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カネダ著作権事務所

著作権判例エッセンス

職務上作成する著作物の著作者▶個別事例[その他]

▶令和348日大阪地方裁判所[平成30()5629]
著作権の帰属について
原告原稿1~5及び7は,いずれも原告がリクルートに対して入稿して広告として掲載されたものである[(注)リクルートは,原告親会社及び被告会社等広告代理業務を行う広告代理店との間で販売パートナー契約(「本件パートナー契約」)を締結し,本件求人サービスに係る販売委託業務等を委託している。著作物利用許諾(15条):受託業者は,受託業者又はその再委託先が,リクルート発行の求人情報誌の原稿及びその販促物を作成した場合,それらの原稿及び販促物について,リクルートが,上記求人情報誌,その転載先及びリクルートが作成する資料等に使用することについて了承する。]。これらの原稿は,リクルート媒体に掲載されるものであるから,原告が自己の著作の名義の下に公表するものとはいえないものの,原告の業務の性質上,原告とその従業員との関係において,直接的に当該原稿を作成した従業員を著作権者とする趣旨であるとは合理的に見て考え難い(本件パートナー契約15条も,これを前提とした規定と理解される。)。その他,これらの原稿に関する著作権が原告以外の第三者に帰属することをうかがわせる事情も見当たらない。
したがって,原告原稿1~5及び7の著作権は,いずれも原告に帰属するものと認められる。
これに対し,被告は,これらの原告原稿は原告が自己名義の下に公表するものではないから,原告には著作権が帰属しない旨主張する。しかし,上記のとおり,これらの原告原稿の著作権は,職務著作の成否に関わりなく,原告に帰属するものと認められるから,この点に関する被告会社の主張は採用できない。

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