【フィルム測長器・ 1600mmのシートを±0.02mmで測定する 】



 フィルムシートの打ち抜きをしている会社から、1600mm幅を±0.1mmで測れる測定器を知らないか?と、問い合わせがありました。 あちこち調べましたが、使えるとしても価格が高すぎる物しか見つかりませんでした。 ならば、造るしかないか、と材料を探したのですが可成り時間を費やしてしまいました。 被測定物が0.1〜0.2mmのフィルムであるため、ノギスで測るように接触測定ができません。 結局、工作機械に使われている測長ユニットを用い、CCDカメラを組み合わせ、モニター上で位置あわせをするしか無いようです。 

基本的な考え方として、 

w1800 x d900 x h700 程度のテーブルに組み立てる。

リニアスケールの検出ヘッドにCCDカメラを取り付ける。

検出ヘッドを精度良く動かすためにリニアガイドを組み込む。

リニアスケールとリニアガイドの組合せのみでは剛性が無いので、 9 x 60 mmのフラットバーを組み込み、剛性を持たせる。

モニターは、液晶テレビを用い、位置決め精度を高める。

CCDカメラの位置決めが容易にできるよう、微調整機構を設ける。

測定値は、カウンターで表示する、事としました。

出来上がり精度は、1600mm幅で±0.1mm を満足しています。

最大測定量   1,600 mm

測定精度     ±0.02 mm以内

最小表示量   0.005 mm

CCDカメラ→モニターの拡大率は、150倍です。 従って、現物の±0.1 mmは、モニター上で±15 mmになり、判定に問題はありません。 測定精度の ±0.02 mmは、モニター上で±3 mmであり、判定可能です。

測長器の出来上がり状態です。テーブルは、測定するフィルムをマグネットで軽く押さえられるように、Steel Topにしました。

リニアスケールの検出ヘッドにCCDカメラを取り付ける。カメラは、テーブルから10mm浮いている。

カウンターは、最小0.005mmを表示しますが、装置としての測定精度は、±0.02 mm以内です。

 今回は、ここ迄の製作でしたが、将来は横にパソコンを置き、「計測」ボタンを押して表計算ソフトにデーターを取り込み、被測定物の仕様書に合わせたデーター計算と数値の合否判定を組み込みたいと思案しています。

 201611神奈川県の会社から問い合わせがありました。

    E-mailで数十回の質問、解答をやり取りし、納品・組立・調整を完了しました。201702

  ・パソコン画面で確認できる始点をカウンターで"ゼロ"に設定し、カメラを測定点に移動後、測定ボタンを押してデーターをエクセルに取り込みました。

  ・あとは、σ計算など処理が進みます。

   ご連絡は、こちらから

 

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