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カネダ著作権事務所

著作権判例エッセンス

編集著作物▶その他の個別事例

[文学館の展示物]
▶令和3629日知的財産高等裁判所[令和3()10027]
当裁判所も,本件各展示物[注:学館(徳冨蘆花記念文学館)に常設展示されている解説パネル等や展示ケース内の展示資料等をさす]は編集著作物に当たる…ものと認める。

[国語の読解問題]
▶令和元年515日東京地方裁判所[平成30()16791]
国語の問題を作成する場合において,数多くの作品のうちから問題の題材となる文章を選択した上で,当該文章から設問を作成するに当たっては,題材とされる文章のいずれの部分を取り上げ,どのような内容の設問として構成し,その設問をどのような順序で配置するかについては,作問者が,問題作成に関する原告の基本方針,最新の入試動向等に基づき,様々な選択肢の中から取捨選択し得るものであり,そこには作問者の個性や思想が発揮されているということができる。本件問題についても,題材となる作品の選択,題材とされた文章のうち設問に取り上げる文又は箇所の選択,設問の内容,設問の配列・順序について,作問者の個性が発揮され,その素材の選択又は配列に創作性があると認めることができる。

[切り離し式の暗記カード]
▶平成260422日知的財産高等裁判所[平成26()10009]
切り離し式の暗記カードについて,原告は,模擬試験本の4回分の予想問題を総合的に反映した重要な仕訳内容などを暗記カードの内容に反映させる独自の編集を行い,また,試験本番で特に重要な設問の第1問の解答率をアップさせるための配列としたなどと主張する。
この点,問題とそれに対する解答を切り離し式の暗記カードの形態で掲載すること自体は,具体的表現ではなく誌面の構成や形態に関するアイデアにすぎず,これに著作権法上の保護が及ぶものではない。
次に,暗記カード上に掲載された問題とそれに対する解答の選択や配列についてみるに,控訴人は,従前の簿記検定試験の内容を踏まえた予想問題を反映した重要な仕訳内容を暗記カードの内容に反映させたというのであり,暗記カード部分に掲載された問題と解答の選択や配列には控訴人の独自性が発揮されているといえるから,少なくとも全体として一つの編集著作物に当たると認められる。

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