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ネットADレポート
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━ 2001.12.13
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ネット広告業界の今をお届け 「ネットADレポート」
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Vol.045
■ネット広告の現状と将来像
2001年のインターネット広告市場動向と新たな動きを追う(2)
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展望(1):クリック至上主義からの脱却
■ ネット広告の現状と将来像 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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2001年のインターネット広告市場動向と新たな動きを追う(2)
展望(1):クリック至上主義からの脱却
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コストの観点から見た前回の考察は、クリック率の低下→「ネット広告はもう ダメ」という短絡的な考えに陥らないための説明材料として十分なものである が、そもそもこのクリックがネット広告の成果にもっとも影響する要素である とする「クリック至上主義」的発想自体が、非常に視野の狭いものであること を強調せねばならない。
企業がネットで何がやりたいのか?最終的に望むのは企業サイトでの購買や行 動、あるいは購入意欲醸成、ブランドイメージ醸成などに至らしめる影響をユ ーザーに与えることのはずである。クリックの数を増やす(=サイトへアクセ スさせ、企業が1人でも多くのコミュニケーションの機会を増やす)行為はあ くまでそのための「手段」である。クリック至上主義とは、その手段が目的に なってしまっている現象に他ならない。
クリック⇒自社サイトに誘引というユーザーの流れはネット広告の基軸であり 本流だが、この1つの流れだけでユーザーへの影響まで完結できるほど単純な 構造ではないのは、ユーザーの立場で想像すれば至極明快である。あなたがネ ット広告を見てそれに関心を抱き、クリックしてその企業のホームページにア クセスしたとする。興味をもった商品がそのサイトで購入できるとしよう。そ の商品の価格が高額であればあるほど、あなたは最後の「購入」ボタンを押す のをためらうはずである。そのようなユーザーが多ければそれだけ、クリック は稼げているのに成果が上がらないという検証結果に陥るのである。
更にイメージしてみよう。サイトでの購入を躊躇しそのサイトから離れたあな たは、1週間考えた挙句、新聞などでURLが再三告知されておりURLは覚えてい たので、再度URLを直接入力しアクセス、今度は購入ボタンを押した__この 場合あなたは広告の効果に貢献していないのだろうか?
またこんな想像もしてみて欲しい、ネット広告を見て興味が沸いたが今は忙し いのでアクセスはしなかった。後に雑誌のタイアップ記事広告を読んで見ると やはりどうしても欲しいので、サイトへURLを入力してアクセス⇒購入ボタン を押す__このケースはどうだろう?
クリックのみを評価基軸に据えてしまうと、そのパフォーマンスを上げるギミ ックに注力してしまい、上記の様なクリック⇒自社サイト誘引という流れ以外 の部分に対する対応がおろそかになってしまう。具体的には、認知促進・購入 意欲喚起のためのクリエイティブ開発・サイトコンテンツ開発、サイトを退場 するユーザーをリピーター化(⇒ロイヤリティー醸成)するためのコンテンツ 運営、マーケティングツール開発などが見落とされるのである。
また、ユーザーのマインド変容は、既存マス媒体とのシナジーが非常に密接に 関連しているので、目的に合わせてさらに多角的な展開を工夫する可能性があ る。広告主と広告会社の工夫次第で、ネット広告をきっかけに更にコミュニケ ーションに広がりを持たせることが出来るのである。
しかし前述の通り、ネット広告は緻密な広告効果測定といった優位性を持つが 故に、既存の媒体と比較して仮説に対する検証がシビアに求められる。このマ インド変容の仮説を検証するためには、クリック以外の領域の効果測定が必須 なのである。だが当然その方法が無いはずがなく、広告露出(配信)段階から のユーザー行動分析ツールが既にサービス提供出来る状態にある。
AdsolutionX社やDoubleclick
Japan社などの提供するセントラルアドサーバー によるサービスがそれで、広告を配信したユーザーにCookieを発行することで 広告配信以後のユーザーのアクセス動向データを収集する仕組みである。懸念 されるCookieのプライバシー問題や、第三者が介入することによるセキュリテ ィー面での不安は、広告主にとってなかなか解消しずらい懸念であるが、米国 Doubleclick社はCookieのプライバシーにかかわる訴訟で勝訴し、米国では法 的に認められつつあるといった前向きな事例もあり、上記各社は広告主、広告 会社にじっくり理解させることで解決していく余地は十分あるだろう。
このような、クリックの領域から更に多次元化した仮説に対する検証が行なえ る様になってくると、従来のマスメディア的な「この商品はこんなに優れてい ます!詳しくはここをクリック!」といった広告手法では成果が現れないとい うことが明らかになってくる。ネットというメディアはその表現の性質から考 えても機能・品質を認識させるメディアであり、「良い!」の一点張りではま ずユーザーが敬遠してしまうし、よしんばそれに反応し、クリックして企業の サイトにアクセスしてきたとしても、その広告で抱いた期待を裏切られるケー スが多いためである。
ネットメディアは、ユーザーが「次にどこに行くか」の主導権を握っている顧 客主導型のメディアである。アクセスした企業のサイトに幻滅したらユーザー はいとも簡単にBackボタンを押してしまうのだ。そういう意味では、ネット広 告のコミュニケーションはリアルな売り場でのセールストーク第一声に近いも のがある。顧客の親和性を獲得できない第一声は、顧客の足を止めて次のセー ルストークにつなげるチャンスは生み出さない。
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