湯沢温泉 新潟県南魚沼郡湯沢町



越後湯沢温泉 越後湯沢温泉の詳細

湯沢温泉は、今から800年ほど前鎌倉時代の初期に、新発田の人高橋半六により、山手の貝の沢で温泉が発見されたと伝えられています。享保4年(1719)ころは湯元の湯親はよしず張りの小屋でしたが、その後、山崩れで埋まったり、大雪に襲われたりして現在の湯元に移ってきたようです。『越後名寄』(1756)には温泉は湯沢の宿駅から三町の斗山の奥にあって皆仮小屋だと記してあります。温泉は主に土地の人に利用され、三国街道の駅路の近くにあったが、旅の人が訪れることはなかったようです。明和6年(1769)に現在の湯元に湯小屋が建ち、温泉場になりました。

明治20年頃、新しい湯が出て争いになりました。昭和3年(1928)には村営の湯沢ホテルができました。昭和6年の『日本案内記』には旅館は高繁、湯沢ホテル、共楽館で内湯がないが、スキー場適地が多く、上越線全通後は有望だと書いてあります。事実、同年上越線全通後、一躍京浜の保養地帯の一つとなり、内湯を持った新温泉街が誕生しました。

湯元の南の熊野集落にはぬるい湯が出ていて熊野温泉と呼ばれていましたが、昭和の始めから熊野を含む西山地区一帯で温泉開発が進みました。村長の佐藤喜一郎が昭和6年熊ので実施した深度64メートルのボーリングで、71度、毎分108リットルの温泉(熊野1号泉)を掘り当てました。昭和7年には山の一号泉が成功しましたが、深度325メートルで、72度、毎分430リットルを自噴しました。これらの温泉が今日の湯沢温泉の発展の元になっています。

川端康成の「雪国」は最初昭和10年1月の『文芸春秋』に発表されましたが、完成したのは昭和22年です。川端が執筆した高半旅館は昭和6年には高繁で、その後高橋半六に因んで高半と改称されたようです。
「雪国」の冒頭の有名な一節
国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。
を刻んだ文学碑が越後湯沢駅前の主水公園にある。

昭和25年(1952)の『温泉案内』には、高半、観光ホテル、福本旅館は二級、湯沢ホテルと西仁旅館が三級と紹介され、ほかに四級いかが15軒で、計20件の旅館が上げられていますので、大きな温泉街になっています。温泉街が大きくなるにしたがい湯量の確保に迫られ、昭和35年頃から源泉の掘削が盛んに行われるようになりました。

昭和58年に上越新幹線が、昭和60年に関越自動車道が全線開通し、ますます温泉とスキーの町として発展し、ホテル9軒、旅館7軒、民宿52軒という数になりました。これら高速交通体系の整備により、東京との間は1時間余りに縮まりました。バブルの時代の昭和60年には東京都民のリゾート地を売り物に民間のデベロッパー、大手不動産業者が乗り込み、またたくまに50棟を越す高層マンションが林立する町に変貌しました。約3000世帯、人口9000人の町に1万1000個のマンションができ、「東京都湯沢町」と呼ばれるようになってしまいました。

無防備で乱開発を受け入れた湯沢町は発生した消雪用などの水、下水道、ゴミなどの問題の対応に迫られました。この開発ブームも昭和63年がピークで、平成3年バブルがはじけると、マンションには空き部屋が出て、短い滞在期間を除いては不気味なリゾートになっているように感じられます。そして、もはや「雪国」のかもし出すような温泉町の雰囲気は消えうせてしまいました。

ここで、湯沢温泉そのものの話にもどります。湯沢温泉でもっとも古い湯元は横穴式の源泉です。奥行き257メートルの横穴の奥の部分で底と上部から自然湧出していました。泉温は42度で、単純温泉です。横穴の源泉は珍しくなってしまいましたが、塩沢の大沢山温泉(泉度28度)は現在も幽谷荘の裏手の奥行き27メートルの横穴からでる湯を利用しています。

その後、源泉が14(現在六つは休止)に増えましたが、すべてボーリングしたもので、泉源によりちがい、温度は42度~81度、泉質は単純温泉、食塩泉および含重曹食塩泉です。ホテル、旅館、民宿がますます多くなり、湯の需要が増えてきました。さらに、ボーリングして源泉を増やせば、過大な温泉のくみ上げになり、枯渇する心配があります。そのため、昭和58年(1983)ころから八つの源泉を集中管理し、泉質や温度の近いものをそれぞれ三つの配湯所に集め、150以上の湯槽に配り、循環させる計画をたて、実施しています。温度は57度くらいに調節し、毎分最大2260リットルを供給することにしました。しかし、源泉の湧出量は毎分2500リットル程度ですので、ほとんど利用者を増やせない状況で、マンションなどへの給湯の余裕はありません。















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湯沢高原スキー場布場ゲレンデ JR越後湯沢駅東口前おまつり広場