鑑賞石(赤玉石) Appreciation stone 佐渡市



紀元前から装飾品として愛用されてきた佐渡産の銘石には赤玉・五色石・碧玉・メノウなどが多い。



(赤玉石)

酸化鉄(赤鉄鉱)を不純物として含む石英の微細な粒子の緻密な集合で、赤紅色を示す。紅石とも呼ばれる。鉱物学的にはへき玉、あるいは鉄石英である。
これを佐渡では「あかだまいし」または「あかいし」と呼び、佐渡市(旧両津市)の赤玉地区より産出されるものだけを佐渡赤玉石という。

火山岩や火山砕屑岩中の空隙や割れ目を満たして(分泌充填)産出するが、かつて採掘が盛んであった頃には、岩石中から割って取り出すと不規則な割れ目ができるので、天然にくだけたもの、例えば段丘礫層や粘土層などをさがした。赤玉石は緻密で硬いので他の部分が分解しても残っているからである。
かつては赤玉杉池から流れる川でよく採取されたが、近年ではほとんど産出がなく、庭石・飾石・貴石として非常に貴重な石である。

約2000万年前に鉄分と石英が高熱と高圧で結合した石で、非常に硬く、磨いたときにでる、透明感のある光沢の美しさは日本一と言われている。日本三大名石のひとつにあげられる(①佐渡の赤玉石・②神戸の本御影石・③鳥取の佐治川石)。
また古くから朱(赤)は魔を払うと言われることから、赤玉石は縁起の良い石といわれ、佐渡では家の玄関や床の間に家の守り石として飾られてきた。
時に佐渡の赤玉石は、金・銀より価値のあるものとして扱われ、天正18年(1590)には佐渡産の赤石が豊臣秀吉に献上されたとあり、このときは『朱真石』と呼んだといわれる。また、江戸時代の初め佐渡奉行によって、江戸城へ献上された赤玉石が今も皇居の「蓮翠の庭石」として飾られているという。

この石は縄文時代の石鏃や石錘、石ひなどに使用されていたことが各遺跡から多く発見されている。
赤石は、碧玉(青玉)に比べてもろく、細形管玉の製作工程において、特に穿孔には、熟達した技術と微妙な注意が必要で佐渡玉造職人はいかに優秀な技術を持っているかがうかがわれる。

🔷県内の赤玉石を利用した庭

2019年7月、柏崎市高柳町にある国指定の名勝「貞観園」で15年ぶりに庭園ツアーが復活した。屋敷から眺めるだけだった庭園を案内人つきで散策する特別企画は、8月までの期間限定で月2回開催される。 江戸時代の豪農・村山家が築いた広さ約10万平方メートルの貞観園は茶室や佐渡の赤玉石が点在し、百種類余りのコケで覆われる。

🔶渡辺銘石
〔所在地〕 新潟県佐渡市畑野757
〔連絡先〕 0259 66 2573
〔アクセス〕
  • 🚘両津港から13.6km 車で25分
🔶真野観光センター
〔所在地〕佐渡市真野448
〔連絡先〕 0259-55-3333
〔特徴〕『真野観光センター』は真野御陵のそばで50年以上営業している土産品店です。 赤玉石・お土産・銘石など多数
🔶文殊院
赤玉石が境内にある
〔所在地〕 佐渡市赤玉648−1
〔問い合わせ先〕 0259-28-2010
≪文殊院にある案内板≫
赤玉石の原産地
赤玉石は赤紅石・赤石とも呼ばれているが鉱物学的には、鉄石英で、酸化鉄を不純物として含む石英の微細な粒子の緻密な集合でできており赤紅色をなしている。
赤石は、古代から曲玉、菅玉づくりに使われ現代では大きいものは庭石、床飾りに、小さいものは指輪、かんざし、カフスボタン、ネクタイピンなどの装飾品に珍重されている。
赤石は、山形県鬼坂峠や石川県国府地方などに産出されているが、特に佐渡の赤玉石は硬度、光沢ともに秀れており全国的に鉱石として有名である。
赤玉石は当地、赤玉集落の三つの河川のうち、神秘な杉池神社を源とする。中川の流域にしか産出されていません。
村名の「赤玉」は銘石赤玉石が産出することから付けられたものです。
起源は、平安末期の須恵器の破片が出土していることから、古い歴史があります。

両津市 赤玉観光協会
🔶新穂歴史民俗資料館
弥生時代に成立した新穂玉作遺跡から出土した、管玉類や工具類などを展示。
製玉の原石は主として碧玉(青玉石)と鉄石英(赤玉石)からなり、弥生時代の佐渡の玉作集団の存在と製作技法を示す資料として貴重なもの。
  • 〔所在地〕 佐渡市新穂瓜生屋492
  • 〔問い合わせ先〕 0259-22-3117
  • 【開館時期】 3月~11月
  • 【営業時間】 8時30分~17時(入館は16時30分まで)
  • 【定休日】 毎週月曜日(祝日の場合は翌火曜日)















赤玉石の検索結果















原色庭石大事典

原色庭石大事典

  • 作者:庭石大事典制作委員会
  • 出版社:誠文堂新光社
  • 発売日: 2016年05月13日頃