天然記念物「八王寺の白藤」 燕市八王寺の安了寺の境内にある白藤の巨木で、県の文化財に指定されています。 幹のまわりは7メートルあまり、枝張りは東西約30メートル、南北約20メートルにも及んでいます。毎年5月初旬から中旬にかけての開花期には、高さ約3メートルの棚の上で四方に広がった数多くの枝から長さ1メートルにも達する白い房が美しい花をつけて無数に垂れ下がります。良い香りが境内いっぱいにひろがり、見事な眺めになります。 樹齢は約300年と推定されており、古来「松濤の藤」ともてはやされました。県の文化財に指定された後の昭和42年(1967)1月に市民による「白藤保勝会」が結成され、樹勢の退化を防ぐために毎年根回りの掘さく、施肥、枝の剪定、開花後の実もぎなどを地元の協力を得ながら行っており、力強い幹も健在です。 また、毎年白藤の甘い香りのただようなかでの茶会も開催しています。 この白藤は、江戸時代の1684~1687年にあった真宗大谷派の宗門紛争を背景に、当時の住職が仏光寺派に転派。その際、転派の決意を示すため、真宗仏光寺派の本山・仏光寺にある「仏光寺藤」にちなんで植樹された、と伝えられている。 1958年3月5日には、新潟県の天然記念物に指定された。※ストリートビュー
≪現地案内看板≫
新潟県天然記念物 「八王子の大白藤」 由来 当、安了寺は文政年間の火災により古文書を消失し、開基、開創年代共に詳らかでない。一時期、無住の年代があったが、寛文八年(一六六八)頃、三島郡夏戸本光寺住職玄昌が次男了学をともなって入寺当時、安心問題を端緒とする宗門紛争が惹起し貞享年間(一六八四~一六八七)、他の数十ヶ寺と共に真宗大谷派を離脱し、真宗仏光寺派に転派した。「大白藤」は転派の決意を表明し、本山仏光寺の正紋「仏光寺藤」にちなんで、この時植えられたものと伝えられている。 以来三百余年に亘り、中興住職の遺志を継ぎ、歴代住職、門信徒の手厚い保護によって現在に至っており、昭和三十三年三月五日新潟県天然記念物に指定された。 ≪現地案内看板≫ 新潟県天然記念物 八王子の大白藤 所在地 燕市八王子九六二番地 所有者 安了寺 樹齢推定三百年、幹廻り五、三メートル、無数の枝が四方に広がり東西二十八メートル南北十八メートルに張り出し、高さは約二、五メートルあり、毎年五月の上旬から中旬の開花期には数え切れないほど沢山の花房がつき、その優雅な白い房から放つふくいく(馥郁)たる香りは境内いっぱいにたちこめ、みごとな景観である。 昔は銀山安了寺松濤園の藤樹とはやされ、時の仏光寺門主であった微明定院の会聞に達して次の和歌を下附された。 池藤 にごりなき 池のみぎはに千代かけて にほひもふかく咲ける白藤 昭和三十三年三月五日指定 新潟県教育委員会 燕市教育委員会 安了寺 ![]() ![]() |