杜々の森湧水 Forest spring of forests 長岡市



杜々の森名水公園にはキャンプ場などの施設があり、名水池までは遊歩道が整備されている。冬季間はキャンプ場は閉鎖だが名水池には入れる。
長岡市栃尾地区と魚沼市守門地区との境に位置する「杜々の森」と呼ばれる広さ12.6ha余の地区有林があり、古くから水源涵養林・干害防備保安林として保護され、樹齢約400年のスギや、ケヤキ、ブナ、ナラなどのうっそうとした原生林が広がっている。
多くの鳥類も生息しており、県の自然環境保護地域に指定されている。
その幽玄な世界は、昔から神の棲む霊地として崇拝されてきた。大正の頃まで女人禁制とされ、男性でも、みだりに森の木を伐採したり、手を加えたりすると馬頭人身の神が姿を現し、その者を呪いにかけ死にいたらしめたという伝説が残っている。大切な水源が子々孫々の代まで絶えないようにとの祖先たちの思いが込められている。
森の木々の間から滾々と湧き出る清水は、水量、水質ともに優れ、人々の渇きをいやしてきた「命の水」である。清水は四季を通じて枯れることなく湧き、夏の渇水期でも毎日2000㎥湧出している。夏でも水温8度という冷たさである。
湧出する清水は、西中野俣地区の水田の灌漑用水や飲料水、ニシキゴイの養殖などにも利用され、冬期間の道路融雪にも役立っている。
1964年(昭和39)の新潟国体の際、昭和天皇がこの湧き水を茶水に使い、広く知られるようになったといわれる。また昭和56年(1981)に洋食器産業視察のため来県した当時の皇太子(後の平成天皇)の接待用に、同市の茶人がこの水でお茶をたてている。
昭和60(1985)年には、環境庁による「全国名水百選」にも選ばれた。周辺は「杜々の森名水公園」として整備され、環境保全が進んでいる。。※ストリートビュー



≪現地看板≫
湧水の環境保全にご理解を

真向かいの高台を屋敷田といい、三百有余年の昔「七軒百姓」と言われた私どもの祖先が、最初に居を構えた所とされます。(先住人の居は、水と見晴らしの良さが条件と言われる)
艱難辛苦の甲斐あって、この地を「安住の地」とするに及んで先ず考えたことは、杜々のこの地に神を祭ることでありました。即ち七軒百姓の「守り神」であった会津は野沢の大山様(大山祇神社)に勧講して、これを山の神「十二山の神様」として分祀しました。じ来この地を聖地として女人禁制の掟を作り、更に千古の斧鉞を入れない誓いを立てて、水源の涵養に涙ぐましい工夫と努力を重ねて参りました。私共は幼少の頃からこのように聞かされ、又ここを犯す者にはたち所に「馬頭人身」の、神の化身が現れこれを見た者は死に至るという事を、語り聞かされて参りました。
私共は、水に対する先人の飽くなき執念に深く思いを致し、これを継承して、怠りなく後世に伝えなければなりません。
近時多勢のお客様にお越しを頂き、心からご歓迎を申し上げる次第でありますが、同時に末長くこの地に親しんで頂きます為に、特に環境の保全には格別のご理解とご協力とを賜りますようお願い申し上げます。





杜々の森湧水 地図 地理院地図














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