紙風船 Paper balloon 出雲崎町



ここ出雲崎町では、全国の95%以上で年間約500万個が生産されている。
1919年(大正8)から新潟県出雲崎町では、紙ふうせんを作り続けている。出雲崎町のある海岸地区は、日本海の漁業や佐渡との交易地として栄えたが、海の荒れる冬場の漁業に変わる仕事として、また漁師の妻の手仕事として、磯野紙風船製作所の初代磯野彌一郎氏が考えたのが紙ふうせん作りでり、多くの町民が参加できる貴重な冬場の収入源となった。
昭和初期頃までは首都圏でも盛んに作られていたが、時代の流れとともに業者は姿を消し、今ではそのほとんどが古くからの産地であるこの町で作られている。

丸い玉に空気を入れて、手でついたり空中にとばしたりと、昔と変わらない、シンプルで単純明解な遊びを楽しめる風船あそび。時代は変われど、まん丸の愛らしい形と、値段が安く安全な遊びであるなど、素朴な楽しみが昔も今も子供たちに人気。紙風船は明治24年(1891)頃登場し、ゴム風船に代わって流行し、以来大正、昭和の時代を通じて子供たちの玩具として愛されてきた。時代とともに子供たちのおもちゃも変化してきたが、昔懐かしいシンプルなおもちゃとして愛されている。また最近の和ブームから見て和める装飾品としても喜ばれている。カラフルな色彩の美しさや、手作りの温もりのあるあたたかさが感じられる。
和紙に近い気密性の高い国産の紙と石川県金沢市の麩の原料で作ったのりを使用。製作には7工程かかり、出雲崎をはじめ県内外で分業して作っている。現在、昔ながらの手まり型以外に金魚やトキなど、50種類以上の紙風船がある。国内はもとより、スイスやドイツからも注文が入る。昔なつかしいこの紙風船を玩具店で見かけると、日本海に面する「越後の出雲崎町」が思い出される。

☯2020年(令和2)、特産の紙風船制作が100周年を迎えたことを記念し「オリジナル紙風船デザインコンテスト」を開催した。
☯2023年(令和5)5月、「出雲崎手作り紙風船」が新潟県の伝統工芸品に指定され、県のホームページでは「国内で唯一の生産」と紹介されている。



🔶㈱磯野紙風船製造所
〔所在地〕新潟県三島郡出雲崎町羽黒町423
〔連絡先〕 0258-78-2045
〔アクセス〕
  • 🚅…JR越後線「出雲崎駅」から出雲崎車庫行きバス約10分、終点下車後徒歩約5分
  • 🚘…北陸自動車道「西山IC」から車で約15分
〔HP〕 http://www.isonokamifusen.co.jp/


🔶紙風船作り体験
〔所在地〕 三島郡出雲崎町尼瀬6−57 みちのえき天領の里 「天領出雲崎時代館」
〔問い合わせ先〕 0258-78-4000
























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