メール紹介
☆ミキサーの件
いつもお世話になっております。鹿児島の松山です。
遅くなりましたが、上期研修会で質問がありましたミキサーについて、補足情報をお送りいたします。
12本立てのミキサーの概略図です。(単位はミリ)(下手ですみません)
一度に2本までのオンなら、減衰しないつくりになっています。(出力はモノラルです)
ボックスタイプのアルカリ電池1個を内臓し、ミキサー右面のスイッチでオン・オフを切り替えます。
オンの場合、スイッチ上部の赤ランプが点灯します。
なお、スイッチの隣にあるものは、内部で電池の銅線をとめるためのビスです。
ミキサーは、複数個を連結して使うこともできます。
手前の面と奥の面に、マイクからの線を差し込みます。ミニジャック用の差し込み口です。
出力口から録音機へは、抵抗なしのケーブル(ミニジャック・モノラル)でつなぎます。複数のミキサーを連結する際も同様です。
出力の差し込み口について、それまではミキサー左面につくっていたのですが、このミキサーではマイクの差し込み口と同じ面に並べました。
手前の面と奥の面、合計2つあります。通常は、奥の面の出力口を使用しています。
特に複数のミキサーを連結する際、このほうがすっきりとつながりますし、並べたミキサー同士の間隔も少なくてすみます。
ただ、上面は6本のスイッチなのに対し、差し込み面には7つの差し込み口があるので、誤って出力の差し込み口にマイクケーブルをつながないよう、注意と慣れが必要です。
上面の番号と差し込み面の番号を確認しながら作業しています。
なお、出力の差し込み口は、マイクの差し込み口と間違わないように赤シールで囲っています。
出力口は合計2つですが、一度に2つ使用すると、若干減衰します。使用は1つにして、片方は予備と考えたほうがよいと思います。
一番下の図は裏ぶたです。中央に2つあるのは、電池ボックスをとめているビスです。
四隅の丸印は足になりますが、頭が白色のねじを使用しています。実は、事務所などの天井蛍光灯に使われているものを利用しているとのことで、在庫が余りないとお聞きしたことがあります。
早目に注文するか、手持ちのミキサーを送ってつくってもらうとよいかもしれません。
上面のスイッチに使用する部品もいろいろ種類がありますよね。図では、出ている部分が約10ミリの軽いものが使われています。
アルミ?の円筒形で、余り音もしません。スイッチによっては、音がうるさいものや、操作するとき指が痛くなるもの、細過ぎて指にかかりにくいものなどがありますので、適したものをお選びください。
なお、ボックスタイプのアルカリ電池の場合、かなり長期間使用できます。使用しないときは外したほうがいいとはいうものの、頻繁に抜き差しすると電池との接続部品が傷みやすくなりますので、電池残量を確認しながら、ほどほどの節電がよさそうです。
参考:
16本立ての場合、縦100ミリ、横150ミリ、高さ50ミリのボックス使用
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株式会社 明昭堂(めいしょうどう)
パーツセンターテークワンを併設した電器店です。
表向きは機器製作はしていませんが、当方が依頼して製作していただいた方は清田(きよた)さんです。もう数年前になりますが……。
明昭堂に連絡して、「ミキサー製作者(修理者)を紹介してほしい。(松山から聞いて)清田さんにお願いしたいが、取り次いでもらえないか」
などというふうにおっしゃれば、割とスムーズにいくのではないかと思います。
〒892−8566
鹿児島県 鹿児島市 西千石町11−19
TEL: 099−225−2020
FAX: 099−225−2024
メール: info@meishodo.com
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以上です。少しはご参考になればよいのですが。
皆様が、よい機材でお仕事に臨めますよう、お祈りいたします。
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ご希望の方には原図を添付送信させていただきます。HP担当)
2012.8.22 兼子次生
9月2日には朝から第36回速記科学研究会、速記・言語科学研究会の合同研究会が名古屋市公会堂で開かれます。(幹事加古修一さん)
遠藤基資さんの日本語入力システム完成の報告、キャバという電子速記法をパソコンキーボードで入力できる「まりんば」開発を鈴木努さんが報告、京都府立大学の山口美知代先生が「シンガポール国会の議会記録」というテーマで報告されます。
遠藤さんのJPキー開発完了宣言は、はやとくん開発に続く文字書き機械化研究の総仕上げといったところです。
まりんばはステノタイプという高価な専用機を使わないで、パソコンからキャバという電子機械速記を手軽に使ってもらおうというねらいです。
親指シフトがしっかり根づいていますが、将来の文字書き機械化の姿が伺えると思います。
私は、若林カン蔵の最古の符号、経国美談後編の収録速記符号、怪談牡丹灯籠に掲載された速記符号と、田鎖系らしき清沢与十の「傍聴筆記新法独学」の速記符号、それから丸山平次郎の「ことば乃写真法」を比較したお話をしたいと思っています。
速記130年の記念行事が予定されています
2012.5.17
皆様、ことしは日本に速記が生まれてから130年になります。
大阪では、大阪芸術大学のご協力を得て、客員教授の旭堂南陵師の全面的なご支援をいただき、朝日放送の東隣にある堂島リバーフォーラム、芸大ほたるまちキャンパスにおいて、講談落語速記の分野の実演や講演、ディスカッションを予定しています。
第一部では約10分の南陵師匠の短い講談を、現代速記名人、大堀さんに手書き速記で書いていただき、それを皆様にごらんに入れたいと思います。大堀さんは直ちに反訳に入り、シンポジウムが終わるころには電子書籍として講談の速記本を世界へ発信するという趣向です。130年前、若林かん蔵が酒井と三遊亭円朝の怪談牡丹灯籠を速記して、翌週の土曜日、東京稗史出版社から発売された故事に対比させて、130年の進化をイメージしたいと思います。
また同じ講談をソクタイプのリアルタイムはやとくんで挑戦し、ライブ字幕をごらんにいれたいと考えています。チャレンジャーは安達さん。
この二つの速記、一つは大堀さんの伝統の速記、そしてもう一つは安達さんの21世紀
の速記をごらんいただき、絶え間なく進むイノベーションを示したいと思います。
南陵師は、講談落語速記本の収集家として有名ですが、その分析を博士論文にまとめて
、昨年1月に大阪芸術大学から博士号を授与されています。その研究の一端をお話いただき、また貴重なコレクションを見せていただきます。南陵師は大阪芸大の客員教授です。
円朝は速記によって有名になった。速記は円朝によって有名になったという話がありますが、実は速記本の前に、伊藤橋塘という方が講談を書いて出版していました。伊藤は速記本が大流行しても、こつこつと講談本を書き続けました。
その分野の研究者の宮脇真理子さん(明治大学)に速記本と書き本の絡み合いの中で、どのように講談が流行していたのか、おうかがいしたいと思います。
協会理事の三牧勉さんは、長年講談速記本の収集と大阪の速記者の伝統を調べています。
そんな彼の解説を皆さんへ紹介したいと思います。
会場発言で予定しているのが、スタジオジブリのPR誌、熱風で講談速記本のおもしろさを現在進行中で執筆中の山下泰平さんにもぜひご参加いただき、フロア発言で、講談本のおもしろさをぞんぶんにお話いただきたいと思います。
このような趣旨で、10月13日(土)午後2時から堂島リバーフォーラム2階の芸大
ほたるまちキャンパスで集いたいと思います。参加は無料です。速記の方、舞台演芸の
好きな方、国語、日本語学の研究者の皆さん、お誘いの上、ご参加くださいますよう、
ご案内申し上げます。
申し込みには、お名前、住所、電話・ファックス、メールアドレス、お勤め先、年齢などをお書きの上、兼子次生のアドレスへお知らせください。満員になり次第、締め切ります。
お近くの皆様へもどうぞお伝えいただきたく存じます。
速記130年記念シンポジウム
大阪実行委員会(委員長 兼子次生)bxd06051@nifty.com (兼子氏のアドレス)
「インテルステノの活動紹介」
インテルステノの活動をもう一つ明確に説明できていないことが長年の気がかりになっていました。
最近、リーフレットがあることを知り、事務局からデータを送っていただいて、翻訳し、ジャパングループの記述を加えました。
現在はつくったばかりです。だから、ワードのままにしています。
皆さん、間違いや補足などがありましたら、お知らせください。
一定期間を過ぎると、pdfにします。
どうぞよろしくお願いいたします。
2011.5.2 兼子次生
(・翻訳されたリーフレット内容をご覧になりたい方は「ひろば」トップのメールアドレスか、兼子さんにご連絡お願いします。ワード文書を添付送信させていただきます。 HP担当)
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皆様へ
インテルステノパリ会議の開催通知が来ました。
速記の競技、発表、交流、いろんな催しがあります。
ぜひご参加ください。
どうぞよろしくお願いします。
2011.4.14 兼子次生
Brief GA Paris 2011.pdf へのリンク
(ご覧になれない方は直接メールでどうぞ)↓
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海外の仲間からお見舞い続々
兼子 次生 2011/03/17(Thu)
日本の速記関係の皆さんやご家族、友人へ、 イタリア、中国、韓国の速記仲間から、
このたびの大震災のお見舞いのメールが来ています。
世界中の友だちから、私たちは今、温かい友情を送られていることに 幸せを感じます。希望と勇気を与えてくださる世界の友人に励まされて頑張らなければいけません。
被災地の被害を受けた皆さん、私たちは誇りをもって再起を目指しましょう。
何かできること、少しでもシェアしたいと思います。
どうぞよろしくお願いします。
再び感想 池田 達郎 2011.3.19 |
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兼子様
3月9日付「無題」で私の感想への感想を書いていただき、ありがとうございました。
現在から将来への速記展望ということで再び考えてみました。
●その1:速記タイプの利点と欠点
速記業務には速記タイプ(タイピングする電子機械速記のことをここではこう言わせていただきます。)を利用すべきだ、そのほうが「リアルタイム反訳」ができるし、速記の守備範囲もふえる。これを含めて速記という概念を再構築すべきだというような趣旨と承りました。
速記タイプは字幕付けや情報保障にも使える、したがって、活躍範囲が拡大するという論調ですが、まだ日本では料金的に合いません。社会的な土壌が固まれば、ペイするようになるのでしょうが……。
このことが解決されれば、速記タイプを習得しようとする人もふえるでしょう。その結果、「速記タイプも速記の一手段だ」ということになるでしょう。
速記も、録音も、復演(現場で手元の録音機に吹き込む)も、手段は何でもいいので、最終的な記録原稿さえできればいいというのは、おっしゃるとおりです。
速記タイプは、入力したものが即データ化されるという点は利点ですが、本当は校正という、もう1段階が必要ですね。そのため、4〜5人1組で行う。それなら4〜5倍の速記料でないと合いません。
正確に言うと、「リアルタイム反訳」ではないですね。入力、出力、ともに必ずタイムラグが生じます。本当の意味でのリアルタイムは、録音や音声認識でしょう。
速く打てるという意味で言うと、速記タイプ以外でもそれは可能です。普通のパソコンキーボードを使ってテレビの字幕付けをしている人(会社)もあります。
広い意味での「リアルタイム反訳」なら、その日の会議が終わった時点の1〜2時間後に反訳原稿を納めることをやっている速記会社は、幾つもあります。これは速記タイプを使わずにやっているのですが、使っても使わなくてもできます。
これもイノベーションだと言えば言えるでしょう。
タイプを打つということは、両手がふさがることを意味します。これは会議現場では意外に大きな欠点です。そのため、複数の人手が要るからです。
速記符号は、片手で書けるので、もう一方の手で録音操作や資料点検などができます。
ステンチュラ(速記タイプ)の導入当初、私はこのことを指摘しましたが、兼子さんは「片手でも打てるソフトがそのうちできる」というお答えでした。
しかし、いまだに実現していません。
ステンチュラは1台65万円という金額と、習得期間2年という、お金と時間の二重の投資が必要です。
「発言記録作成の業界に入りたいので、速記タイプの習得を始めたい」という人に対しては、その願望は尊いのですが、この二重投資についてちゃんと説明し、その習得率(学習成功率がかなり低い)とともに、あらかじめ了解してもらう必要があります。
速記タイプは国産ではないので、メンテナンスが心配です。特急反訳で締切が迫っているとき、機械が故障すると、どうなるのでしょうか。
以上のようなプラス・マイナスを考え、かつ、来るべき音声認識(100%完全でなくても)の時代を考えると、「これからの速記者(記録者)は速記タイプを使うべきだ」とは、簡単には言えないと思います。
衆参でも、速記タイプは使っていません。
とはいえ、以上の困難を乗り越え、速記タイプを実用化した同業者を、私は深く尊敬しています。
●その2:速記業・記録業について
私たち速記を生業とする者は、常に顧客の役に立ちたいと思って仕事をしています。
ですから、会議場でビデオを撮るとか、カメラで写すとかは、録音の弱点を補うためだそうですが、顧客や出席者が嫌がるので、普通はそういうことはしません。
録音さえ、顧客の本音としては、してほしくないのです。(邪魔だとか、設置・撤収に余計な時間を取られるとか)
私は長年の経験から、「録音は完全には録れない」と思っています。マイクが1メートル以上離れただけで、もう不鮮明な録音になります。
ワイヤレスマイクを係員が差し出しても使ってくれないとか、1人1本の備え付けのマイクでも担当者のスイッチングが遅れるとか、そもそもアンプ自体が故障していたとか、トラブルはしょっちゅう起きます。
出席者が500人いる会場では、完全な録音はできないと思ったほうがいいです。
世間には「録音は完全に入るもの」という誤解があります。「録音は不完全。難しい」と実感した顧客が「速記者」または「現場で記録できる人」に依頼してきます。
民主主義の根幹である発言記録の作成には、「録音の不備を何とかして埋める」手段が、ぜひとも必要です。
その手段として、速記符号や、復演や、速記タイプが考えられますが、速記タイプは前述のような欠点があるので、私は速記符号を使っています。
別にこだわっているわけではなく、結果的にこれがいいから使っているだけです。
録音が入っていない箇所を中心に速記していますので、「速記と録音の共同作業」です。速記が好きだから嫌いだからという次元の話ではありません。
●その3:若干の反論
■「人間にしかない技術だから速記が必要」とは私は言っていません。これからのIT時代には、ある人の言葉を借りると、「特技よりも普通技が必要」ということです。「人間性」というような、大きな意味です。
■「今から速記符号を覚えても就職上の魅力はほとんどなくなった現在、速記という言葉にいつまでもとらわれていては、社会の現実から取り残されてしまう」と言われましたが、「速記」を「電子機械速記」に置き換えても同じことでしょう。
「電子機械速記」も、いずれほかの技術にとってかわられるからです。
例えば、「録音しているのに、なんでわざわざ速記をしているのだ」と今まで言われてきましたが、今度は「音声認識があるのに、なんでわざわざタイプを打っているのだ」と言われる時代が来るかもしれません。
速記タイプも習得期間が2年かかります。「2年かけて、果たしてどのくらい収入があるのか」と聞かれて、自信を持って「就職上の魅力はある」と答えられますか。
また、「2年後にもその技術は有用ですか」と聞かれると、日進月歩の現代では、見当がつかないというのが本当のところでしょう。
今すべきことは、我々にとってペイできる社会をつくっておくことです。
かつて、ワープロが登場したとき、「これからの速記者はワープロだ」と言って普及を呼びかけた人がいました。それはそれで正しかったのですが、安売り競争が進んだというマイナス面が生まれました。
速記者が卑下して、自分から値段を下げるようなことをしているから、市場を構築できないのです。だから、私は「速記者は自信を持とう」と言っています。サラリーマンも、賃上げを求めるときは団結します。
仮に速記タイプで供給がふえると、価格が下落するのは経済原則から言ってあり得ることです。ワープロの安売りの二の舞にならないように、速記者同士の団結が必要です。
■「左手のタッチタイプで超高速で打てる若者文化の中に手書き速記は経済合理性を主張できるでしょうか」。
速記タイプも手書き速記も同じことです。2年間の苦しい修行を、大抵の若者は敬遠するでしょう。
一方で、漢字検定は喜んで受けています。漢字を学んでも給料がふえるわけではないし(ごく一部の企業を除いて)、漢字を教えて報酬を得るわけでもないので、他人から見て経済合理性はありません。
なぜ受けるか。漢字検定にはゲーム性があるからです。それを受験者は楽しんでいるのだろうと私は推測しています。
速記符号もゲーム感覚で教えたり、覚えたりすればいいと私はかねてから主張しています。生業としての速記ではなく、自分用の速記として。
難しい日本語(漢字も含めて)を、あるアメリカ人タレントはゲーム感覚で覚えたと言っていました。ただ「難しい」だけで済ませずに、もっと自由な広い発想が必要です。
国字(漢字、仮名)は不規則にできているから、だれも覚えるのが大変でした。それに比べて速記符号は規則的にできているので、覚えやすいはずです。
日常のメモ程度のために速記符号を覚えるかどうか、覚えた技術を使ってみてプラスと思うかどうか、すべてその人の価値判断です。漢字を覚えて、楽しいとか、人生が充実したと本人は思っている、というのと同じことです。他人からはおしはかれません。
■「速記者が速記の仕事をするとき、速記符号の筆記能力はあってもいいが、聞く力、書く力、それらが普通の人の数倍は経験上優れているという点をウリにしないといけないと思うのです。」
「数倍」とは何倍ですか。それはどのようにして計測するのですか。科学的根拠がないと、世間を説得できません。
●お願い:兼子さんは、ある講演で「アメリカの速記者は反訳文の著作権を持っている」と言われました。それについて「日本の速記」にでも詳しく書いていただけないでしょうか。
かつて、東速ではこれが問題になり、法律事務所へ説明を聞きに行ったことがありました。速記者全体にとって重要な問題ですから、説明していただけるとありがたいです。よろしくお願いいたします。
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無題
兼子次生 2011/03/09(Wed)
以前ある方から感想が寄せられていたのですが、なかなか書くことができなくて気になっていました。
リアルタイム反訳の一手法として電子機械速記があるという話でした。「それは速記タイプのことか」という確認でしたが、速記タイプは昔使っていた「ソクタイプを意味する言葉」ですから、違いますね。電子機械速記は、速記符号が電子回路で解読、翻訳できるような機能を加えられています。音声認識は速記符号を用いませんから、厳密には電子機械速記ではありません。
電子機械速記では、一番早く企業化されたのがミニット350(現在の名称はスピードワープロ)です。ソクタイプは機械速記のレベルですね。その後、速記符号を機械反訳するためのはやとくんが開発され、それから自動機械反訳するリアルへも進化してきました。
ちなみに、中国、韓国での電子機械速記は、民間企業が事業として経営しているので、国会や裁判所だけの話ではありません。この点を誤解しないでくださいね。ハイテクは市場を創造する機能も備えているのです。
将来速記者は「記録総合管理士」として生き残る道があると書かれていますが、ISOに基づく記録管理士が既にあるので、このような進路は速記者が目指してもいかがなものでしょうか。つまり、以前から提案しているのですが、記録管理が法律で規定され、資格となっているのに、その記録を作成する工程が全然話題にも上らないのはおかしいのではありませんか。
会議録、発言記録は手段は何でもいいので、速記でもいいし、テープ起こしでもいいし、音声認識でもいいと思います。
速記者がもしこの方面に生き残りをかけるのであれば、ICT以外の技術もあわせ持つというのは、そのようにありたいですね。
(人間にしかない技術)という表現は、私が考えるに「言葉を操る技能」「文章を扱う技能」ではないでしょうか。しかし、そういう表現では、普通の人は当たり前のこと、だから速記が要るという話にはならないと思うでしょう。
速記者が速記の仕事をするとき、速記符号の筆記能力はあってもいいが、聞く力、書く力、それらが普通の人の数倍は経験上優れているという点をウリにしないといけないと思うのです。
今から速記符号を覚えて、会議録を作成しようとしても、就職上の魅力はほとんどなくなった現在、「速記」という言葉にいつまでもとらわれていては、社会の現実から取り残されてしまうように感じます。
感想を書かれた方が速記という希少な技能をもって生業とされているので、どうしても手書き速記技能にこだわりを持たれているように感じます。
「速記」を社会改革論から見るというのは興味深いですね。しかし、実用価値としての存在に本当に高い評価があるのなら、今日の速記の衰退には至らなかったようにも思えますが。日常の筆記に苦労している労働者という古典的な表現は今の若い世代の人たちにはどう映るでしょうか。大学入試問題を左手のタッチタイプで超高速で打てる若者文化の中に手書き速記は経済合理性を主張できるでしょうか。お教えいただきたいところです。
しかし、現在、将来の速記は、手書き符号を用いなくても、録音、パソコン、音声認識ソフト、電子機械速記など、現在の速記協会の活動の外にあるセクターが台頭してきていることを前提に概念の再構築を必要とすると思います。
職人の価値観については自分自身でよくわかります。
会社の上司、行政の管理者が、技能の経済合理性を考えます。
若者は「楽」を求めて、社会価値のある技能にしか目を向けません。
そんな一般論の中から、魅力ある「手書き速記」をどう、社会にアピールしていけるか、戦略的取り組みが必要だと思います。
私は速記が好きです。速記符号を書くとき、心の満足を覚えます。
速記はすばらしいから、みんなに広めたいと思います。
しかし、身びいきなのでしょうか、説明が十分でないのでしょうか、
あるいは、この楽しさがわかってもらえないのでしょうか、
そんなバリアへの取り組みに力のなさを感じます。
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別世界の話 兼子次生 2011/02/24
アメリカ速記者協会(NCRA)の会員は2011年1月3日時点で、合計19,604名います。法廷速記市場全体にはアウトサイダーがいるので、合計36,000名いるそうです。
速記士の最高レベルのRDR(レジスタード・ディプロマット・リポーター)は467名、その次のRMR(レジスタード・メリット・リポーター)は2,066名、普通のプロ速記者RPR(レジスタード・プロフェッショナル・リポーター)は7,958名です。
リアルタイムができるCRR(サーティファイド・リアルタイム・リポーター)は2,370名、この資格を持っていないと肩身が狭いのですね。リアルタイム反訳を提供するのが仕事のCCP(サーティファイド・CART・プロバイダー)は258名です。
テレビ字幕分野では、CBC(サーティファイド・ブロードキャスト・キャプショナー)が300名、思ったほど多くない。
このような構成です。あと関連した専門職としては、CMRS(サーティファイド・マネジャー・オブ・リポーティング・サービス、174名)、CLVS(サーティファイド・リーガル・ビデオ・スペシャリスト、981名)、CRI(サーティファイド・リポーティング・インストラクター、350名)、CPE(サーティファイド・プログラム・エバリュエーター、127名)、MCRI(マスター・サーティファイド・リポーティング・インストラクター、2)という内訳です。
男女比率は女性が89%で圧倒的に多い。平均年齢は48歳だから、高齢化しています。
フリーの速記者は64%、公務員は33%ということです。
速記学校は、63校あり、合計119のプログラムが教育、訓練されています。
以上 |
感 想
1月28日 池田
兼子氏の投稿を拝見しました。
リアルタイム反訳の一手法として電子機械速記を挙げられていますが、これは速記タイプのことでしょうか。
中国、韓国では速記タイプ方式でやっているといっても、それは国会や裁判所の官での話だと思います。
日本の民間の営業面では、速記タイプも、速記符号も、録音機も、音声認識も、現状ではすべて一長一短があるので、状況に応じて使い分けていくのがいいのではないでしょうか。
もっと将来のことを言えば、音声認識が(多少のミスはあっても)実用の域に達して、また別の局面が現れます。
そのときに「記録総合管理士」として生き残る速記者は、ITやICT以外の技術(人間にしかない技術)もあわせ持っている人でしょう。
速記を私的な面で見ると、幾らパソコンが普及しても、相変わらず国民は漢字仮名で苦労しています。
その苦労を緩和するために、漢字仮名に代わるものとして速記符号がありますよ、1級まで行かなくても使えますよ、紙と鉛筆ですから経費はかかりませんよ、という言い方で符号を普及していく。
日速協は速記符号で検定を行い、それが存立基盤になっている以上、そのような言い方しかないと思います。
これはまさに田鎖綱紀の言でもあります。
営業面と私的な面を混同すると、速記の将来像も見えてこないように思います。
速記符号以外の手段もあるということで、速記タイプの例を紹介されたのだと思いますが、実務面と私的な面では見方・考え方が違ってくるので、分けて考えたいと思います。
私的利用の面では、速記符号は、速記文化という「文化論」より、漢字の苦労から国民を救うための道具だとする「社会改革論」としてとらえるべきだと思います。
日常の筆記に苦労している8,000万人の労働者の目線で考えると、あながち、「速記符号は文化財的遺物だ」とは言えません。
以上、とりとめないですが、兼子さんの豊富な情報と、示唆にあふれたご意見は、大いに参考になりました。
速記の挑戦課題 投稿者: 兼子次生 投稿日:2011/01/25(Tue) |
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1月24日発行NCRAのテックトレッカーによると、
アメリカの公認リアルタイム速記者(CRR)は、現在2,370名、職業速記者の16%に達している。職業速記者合計は約15,000名ということになる。
CRRになるためには、RPRという職業速記資格者の資格を持っていることが条件で、
(1)リアルタイム機器の設定能力
(2)5分間朗読で96%以上の正確度を達成する能力と、1分間180語の速記ができる能力
(3)自分のマシンで入力した速記原本をアスキーフォーマットに変換する能力。
実技の評価は提出された答案によって行う。
『速記』の未来条件は(1)リアルタイム反訳・原稿完成、が第一と言える時代に入っています。
『速記』がイノベーションを遂げるためには、ICTと融合することを第2の条件としてあげられます。
『速記者』という職業の命運をそれらは握ります。順不同ですが、身近な目標としては(3)生産性を革新的に向上することが第3の条件と言えます。
『速記』のイノベーションには、(1)手書き速記の自動認識反訳システムの開発・実用化、(2)電子機械速記の普及、(3)自動音声認識(ASR)の実用化、の3つの手法があり、それぞれに挑戦する必要があります。
RTは実演の時代をとっくに過ぎて定着しているのがアメリカのすばらしさです。至るところで、日常的に生字幕が、リアルタイムノートテークが行われています。
テレビで紹介される海外ニュースに英語のテロップが流れていると、それはCRRによるリアルタイム字幕です。
実際に打っているところは、同時通訳と同様、裏方さんですから、見えにくいのですが、もし法廷の動画が放送されたら、そのときにCRRが映っているかもしれません。
もっとも、日本から伝播していった中国、韓国でももう10〜20年前にリアルタイム反訳の時代が始まっていますので、日本だけがガラパゴス速記になっているわけです。
一方、『速記文化』の面からいえば、速記を筆記できる人をふやすことが永遠の目標です。
そのためのインセンチブとしては(1)人間が本来持つ競争心を動機とするスポーツ速記の振興。これは大学、高校の速記競技会などに象徴されます。その伝統を継承、発展させていくことです。
また高校、大学へ速記課外活動指導のための引退速記者のボランティア派遣なども検討する必要があります。
もう一つのインセンチブづくりとしては、外国語を学ぶために速記を利用するという発想です。15カ国語ほどの速記を書いて、ギネスに掲載されたドイツのボリス・ノイバウアー博士は外国語を学ぶときにその国の速記を学ぶのだそうです。したがって、日本語の速記本を英語に翻訳することでしょうか。
孤島の速記文化ですが、世界流にならなくてもしっかりした個性を継承していけるといいのですね。
いいお知恵をいただけませんか。
(兼子さんのメールアドレス bxd06051@nifty.com )
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2011.1.10
新しい年が静かに動き始めています。
いろいろ不都合があるというお話もありますが、大企業を中心に景気の回復は着実な感じです。大手から中小、零細へと波及することがことし一年の課題だと思います。
回復感が薄い景気動向が続くだろうと思いますが、最悪期を脱出して、少し明るさが見えてくるような一年だと思います。
さて、本日、インテルステノのeニューズが来ました。ことしはインテルステノパリ会議の年です。観光中心にぜひご参加をご検討ください。
なお、一昨年のインテルステノ北京会議の報告書も来ておりますが、容量が大きいので、ご希望の方にはデータ便等で配布しますので、お知らせいただきたく存じます。
今月15、6の両日は加古川市で武部文庫の整理会を開きます。今回で作業は終了したいと考えております。既に6名の方のボランティアが予定されております。
ことし一年、亀の歩かもしれませんが、ゆっくりながら前向きに努力したいと考えております。どうぞ、ウサギの健脚をお貸しください。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
インテルステノ日本代表 兼子次生
梅雨が近づいているのでしょうか、連休が雨模様になりました。
豚インフルエンザとか、騒がしいですが、皆さんお元気にお過ごしのこととお喜び申し上げます。
インテルステノニューズが届きましたので、お送りします。
競技参加者数や科学委員会の報告プログラムなどが紹介されています。
楽しいプランをあたためてまいりましょう。
どうぞよろしくお願いします。
2009.5.10 兼子次生
インテルステノ報告プログラム 投稿者: 兼子次生 投稿日:2009/04/08(Wed) |
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2009年8月19日、IFIP(International Federation for
Information Processing) Interstenoの報告プログラムが公表された。
レナーテ・ガイヤー氏(独)「新しい情報技術が必要とする子どもへのキーボーディング能力の指導」
兼子次生(日)「アジアにおける手書き速記」
河原達也(日)「日本の国会向け自動音声認識を用いた反訳システム」
グレゴール・ガイヤー(独)「広報−−なぜインテルステノの機関は宣伝しなければならないか」
ピウス・オナナ(タンザニア)「電算支援逐語記録を通じて、アフリカにおける下流の職業とビジネス社会と国内機関における能力形成の強化」
ファブリジオ・ガエタノ・ベルルッソ(イタリア)「シシリア国会:伝統と革新。速記と音声反訳。それらの過程の略史」
カレン・イエイツ、カレン・ルード、ライネッティ・エッガーズ「学習された教程:オンラインリアルタイム教育の実体験」
Speech
to Text technology の領域でさまざまな報告が行われる。
リアルタイム字幕技術としても、近年注目される技術が関心を呼ぶ。
(速記の歴史を楽しく紹介することができたらいいですね。
きれいな絵、写真を捜します。) |
◇ 春 別 兼子 次生
中国の友人、顔廷超さんが亡くなった。
インテルステノの情報をメールで送っていたら、一昨日、1本のメールが入った。顔先生の子どもと自己紹介し、昨年12月6日、病気のため亡くなったと書かれていた。
ことし、北京に行けたら、ハルビンへ足を延ばして再会したいなと思っていたのが、間に合わなかった。
満州建国大学設立ごろ入学、
それ以来日本の大ファンでした。
大学時代に、大学長の秘書の速記者、西川伍策さんから田鎖式を学び、それから速記の虜になった。当時、亡くなられた田鎖源一さんは満州国政府へ就職し、終戦まで秘書のような仕事をされたいた。もしかして、面識があったかもしれない。
顔さんは、日本語の速記を学ぶだけでなく、それを基に中国語の速記を研究された。戦争が終わっていっぺんに共産化されると、顔先生のような日本びいきの方はつらかったろうと思う。
ソ連から入ってきたサカロフ式を基に、中国で一番最初の草書派を創案された。中国草書派の父である。以後、草書派の改良を続けてこられた。
ワープロ時代が始まると、シャープのワープロを自由自在に駆使し、タイプ速記を考案された。
日本へ来られたころは、大変お元気で、すばらしいエネルギーの持ち主だった。
後年うかがうと、顔回の子孫だそうだ。顔氏の子孫の会があり、そこでも尊敬されておられた。
住所は知り合ったころから、黒竜江省のハルビン理工科大学にお住まいだった。子どもさんもそのキャンパスの中で生活しておられるようだ。
荒木章さんが何度かハルビンを訪問し、交流されていた。
私は自由がきかなくて、とうとう存命中に訪問することができなかった。
中国の草書派の父、中国語の高速入力研究者、中国速記方式史の研究者、それ以上に日本との友好交流を心から願って、大きな架け橋になってこられた顔廷超先生のご冥福を心からお祈り申し上げます。
顔廷超先生、あなたの業績は永遠です。
☆インテルステノ最新日程
流れるように話される言葉。
消え去る一瞬にとらえ、文字に変換する技術と技能がことし夏、
北京において集います。
羽の生えたペンが蝶のように舞い、フランス語、ドイツ語、英語、中国語、ロシア語、
あらゆる言語を文書化するエキスパートがさまざまな色の花のまわりを舞い、踊ります。
普通のキーボードで入力する選手、ステノタイプを用いて入力する選手、そして音声認
識を駆使して文書を完成する選手、スピーチ・トゥ・テキスト・テクノロジーの最新技
術が議会、テレビ字幕、ビジネスで活躍しています。
さあ、華麗な文字司の世界の祭典に皆さんをお招きします。
最新の日程をお送りします。
どうぞよろしくお願いします。
International
Federation for Information Processing INTERSTENO, Japan Group Pr
esident
兼子次生
第47回インテルステノ北京会議プログラム ) 2009.2.17 bxd06051@nifty.com
<2009年8月12日(水)〜21日(金)> site : http://www.intersteno.org/
8月12日(水)競技会審判準備作業
13日(木)多言語競技
14日(金)役員会(8:30〜)、審判委員会・タスクフォース会議(14:00〜)
15日(土)第1回評議員会(9:30〜)
大会開会式(北京大学、15:00〜)、記者会見
祝宴、展示会開会(16:30〜)
競技説明会(17:30〜)
16日(日)文書作成競技、文書校正競技、プロレベルワープロチャンピオン競技
議会分科会(IPRS、10:00〜)
国際商業文・議事録作成競技(16:00〜)
多言語速記世界チャンピオン競技(17:00〜)
競技採点
観光(オプション)
17日(月)発言捕捉世界チャンピオン競技(8:30〜)
リアルタイム世界チャンピオン競技(12:00〜)
多言語速記競技世界チャンピオン競技(14:00〜)
競技採点
観光(オプション)
18日(火)青年の日(26歳未満の参加者全員を対象とする。事前に申し込んだ青年は参加費無料。それ以外の参加者は68ユーロで参加できる)
8:00〜21:00までの間、食事つきで終日文化観光
審判夕食会(18:00〜、審判・アシスタント・タスクフォースメンバー)
観光(オプション)
19日(水)第1回分科会(9:00〜12:00)
第2回分科会(14:00〜17:00)
評議員会夕食会(18:30〜)
観光(オプション)
20日(木)第2回評議員会(8:30〜)
総会(11:00〜)
表彰式(16:00〜)
フェアウェルディナー(18:00〜)
観光(オプション)
21日(金)観光(8:30〜、終日北京観光=参加申し込み時に受け付け)
以上
☆
ごらんいただけると幸いですが 投稿者:兼子次生
あけましておめでとうございます。
私事で恐縮ですが、 大修館書店の雑誌「言語」2月号、1月14日発売に、 ICT時代の速記〜広がる手段の多様性と概念の拡大〜が掲載されます。 話し言葉書き言葉化に関心のある方へお知らせいたします。
ことしは、8月中旬、北京でインテルステノの大会があります。 速記、ワープロ直打ち、音声認識、さまざまな手段を用いて、テキスト・プロダクションの競技があります。 世界で速記が今、どのように概念を拡大し、イノベーションが進んでいるのか、北京の夏の観光を楽しみながら、世界の速記者と交流するつどいです。 正月早々、2つのお知らせをいたします。
どうぞ、この1年、世界不況のトンネルから早く脱出するよう、大いにがんばりましょう |
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◇惜 別 投稿者: 兼子次生 投稿日:2008/11/26(Wed) 21:04
私の速記符号を考案された植田裕(うえた・ゆたか)さんが、80歳の天寿を全うされた。香川県立高松商業高等学校の速記部の卒業生で、母校に残り、速記を指導された若いころ、中根式の速記符号を盛んに研究、か行曲線符号を公表された。
高松商業からの転校生が大阪市立西商業高等学校へあらわれ、3年生のときに速記部をつくった。そこで1年間中根式速記植田派の符号を植え付けた。その中から芽を出したのが一人は西村泰一さんであったが、彼は高校卒業後石川吉正さんの門をたたき早稲田式でA級試験に合格して速記士となった。
しかし、私は植田派の符号を変えずに、稲垣正興さんの符号を初め、片っ端から他式の理論を採り入れて、大学3年の4月独力で1級に合格した。そのころから、植田さんとお会いする機会を持ったが、か行曲線符号は西商業に渡来したとき少し形を変えていた。
か行曲線符号の操り手に、脇さんという方が1人いる。似ても似つかない符号を書いていると私は想像する。社会へ出てからも植田さんとのつきあいは続いて、細く細く続いてきている。植田さんは符号を絶えず工夫されてきた。それを速記科学研究会の後進に常に伝えようとつとめられた。
その符号はとっくに中根式とは言えない形に変化している。
それを中根康雄さんは大きく受け入れてきた。中根式最後の符号研究者であるからだ。
目を閉じると、符号の解説に打ち込まれる植田さんのお顔が映る。
若いころの植田さんの写真がパソコンの中にあった。植田さん、ゆっくりお休みなさい。
長い間、ありがとうございました。
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