資 料 2

 

東屋竣工までの回想録
  

 6.現状とお勧め

現在私の土地には、東屋(写真参照)のみが立っているだけで母屋は建っていません。

バリでは、母屋を建てる前にまず東屋を立てて、母屋を建てる際の大工さんの休息所

として、使用するのだそうです。そこで、バリの住宅建築の現状を知る上で良いテスト

ケースとなると思い、まず東屋のみを建てる事としたのですが、これは正解でした。

まず、バリは湿気が多いので、余程換気を良くしておかないとカビの対象物は全て、
 
直ぐにボロボロとなってしまいます。バリ人の家がどんな造りになっているのか?
   
を良く研究した上で、その上を行く様な湿気対策を施す必要が有ります。
   
高床式にして、地面と床の間に風が通る様な構造とする必要が有りますし、室内を
 
掃除したときの湿気が直ぐ取れる様に、そして掃除そのものが簡単に済む様に、

床は木造(フローリング)では無く、タイル貼りの方が良いです。

壁もブロック積みのモルタル仕上げにペンキ塗りか、竹壁とした方が良い
 
と思います。天井は、屋根が茅葺なら天井なしの素通し、瓦なら竹が良いでしょう。

何れ母屋を建てるにしても、どんな家にするのか?十分な研究が必要だと思います。

バリでは、施主が設計と施工管理を坦務出来ないと、納得の行く家は建ちません。
 
その自信が無いのでしたら、止めておいた方が利口です。 東屋でさえ、「オナー!
   
オナー!」と五月蝿く騒がれ、かなり閉口しました。 「苦しゅうない、良きに計らえ!

(あなたに任せる)」と言いたかったのですが、勝手にやらせると子供騙し的な工作を
   
平気で仕出かすので、そう言う訳にも行きませんでした。彼らには、プロとしての
   
プライドが無いのか?それとも、オナーを小馬鹿にしているのか?木ネジの頭を
   
カナ槌で叩いて、金具を止めようなど、職人の頭をゲンコで引っ叩いてやろうかと
   
真剣に思ったぐらいです。増してや、工具を持たずに現場に来る職人がいるなんて、
   
私には信じられません。そんな訳で、家が建つまでズート付き合える様な暇も、
   
工事用具から材料までの調達と使い方を指導できる知識に、十二分な資金が無い
   
現状では、母屋はいま少し身辺の整理が済んでからにしよう、と考えた訳です。
   
お勧めとしては、馬鹿らしい思いをして土地を買い、苦労して別荘を建てて、その
   
保全に至るまで心血を注ぐよりも、建てたつもりで、ひいきの高級ホテルを作り
   
そのスイートルームを毎度借りるとした方が、安くて、安全で、手っ取り早くて、
      
そのうえ頭に来る事も少ないでしょうから、健康にも良いと思います。

     


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