僧堂日記


自分でアップしやすいようにBBS方式にしました。 僧堂時代の思い出を綴っていきます。
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【入門物語1】庭詰め一日目 yo-san 03/10/6(月) 11:39 [添付]
【入門物語2】庭詰め二日目 yo-san 03/10/6(月) 11:41
【入門物語3】旦過詰一日目 yo-san 03/10/6(月) 11:42
【入門物語4】旦過詰二日目 yo-san 03/10/6(月) 11:43
【入門物語5】旦過詰三日目 yo-san 03/10/6(月) 11:44
【入門物語6】新到参堂 yo-san 03/10/6(月) 11:45

【入門物語1】庭詰め一日目
 yo-san  - 03/10/6(月) 11:39 -

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   大学生活最後の夏、さすがに95Kの体重ではマズイと思い減量大作戦をや らかしました 、毎日ウエイトトレ−ニング1時間水泳1時間を半年間続け7 8Kまでやせました。
実は就職活動もして内定をもらっていたのですが、それを一年延ばしてもらま した。

工学部電気科と言うことも有りますが、卒業者名簿で就職先が某専門道場なの はなんか不自然でした。

師匠にいろいろ教わったのですが、最近僧堂を出た人に話しを聞くと師匠の言 ってることとぜんぜん違っていて一抹の不安を感じた、そりゃ戦後すぐの50年前と現在では違って当たり前だ。

庭詰め1日目
掛到する日は4月一日に誰か掛到するらしいというので二日の日に決めた(結 果的にこのNo3の位置は私にとって良い位置だった)このへんから要領男の 感が冴えていた(この感には随分と助かった)

仲間とも別れを惜しみ、さあ明日は庭詰めだという日床屋 で頭がつるつるになって行くのを鏡で見ている時は、正直逃げ出したかったなぁ

朝4時に起き支度をして師匠に送られながらTAXIで僧堂に向かうのであ った(この辺が今は恥ずかしい、電車で一人で行ったならカッコ良かったと思 う)さて駐車場につき師匠とも別れをした後(喫煙者ならここで最後の一服を するのであるが)階段を上がり玄関にたどり着く、中では粥座の最中らしい、 教えられたとおり座り込み掛搭願書と誓約書の入った封筒を出し

「たのみましょ〜〜う」

返事がないそのまましばらく待つと、小さな声で「もう一回」と言われもう一回

「た−の−み−ま−しょ−お・・・」

「ど−れ−」  やっと誰か出て来た

「東京都町田市萬松寺徒弟柴崎信洋専門道場掛搭したくよろしくお取り次ぎのほど」 封筒を持って行って暫くしてから
「当道場はただいま満衆に付き他の道場に足元の明るいうちの御巡りください」
教えられたように言うと教えられたように答えが帰って来る。
そのまま座り込みが始まるのであった

粥座が終わったらしく大勢が玄関から出て行く自分の近くを何と言うか均整の 取れた足音がたくさんとうりすぎて行くはっきりいって恐い

しばらくすると、あと二人来て順番にたのみましょうをかける、誰も出てこな い所を見ると2か目の人らしい、それから早起きのせいだろうか暫くの間睡眠 をとるのであった。

ふと痛みで起きると、私の太股はがちがちになって痛くなってきているこれは 東司にいって足をほぐさないっと耐えられないので東司(トイレ)にいくが「余り長く東 司に入っていると怒られる」と言われてきたので急いで東司から出るすると他 の二人も東司に来た。

三人もいっぺんに東司に来るのはマズイと思い速く帰ってまたしゃがみこむし かし二人はなかなか帰ってこない、さすがである例え一日しか違わなくてもこ の余裕、何と30分以上たってから帰ってきた。

また足が痛い、少しずつ足を動かす、ちょっと楽になってもそれもすぐ痛くな る腰も痛い、痛い、痛いひたすら痛い、もう限界である、しかしそうしょっち ゅう東司にも行ってられない 、回りの様子をなんとなく探る、誰も見てなさ そうだ、いや例え怒られてもいいもう耐えられない

次の瞬間腰を延ばし足を延ばすすぐ元に戻す、その間約一秒、なんとか見つか らずに済んだ、しばらくすると前に坐ってる奴も同じ風に動くしかしやはり一 日違う余裕で有る、くねくねと5秒以上動いていた,小心物の私には彼がうらや ましかった。そのじっとしていながら突然一瞬動く攻撃を三人で幾度かする と、誰か来る

斎座ですので足を洗って雲板(うんぱん)がなるまで旦過寮(たんがりょ う)でお待ちください」やっとお昼ご飯だ,あの玄関の静地獄から解放される と思った

しかしその斎座こそ大変だったのである

旦過寮で待っていると雲板がなる、先の二人に付いていく。 いきなり二人が低頭する私も急いで低頭。

「御願いいたします斎座御願いいたします」

ん?なんか暗号のようなことを言ったぞ?と思っているとどこからともなく 「はい」と返事。
また前の二人に付いていく、食堂(じきどう)を通り過ぎ典座(てんぞう:台所又は料理当番の役名)に 飯台が置いて有る。一人の雲水が「一番の奴おまえがタクを使って飯台経をみんなで読むんだ もう飯台経は分かってるな新入りにも教えてやれ」
おいおい知らないゾそんなもの・・・・、何のお経か教えてもらいタクがなる。

カチッ まかはんやはらみた・・・・・・・・
かんじさいぼさ・・・・・・・・お経を読み始める。
なんと読みながらご飯をよそらないといけない経本から目を離すとどこを読んでいたか分からな くなるし大変である、またいくつかのお経を読むのだがページが離れていて大変だ。全部よそり 終わってホッとしてお経に熱中する、カチ、タクがなる
「ここじゃないだろ〜〜〜」いきなり怒鳴られる、どうやらタクを撃つ場所を間違えたらしい。 こここここ恐いじゃないか勘弁してくれよ〜と思っていると脇を押される、なにかしないといけ ないらしいが、恐がっていて何をして良いか見てなかった。サバ(餓鬼に米7粒を上げる)を サバ器に出さないといけないらしいが出し方が有るみたいだ、分からないからそのまま出す。 こわごわと斎座を食べる。食べ終わるとお湯で自鉢を洗いお湯を飲む またタクがなる。お経を読みながら自鉢をかたずける。また二人に付いて帰る、またさっきと 同じ所で低頭

「御願いいたします斎座ありがとうございました。」
どこからともなく「はい」
一体誰がどこから返事をしているのだろうか謎だ?
旦過寮に戻りさっきのサバについて教えてもらう。みんなで支度をして庭詰めに帰る。 午前中に同じくたまにくねくねしながらずっとうつ伏せに低頭しているただそれだけである。 午後四時を過ぎた頃であろうか誰かが来る。

「本日は足下も暗くなりましたので旦過寮にお泊まり下さい、明朝は早々とお帰り下さい」
本当に帰って良いのなら帰りたいが本当に帰る訳にはいかないよなぁ
旦過寮に足を洗って入る。しばらくするとさっきの典座の人が来る。
「おう、おじやはこれで多すぎないか?一度持ってきたらもう全部食べないといけないんだぞ」
(後で知ったのだが普通は食べれないほどの量をわざと出して修行させるらしいのだが、この件に関しては やさしかった、因みに私が典座の時は伝統に従いました。)
「大丈夫です」一番が答える。「ほんとにいいんだな」といい帰っていく。
「御願いいたします薬石御願いいたします」おじやとポットを持ってくる。
「ちゃんとタクを使って薬石を食べろよご飯粒一つ残すなよ」と言い残していく
後は3人だけでだれも見てない、薬石はお経は読まないがタクを使って支度する。自鉢大盛り3杯 のおじやを食べる多いはずなのだがまだ足りない、お湯で自鉢を洗うそしてお湯とお新香で鍋も洗う
そこまでしないといけないらしい、洗い終わるとそれを持って典座の裏の水道で洗う、洗うのなら 別にお新香で洗ってそのお湯を飲むこともないのにと思うが見られたらまずい(雲水からするといちいち チェックしてる暇などないのだが)洗い終わると
「御願いいたします薬石ありがとうございました」鍋とポットを返す。
「ん、ちゃんときれいに洗ったろうな」
「はい」
旦過寮に帰ってしばし休息、しばらくすると開板がなる、ガンコンコンガン、一人が電気をつける。 どうやら電気をつける合図だったらしい、誰かが来る。
「御願いいたします茶礼御願いいたします」
されい?なんだそれは?
お茶と菓子を持ってまた違う人が来た。
「明日からお二人には旦過詰めに入っていただきます、そちらは庭詰め2日目です」 そうか明日から一人か寂しいな〜
「そちらの方は投宿帳をお書き下さい」帳面を出す。 それに書いてるあいだ他の二人は旦過詰めの話をしている。筆なので下手で読めない字で書き終わって出すと 「所で何年いるつもりなの?」なれなれしく聞いてくる。 一番が「3年です」二番が「うちは1等なので5年です」

おいおい勘弁しろよ俺は一年って言われてきたんだぞ
「一年です」こわごわ答える。

「え〜今は一年じゃ住職になれないよ、最低3年なんだよね」
うげ!!目で他の人に訴えると、みんなうなずく、いやこれは脅しだ。 絶対一年で出れるはずだ。(実際は3年半もいた)そう自分の心に言い聞かす。
お茶を持ってきた人が帰る(しかしその彼は他派だったので一年ちょっとで帰っていった) 後は自己紹介的な話をする、人が外を通る度に息を潜める。
また開板がなる。今度は電気を消す

ご〜〜ん! 大鐘がなるどこからともなくお経が聞こえてくる
ご〜〜ん!また大鐘がなる(実際には般若心行一回につき一回叩く18回つづく) その奇妙な音の交わりの中、普通の布団の二倍の広さのカシワ布団の片側に 体を起きもう片方を自分のうえにかぶせて寝る、今後への不安を抱きながら。

庭詰め二日目につづく

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【入門物語2】庭詰め二日目
 yo-san  - 03/10/6(月) 11:41 -

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   庭詰め2日目

遠くからチリンチリンチリン・・・・・と音がする。
その音がだんだん近ずいてくるそして旦過寮の前で誰かが
「御願いいたします、開静(かいじょう)御願いいたします。」 たしかさっき目をつぶったような気がするのにもう起きないといけないみたいだ 目を開けるとそこは暗闇、まだ夜じゃないか。 誰かが電気を着けてくれた。 単布団をたたまないといけない、たたむというよりは丸めるなのだが2畳有る布団を 半分におりくるくるっと俵型に丸めて紐で縛る。これが難しい。私がやっとの事で 縛るともう二人はいない、いったいどこに行ったのか?一人が帰ってくるどうやら東司 に行っていたみたいだ「時間がないよ」とせかされ急いで東司に行く帰ってくると もう二人は着替えに入ってる、急いで自分も着替える。ドッド〜〜ン法鼓(ほっく、太鼓) の音が鳴り響く二人について経本を持ち本堂に向かう本堂は開けっ放しだ、本堂の中で 立って待つ、太鼓は聞いたこともないリズムで角を使って鳴り響いているその内、 本堂に何人か集まる、そして禅堂のほうから何人も並んで出てくる、 先頭の人が歩きながら印金をチ〜〜ンと鳴らしているなんか不思議な儀式が始まるみたいだ。 全員位置に着くとチ〜〜ンで合掌、問訊(もんじん、おじぎ)して座を組む、座の組み方なんか知らないからあぐらで座る。そして老師入堂、背の小さいのが大きい人に連れられてきて まん中の拝敷に行って座る。あれが恐れ多い老師だと知ったのは後からのことでした。
みょうほうれんげ〜きょう〜・・・
お経が始まる、魚鱗(ぎょりん、木魚)がポク、ポクぽぽだだだだだ・・・・・・・・・ 最初はゆっくりだったのにだんだん速くなり最後にはマシンガンが炸裂したかのような 速さになる、まだ読み始めなのに既にどこを読んでるか分からない探しても見つかるわけがない、 ま〜オレだけじゃないだろうと横を気にすると、ちゃんと読んでるじゃないか(彼は憶えてきた のだった)しまったオレだけ目立ってしまうじゃないか、必死で今読んでるところを探すが 見つからない隣を覗くとページからして違う、既に読むのはあきらめたが必死で読んでるように 経本を見ながらぶつぶつ小さい声でつぶやく、約一時間の朝課が終わると旦過寮で待機、眠い 目を擦りながら朝の動きを聞く、するといきなり禅堂から一斉に走ってくる足音が、ポワ〜〜ンと 喚鐘の音がする、すると本堂のほうから
ぎゃ〜〜〜〜〜〜と叫び声または異様な怒鳴り声がする。なんじゃこれはとほかの二人に訪ねると これが禅問答の独参(どくさん)ではないかと言う。
また一時間ほどすると、典座から雲版の音がする 粥座(しゅくざ、朝御飯)の合図だ、二人に付いて今度は違う脇玄関から上がるそして みんなで低頭して「御願いいたします粥座御願いいたします」と一番目が言う どこからか「はい」と返事がする。 食堂(じきどう)の入り口で待つと禅堂から大勢並んでくるその列を眺めてると最後の一人が 前にはいれと合図してくれたので3人して前に入り食堂にはいる、飯台が変な風に置いて有る 一体どこに付けば良いのだか分からないが前の人のとなりに立つ、印金の音で問訊して座る。 まかはんにゃはらみたしんぎょう〜〜・・飯台経が始まる。自鉢を広げながらお経を読むのだが 広げるのが忙しくて経本など読んでいられない隣を覗きながら同じように自鉢を置く、 まだ自鉢を広げられないのに飯台看(はんだいかん、給食当番)が粥を盛って歩き始めた、 何とか自鉢を広げるともう自分の前に来て手を出す、自鉢を広げるのが忙しくて前の人の動きが 見れなかった。一体どうすれば良いんだ、ぐっと手を出してきたので手に親椀を置くと粥を 注いでくれる何とか前の人がやっていた合掌をずらすと注ぐのをやめるのを見ていたので直ぐに 合掌をずらして粥を止める。今度は梅干しを持って歩き始める、それも一個で合掌をずらして 止めてもらう。次ぎに木のちりとりの小さいよなサバ器をもって歩き始めるそれにみんな箸で 粥のご飯粒をつまみ置いていくしかし粥とはいうけれども、ただのお湯でお椀の下になんとなく御飯つぶらしき粒が沈んでいるだけなのでその粒なんかなんかなかなかつかめない なんとかつまんで上に置く、飯台経も読み終わり粥も回ったのでタクの音で一斉に合掌して食べ始める。 粥はまだ熱くてなかなか食べられない苦戦してると、もう2杯目が 回ってる、隣が肘で合図するので箸を置く2杯目も同じようにもらう、さて困った梅干しを 食べたのだが種をどうしたら良いのか分からない取りあえず口の中に入れたままにする。 3杯目はみんなが回ってくるが前の人がしたように低頭するとそのまま行ってくれた。 しかし種は口の中にはいったままだすると木桶のような折水器(せっすいき)が回って それにみんな種を入れてる、自分もいれる後はお湯が回ってくるそれを親椀にとって それで洗鉢する、またお経が始まると自鉢をかたずけ始める、お経が終わるとみんなで立って 問訊して退室する。自分たちも後について退出してまた最初の所で「御願いいたします粥座、ありがとうございました」と低頭、2杯の粥を食べるのに何時間もかけたような気がした。
その後旦過寮で茶礼したのち一度山を下りてまた上がって行き前日と同じように たのみましょうかける。先の二人は今日から旦過詰めなので今日から一人である。 その内雨が降りだした冷たい風が吹いてくる寒い・・・・
東司に行くとき草鞋なので足袋が濡れてしまい足がしんしんと冷えてくる骨まで寒い、腰が痛い、足がしびれる、眠い、眠い、ねむい〜、眠りは痛みや辛さを忘れさせてくれる最後の逃げ道だ。 ふと気が付くと誰かが呼びに来た、やっとお昼だ。旦過寮に行くと開け放たれてるはずの 窓が閉められてる、雨だと閉めるんだそうで二人ともぐっすりと旦過詰めをしていたそうだ。 畜生こっちは寒い思いで外みたいな所にいるのにこいつらはと悔しく思ったのだった。
さてまた雲版の音がする、昨日とは違い今日は粥座と同じで「御願いいたします斎座 御願いいたします」と低頭して待ちみんなの後について食堂に入る。今度は朝とは 飯台がちがって置かれている。また隣に並び印金で問訊今度は正座で座る。 (朝は本飯といって本式の飯台座で昼は隋飯といって作務着等で食べる略式だった もちろん3食ともに本飯と隋飯がある)、飯台経が始まりまた自鉢を広げると 今度は向かい合わせに座った飯台のまん中を飯器が通るようになっていて自分たちで 下の方に手渡しで動かして自分たちでよそる方法だ。まずは飯器(ご飯)が流れ次ぎに汁器(汁器、味噌汁) 次ぎに菜器(さいき、漬け物たくあん)が流れる、おかずは赤椀にもってすで飯台にはじめから 置いて有る。全部よそりおわるとまたサバ器が流れてくる今度は指でご飯をひとつまみつまんで サバ器に置く。飯台経が終わりタクの合図で合掌して食べ始める。まだ食べ始めたばかりなのに もうおかわりが流れ始める今度は汁器からだ。まだ食べ終わってないけどみんなが注ぐから 自分も少し注ぐご飯も少しよそる。そして食べ始めたと思ったらまた流れてきた、よそってばかりで 食べる暇がない。既にみんな食べ終わっていて食べてるのは3人だけになる焦って食べるが ぜんぜんご飯が喉を通らない、何とか押し込むやっと食べ終わった。そしてまた飯器が 流れ始める今度は全員が低頭、よそられることのない飯器は手渡しで中を浮いたまま 目の前を通り過ぎていくそして上と下から湯器(とうき、湯)が流れ湯器を取る。 みんな赤椀を残して置いた沢庵できれいに洗ってる、自分は沢庵全部食べっちゃった、 しかたないので洗ってるふりをして赤椀を重ねる。自分の自鉢を洗いしまうがしかしいきなり
「うるさい!!静かに洗え」と怒鳴られる。ひえ〜〜恐いよ〜〜、 音をしなくしようと努力すればするほど手が震えかたかたと音が出るこりゃまずいぞ〜、でも 今度は怒鳴られなくなんとか自鉢を洗う、タクの音で折水器が流れ前を通ったら急いで 自鉢をしまう (流れるのは上から下なので下の方はどうしても時間がない) そして起立して退室なわけだが正座だったので足がしびれて立てないがしかし立てないでは 許されるわけがない急いで何とか立つそしてひょこひょこ歩きで退室してまた「御願いいたします 斎座ありがとうございました」の低頭をして旦過寮にまた玄関に座り込む。
後は1日目と同じなのであった。痛い、寒い、眠い、暇・・・・1分が凄く長い。 夕食のおじやはやっと3人だけでのごはんやっと物を食べた気になったのだった。 夜、また単布団で考える
明日からは旦過詰め雨が降って欲しいな・・・ しかし人生甘くはなかった。
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僧堂を出て忘れてる事も多いので飯台座などもしかしたら順番が違ってるかもしれません。
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【入門物語3】旦過詰一日目
 yo-san  - 03/10/6(月) 11:42 -

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   旦過詰一日目

こんなに辛いのは夢ではないかとそう信じたいことがある。
そう夢だったのでは

また震鈴の音が近づいてくる。
チリチリチリチリ・・・・・・・・・・・・・
「御願いいたします開静御願いいたします。」

やっぱり夢でなく現実だ、昨日と同じく布団を丸めて着替えをする。
マシンガンのような朝課と変な叫び声を聞いて(笑)粥座である。 恐い、また大勢が見てる前で食べないといけない、タクでお経が始まる 飯台看(はんだいかん、給仕役)が粥を注いで回る。自分の前に来た 親椀を手に乗せて注ぎ始めたら素早く手を滑らせてく切る、余り多く注がれると また速く食べれないからだ、お経も一緒に読まないといけないのだが 読めない、また適当に口だけ動かす(そういえば小学校のクラスで笛の発表会の時も 指だけ適当に動かしていた)お経と給仕が終わりタクの音で食べ始める。 既に昨日の経験から箸で食べるというのは無理があることを悟り箸は持ったままで 粥を飲むそして上澄みの湯を飲むと数粒の米が残るそれを箸で口に椀から落とす。 その時間約1分、口の中がやけどしたみたいに痛い、早く食べ終わったので前を見る みんな余裕の顔で食べてるし粥も一杯注いでるはずなのにもう食べ終わってる人まで居る まだ食べてる人もどうやら自分たちに食べるのを合わせてくれてるみたいだ。 ここで一つ学習したことそれは「粥は食べるに有らず、飲む」だ、そうすれば 箸の音も立たないし早く飲めるしかし音がするのですすってはいけない 口に流し込むのだ。しかし前を見ているとみんなこっちをにらみつけ始めた「やばい」 必死で目をそらせる。2杯の粥を食べ自鉢も取りあえず洗う、自鉢同士がぶつかりカチッ と音を立てる。
「うるさい!!」怒鳴られる。 恐い〜、そう思うと余計に手が震える、カチャカチャ余計にうるさく音が鳴る。

「うるさいといってるだろ〜静かに洗え」

また怒られる。
緊張感がその場を支配する。でも手のふるえは収まらない・・・・・ 何とか洗鉢を終わらせる、もう他の人たちは待ちくたびれてるようだ。 お経が始まり自鉢をかたずける、「もう終わりだ」そう思った。 お経が終わり退室のためにみんな一斉に立つ、なんと足がしびれて動かない みんなが立ってるのに自分だけまだ立てない、何とか必死で立つが今度は 歩けない!足を動かしびっこをひきながら何とか退室、「御願いいたします 粥座ありがとうございました」低頭中も動きはぎくしゃく、旦過寮に戻り 戸を閉めてから寝ころびもがき苦しんだ。なんか一日がもう終わったかと思うくらいだった。 しかしここからが本番だ、旦過詰めする者は日典掃除(にってんそうじ)を手伝うのだ。
着物にたすきをして腰上げをして頭にタオルの格好で掃除を手伝う しかし一生懸命に掃いてるのだが気が付くと私たち以外の一行は 既にずっと先に進んでいる。そっちに行きまた掃き始めるまた一行は ずっと先に進んでいる。これじゃ手伝うではなく足をひっぱてるだ。 事実ゴミ取り係りからすれば良い迷惑なのだがそれは参堂後、以降の 旦過詰めにより身を持って思い知ることになる。 そんなわけで早めに掃除を終わらされる。なにせ新到参堂するまでは これでもお客様あつかいなのだ、それに居ない方が掃除がはかどるのだ。
今日からは旦過詰めだ、ただひたすら坐禅をする。 晴れてるので窓と戸は開け放たれる坐り方を聞いて 半跏で坐ってみる10分もしないうちに痛くなってくる、 しかたないので足を組み直すまたすぐに痛くなってくる。 そうこうしてるうちに坐ってる時間よりも足が動いている 時間のほうが長くなってくる。
東司に行こう、すぐには立てないので足を延ばしマッサージ をしてから東司に行く、すると他の二人もまたきた。 連れションの好きなやからである(笑) 一息着いてまた坐り始める今度は眠い・・・ 気が付くと寝ていた足なんか既にのびきっている やばい見つかると怒られる、また坐りなおす、が寝てしまった。
ツンツン!!隣につつかれて起きる、雲板がなったのだ斎座だ なにせ朝は粥という名の湯なのでお腹はペコペコだでも恐怖の 飯台座が待っている。案の定量よりスピードを狙って余りよそらずにすます。 2回目などはみんなよそっているのだがよそるふりだけで済ます そして食べてるふりをする。今度はなんとか沢庵を残して赤椀だけは洗えた しかし実は次に少しご飯を残しておきそれに湯をかけお茶漬けを食べる儀式が あったのだ、もちろんご飯は全部食べちゃった、しかたなく湯だけ飲む 、その後洗鉢するのだがまた音がして叱られる、そして一日中坐りっぱなしだったので 足はしびれが切れて痛い、しかし低頭後、旦過寮は開け放たれてるので もがき苦しむことはできなかった。後はまたひたすら坐る。 これからの不安が頭をよぎる、さすがにお気楽には生活は出来そうもない。 目の前の戸になにかが来た、りすが来たのだった戸の所に止まって こっちを見てるこっちもりすを見るお互いに目を合わせたまま動かない 目がきょろきょろとしていてかわいい思わず笑みがこぼれてしまう。 のちに誰もがこのりすの励ましを受けていることが分かるが、事実 それは我らには励ましなのだ。 そのうちありとあらゆる音が耳に入ってくるささいな音も気になる。 足は痛いし、暇だしこれもきつい、ひたすら坐るただそれだけなのだ。 これを3日間もしないといけないのだ。
遠くでお経が聞こえる晩課だ、人がきてもう閉めて良いですよ という戸を閉める、戸を閉めても坐ってないといけないのだが もうあしが痛くてしょうがない足を延ばしてマッサージする。
夕食はまたおじやだ、でも旦過寮で食べれる。山盛り3杯 のおじやをぺろりと食べる、鍋を洗った湯も美味しく感じる。 鍋を洗い典座に返す「御願いいたします薬石ありがとうございました」 すると「ちゃんと洗ったか?昨日は汚かったぞ」と怒られる。 (それでもこれくらいではお客様扱いなのだ)
後は旦過寮で少し話をする一人でなくて本当に良かった。 昨日は雨だったから窓は閉め切ってたという話は実にうらやましかった。 さっき食べたばかりなのにもう腹が減る、腹減った〜と言う話になる。 そうすると一人がチョコレートを隠し持っていて分けてくれた、 うまかったな〜あのチョコの恩と味は未だに憶えてるしきっと 一生忘れないだろー そして開枕明日も同じ一日だと思いながら気絶するようにすぐに寝る。

【入門物語4】旦過詰二日目
 yo-san  - 03/10/6(月) 11:43 -

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   旦過詰2日目

また遠くから震鈴の音が近づいてくる。 また今日もマシンガンお経と恐怖の粥座で始まった。 掃除を終わらせてまた今日も一日中坐ってるようだ、 先の二人は今日で旦過詰め3日目、逃げ出さなければ明日の朝には参堂するのである 明日から明後日の朝までは一人で恐怖を味わうのか・・・やだな〜などと考えながら 窓を開け放たれ坐を組む、今日も良い天気そうだ雨がって戸を閉めてもらえそうもない・・・

「た・の・み・ま・しょ〜〜〜〜う」

玄関の方で声がする。
やった〜!!ラッキ〜もう下が来たぞ〜明日も寝るとき二人だ。 これで寂しい夜は過ごさないで済むぞ。3人で 顔を見合わせて来たなって顔で見つめ合う。どんな奴だろう取りあえず一日でも早く入った者が偉い世界らしい(実際は同夏はほぼ同じ扱い)のでまだ参堂する前に下が入ってきたのは 都合がいいぞ(実際にはあまり都合は変わらない)取りあえず斎座の時に分かるだろう 朝4時起きはやはり早い、なにせ学生時代にはその時間に寝るくらいの夜型だったのだから そういえば手を見てももう血色の悪い青い色になっているそして寝てしまった。

「しっかり坐れ!!」(なにせ3人とも後ろから見ると首がない)

後ろから怒鳴り声がする飛び上がるほど驚いてしまった。やはりちゃんと見てるぞ、 ちゃんと坐らないとまずい・・・・はずなのだが気が付くとうつらうつらしてしまった 一体何時間坐ったのだろうか袂から時計を覗くまだ1時間位しかたってないぞ これじゃ1日100時間位に感じてしまうぞ、う〜〜んひまだ暇すぎる。 そんなときにまたりすの登場しかし今度はすぐに行ってしまった、何度か来るが 通り過ぎるだけだ、りすちゃんちょっとよってきなさいよなどと考えてみる。 足が痛くなってきた東司にいくかと旦過寮を出てびっくり旦過寮の向かいの回廊に大勢の雲水が一列に座ってお茶を飲んでいる、みんなこっちを見ている 恐いな〜と思い東司に行く東司で衣を脱いでたたみ東司の敷居に掛けるそうすると 一人寄ってきたまた怒られるのだろうか恐い
「袖たたみ(衣の略式たたみかた)知らないの?」と尋ねられる
習ってきましたと言うとどうやら私のたたみ方が違っていたそうなのだ、住職め嘘を教えやがって (50年も前とはその辺も変わっていて当たり前)しかしまだこっちは一応は参堂前のお客様 親切に正しいたたみ方を教えてもらう、そして手を水瓶の水で手を洗ってそこにかかってる タオルで拭く・・・タオルが真っ青な色に染まった、なんと血色が悪くなった青い手は ただの衣の藍色の色落ちで染まった血色の良いまるまるした手だったのである。やばいタオルを 染めてしまった、拭いてるふりをしてタオルを伸ばすふりをして裏返しにする・・・ん? 既に裏もだれかが染めて青い色になってる。しょうがない黙って旦過寮に帰る。 (その時私は顔も真っ青に色が付いていて見ていた上の者は真っ青な顔の血色の悪い病気野郎が入ってきたと思ったそうです) 庭詰めが呼ばれて来た斎座の時間だ。
「先輩のおまえ達が教えてやってくれ」といって僧堂の人は行ってしまった。 足袋ごと草鞋を脱いでこう縛って、足洗ってなどと教える。 こいつが俺さまの下の奴か(実際は余り関係ない)・・・ しかしやはり始めての僧堂での食事である一人増えただけで時間がまた増えた。 足が持たないゾ〜などとまた苦しく恐い斎座であった。 彼はまた庭詰め、私たちはまたまた長い長い旦過詰めにはいるのであった。 日が落ちてきて彼がまた呼ばれてきたそろそろ今日の旦過詰めも終わりらしい (本当は終わりなんかじゃなく寝るまで座を組まなくてはいけない) 夜は安心な仲間内だけのおじやでの薬石である。朝と昼が恐怖で食べれなかったので がっついて食べる今度入ってきた彼も体は細いのに食べっぷりはスゴイ。 食べ終わって片づけ方を彼に教えて。旦過寮でしばしの休息、足が疲れてたので少し 立っていたら戸の上がガラスになっていて外を歩いていた人と目があってしまった やばい即座に身を隠す。明日参堂の一日早い二人が呼ばれて出ていった。 そして剃髪して入浴して帰ってきた。私も明日の夜にはふろに入れるのか、その後 今日の庭詰めと明日の参堂の人への茶礼である私は本来は関係ないがお茶と饅頭に ありつく、あんなにあんこ物は嫌いだったのになんかすっごくその葬式饅頭みたい のが旨く感じた。そして明日の参堂の順序を教わり始めるなんかあっちで三拝こっちで低頭と 順序が難しいのだ私は明日に説明を受けるらしいのだがちょっと覗いていた。 説明してる人もちょっと分からなくなって「あれっ」って言った瞬間それを見て私は 「ふっ」と鼻で笑ってしまった。
「何がおかしいか!!」怒鳴られた、やばいどうしようとっさに低頭して「失礼いたしました」 と謝る、その後は何も言われなかったので何とか許してもらえたらしい。がしかし その説明が終わった後に「どうやら戸が閉まってから立って話していた人がいるみたいですが」 と聞かれた、しまったおれだ今怒鳴られたばかりでこれでは完全に目を付けられてしまった それも怒鳴られこそはしなかったが厳重注意をされてしまった。そしてその人はやっと出ていったと思ったら また帰ってきた。
「そうそう明日は参堂したらすぐに托鉢だからシクセイガンは読める?」何じゃそりゃ? 私は知らないゾ、「何とか読めます」と二人は返事、げげ僕は読めない。 「ちゃんと経本を読んで明日までに憶えておくように」と言って帰っていった。 しかしもう少しで9時である寝る時間だ。取りあえずそのお経を経本で教えてもらう なにせすぐに私も憶えないといけないのだから。
開板の音と共に電気をけし待ちに待った布団へ身を入れる。ん?そういえば明日の斎座から 私が一番上だ挨拶なんかは私が言わないと・・・・あっもしかして初日のように自分たちだけで タクならして飯台経読むようだったらどうしようしまった聞いておかなかった・・・・・ しかしそう考えながらも睡魔に負けてしまうのであった。
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【入門物語5】旦過詰三日目
 yo-san  - 03/10/6(月) 11:44 -

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       旦過詰3日目

震鈴の音で目が覚める、この震鈴の音は夢の世界から厳しい現実に 連れ戻す恐怖の音としてその後条件付けされてしまう。
前日と同じ朝の活動である。ただし斎座からは私が低頭しないといけないので 詳しく見て憶える。しかし何日いても飯台座(食事)は恐い、食べなくて良いから 出たくない、必死で粥を食べると先の二人は新到参堂の為に袈裟を持って堂内に行く 昨日来たのと一緒に掃除をする、上の二人が居なくなったらやはり不安だ。 でも一人になるときがなかったのはラッキーだ。

さて今日一日旦過で坐っていれば明日は参堂である逃げるなら今日だ と言う考えもかすかに頭をよぎる。もう一人は庭詰めに行く、さ〜一人だ 結局雨は降らずに3日間戸は開けっ放しである。雨の中寒い庭詰めをしていたときに 窓を閉めて見えないところで旦過詰めをした、先の二人をうらやましく思う
しかし一人だと今までよりももっともっと時間がたつのが遅い1日が一週間にも 感じる。まだ午前中、いやまだ朝だ。う〜〜んただただ坐るただそれだけ、 明日が参堂なのでその事を考える、俺なんか本当につとまるのだろうか? みんな恐そうだしもう既に怒鳴られてるし恐いな〜(本当はもっと恐い) そんなことを考えてる内にさすがに3日間も坐ってるとどんな坐りかたしても 足が痛いしつらい、「いたい、つらいいたいつらいいたいつらいいたいつらいいたいつらい・・・・・」 「うが〜〜〜〜〜い・た・い〜〜〜〜!!」足と腰がこらえきらないくらいに痛くなってきた。 取りあえず東司に行って東司の中で足を揉むポットントイレは臭いのだがさすがに掃除はして有って きれいである便器に腰をかけてしばらく居る。さてさすがにもう出ないとまずい、また坐り出すが すぐにつらくなってくる。そのうち、外からハチの羽音が聞こえてくる、どこかにハチがいっぱいいるのだろうか 、でもそれはハチの羽音ではなかった。だんだん音がちがづいてくるとそれはお経であった。 托鉢の帰り表参道に来るとお経を読みながら参道を上がってくるのである。これを聞いたとき そこには感動があった、いろんな声が重なって凄いハモリになって聞こえてくる。若い人が多いので 特に凄い。しばらくすると庭詰めしていた者が帰ってきた、どうやら斎座らしい、雲板がなる。 さて今日は私が低頭する番だ、下が居る手前余裕があるように見せながら知客寮の前で「御願い致します 斎座御願いいたします」と低頭、たかがこれだけの文句でも何回も何回も読み直して 練習していたのである。そしていつものように列の最後に着いて食堂に入る、今日の 斎座はいつもと違ってみんな衣だし粥座と同じ飯台の並びである(斎座本飯である) 今までとまたぜんぜん違う流れだ粥座は粥と菜器(漬け物)だけだが斎座は飯器と汁器 そして菜器があり、よそるだけでも時間が掛かる。本飯は坐を組むのであるがそれでも 足が痛いよそるだけでへとへとになってしまう、そして食べてるうちにすぐにお代わりが 来てしまう、しかも最後に少量のお茶ずけを食べたりするので湯器が回ってきたり サバを取りに来たりで食べる時間の数倍の時間が掛かる。普段でも地獄なのにこの長い斎座の時間は 大変であった。へとへとになりながらも斎座が終わる。「御願い致します斎座有り難うございました」 低頭して旦過に戻る。しかし休息もないでまた坐り出す。午後も明日からのことを考えながら 不安の中でただただ坐る。そして庭詰めが係りの人に連れられて帰ってきた。 なんとかやり遂げたみたいだ、みんな入ってるだから大丈夫だろうなんて思っていたが 想像以上に大変だった。さて薬石のおじやを食べると係りが「袈裟を出して」と言いに来る 袈裟文庫は袈裟を入れる物だが実際は袈裟は荷物の中である。荷物は参堂まで開けられないが 袈裟を出す為に開けて出してもらう。「そして御願い致します茶礼御願いいたします」お茶を持って 係りがやってきた。「明日の新到参堂の説明をします」と堂内の図面をみせてもらい説明を聞く 「まずは後門入り口で問訊、左足で敷居を跨いで入り右回りでしょうそう様の前に行き拝敷きを 開いて三拝、拝敷きを閉じて・・・・・・・」知らない言葉が羅列される・・・良く分からないが 何回も聞き直しなんとか憶える、でも実際に堂内の事は知らないので不安だ。
次に開浴だ5日ぶりの風呂だ、係りの人が一緒に入ってくれる、「まずはここで三拝してそれから たなにきれいにたたみながらぬいで下着は表に出さない」「浴室に入るときはしつれいいたしますと言ってはいる」など風呂にはいるのにも決まり事が多い、私の体は衣の藍色に染まっていたので それを洗う青い泡がでてるがきれいに落ちない・・・ しかも開浴時間は短いのですぐに出るようになる。
次に剃髪、まずは自分で髭を剃り次に頭を剃ってもらうのだが頭が剃られ馴れてないので 切れる血が目の前に垂れてくる、痛いが我慢する。そして剃り終わったら旦過寮に帰る。 また開板が鳴る、寝る時間だ、とうとう明日は参堂である何とか5日間は耐えた、後1年本当に 持つのだろうか?3年だと言う話は本当なのだろうか3年は絶待に嫌だ・・・・ 等と考えながらもまた幸せな夢の世界に浸るのであった。

【入門物語6】新到参堂
 yo-san  - 03/10/6(月) 11:45 -

引用なし
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       新到参堂

ん?なにげに目が覚めるまだ真っ暗だ。
どうやら今日が参堂なので緊張してるみたいだ。
「なんだまだ早いのか」と安心してまた寝ようとすると・・・・
チリチリチリチリ・・・・・・・・・・・・・・・・と震鈴の音がする。 ん〜〜〜先に起きてしまってなんだか凄く損した気分だ。
少ししていつものように開静、朝課だ昨日参堂した二人が一団の最後に 本堂に入ってくる、今日からおれも向こう側の人間なんだな〜 そう思ってたら案の定今読んでるところが今日も分からなかった。 粥座でなんと先の二人が怒鳴られる、また怒鳴られる「うるさい!!」 「早くしろ!!」「違う!!」・・・・これが先に言われた 参堂するまではお客さん扱いからタダの新到の下っ端への扱いの 違いである今までのはまだまだ優しい方だったのだ。 うっ今日参堂すると私が一番下か・・・・・・・・ ま〜いいやもう下は隣にいるし(しつこいようだが実は変わらない扱い)

粥座を食べ終わるとすぐに参堂だ袈裟を大急ぎで付けてもらい
禅堂の後門より入ろ前門の前のしょうそう様に三拝、その後に直日に 単低頭、次に侍者に単低頭そして自分の単(座ったり寝たりする自分の場所) の前に行き隣の単に隣単低頭、そして自分の単布団が既においてありその上に 座る、どこからか「新到さ〜〜〜〜んどう」の声その声に会わせて低頭する。 直実の「茶礼」の一言でお茶が係りによって注いで回られる。自分の番がきたので 袂から茶碗を出してお茶を受ける、普段は少し注がれたら手の平を上にして指を 曲げて注ぐのをやめてもらうのだがそれを忘れてしまいなんと熱いお茶は茶碗になみなみと 注がれてしまった。熱々のお茶を一口で飲めるわけがない、どうしようと 考えてるうちにみんなは少ししか注いで無いのですぐに飲み終わってる。 しょうがないのんだ振りだけしてみんなと同じに単布団の後ろに置くそしてみんなに合わせて 座を組む。直日が出ていくと、誰かが呼びに来る。
外に出て足袋をはくんだ。後門から外に出ると周りの人間によってたかって足袋を履かされ 老師に正見である。
老師を待たせないために周りは必死で私の格好を整える。 そして老師の前に通され低頭、「おまえ名前はなんじゃといきなり聞いてくる」 「しばざきのぶひろです」と言うと「そうじゃない僧名じゃ」というと 違う偉い雲水が言う「しんようです」老師が言う「しんようか、今日からおまえは よっさんじゃ、いいかしっかりとやるように」「はい」と私が答える。 そして退室。

これで参堂は終わった。今から私は雲水として修行生活に入り 一年後には出られるはずだ(実際には三年半)とお気楽な自分であった。 しかし地獄?か天国か?その後は大変な生活が待っていた。
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これにて入門物語は終わりです長い間お待たせしまして申し訳なかったです。 既に参堂から10年近く経ってますので各作法の順序など間違ってるかもしれないですが その辺はご容赦ください、そして気が向きましたら僧堂生活についても書いていこうかと も思ってますが是非読んでみたいなんてメールが来たら書き始めようかとも思ってます。 長い間ありがとうございました。

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