本成寺 Honjo-ji Temple 三条市
三条市駅の西約1.3㎞、三条市街の南西端にある法華宗陣門流のの総本山。 1872年(明治5年)、明治政府の指導により、日蓮門下の諸門流は日蓮宗を形成したが、教義の違いから分派し、1876年(明治9年)日陣門流は本成寺派を公称した。1898年(明治31年)、本成寺派は法華宗と改称。1951年(昭和26年)、法華宗陣門流と公称し現在に至る。 鎌倉時代後期の永仁5年(1297)、日朗の高弟日印の開基と伝え、日朗を開山第一祖としている。以来士庶の帰依を集めて寺運は隆盛し、近世には寺領300石の朱印寺として栄えた。 境域は約3万3000㎡、明治32年(1899)再建の壮大な本堂・客殿をはじめ、番神堂・多宝塔・山門などの七堂伽藍が建ち並び、総本山としての格式を誇っている。末寺は現在約200ケ寺を数える。 三条駅の西方に建つ黒門は、かつての三条城の城門で、寛永19年(1642)に廃城になった時、本成寺に引き取られたもの。 越後のミケランジェロとも言われている幕末の彫刻師「石川雲蝶」は晩年、ここで数々の作品を残した。また石川雲蝶の墓もこの本成寺にある。 寺宝には、日朗作の日蓮上人象、空海筆跡、兆殿司筆の釈迦涅槃像、小栗宋丹の屏風などがあり、宝物館に収蔵されている。 境内には桜が多く、庭池には桜が多く、庭池には昭和26年、千葉県千葉市検見川で故大賀一郎博士によって発見された、約2000年前の『古代ハス』が移植されており、6月初旬ごろその花を見ることができる。 また、2月の節分には、いかにも金物の町らしく、鋸・刃物・鉄棒・斧などを持った鬼が登場する"鬼踊り"が行われ、遠近からの参詣客で雑踏する。 (☛ 石川雲蝶)
本成寺鬼踊り室町時代本成寺の僧兵と農民が力を合わせて盗賊を追い払ったという故事にならい、悪魔祓いの形で節分の行事として続けられている。鬼おどりは午前1時と3時の2回行われる。金物の町に相応しく鋸・斧などの刃物を持った赤・緑・黄・青・黒の鬼どもを、年男が豆を投げて退散させ、平和と安全を祈る。
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