金属ハウスウエア Metal housewares 燕市
江戸寛永年間(1624~1643)三代将軍家光の頃、信濃川氾濫で困窮する農民の副業にと当時幕府直轄地の燕町に、代官所が江戸から和釘職人を呼び製造技術を教えました。 その後、三条商人の売り捌きにより福井県小浜と並び二大産地となりました。 元禄年間(1690年代)に、ヤスリ、銅器、キセルの製法が伝えられ、遅れて寛政年間(1790年代)に矢立の製造が始まりました。 明治24年から大量生産の洋釘の輸入が始められたため、和釘は衰退へ向かいました。 ヤスリ、キセルは、明治末期には全国の80%を占める特産品でしたが、アルミの台所用品が出廻ると銅器が、巻煙草の出現でキセルが、万年筆の流行で矢立がそれぞれすたれていきました。 燕で洋食器が作られ始めたのは第一次世界大戦が勃発した1914(大正3)年といわれている。ヨーロッパでは、戦争物資の生産が優先されたため、洋食器類が不足するようになった。東京や堺の商人から注文が入り、洋食器、外国製のスプーンやフォークをみようみまねで試作がくりかえされた。 そして大正10年機械が導入され量産体制に入り今日の産業へと展開してきました。昭和5年(1930)昭和恐慌で為替相場が下落し、輸出が好調となり、燕は金属加工から洋食器製造へ一気に転換がなされた。 戦後一貫してアメリカを中心とした輸出が堅調で、1966年~1970年にかけては、輸出が年率20%を越える伸びを記録し、燕洋食器の黄金時代となった。 しかし、1973年ドルショック頃から為替変動と人件費の安い台湾、韓国に海外市場を明け渡し、その一方で国内市場も飽和状態となり、大量にモノが売れる時代は去りました。 近年、洋食器に変わる製造品となっているのが、金属製の厨房器具・調理器具・卓上用器具等ハウスウェアーである。 昭和22~23年頃(1947~48)、戦後の駐留米軍からカクテル洋品の注文があり、これが契機となって台所用ハウスウェアの生産が始まりました。 燕市、三条市、吉田町等に分布するハウスウェアメーカーはステンレス、銅、銅合金製の食卓用台所用品分野においては全国の生産額の95%を占め、全国で独占的な企業集積地となりましたが・・・。 現在は、燕ハウスウエアーは品質・デザインで高い評価を得て、アメリカ・カナダ・ヨーロッパ・東南アジア・中近東など世界120カ国に輸出されています。 「美」「個性」「伝統」等を、新たな角度から追求する「生活文化提案産業都市」としての燕ブランドの確立と、より良い商品供給を通じて豊かな生活文化の資質向上に貢献することを目的に、優れたデザインを評価・推奨することで燕市の産業振興に寄与すべく創設された『ジャパン・ツバメ・インダストリアルデザインコンクール』が1978年から毎年実施されている。(燕商工会議所 ツバメデザコン) シャラクモノ Lシリーズテーブルに置いておくだけで、オブジェのような存在感を放つカトラリー。緩やかなカーブを描く左右非対称のデザインは、木の葉をイメージして作られたものだ。道具というよりは、自然をモチーフにしたアート作品を握っているような感覚になる。このカトラリーは、燕市を中心とした複数のメーカーと、世界的に評価の高い工業デザイナーの山田耕民氏が制作指揮を担当して手掛けたブランド「シャラクモノ」シリーズの一つL(リーフ)シリーズ。ブランド名は、江戸時代に蔦屋という版元が製作していた写楽の浮世絵からとられた。東洲斎写楽とは、東西のシャレという意味があるようで、”人を楽しくしてくれるテーブルウェア”というコンセプトのもととなっている。この流れるようなシルエットを作り出すには、通常の倍近くの工程を要するという。ムラなく磨き上げられた表面の質感や手触りの良さも、熟練の技術が存分に生かされている。高い品質としゃれっけ溢れるデザインが、いつもの食事をより楽しいものに変えてくれる。 この製作に携わったのは高い技術に定評のある新潟県燕市のカトラリーメーカーサクライは、1946年(昭和21)の創業以来、培ってきた職人技と先進技術を融合させることにより、新しい価値を生み出すことに邁進してきた。
ジオ・プロダクトケトル 未来的に美しいフォルムに、全面鏡面仕上げで輝くボディ。ついつい手に取って使って見たくなるような、スタイリッシュなケトルが燕市のメーカーで作られている。このケトルは、調理器具メーカーの宮崎製作所が製造するハイクラス調理器具シリーズ「ジオ・プロダクト」の一つ。服部栄養専門学校校長・服部幸應氏が監修し、デザインから実用性まで突き詰めて商品化したものだ。体の健やかさと心の豊かさを育てる「食育」を最優先に考えて開発したクッキングウェアだ。 ケトルのサイズからは想像しにくいが、鳥口の注ぎ口で細く注げるため、コーヒーのドリップにも向いている。高い耐久性と耐蝕性を備えた18・10ステンレスを、専門の研磨職人が丹念に磨き上げた製品。一生モノとして使い続けられる品質の高さだけでなく、道具としての美しさを兼ね備え、湯を沸かすという何気ない日常行為に特別感をもたらしてくれる。
CASUAL PRODUCT カフェテリアコーヒードリッパー ※動画コーヒー熱が増す一方の昨今。こだわれば、豆選びはもとより、焙煎の具合、豆のひき方、入れ方、ブレンド・・・自分好みの味を追求する楽しさ、奥深さ。その悩ましくも魅惑的な世界を楽しむ選択肢の一つにおススメしたいのが、青芳製作所の金属製ドリッパー。20年以上のロングセラー商品だという。フィルター部は、「実用新案取得」独自構造のステンレス超微細特殊メッシュ仕様でペーパーフィルターを使わないので、ペーパーフィルターでは吸い取られるコーヒーオイル(うま味成分であるコーヒー豆の油分)を逃がさず、豆本来の豊かな芳香と風味をストレートに伝える。ペーパーの匂いが気になるというこだわり派も納得だ。本体は丈夫なステンレス製だが、フィルターのメッシュ部を含めたドリッパー部分はすべて金メッキ。そのため、わずかな”金っ気”も感じさせない。しっかりした造りは”さすが燕製”のクオリティーだ。洗って何度も使えて経済的な製品である。
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