スミラン諸島滞在記2001(3) 2002/9/28

             

 

      ダイビング初日、1本目のチェックダイブは7時50分にエントリー。

    場所は「Snapper Alley」という所で、「マーレウエスト」からの

    エントリーだ。

    朝が早い為か、他の船は一隻もいないので海はとても綺麗で魚も豊富である。

    海底は白い砂で、サンゴの状態はとても良く綺麗だった。

    最初のブリーフィングで「グローブ装着禁止」と言われた時は、鋭いサンゴで

    怪我したら「やだなぁ」とかマイナスの事ばかり考えていたけど、この綺麗で

    状態の良いサンゴを見た時は、胸につっかえていた物がスコーンと取れた。

    まぁ、中性浮力が出来れば問題ないのだけど、流れがある場所で大物待ちを

    した時は大変である。

    体をホールドする為に手を全部使ってしまうと、すぐサンゴで怪我を

    していまうので、ピアノを弾くみたいに指先を立てしかも指にかなりの力を

    入れて体を抑えなければならなかったのが大変でした。(しかも片手で)

 

    1本目は、ドロップオフもなく浅いポイントなので、21世紀初海外ダイビング

    を落ち着いて楽しむ事が出来た。

    魚もインド洋固有種の「パウダーブルーサージョンフィッシュ」

    「コラーレバラフタイフィッシュ」「トマトクラウンアネモネフィッシュ」など

    沢山の魚を見ることが出来た。

    あと、ダイバーにおなじみの「タテジマキンチャクダイ」のインド洋型も

    初めて見た時はビデオを撮る為に、長時間「タテキン」と戯れたのを覚えている。

    1本目の最後には1000匹以上のタカサゴの群れと10分位遊ぶ事が出来たので

    とても良かった。

    1本目から「幸先いいぞ!」なんて思っていたら、とんだ大失敗を

    することになるとはその時は知る由もなかった。

    (なんかドラマ「ホテル」のセリフみたいです)

 

    2本目が終わって、水面でテンダーボートを待っていた時の事だ。

    手持ちのビデオカメラをフックに引っ掛けていたつもりが、

    フックに掛かってなくて手を離した瞬間に大事にしていたビデオは

    あっという間に水底に落ちていってしまったのである。

    その時に頭が真っ白になった事もあり、一瞬、現在の状況を理解するのに

    5秒近くかかった。

    その後、僕は「ア〜ッ〜!!!」とちょっと大きい声で叫んだいた。

    皆から「どうしたの?」の言葉、「ビデオを落としてしまったんです。

    どうしよう」半分泣きそうな(冗談)私に「先に戻っていて下さい、

    自分が探しに行きますから」と頼りある言葉を掛けてくれたのは

    僕のグループガイドであり、同部屋の「Mさん」だった。

    幸い、本船も近くに来ていたので、Mさんは、そのまま海に潜っていった。

    ゲスト全員がエキジットして、船で待つ事約5分間、Mさんが約150メートル

    前方で僕のビデオカメラを両手で広げ、エキジットして来た。

    まさに、その光景は「宝探しのドキュメント番組」を見ているようで、

    すごく感動したことを今でも鮮明に覚えている。

 

    「Mさん」は拍手で本船に迎えられ、最初の一言は「気を付けて下さいね!」

    僕は「ありがとう本当にすみません、3度目は絶対にしないように注意します」

    Mさんは「初めてじゃないんですか?」と聞いてきた。

    実は、スミランの約半年前にパラオで似たような事をやっているんです。

    水深10メートルの所にビデオを置いたまま、エキジットしそうになった事が

    あります。

    船に戻ろうとしている時に、途中でビデオを水底に置いてきたのを思い出し、

    情けなく、再度水底に戻った事がある。

    

    その後のログ付けの時は、ゲストの皆さんにビデオの事でログブックに落書き

    され、話が盛り上がりました。(苦笑)

    Mさんは今でも自分のビデオカメラを見るたびに「あ、僕のビデオ」なんて

    冗談を言ってきます。

    結局、落としたビデオは約25メートルの所にあったようで、ハウジングが頑丈

    なのが幸いして、ビデオカメラは全く壊れている所はありませんでした。

    その後、3度目のビデオ紛失はやっていません。(念のため)

    

    ダイビング初日の3本目は、流れが強い「クリスマスポイント」そして

    21世紀最初のナイトダイビングを「ムーリング・ロック」で迎える事が

    出来ました。

    初めてのダイビング・クルーズ生活も無事に?2日目が終わり

    「食べて、潜って、休む」この繰り返しの生活が「すごく贅沢な時間だなぁ」と

    実感しました。

    さぁ、また潜って頑張るぞ〜。

                                 続く

 

                    Next       Menu