蛇の口の水 Snake mouth water 糸魚川市
能生白山神社は、能海水浴場や弁天岩など、能生の代表的な海の風景にほどちかい場所にある。本殿の建造は無ロマン地時代の永生12年(1515)といわれ、国の重要無形文化財に指定されている。また、奴奈川姫の物語や、白山様と雷の話など、数多くの伝説に彩られている。 神社後方の標高90m余の岩山となっている神社社叢は寒地性と暖地性の40種余りの樹種が混生しているという珍しい森林で、東洋熱帯種であるヒメハルゼミの最北限生息地でもあり、国の天然記念物にもなっている。全山一斉に合唱する鳴き声は正に蝉時雨というにふさわしい。 神社本殿前の龍頭からこんこんと湧き出る「蛇の口の水」は水量は多くないが、一年を通じて量、水温が安定しているため、神聖な水として愛されてきた。 伝説によれば、信州の戸隠神社ご普請の折、宮大工が流した残屑が流れ、これが白山神社の蛇の口から出てきた。人々は、この水の源は戸隠山であり、戸隠山は大蛇の口であろうと話し合った。とすれば、白山神社社叢は大蛇の尾に当たるというので、社叢はやがて「尾山」※ストリートビューと呼ばれるようになった、と伝えられている。 毎年4月24日には大祭が行われ無病息災を願って清水を飲む。 松尾芭蕉が奥の細道の旅した時、元禄2年(1689)7月12日、能生の宿に入る前に白山神社に参詣しているが、芭蕉も蛇の口の水で旅の疲れを癒し、喉を潤したに違いない。 白山神社には、芭蕉の「汐路の鐘」の句碑がある。※ストリートビュー (☛ 白山神社)
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