お話:史さん ・ 絵:ぽっと
大きな森の奥に
小さな小さな原っぱがありました。
そこには大きな切り株がひとつありました。
その切り株の上に丸くて小さい
とっても可愛らしいティーポットがおいてありました。
そのティーポットは、森の動物達に「ぽっとさん」と呼ばれていました。
それは本当に不思議なティーポットでした。
森に住んでいる動物達がぽっとさんのところにカップを持ってくると
あら、不思議
ぽっとさんの中に、ひとりでにおいしいお茶が沸いてくるのです。
それも、そのお茶はその動物にぴったりの、お茶なのでした。
例えば、熱いのが苦手なクマには、ぬるめのハチミツ味のお茶。
のどが痛いなぁと思っていたキツネには、かりんの木の実のお茶。
夜眠れないというオオカミには
飲んでいるうちになんだか眠たくなってしまう
ジャスミンの香りのお茶という具合です。
動物達みんなは
ぽっとさんの笑顔を見ながらおいしいお茶を飲み
心も身体もとってもいい気分になって
家に帰っていくのでした。
いつもぽっとさんのところには
たくさんの動物達が集まりみんな仲良しでした。
ぽっとさんはみんなの人気者でした。