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旦過詰2日目
また遠くから震鈴の音が近づいてくる。 また今日もマシンガンお経と恐怖の粥座で始まった。 掃除を終わらせてまた今日も一日中坐ってるようだ、 先の二人は今日で旦過詰め3日目、逃げ出さなければ明日の朝には参堂するのである 明日から明後日の朝までは一人で恐怖を味わうのか・・・やだな〜などと考えながら 窓を開け放たれ坐を組む、今日も良い天気そうだ雨がって戸を閉めてもらえそうもない・・・
「た・の・み・ま・しょ〜〜〜〜う」
玄関の方で声がする。
やった〜!!ラッキ〜もう下が来たぞ〜明日も寝るとき二人だ。 これで寂しい夜は過ごさないで済むぞ。3人で 顔を見合わせて来たなって顔で見つめ合う。どんな奴だろう取りあえず一日でも早く入った者が偉い世界らしい(実際は同夏はほぼ同じ扱い)のでまだ参堂する前に下が入ってきたのは 都合がいいぞ(実際にはあまり都合は変わらない)取りあえず斎座の時に分かるだろう 朝4時起きはやはり早い、なにせ学生時代にはその時間に寝るくらいの夜型だったのだから そういえば手を見てももう血色の悪い青い色になっているそして寝てしまった。
「しっかり坐れ!!」(なにせ3人とも後ろから見ると首がない)
後ろから怒鳴り声がする飛び上がるほど驚いてしまった。やはりちゃんと見てるぞ、 ちゃんと坐らないとまずい・・・・はずなのだが気が付くとうつらうつらしてしまった 一体何時間坐ったのだろうか袂から時計を覗くまだ1時間位しかたってないぞ これじゃ1日100時間位に感じてしまうぞ、う〜〜んひまだ暇すぎる。 そんなときにまたりすの登場しかし今度はすぐに行ってしまった、何度か来るが 通り過ぎるだけだ、りすちゃんちょっとよってきなさいよなどと考えてみる。 足が痛くなってきた東司にいくかと旦過寮を出てびっくり旦過寮の向かいの回廊に大勢の雲水が一列に座ってお茶を飲んでいる、みんなこっちを見ている 恐いな〜と思い東司に行く東司で衣を脱いでたたみ東司の敷居に掛けるそうすると 一人寄ってきたまた怒られるのだろうか恐い
「袖たたみ(衣の略式たたみかた)知らないの?」と尋ねられる
習ってきましたと言うとどうやら私のたたみ方が違っていたそうなのだ、住職め嘘を教えやがって (50年も前とはその辺も変わっていて当たり前)しかしまだこっちは一応は参堂前のお客様 親切に正しいたたみ方を教えてもらう、そして手を水瓶の水で手を洗ってそこにかかってる タオルで拭く・・・タオルが真っ青な色に染まった、なんと血色が悪くなった青い手は ただの衣の藍色の色落ちで染まった血色の良いまるまるした手だったのである。やばいタオルを 染めてしまった、拭いてるふりをしてタオルを伸ばすふりをして裏返しにする・・・ん? 既に裏もだれかが染めて青い色になってる。しょうがない黙って旦過寮に帰る。 (その時私は顔も真っ青に色が付いていて見ていた上の者は真っ青な顔の血色の悪い病気野郎が入ってきたと思ったそうです) 庭詰めが呼ばれて来た斎座の時間だ。
「先輩のおまえ達が教えてやってくれ」といって僧堂の人は行ってしまった。 足袋ごと草鞋を脱いでこう縛って、足洗ってなどと教える。 こいつが俺さまの下の奴か(実際は余り関係ない)・・・ しかしやはり始めての僧堂での食事である一人増えただけで時間がまた増えた。 足が持たないゾ〜などとまた苦しく恐い斎座であった。 彼はまた庭詰め、私たちはまたまた長い長い旦過詰めにはいるのであった。 日が落ちてきて彼がまた呼ばれてきたそろそろ今日の旦過詰めも終わりらしい (本当は終わりなんかじゃなく寝るまで座を組まなくてはいけない) 夜は安心な仲間内だけのおじやでの薬石である。朝と昼が恐怖で食べれなかったので がっついて食べる今度入ってきた彼も体は細いのに食べっぷりはスゴイ。 食べ終わって片づけ方を彼に教えて。旦過寮でしばしの休息、足が疲れてたので少し 立っていたら戸の上がガラスになっていて外を歩いていた人と目があってしまった やばい即座に身を隠す。明日参堂の一日早い二人が呼ばれて出ていった。 そして剃髪して入浴して帰ってきた。私も明日の夜にはふろに入れるのか、その後 今日の庭詰めと明日の参堂の人への茶礼である私は本来は関係ないがお茶と饅頭に ありつく、あんなにあんこ物は嫌いだったのになんかすっごくその葬式饅頭みたい のが旨く感じた。そして明日の参堂の順序を教わり始めるなんかあっちで三拝こっちで低頭と 順序が難しいのだ私は明日に説明を受けるらしいのだがちょっと覗いていた。 説明してる人もちょっと分からなくなって「あれっ」って言った瞬間それを見て私は 「ふっ」と鼻で笑ってしまった。
「何がおかしいか!!」怒鳴られた、やばいどうしようとっさに低頭して「失礼いたしました」 と謝る、その後は何も言われなかったので何とか許してもらえたらしい。がしかし その説明が終わった後に「どうやら戸が閉まってから立って話していた人がいるみたいですが」 と聞かれた、しまったおれだ今怒鳴られたばかりでこれでは完全に目を付けられてしまった それも怒鳴られこそはしなかったが厳重注意をされてしまった。そしてその人はやっと出ていったと思ったら また帰ってきた。
「そうそう明日は参堂したらすぐに托鉢だからシクセイガンは読める?」何じゃそりゃ? 私は知らないゾ、「何とか読めます」と二人は返事、げげ僕は読めない。 「ちゃんと経本を読んで明日までに憶えておくように」と言って帰っていった。 しかしもう少しで9時である寝る時間だ。取りあえずそのお経を経本で教えてもらう なにせすぐに私も憶えないといけないのだから。
開板の音と共に電気をけし待ちに待った布団へ身を入れる。ん?そういえば明日の斎座から 私が一番上だ挨拶なんかは私が言わないと・・・・あっもしかして初日のように自分たちだけで タクならして飯台経読むようだったらどうしようしまった聞いておかなかった・・・・・ しかしそう考えながらも睡魔に負けてしまうのであった。
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