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カネダ著作権事務所

著作権判例エッセンス

著作隣接権▶放送事業者の権利

▶平成230905日東京地方裁判所[平成22()7213]
本件サービスは,ストリーミング配信システムにおいて,テレビ放送に係る音及び影像を,ケーブルテレビ配線を介して受信した上,これをストリーミング配信用サーバ機にデータ化して入力するものであり,上記ストリーミング配信用サーバ機は,インターネット回線を利用して,本件サービスにアクセスしてきた利用者に対し,データ化した音及び影像をストリーミング配信するものであるから,上記ストリーミング配信は自動公衆送信であり,上記ストリーミング配信用サーバ機は,自動公衆送信装置に該当し,本件サービスは,上記のとおり自動公衆送信装置に該当するストリーミング配信用サーバ機にテレビ放送に係る音及び影像を入力することで,利用者からの求めに応じテレビ放送に係る音及び影像を自動的に送信できる状態を作り出しているのであるから,テレビ放送に係る音又は影像を送信可能化するものということができる。
また,本件サービスは,動画ファイル形式による記録及び配信システムにおいて,テレビ放送に係る音及び影像を,ケーブルテレビ配線を介して受信し,録画用サーバ機に動画ファイル形式により記録した上,上記動画ファイルデータを動画ファイル配信用サーバ機の記録媒体に複製又は移動させ,上記動画ファイルデータを,インターネット公開フォルダに指定されたフォルダに記録・蔵置することにより,インターネット回線を利用して当該動画ファイルにアクセスしてきた利用者に,当該動画ファイルをダウンロードすることを可能とするものであるから,上記動画ファイル形式による記録及び配信は自動公衆送信であり,上記動画ファイル配信用サーバ機は自動公衆送信装置に該当し,本件サービスは,上記のとおり自動公衆送信装置に該当する動画ファイル配信用サーバ機のインターネット公開フォルダに動画ファイルデータを記録させることで,利用者の求めに応じテレビ放送に係る音及び影像を自動的に送信できる状態を作り出しているのであるから,テレビ放送に係る音又は影像を送信可能化するものということができる(以上につき,最高裁平成23118日第三小法廷判決参照)。
(略)
本件サービスのうち,テレビ番組の動画ファイル形式による記録及び配信システムにおいては,テレビ放送を,ケーブルテレビ配線を介して受信した上,記録用サーバ機に記録するものであるから,テレビ放送に係る音及び影像を録音,録画するものであり,これを複製するものということができる(最高裁平成23120日第一小法廷判決参照)。

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