竹のからかい Takenokarakai 糸魚川市



県内でも奇祭の一つにあげられる青海町の小正月行事が「竹のからかいで」だ。
1月15日、町の中心街で青海神社をはさんで東地区・西地区に分かれる。祭りは、午前8時30分、東西の両本陣前に飾り竹を立てることから始まる。

午後0時30分頃、長さ13ー14メートルの、竹を倒し、お互いに根元の方を空に向け突き出し、竹が×字形に合わさり、気勢も最高潮になった頃、行事役の合図と共に、高く上がっていた竹が一気に下ろされ、いよいよ引き合いが開始される。
男たちが一斉に飛びつき、下りてきた相手の竹を、手元の自分の陣地の竹と合わせ、二本の竹を抱え込み、それを威勢良く引き合う。
本陣といわれる若衆は、顔に赤・黒・青などの色などでクマドリをし、しめ縄で祭り半天をしばり、白足袋・ぞうり履き出で立ち姿。 「ちょうちょ蝶々 左義の蝶、菜の葉にとまれ、菜の葉にあいたら葦の葉にとまれ」 威勢のいい掛け声が一日中まちに響きわたる。蝶は福を運ぶ使者ともいわれ、竹のからかいには住民が新年に、豊年・豊漁を祈る気持ちが込められている。
綱引きと同じく、竹を引込んだ方が勝ち、また竹が割れると負け、との事。しかし、勝敗は付けず、引き分けで終わるのが慣わしとのこと。お互いに「勝った!勝った!」と言いながら陣地に引き揚げていく。
大人の引き合いが3回行われ、その間に2回子供の引き合いが行われる。メーンの合わせ竹は午後2時30分頃に行われる。
最後に東西の陣地に建てられた飾り竹を倒す、客が飾りを争って奪い合い、それらを家に持ち帰って神棚にあげると、無病息災、商売繁盛のご利益があるという。

それらが終わるや海岸に出て子供たちが町内から集めた正月飾りを山積みにして、サイノカミに火を放つ。中心に据えられた大竹が燃えながら倒れる方向によって豊漁豊作を占う。左義長を歌いながら若者衆たちがサイノカミの周りをまわり、振舞い酒が配られる。

祭りの起源は江戸時代中頃かといわれ300年の歴史がある。昭和62年(1987)12月、国の重要無形民俗文化財に指定された。






青海神社

青海駅の南約300mにある。青海地区の産土神で、崇神天皇の時代に大彦命のもとで活躍した青海首(おうみのおびと)一族の長、御戈命(みほこのみこと)が久比岐国造(くびきくにつくり)となって神社を創建したと伝えられる。延喜式神明帳(10世紀)にも名を残す古社である。
近世には徳川幕府の外護が厚く、青海の産土神として土地の人々の尊信を集め、祀られてきた。
神域は約1万㎡、うっそうと茂る木々に囲まれて、正面に軒唐破風の向拝をつけた入母屋造りの拝殿、神明造の本殿が建つ。青海神社は移転を繰り返したが、現在の地に遷座したのは文政4年(1821)である。現在の社殿はこの際再建したものである。
社宝としては、仁和2年(1167)陶製経筒、銅製草花双雀文鏡2面、銅製和鏡円周縁が所蔵されている。いずれも大正8年(1919)、境内の天神山姫塚と呼ぶ経塚から出土したもの。県の指定文化財になっている。









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竹のからかいまで