アテルイ感想
劇団☆新感線・松竹
新橋演舞場
2002.8.6昼公演
飛連通(ひれんつう) 髪の毛は地毛でしたね。この、この後れ毛さらさら感がたまりません。切れ目の入っていた鮭は誰が切るのかと思っていれば(笑)。翔連通との仲はどの程度のものだったのかすごく、すごく気に(以下略)
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※ネタばれを大量に含みます。これから見る方はご注意ください。
 新感線観劇もようよう4回目になりました。今回も長いですよ(笑)。
 とにかくものすごく暑かったんです、当日。溶けかけつつ初めての新橋演舞場へ。相変わらず客層が気になる私ですが、今回はおじいちゃんおばあちゃんや年配のご婦人などがやたら目立ちます。さすが新橋演舞場。ついでに劇場側職員も年配です。大丈夫かな?と思いつつ席へ。やたら補助席があるのは両花道にして座席が減ったせいでしょうか。私どもの席は真中へんの3列目というすばらしい位置。パンフ読んでわかりましたが私たちの席って川の中だったんですね(笑)。
 さて内容ですが、非常によかったです。いつになく複雑な話ですがとっても面白かった。
 まず、二枚目二人主役というのは見ごたえがありました。(女として!(笑))新感線本公演ではあり得ない図柄です(笑)。『北の狼、都の虎』って、だからわからねえよ一部の年代にしか!(笑)
 そめごろーさんは「阿修羅城」の時より軽味があって安心(あれを目の前で3時間見たら疲れるだろうなーっと思っていたんです(笑))。当たり前だけど見得も決まるしかっこいいです。堤真一は、私わりと好きかもしれません。立ちまわりに入るところの、がに股でグーッと下がるとことか、足が長くないとできない所業<別に劇団の人たちの足が(以下略)ふたりのキャラの関係はかなり業深いのに、ホモにならないところが新感線です。中島さんとかいのうえさんとか、あんまり『男の友情』とか好きじゃないっぽいところが好き(笑)。最後のふたりの立ちまわりは楽しそうでしたが、実はどの立ちまわりより早くて激しかったですよね。すごい。ふたりが、両花道のあっちとこっちで台詞の掛け合いをするところがあるのですが、その間の席の(川底の(笑))客の頭がテニスの観客状態に(笑)でも、私たちの席は、舞台を見るにも花道見るにも一番いい席だった気がします。近い近い。
 水野美紀は綺麗だったしアクションもかなり本格な感じだったけど、台詞が弱いですね。声が小さいというかな。西牟田恵はちっちゃくて可愛く、かつ声がかっこよくてよかった。西牟田さん見る度に印象が違います。「天保」ではおばさんだったのに「幽霊はここにいる」ではふつーのお嬢さんで、今回はすごくちっちゃいし。これが舞台の女優さんてことでしょうか。植本潤はやはり着物の動作や九字を切る動きなんかがきれいです。渡辺いっけいさんは頭でかっ!こんなにでかかったっけ…?ちょっとびっくりです;最後の、よし子さんとのコンビのポーズはかっこよかったな。
 びっくりといえば今回歌詞のついた歌が一曲だけなんです。右近さんぐらいは歌うかと思ったけどついに誰も歌わなかった…。新しい試みでしょうか。まあ、3時間の芝居に歌がいっぱいつくと3時間半になってしまいますが、もう一曲くらいあってもいいような気が。(河野さんが海はしーにまーすか、オレはどーうでーすかって歌ってましたが(笑)その後100番100番ともつぶやいていた)それともCDの発売が遅れていたし、もしかしてまだ歌ができてないとか?この先日を追ってちょっと増えたりしない?(しないしない)
 右近さんは歌はなくとも気持ち悪さで存在感を発揮。私の席は、右近さんの怖さもよく見えましたが、花道向こうの席などでは全然わからなかったのでは?という気がします。じゅんさんはもの凄く分けの判らないアドリブをたくさんしていて(笑)いいのか?と思うくらい。主役が舞台真中で笑っちゃってるし。熊の中身は誰だったのかなー。猿の中身は前田さんだと思うんですが。よし子さんも相変わらず面白かったです。エマさんとさとみさんも活躍。新感線では女性は活躍するほどタイヘンですね;捨て身っていうか…なんかさとみちゃんのメイクが熊谷真美に似ていた気がするんですが、ワザと…?
 そんで問題の粟根さんですが。<粟根さんのことは書く分量と心の持ちようが違うので分けて書かねばならないのです(笑)
飛連通。この名前かわいいよね。立場的には天鷹将軍と同じ。轟天3以来の川原さんとのコンビです。思ったよりずっと出番も多くて立ちまわりもふんだん(いつもこんなこと書いてるようですが、今回メインは客演の人が全部やってるわけだし一部のチラシには名前も無かったんですよ)。スサノオに続いて休み無しの活躍です。お陰でいい感じにやつれてもう背中とかうっすらしちゃってハアハア(落ち着け)デカい堤真一と逞しい河原さんと一緒に現れるのでちっちゃ細さが強調されて、すでに健気な感じさえ漂ってます。儚げにならないように気をつけてほしい。
 なんかね、なんかもう今回すっごくかわいいんですよ〜。表情がちゃんと見えたせいもあるとは思うんですが。オタク的キャラも加味されてはいるしお笑いもちゃんと担っているんですが、私のツボにズッポシくるフツウの人なの〜v
穿ちの錐造に非常に近い造詣です。今後新感線での粟根さんの新しい持ちスタンスになるのかもしれません。嬉しい…。相方より弱いのに相方の仇を取りにいくなんか最高です。田村麻呂にそう言われてるシーンの目の表情の変化がすごく良かったんですよ。見抜かれてびっくりした表情からちょっと動揺して、それからジワッと胆の据わった目になっていくんです。やはり近い席はいい!高いだけのことはある!最後の台詞は「『蝦夷飛翔の舞』と名づけるが、よろしいか?」でした。飛鳥とも飛蝶とも聞こえるけどあえて自分の名の一字と翔連通の一字を取って飛翔かしらと。穿ちすぎ?ていうか萌えすぎですか。そしてやっぱり死んで行く…。なんか私このキャラすごい好きかもしれません。粟根さんキャラベスト5に変動が。
 じゅんさんがアドリブをやってるときに、笑っちゃってる堤真一の後ろで堪えてる粟根さんがステキvカーテンコールではそのじゅんさんと一緒に出てきて、引っ込む時に一瞬目が合ってちょっとだけ笑っちゃってたのがハアハア、ハアハアこのヘンにしときます…。 
 舞台装置が、回ってさらに上下するのでそれ見てるだけですでに面白かったというか。セリだのスッポンだのいろいろあって楽しいですね。なんだかすごく場面が多かった気もします。ねぶたは斜めの舞台の低い方の人が明らかに負担が多くて気の毒な気がしましたが(笑)。でも、雪の表現はもっと何かあったんじゃないかと思います。幕に映すのも綺麗でしたけどね。これは後ろの方の席と見え方が違うのかもしれません。もう一回別の席で見たいな…。
 そんなわけで私は非常に面白かったです。真剣にもう一度見ることを画策しています。コミケ後にそんな体力あるのかって話ですが、なんとか!
 そして新橋演舞場という劇場自体が面白かったです。大劇場ってこういうものなんだー。だから高いのか?妙に場内が明るいのが不思議。上演中にパンフが読めるぐらい明るい。そして、花道を振り仰ぐとそこに立つ人の頭上に提灯が…(笑)。なんか微妙におかしいんだけどかっこいいみたいな。そういえば私の隣の席のおじさんは新感線芝居は初めてらしく、(きっと新橋演舞場友の会とかそういうのがあるに違いない)途中で「これはコメデイーなのか…?」とか、救急車を見て「なんだあれはっ!?」とか、かなり大きい声でつぶやいてて可笑しかったです。きっと場内中のご年配の方々が同じコトを思っていたことでしょう(笑)。そんなことで、終わりです。

追記:パンフの堤真一の紹介文、古田新太が書いてるんですが、その肩書きが「友達」なの。この人は芝居とかオンナとかだけでなく、人の心に作用する力を操る才能があるんだなと思いました。




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