:::::ヴィクトリアンガイド補遺〜あとがきのつづき:::::

 2003年11月25日、『エマ ヴィクトリアンガイド』という本が発売されました。19世紀英国のロンドン、後にはヨーク地方のお屋敷なども舞台にして、メイドと紳士の関係をしっとりと描いた『エマ』という漫画作品の解説本です。作者の森薫さんと村上の共著という扱いにしていただき、森さんの美しくも力のこもったイラストを満載した−−そして、拙文もぎゅうぎゅうに詰め込んだ本です。
 ちょっと力技です。なんというか、ライター独立1年目にしてしょっぱなから全力疾走。
 ……私の仕事スタイルの常として「力技」というのが特徴のようなのです。ネタを出して、全部並べてみてから、とりあえず入るだけ入れて、終わったあとにたくさん残骸を残すという、編集プロダクション時代からの悪い癖がまた出てしまいました。
 まとめた資料は森さんに活用していただけるよう随時お渡ししてはいるのですが、森さんご本人がそもそもとっても研究熱心でお詳しく、やっぱりちょっと力技で豪快な性格でいらっしゃるので、もちろんそれがストレートに漫画本編に反映されることはないでしょう。それに、私と森さんの「萌えポイント」も、たぶん微妙に異なる部分があります。
 そういうわけで、使われなかったネタが私と森さんだけの愉しみで終わってしまうのはなんかちょっともったいないなーという貧乏性リサイクル精神にのっとり、ページ数の縛りのないこのサイトで、『ガイド』制作中に見つけたおもしろエピソードを少しずつ紹介していこうと思います。個人のサイトですので、かなり好みと主観が入ってくるだろうことは御容赦ください。あ、それから、『ガイド』を読んでないとわからない用語もたくさん出てくると思いますが、そこも御容赦。
 すでに次の仕事に突入しており、そちらもやっぱり力技になりはじめているため、かなりのスローペース更新になると思います。ので、あまり構えずにさらっと読んで、たまーにのぞきに来ていただければ幸いです。
2003.11.28

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