画像を読み込みます。すると右図のような設定画面になるのでムービーのサイズと圧縮アルゴリズムを指定して[Create]ボタンを押すだけです。画像と同じフォルダに目的の「画像ファイル名.mov」ができあがっているはずです。これで完成です!!