新潟県の和菓子
☆彡越後のえだまめ餅 乾燥スライス柿 栗甘美 手づくり まめてん 麩まんじゅうごま饅頭新発田で広く市民に親しまれている菓子である。老舗和泉屋現社長の曾祖母が、実家で造っていたもち米と周辺でとれるゴマを使い生み出したのが始まりで、明治23年(1890)の和泉屋創業以来続く看板商品でもある。餅菓子は固くなるのが早いため、その日に使う餅の分だけ、地元産のこがねもちを杵と臼でつき上げる。やわらかく、粘りが強いのが特徴だ。あんは北海道産の小豆を炊き、1日おいて味を落ち着かせて手早く餅に包む。従業員全員で味見し、納得できたあんだけを使う。 越後のえだまめ餅新潟の夏の風物詩「えだまめ」はその美味しさで全国一と言われている。丸屋本店の銘菓「えだまめ餅」は30年近く前から販売されているロングセラー商品。採れたての枝豆をすり鉢で丁寧につぶし、優しい甘みと香り、美味しさも自然のままに仕上げた。そしてプリッとした触感が魅力だが、そのつぶつぶ感をしっかり残しているところが枝豆の真骨頂だ。また、塩加減を調節し、素材の甘さも生かしながら青臭さを消している。新潟産「こがねもち」を練って作る餅も、柔らかで枝豆餡のつぶつぶ感を邪魔しない。当初は季節商品だったが、今では通年販売に昇格したというのもうなずける逸品だ。丸屋本店は、文明開化で賑わう明治11年、丸屋本店は初代本間長松により創業された。以来、自然に育まれ豊饒な風土から生まれる美味なる越後の素材にこだわり、四季折々風景を映す菓子作りを目指して来た。 乾燥スライス柿リンゴやブドウに比べ、柿のしみじみとした甘さはどこか田舎の老父母を感じさせる。華やかではないが実直で、果物なのになんだかぬくもりがある。そんな柿の味わいを、手軽に濃密に楽しめるのが岩崎食品の「乾燥スライス柿」だ。これを作る岩﨑食品は自分たちで育てた野菜や果物を使って、ほぼすべての生産工程を手作業で漬物や乾燥野菜をつくっている食品会社。使う柿は、新潟市西蒲区産の「八珍柿」で、これを手作業で一つひとつ皮をむき、スライスする。あとは乾燥機で20時間ほど乾かし、何も足さないで水分を飛ばすせば出来上がり。 一かけらを、口の中でやわやわ噛みながら、じんわりとほどく。すると柿独特の風味や蜜の味わいが、自然と舌の上に広がってくる。製造期間は収穫のある1ヶ月のみ。例年3月には売り切れになる。 栗甘美 ※動画明治天皇もお召し上がりになった銘菓「越乃雪」で知られる「大和屋」。古い商家の佇まいを残す店は、今でも長岡市民にとって特別な存在だ。そんな「大和屋」に季節限定で登場するのがこの「栗甘美」。見た目から羊羹を連想するが、ひと切れ試せば印象はガラリと変わる。栗そのもののホクホクとした食感である。これは栗以外の何物でもない。口当たりは柔らかながらほっこり。甘味はしっかりと感じるがそこに無理はない。目をつぶって食べれば、誰もが「栗」と答えるに違いない。 主に九州から取り寄せた国産の生栗を使い、通常の羊羹と異なり、寒天を加えずに押し固める。加えるのは砂糖のみ。生栗でないとこの味が出ないため、秋に仕入れた分がなくなれば、その年の販売は終了となる。例年4月いっぱいが目途ということだ。 手づくり まめてん ※動画「まめてん」と言われて、「ああ、あれね」と察しが付く人は下越地域の方だ。長岡や上越ではほとんど馴染みがない。ある意味、「ポッポ焼き」以上に認知度に差がある。新潟名物「豆天」生みの親大橋食品製造所は、昭和37年(1962)。新潟市西蒲区(旧中之口村)で豆腐製造会社として創業した、後に大豆を天ぷらのように揚げてみたところ、これが大ヒット。商品「豆天」が生まれた。 小麦粉に米粉を合わせた生地に、大豆を混ぜて揚げただけ。素朴だが、食べ始めると思わず後をひく。大橋食品はこの「まめてん」一筋に50年以上。今でも手作業で一枚一枚丁寧に作り続けている。手作りにこだわり続けている理由は人の手でしか出せない「温かみ」である。 でき上った豆てんは、しつこさを感じることなくバリバリと楽しめる。定番の塩味のほか、ごま入りや青のり入り、カレー味、チリ味、柚子こしょう味、黒こしょう味などバリエーションも豊富。 麩まんじゅう明治35年(1902)、初代宮村五郎七が各地で麩作りの修業を終え、新潟県新発田市の旧上鉄砲町(現諏訪町3丁目)で麩の製造を初めた。創業当初から車麩や新発田麩を作り、製品の原料である小麦グルテン(小麦蛋白質)を最大限に使用して「おいしい麩」に励んできた。生麩屋だからこそ作れるみずみずしい生麩に甘さ控えめの餡を包み込んでいる。もち粉は国産、笹は新潟の自然豊かな村上市朝日地区の笹を使用しているこだわり抜いた一品。笹の香りと生麩独特なもちもちとした食感上品な甘さの餡が絶妙にマッチした大人のための洗練された麩まんじゅうとなった。 |
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