沢根だんご Sawanedango 佐渡市



『沢根だんご』は、上品な甘さがうれしいひと口サイズのだんごである。江戸時代、金山で栄えた佐渡島。金山で掘られた金は、中山峠から沢根集落を通って船積みされた。その峠の茶屋で売られ、大人気となったのが沢根だんごといわれている。
「佐渡おけさ」の中で、「沢根通ればだんごが招く だんご招くが銭がない」とうたわれている。
沢根だんごは天保(1830~44)の初め、沢根で回船業を営んでいた佐藤久次郎の工夫創製によるものといわれている。久次郎は回船業をやめたのち中山峠で茶屋を開業した。
佐渡金山送りとなった無宿人たちにとっては、相川に入る前の最後の休憩場所となった。唐丸駕籠で護送された無宿人たちは、先の自分の運命を慮りながらだんごを口にしたという。
その後三代まで続いたが、明治26年(1893)に廃業した。しかし、その後も沢根町内で製法が受け継がれ、現在まで観光客や住民に親しまれながら売られている。
精魂こめて作られた佐渡産コシヒカリを寒中にさらして粉にし、こねて蒸して、うすでつく。それを清冽な地下水で冷やし、手早くこし餡をくるむと出来上がりだ。餡の原料となる小豆も、無農薬の佐渡産なので安心。そのままでもいいが、冷蔵庫で冷やして氷を一片そえて食べると、白玉のような口当たりで後味も爽やか。佐渡の代表的な特産品となっている。




〔販売〕





















美しい和菓子の図鑑

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  • 作者:青木 直己
  • 出版社:二見書房
  • 発売日: 2021年04月26日頃