貞観園 Teikanen 柏崎市



柏崎市高柳(旧高柳町)の鯖石川の渓谷にのぞむ山間に所在する旧家・村山家の江戸時代中期の京都風の名園で、昭和12年(1937)に国指定文化財に指定された。
村山家は信州の出で、中世越後松之山を経て寛永13年(1636)、この地に移住。以来歴代に渡って岡野の大庄屋を努めた。
総面積11.15ヘクタールの林泉園地は、延宝元年(1673)の造園から、村山家が代々に渡って改修を繰り返し景観を整えたが、その改修には、幕府の庭師・九段仁右衛門、藤井友之進、茶人村松宗悦、玄々斎、又妙斎などが携わった。京都風の手法を守って造園されており、庭石に佐渡産の赤玉石を多く用いている点に地方色がある。そして天保14年(1843)儒学者藍澤南城によって貞観園と命名された。
村山家の母屋は、「貞観堂」※ストリートビューと呼ばれる建物で、「堂と園とを併せ八景十勝の名勝があり、主石賽木の法にのっとって青苔の趣にみるべきものがある」。
庭内は、木々に周囲を囲まれて薄暗く、一面の苔の間に程よく置かれた庭石を踏んで見て廻れるようになっている。庭には池泉が配され、苔香泉、看雲滝と名づけられた二条の滝が落ちている。庭木も手入れが行き届き、県の天然記念物に指定されているモミとケヤキの老大樹がいっそうの風情をそえ、樹間に観瀑亭・抱月楼・四時庵・環翠軒といった茶室や四阿が散在し、しっとりとした情趣をかもし出す。※ストリートビュー
鈴木牧之の『北越雪譜』に紹介されている峨眉山下野橋、亀の化石など、庭石にも珍しいものがある。
堂内には村山家に伝わる絵画、彫刻、墨跡、茶器などの県指定文化財が多数保管されている。(案内図)

☯2019年7月、2005年から4年間、施設修復のため休園。再開した2009年からはコケの養生のため主屋から庭を眺める形になった。今年7月、15年ぶりに庭園ツアーが復活した。庭園を案内人つきで散策する特別企画は、8月までの期間限定で月2回開催される。








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