ジャスパーからAthabaska Fallまでは約30キロである。普通に車を走らせれば30分もかからない距離である。しかし私たちは急がない。のんびりとまわりの風景を味わったり、動物がいないかと目を凝らしたり、深呼吸をして雰囲気に浸ったり・・・滝への途中93号線沿いにあったホースシューレイクで一休み。晴れていたらMt.エディス・キャベルが望めるはずなのだが、どんよりと低くたれ込めた雲の下では、湖もただ青黒い水面を見せているだけ。駐車場に戻ってみると数台の車が止まってダイビングの準備をしている。あの湖に潜るのかと、少々驚いた。そういえば、ガイドブックに湖でのダイビングをする人もいると書いてあった。何が見えるのか聞いてみればよかった、とあとから後悔した。
Athabaska Fallを見物したが、日本の滝のイメージとはかなり違っていた。間近に見るため流れ落ちる轟音と水量は迫力がある。いろんな表情のAthabaska Riverを見たが、当初予定に入っていたラフティングが今回もできなかったことをふと思い出した。次に来るときこそ必ずこのAthabaska Riverでラフティングに挑戦しよう。
さて、あとは93Aをジャスパーに戻るだけだ。昨日の疲れもあったため、非活動的な私たちは昼食(これもガイドさんのおすすめなのだが、ジャスパーのピッツァプレイスというところでランチの時だけある焼きそばとチャーハンを食べた。フライド・ベジタブル・サラダ、といった感じのチャーハンだったが、味は良くおなか一杯になった)をとり、おみやげのメープルシロップを数個買ってホテルへ戻りパッキングを開始した。明日の朝エドモントン発10時50分の飛行機に乗るためには、逆算して早朝4時頃にはホテルを出なければならない。私たちは途中疲れて休んだり、動物を見つけたときのことを考えて3時に出発する予定にしている。ということは、今夜8時頃には床に就き、夜中の2時には起きなければならないのだ。8時なんてまだまだ日中という感じなのに眠れるのだろうか。・・・荷物を詰めながら、今頃マリーン湖で見たムースは何をしているのだろう、とか、ブラックベアはお昼寝中かな、なんて考えた。旅の終わりのパッキングはちょっぴり切ないような時間だった。