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カネダ著作権事務所

著作権判例エッセンス

公表権▶個別事例[侵害否認例]

▶令和21116日東京地方裁判所[平成30()36168]
被告学園プログラムをデモンストレーションで使用するなどしたことによる著作権等侵害について
前記のとおり,被告学園は,平成25年8月31日から同年9月5日までの間,SEHAIにおいて研修を実施し,被告学園サーバー上の被告学園プログラムを使用して,本件システムのデモンストレーションを行ったが,上記研修に参加したのは,Bを除くと5名(被告学園の関係者を除くと3名)という少数の者にすぎない。そして,これらの者に加え,上記デモンストレーションの内容を不特定又は多数の者が知り得たことを認めるに足りる証拠はない。
そうすると,上記研修において,被告学園が被告学園プログラムを公衆に提供又は提示したということはできないから,本件プログラムの公表権及び氏名表示権を侵害したとは認められない。

▶昭和520228日東京地方裁判所[昭和44()1528]
原告は、原告は被告に対し、「加賀、能登」を金沢鉄道局が内部的に映写することだけを許諾したに過ぎないのに、被告は、これを放送局から放映し、原告が「加賀、能登」について有する公表権を侵害した旨主張する。ところで、旧著作権法には公表権についての直接の規定はないが、旧著作権法の解釈として、著作者はその著作物でまだ公表されていないものを公衆に提供し、又は提示する権利を有するものと解され、そして右公衆の中には特定且つ多数の者を含むものというべきところ、「加賀、能登」が金沢鉄道局で内部的に映写することを許諾されたものであるならば、これが、金沢鉄道局の内部であれ、少なくとも特定且つ多数の者に提示されたであろうことが容易に推察されるところであるから、被告が放送局から「加賀、能登」を放映した行為は、まだ公表されていない著作物を公衆に提示したものとはいえないから、原告の「加賀、能登」について有する公表権を侵害するものでもない。

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