妙高山 Mt. Myokosan 妙高市



妙高山(2,454m)は新潟県妙高市に位置する成層火山で、日本百名山の一つ。火打山、焼山とともに頸城三山を形成する主峰であり、新潟県にありながら長野県境に近いことから北信五岳の一座としても親しまれている。美しい円錐形の山容は「越後富士」と称され、なだらかな裾野を大きく広げる姿は周囲のどこからでもひときわ目を引く。
山は約30万年前から始まった火山活動によって形成され、長い休止期を挟みながら四度の活動を経て現在の姿となった。赤倉山、三田原山、神奈山、前山などがつくる直径約3kmの外輪山の中央に妙高山がそびえ、山頂部には爆発カルデラと中央火口丘が残る。カルデラ内には長助池と大正池の二つの火口湖があり、北地獄谷と南地獄谷では今も温泉が湧き出し、妙高高原温泉郷を支える源泉となっている。歩きながら火山特有の荒々しい地形や噴気地帯を間近に観察できるのも妙高山ならではの魅力だ。
登山口は燕温泉、赤倉温泉、池ノ平温泉、笹ヶ峰牧場など各方面にあり、目的や体力に応じてコースを選べる。最も利用者が多いのは燕温泉から北地獄谷、天狗堂跡を経て山頂へ至るコースで、登り約4~5時間の日帰り登山が可能。樹林帯から火山地帯、森林限界を越えた開放的な稜線へと景観が次々に変化し、歩き応えのあるルートとなっている。笹ヶ峰からのコースは比較的緩やかで、高原の雰囲気を楽しみながら登れるため人気が高い。
妙高山は高山植物の宝庫としても知られ、初夏から夏にかけてトウヤクリンドウ、ミョウコウトリカブト、コバイケソウ、ワタスゲ、ハクサンチドリ、イワイチョウ、ハクサンコザクラなどが登山道を彩る。湿原や草原、火山礫地など環境の変化が大きく、植物相も豊かで、花を目的に訪れる登山者も少なくない。
山頂からは頸城連山をはじめ、戸隠山、黒姫山、浅間山、北アルプス、南アルプス、天候が良ければ佐渡島まで見渡せる大展望が広がる。眼下には妙高高原や野尻湖が望め、火山が生み出した雄大な景観を存分に味わえる。
妙高山は古くから信仰の山として崇められ、旧登山道は妙高信仰の中心である関山神社から開かれた。社伝では和銅元年(708)に裸形上人が開山したと伝えられ、平安時代には修験者や参詣者が登る霊山となった。江戸時代には年間1,200人もの登拝者があった記録が残り、木曽義仲が山頂へ阿弥陀如来像を奉納したという伝承や、上杉謙信が出陣前に戦勝祈願を行ったという逸話も伝えられている。現在も自然、火山地形、歴史、信仰、高山植物、温泉を一度に楽しめる名山として、多くの登山者を魅了し続けている。(案内図)

🌌見どころ
妙高山最大の見どころは、火山が生み出した変化に富む景観と山頂からの大展望にある。燕温泉からのコースでは、北地獄谷の噴気地帯や荒々しい火山地形を間近に眺めながら登ることができ、樹林帯から森林限界へと景色が大きく変化していく。初夏から夏にはトウヤクリンドウやコバイケソウ、ハクサンコザクラなど多彩な高山植物が登山道を彩り、花の名山としての魅力も十分。山頂からは火打山や焼山をはじめ、戸隠山、黒姫山、浅間山、北・南アルプス、天候が良ければ佐渡島まで望むことができる。下山後は妙高高原温泉郷で疲れを癒やせるのも、この山ならではの楽しみだ。
🌌山名の由来
妙高山の山名は、古く「越の中山」と呼ばれていた山に「名香山」の字を当て、その音読みから「みょうこうさん」と呼ばれるようになったと伝えられる。また、「妙高」は仏教における世界の中心にそびえる霊峰・須弥山(しゅみせん)の別名でもあり、古くから信仰の山として崇められてきたことを物語っている。平安時代以降は修験道の霊場として栄え、山名には神仏習合の信仰と霊峰としての歴史が色濃く刻まれている。
🌌山にまつわる言い伝えや出来事
妙高山は古くから越後を代表する霊山として信仰を集め、旧登山道は関山神社から開かれた。社伝では和銅元年(708)に裸形上人が開山し、関山権現を祀ったことが始まりと伝えられる。平安時代以降は修験者や参詣者が登る信仰の山となり、江戸時代中期には年間約1,200人もの登拝者が訪れた記録が残る。寿永元年(1182)には木曽義仲が守り本尊の阿弥陀如来像を山頂に奉納したとの伝承があり、戦国時代には上杉謙信が出陣前に山頂の妙高堂へ籠もり戦勝祈願を行ったと伝えられる。現在も歴史と信仰が息づく名峰として、多くの登山者に親しまれている。
🌌注意事項
🤩妙高山は標高差が大きく、急登や岩混じりの区間が続くため、体力に余裕を持った計画が必要となる。北地獄谷周辺は火山活動の影響を受ける場合があるため、事前に登山道や規制情報を確認して入山したい。森林限界を越えると風雨を遮るものが少なく、天候が急変しやすいので、防寒着や雨具は必携。下山時は滑りやすい急斜面が多く、浮石にも注意しながら足元を確実に確認して歩くことが重要だ。
🤩妙高山の水場はコースによって異なるが、最も利用者の多い燕温泉コースでは、天狗堂付近に湧水があり、登山シーズンには利用される。ただし、降雨量や時期によって水量が変化し、枯れる場合もあるため過信は禁物。山頂や稜線上には安定した水場はなく、十分な飲料水を登山口から携行するのが基本となる。利用する際は必ず最新の登山情報を確認しておきたい。
🤩妙高山の登山後は、麓に広がる妙高高原温泉郷で汗を流せる。赤倉温泉、新赤倉温泉、池の平温泉、妙高温泉、杉野沢温泉、関温泉、燕温泉の七つの温泉地が点在し、それぞれ異なる泉質や雰囲気を楽しめる。燕温泉の乳白色の湯や、赤倉温泉の豊富な湯量は特に人気が高い。多くの宿泊施設で日帰り入浴を実施しており、登山の疲れを癒やしながら妙高の豊かな自然を満喫できる。

🔶燕登山コース
燕温泉入り口駐車場から温泉街を通り抜けると道は二分し、右は惣滝、麻平へ続くコース、左のコースへ続く石段を上がる。
緩やかな斜面を登ると露天風呂「黄金の湯」がある。『サブコース』をサンカヨウユキザサヤグルマソウシモツケソウトリアシショウマが美しく咲き誇っているスキー場跡の斜面を緩登すると、傍らに『泉源清水』がある。やがて硫黄の臭いがする川原から少し登ると麻平からの道と合流する。賽の河原を過ぎ、低木帯を進むと急に左に折れて、急登となり『天狗堂』まで登る。途中ミソサザイビンズイオオルリクロジウソカケスなどに出合う。
天狗堂からは少し登ってウサギギクが咲く登山道少し登って『光善寺池』、無数のアカモノ(イワハゼ)が彩っている尾根道を進むと、『風穴』があり徐々に傾斜を増して急登し、岩場の鎖場となる。
ロープや鎖をたよりに慎重に岩場を越え、かれんに咲く ヨツバシオガマウスユキソウトウヤクリンドウミョウコウトリカブトを見ながら、赤茶けた溶岩ドームをよじ登ると、妙高の『南峰』、関山神社奥の院と将軍地蔵の祀ってある山頂に着く。頂上付近はイワヒバリが鳴く。
眺望は北に佐渡、南に南アルプス、八ヶ岳、富士山、東に苗場山、谷川連峰、西に北アルプスと360度の大パノラマだ。南峰から北に進むと一等三角点のある『北峰』となる。

🔶燕新道コース
昭和34年(1959)に燕新道が開かれた。燕温泉口から長助池に出る道で、非常に登りやすく、4時間ほどで山頂に到達できる。
燕温泉から北地獄谷を渡って、惣滝への分岐点から約20分で、燕登山道の分岐点『麻生平』につく。
ここを右へ入って大倉沢を渡って、約1時間勾配の緩い山道を歩くと小沢を渡る。
10分くらいで大倉山・神奈山への分岐点となる。これを見送って小さな湿原を越え、広葉樹林に入り、抜けると『長助池』があらわれる。
長助池は、ガイド故岡田長助の名をとって名付けたものである。コバイケソウイワイチョウワタスゲハクサンチドリハクサンコザクラなどが、いっぱい生え繁っている。
大倉乗り越しから高谷池へいく道との分岐点を過ぎて、沢沿いの道をいき、急坂をよじのぼる。森林帯の中妙高山山頂まで高度差450メートルである。

🔶スカイケーブル利用
赤倉スキー場に1984年(昭和59)妙高高原ゴンドラリフト(妙高高原スカイケーブル) 2607m が設置される。山麓駅から標高1236メートルの山頂駅まで約11分で運ぶ。山頂駅からスキーゲレンデの遊歩道を行き、標高1400メートルあたりで登山道につながる。
草と落葉で覆われた道を行くと、やがて中腹を切り裂いたような南地獄谷作業道路が見える。この舗装道路に出れば、まもなく南地獄谷源泉の湯煙を背に無人小屋の大谷ヒュッテが建っている。燕登山道コースと合流する『天狗堂』へもわずかな道のりである。


  • ★★☆☆
    〔標高〕2,454 m
    〔所在地〕新潟県妙高市 ※GOOGLE 画像


  • ❏〔登山口〕
    • 🔶燕温泉登山口 ※地図 ※ストリートビュー
      • 燕温泉登山口は妙高山の代表的な登山口で、標高約1,100mに位置する。北地獄谷や天狗堂跡を経由して山頂を目指す変化に富んだコースで、火山特有の噴気地帯や荒々しい景観を楽しめる。登りは急坂や岩場が続く区間もあり、難易度は中級者向け。登山口には駐車場や温泉施設があり、下山後すぐに温泉で汗を流せるのも大きな魅力となっている。
      〔所在地〕妙高市燕温泉
      〔所要時間〕 山頂まで約4時間30分
      〔アクセス〕 〔駐車場〕 50台
      〔水場〕 標高1400m付近に泉源清水、燕新道標高1700m付近に黄金清水がある
    • 🔶妙高高原スカイケーブル頂上駅 ※地図 ※ストリートビュー ※GOOGLE 画像
      • 妙高高原スカイケーブル頂上駅は標高約1,300mに位置し、妙高山南東側から入山する登山口となる。駅周辺は高原らしい開放的な雰囲気が広がり、登山開始直後は比較的歩きやすいが、胸突き八丁付近からは急登が続き体力を要する。山頂までの難易度は中級者向けで、標高差はやや少ないものの、本格的な登山装備と十分な体力が必要となる。
      〔HP〕http://www.akr-sky.com/
      〔所要時間〕 山頂まで約4時間
      〔アクセス〕 〔駐車場〕 山麓駅に有り























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