MIDORI NATSUKAWA Presents

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1972 TOKYO JAPAN

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カラーのは、72年の来日のとき、それも帰るとき羽田で私が撮りました。
これが、
コダック・インスタマチック・カメラという、おもちゃみたいなカメラでとったもの。実物の写真は7cmX7cmくらいです。
色はあまり褪せてません。
まだ「写ルンですよ」なんてのもないころでした。

4人とも、夜通しパーティー明けのボロボロの様子なんですが、でもさすが30年近くも昔のこと、若かったからね、そんなに疲れては見えない!
ロバートなんて、まだ洗ったばかりみたいな濡れ髪だったわ。
キゲンは良くなさそうでしたが、彼の持ってる小物は
私のプレゼントです。

モノクロのは記者会見のときです。
シロートの友達が撮ったんですが、それらはほとんどプロの写真みたいでしょ。
全員ドアップのが死ぬほどたくさんあります。徐々にお見せします。
−夏川翠−


 
以下、ルーディーズ・クラブの私の記事から、72年のZEPの離日、写真を撮ったときの状況です。





1972年10月11日(水)

 
やれやれ、やっとレッド・ツェッペリンご一行の帰国の日である。
私は前日、いったいうちへ帰ったのやら友達のとこへ泊まったのやら、とにかく見送りには行かねばと悲壮な義務感から羽田へと向かった。
トホホ…この日は午後からたしか三枝成章先生の和声の試験があったのだよ、この私はね。

 羽田の見送りロビーに行ってみれば、ほどなくメンバー全員もご到着。私らも疲れているけど、さすが超人集団のツェッペリン一行も今朝は疲れをかくせない。
みんなボロボロの顔してたな。ロバートなんか、さっき洗ってきましたという濡れ髪のまんまですごーくキゲン悪そう。この様子じゃどうせ明け方までビブロスで大騒ぎしてきて誰も全然眠ってもいないんだな…と察することしきり。

 ジョン・ポールとボンゾのふたりだけはロンドンへ、ジミーとロバートは少し彼らより遅れてタイのバンコックへ発つという。
去年もたしかジミー&ロバートのふたりはインドへ行っちまったんだよね。仲のよろしいこと!

 顔は笑っていないけど、私がそばへ寄っていくとほんの少し目つきがおだやかになったロバート、声をかけると
「おはよう!」と言ってくれる。
「一緒に写真とっていい?」
と頼むと
「もちろん」と言ってやけにギュッと私の肩を抱いてカメラにおさまってくれる。
ロバートってホントいいヤツってかんじ。

 そのあとフラフラしてるジミーはと見るとどこでどうしたのか、また違うグルーピーねえちゃんを連れてヘラヘラしてる。
考えてみると今回はまだジミーのサインはもらってなかったので
「サインくれます?」
サイン帳を出すと
「OK…」とサラサラ書いてくれる。
あげく頼みもしないのに勝手に次の頁をあけてもう1枚サインしてくれて、ついでに私の顔を見てウインクなどする。な、なんなの、この人?と不気味に思ったもんだ。
 おまけにこの人に近寄るとなんだかわけのわからん薬の匂いが体中からプンプン。
いくらツェッペリン好きでも、私は当時からこのジミー・ペイジのファンではないぞ、断言させてもらいます。

 ジョン・ポールにはまだしっかりP子がついていたけど、このアネゴ、ホントに気のいい人で私の仲間のSちゃんがジョン・ポールのファンと知ってからはとても親切で、
「ホラ今ならジョンジー手あいてるからサインしてもらいな」
「ホラ、写真とりなよ」
 とかいろいろ気を使ってくれたという。
ジョン・ポール本人はというと、すっかり彼女の尻にしかれていたように見えたものだ。

 ボンゾはまだ半分酔っぱらっているみたいな様子で少しおっかなかったけど、写真をとらせて、と頼むとけっこうテレ臭そうにポーズをとったりして決してこわい人ではない。
また日本でガールフレンドができたらしいが、見送りには来てなくてつまんなさそう。
でもP子がその子を電話でつかまえたからといってボンゾを呼びにくると、急いで電話口に飛んでいったりしてけっこうかわいいところもあったのだ。

 そうやってしばし搭乗手続きのカウンターでワイワイやっていたのだが、ようやく時間となってジョン・ポールとボンゾは一足お先にゲートの中へ。そしてすぐにその後からロバートとジミー。
私はもう最後だからと思いきってロバートにお願いしてしまった。
「私にキスしてくれる?」 
次の瞬間、ロバートは何も言わず私を抱きしめ、ヒョェ〜!となるほど熱烈なチューをしてくれたのだ。
一瞬頭がクラクラしてしまった私が我にかえると、もうロバートは後も見ず颯爽とゲートの中へと去って行くところだった。

ウーン、なんて強烈!
いやはや、でもカッコいいこと!


 私はこれでますます改めてロバートの信奉者になってしまった。
あとの3人のことはもうすでに眼中になくて、ひとり目がハートになっている私を、まわりの仲間はアキレるやら羨むやら、とにかく放っとこうとしばらく誰も寄って来なかったものだ。

−夏川 翠−




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