自然と野鳥たちの四季 のようにのように〜
 
2010年冬の北海道撮影行は初のマイカー、日本海を渡りました♪
 
1月27日(水)自宅→舞鶴(フェリー泊)→小樽

 19時45分、出発。とにかく長丁場だしガソリンの心配も少しはあるので、小生らしからぬ?安全でエコな運転を心掛けます(^_^;)  舞鶴港近くのコンビニに立ち寄り食料などを仕入れ、22時35分舞鶴港に到着。23時15分、小樽行きの新日本海フェリー「あかしあ」に乗船開始です。出航は日付の変わった午前0時30分定刻。舞鶴〜小樽航路を行き来する「あかしあ」と「はまなす」は巨大な高速船で、少々のシケで欠航するなんてありえない、国内定期航路最強の船なのです。ただ、今年の冬はとてもシケの日が多くて、ネットで船の出航状況を頻繁にチェックしていると3時間遅れなんて便はざらです。明日の日本海は波が高いという、船酔いが少々気になる船内アナウンスが流れはしたけれど、とりあえず定刻に出航です。出航直前、車両デッキに降りてみると、一般車両(普通車)は小生含めて僅か7台。トラックは上層階のデッキです。ドラが鳴り出航。既に携帯電話の受信バリは1〜2本しか立っていません。船内の食事はあまり期待していなかったので、自宅から幾らかとコンビニで少し買い足した食料を持ち込んだのですが、室内は暖かくて、迂闊に置いておけば傷んでしまいそうです。部屋はこの時期貸し切り料金が不要な、一等客室(洋室)。今日の走行距離、230キロ。

1月28日(木)舞鶴→小樽→鶴居(夜行軍)

 6時半に起床し、少しは期待していた朝陽を探し窓の外を見るけれど、空は一面の雲。冬の日本海がベタ凪なわけもないが、比較的穏やかな海で、横揺れはあるものの心配していたほどではない。ただ、四六時中、まるで大地震のように部屋はミシミシギシギシ音がしていて、到底気持ちのよいものではない。熟睡は出来ないけれど、疲れを残せば小樽上陸後の強行軍に響くから、日中は少しでも眠らなければならないのだが... 船酔い。。ここ一週間はやたら忙しくて睡眠時間も僅か。仕事の夕景撮影がずっと続いて、出発の日などは夜明け前に夕景モドキを撮影するという裏技仕事。当然睡眠時間は僅かで疲労困憊。船酔いは、まぁ当然の成り行きではあるのです。正月以外にはやらない朝酒も一因かしれないけれど、準備していた酔い止め薬を服用し、横になって一時間ほど眠ります。 復活!これならもう一杯呑めそうです♪
 車中に残すカメラが気になるひとり旅。上陸後の深夜強行軍。あれこれ考えて一等船室に決めたのですが、さすがに快適です。お昼前から微かに日が差し始め、波も少し穏やかになっています。15時頃、大浴場へ。他に二名。乗船人数から考えれば、意外にも多い時間帯のようです。相変わらず東の空は芳しくないが、16時前、奥尻島が見えだした辺りから携帯に電波が届き始めた。晴れ間も少しのぞき始めて、水平線に沈む16時51分の日没に微かな期待を持っていたのですが... 無残。

1月29日(金) 晴れ 音羽橋周辺でマイナス14度

 前夜の21時、ほぼ定刻に小樽港へ到着し、下船。一気に鶴居に向かい走り始めたのですが、すぐにはナビが状況を理解せず、しばし迷走。旅の直前にサンヨーのゴリラナビを取り付けて、車両埋め込みのナビと2台体制なのですが、正常に指示を出し始めるまで3分程度はかかるよう。札幌道の分岐から夕張に向けての高速道は基本的に片側一車線で、時間も時間だし交通量は極度に少ないのだが、意外にも暴走車が多くてチト焦る。終点の夕張で降りて国道を走る。予定では、現在開通している占冠インターから帯広池田まで再度高速に乗るつもりだったのですが、もしこのまま高速道が夕張まで繋がってしまうと、「あの、日勝峠を下る機会がなくなってしまうのではないか」、そんな良からぬ考えが頭をもたげて、運転疲れのオツムは怖いモノ見たさにワクワク急展開。予定変更で地道を走り、満天の星なのに何故か猛烈な地吹雪の日勝峠を下って、清水町のインターから再び高速に。池田で高速を降り、あとは一路鶴居を目指します。午前3時前、音羽橋到着。日勝峠を通って小樽から6時間弱。順調に高速なら5時間程度の距離です。まだ三脚の一本も立っていない音羽橋を後に、嬉しさ余って玄関先の寒暖計を目当てにTAITOへ。気温は−10度。音羽橋に戻り、ミルでひいた豆をドリップし薫り高き珈琲を飲みながら夜明けを待ちます。
 うたた寝から目覚め、サンクで少しタンチョウを撮り、コッタロから茅沼、虹別、摩周湖展望台に上がり、鶴居の菊池牧場に戻る。早々に撮影を切り上げ、今夜が上陸後初の宿となるシラルトロ湖近くの高台にある定宿へ到着。明朝は、満月が沈むシーンを細岡展望台から狙う予定で、まずは下見。月の入り時刻よりも10分早く山陰に隠れるようだ。
 それにしてもこの宿の温泉は素晴らしい。見てくれは大きめの家族風呂なのだが、露天もあってお薦めです。ちなみにトイレはすべてウォシュレットに変更されていました。
 本日、600キロ以上走って収穫はほとんどゼロ。明日から明日から〜♪

1月30日(土) 晴れ 6時過ぎにマイナス17度

 前夜の大移動の疲れが残る中、5時に起床。5時25分出発。6時前に細岡展望台到着。すでに先客が1名、カメラを準備中である。こちらも急ぎ構図を決める。晴れ渡った西の空に沈む満月を撮影していると、キタキツネが現れ、数メートル離れた地面に置いていた先客のリュックを咥え引っ張り始めた。「コラッ!」と脅せば離れ脅せば離れるも、執拗に食い下がろうとする。中に相当美味いものを嗅ぎつけたのだろう。
 反対の空の朝陽もなんとなく終わってしまい、とりあえずコッタロを抜けて鶴居に向かう。それにしても今年はエゾシカがやたら多くて、昨晩はコッタロで2度もぶつかりそうになったのだ(一度目はメス、二度目は立派な角を持つオスジカであった)。そして今朝は子供のシカ。場所こそ昨日と数百メートル離れているが、まるで家族ぐるみのアタリ屋ではないのかい。でも撮影に向く出会いはまったくなくて、退屈この上ない。
 切り上げて、期待の霧多布に向かう。いつもの場所でユキホオジロ10羽程度の小群に出会ったけれど、あまりにも絵にならない。ベニヒワには会えなかった。あちこち走り回ったけれど、結局、夕陽絡みの写真は撮れず本日終了。今日は霧多布で初めて泊まる宿。ネットでは何度も見ていた初宿である。

1月31日(日)晴れ マイナス7度(だったかな?) 最高気温はプラス2度

 朝陽を狙いに霧多布岬へと走っていたのだが、急遽海岸に変更する。到着とほぼ同時に水平線から太陽がピカリ。大慌てでカメラをセットする。想定外のダルマ太陽をゲットしてしまい、少しだけにんまり。ユキホオジロを撮影し、9時に切り上げて納沙布岬へ向けのんびりと走る。納沙布の水鳥は少なくて、仕方なく北上を開始することに。走古丹にもエゾシカは多く、昨年来たときとは様相が異なる。走古丹でラウスクルさんから電話が入り、流氷は入っているのだが明日の天候は良くなくて風がありそうだという。船が揺れて撮影どころではないのだ。タイミング良く氷が入ってきてワクワク楽しみにしていただけにとても残念、断腸の思いで諦める。車(レンタカー)を道内で使い始めてからは初めて野付に立ち寄らず、摩周湖の第一展望台に向かう。空気は少し濁り山々は霞んではいるがほぼ快晴なので夕焼けを期待するも、結局肝心なところで雲に隠れてしまい、色も付かずに終了。
 今夜も初めて泊まる弟子屈中心部にある民宿。宿の温泉は近所の人たちが日帰り入浴しに来るほどの良い湯である。ただしトイレは純和風。ボットン便所ではないが、もちろんウォシュレットなんぞではない。すぐ近くの公園に来る野鳥が面白そうなので、明日は朝から小鳥狙いなのである。酒のあてに出してくれたギョウジャニンニクのキムチ漬けは絶品であった。

2月01日(月) マイナス7度

 夜のうちに雪が降り積もり、外は15センチのパウダースノウ。夜明け前から除雪車や各家の除雪作業は大変である。予定していた水郷公園には辿り着けそうになくて、やむを得ず、除雪の済んだ道を20分、屈斜路湖に向かう。想像していたとはいえ水面にはひとかけらの氷も見あたらない。オオハクチョウは三々五々飛んで来るのだが、波もあり色も無くて写真を撮る気力が沸かない。再び弟子屈に戻って、ほぼ除雪の済んだ公園に向かう。公園への進入路をなんとか探し出して駐車場には着いたのだが、雪が深くて撮影できそうにもない。小道があるはずなのだが雪が深くて皆目見当がつかない。小生の足は長いハズなのだが(ん?)、膝までのブーツ寸よりも深い雪なので、一歩歩くたびに足を引き抜き足場を固め、また次の一歩のために足を引き抜き足場を固め... そんな繰り返しなので、すぐ傍に見える観鳥小屋に辿り着くのさえひと苦労。かなりの運動量ではある。息を切らせ汗かきながら着いた観察小屋の周りには、カラ類の他に聞きなれない声の鳥がいるのだが姿を確認することは出来なかった。ホオジロガモ、コオリガモ、ミコアイサ、などの水鳥がいる。やむなく切り上げてもう一度屈斜路湖に向かう。小雪舞う水辺で水を飲むツグミを何枚か撮影する。藻琴山展望台に登るが眺めは極めて悪い。明朝、天気がよければ朝陽を狙うための下見にと、美幌峠展望台にも登る。路面は極めて怪しい状態だが、日勝峠のように大型車がビュンビュンというわけでもないので、運転はなんとかなりそうである。砂湯に戻り、日記を書いている。月曜日ではあるにしても観光客がとても少ない。全面結氷御神渡り、なぁんて、この先あるのだろうか。
 さぁて、そろそろ湖畔の今夜の定宿にチェックインして露天に直行である(やっぱいいなぁここの露天は最高!)。このあと夕景撮影に行ける天候になるのかどうかを気にしながらの露天なのだが、まぁ暫しの開放感を満喫!
 結局夕陽は望めず、この旅で初めての少し早い酒盛りとなる。そうはいっても6時半からの夕食に、お芋のニオイをプ〜〜ンと漂わせて行くわけにもいかないのであるからして... 今日はとにかく写真にならない最悪の天候でした。そして、夕陽の撮影が出来ないとなると、夕食の6時半までは長〜いのである。チビチビ呑♪

2月02日(火) 砂湯は−10度 美幌峠は−14度
 5時起床で同15分に出発。美幌峠展望台まで、ゆっくり走っても30分はかからない。起床したときには月も星も出ていて峠からの朝焼けを期待したのだが、何時の間にか小雪舞う完全な曇天に変わってしまった。峠の駐車場で日の出時刻まで待機するが東の空半分は雲に覆われたままで、絵になる写真どころか記録写真さえ撮れそうになくて撤退。ションボリ、砂湯のオオハクチョウを見て宿に帰る。そうそう旨くはいかないにしても、今回の旅はやたら天候に見放されている。朝食後、小一時間、餌台にやってくる小鳥を撮影する。今年はシメがいないけれどまずまずの賑い。そしてなんと、キバシリが餌台近くに出てくる。ところが今年の運勢は最悪なのか、超接近遭遇2メートルにいきなり現れてはピントなんか合やしません。その後、1時間半粘ったのですがそれっきり現れませんでした。ほんに悔しい超接近遭遇なのでありました。悔しさ募るまま、コッタロを経由し鶴居に向かいます。定宿の和田さんちへ15時前にチェックインを済ませ、15時半出発。タイヤ周りに氷がこびり付いてかなり怪しい状態なので、今回2度目の、ガソリンスタンドでの高圧水洗いを済ませます。今夕の撮影は雄阿寒とタンチョウの絡みオンリーの狙い。到着後すぐに数回のチャンスがあったのですがまだ日も高くて思うような絵になりません。そして雄阿寒が少し色付く頃には待てど暮らせどタンチョウが近くを飛びません。じつはわずかにワンチャンス... あったのですが、想定外の飛行だったため大慌てでピンボケ。運も悪いが、やはり腕も悪いと少々自虐的。かなり落ち込みます。
 夜は恒例の酒盛り。岡山から持ち込んだ「備前幻」を和田さんたちと呑む。途中から4名加わり芋焼酎「一刻者」の一升瓶を空ける。小生、22時半には切り上げたらしいのだが珍しく酩酊し、朝4時過ぎに目が覚めると部屋の椅子はひっくり返り、なんと床で寝ていたのでありました。ベッドで5時まで寝直したけれどチト頭が痛い。明らかに二日酔いです。
2月03日(水) −11度 晴れ
 体がだるくて頭が重く、無性に眠い。予報ではこの冬最も強い冷え込みということだったのにさほど冷え込まず、霧氷もナシ。仕方なく車を転がしていると、コッタロの最初の展望地附近でエゾフクロウ発見!10メートルもない近距離!少しバックしポジションを決め窓を開けようとした途端に、飛んじまった。あぁぁ、今回の旅を象徴するようなシーンです。チャンスはあるのにどうしても写真が撮れないのですよ今回は。その後コッタロで立派な角を持つオスジカを少し撮影し鶴居の町に戻ったけれど、小鳥類はとても少ない。夕方、再度昨日と同じ雄阿寒絡みのタンチョウにチャレンジするもリベンジならず。見事返り討ちにあったのでした。アーメン。。
 連泊の今夜は19時半に2階へ上がり、ほとんど酒を飲まず!21時半には入浴し露天へドボン。マジで今夜は限りなくシラフ。何故か何故だか酒呑もうとも思わない不思議な鶴居の夜なのでした。酔ってませ〜ん。。
2月04日(木) −26度(茅沼は−30度超えてたようです) 快晴

 朝5時過ぎのTAITOの寒暖計は−25度。わがパジェロの温度計は−23度。よぉ〜〜〜っく冷え込んだ朝です!音羽橋で三脚場所取りするのは性に合わないので、期待に胸ふくらませ茅沼に向け出発。樹氷が付かない場所だとは思いつつ、思いつつ。もしかしたら樹氷の中のエゾフクロウ... とはスケベ根性と無知の成せる業。当然、樹氷は無くてフクロウも不在(案外、樹洞の奥で丸くなっていたのかもしれません)。諦めて車に戻りパジェロの気温を見れば−29度。ってことは、TAITOの寒暖計が正しければ−30度を超えてるってことです!
 いやぁイメージ通りにゃいかんなぁと悔やみつつも計画変更で急ぎコッタロへ。朝陽に間に合うかどうかの際どいタイミングでコッタロ湿原に戻り着き、雪と氷でツンツルテンの階段をハァハァゼェゼェよじ登る。三脚を伸ばす間にもすでに山の稜線から朝陽は顔を見せ始めていて、極め付けに冷え込んだ朝なのにだくだくの汗かきながら大慌て。辛うじて釧路川から立ち上る気嵐が木々を白く浮き上がらせる幻想的な夜明けをゲット。努力をすれば報われる。そんな達成感のある朝(そんなタイソなモンかい!)。まま、昨日は節分、今日は立春。新しい年が始まったのだから♪ その後コッタロ湿原を2往復し、さぁ切り上げようと帰りかけたその時、道端の木で日向ぼっこするフクロウをほぼアイレベルに発見!昨日のリベンジ完了〜♪ 思わずそんな言葉さえ口をつく幸せな朝なのでした。やっぱりコッタロは凄い!♪
 朝食を済ませて荷物をまとめ、9時50分に宿を出発。執拗に、コッタロへと向かう。湿原の展望台を過ぎて、左手を釧路川が流れる平地を走り数百メートル。なにやら川でうごめくものが... なんと!エゾシカの子供が首まで浸かって溺れている!一面に張った氷がその子の周りだけ無くなっていて、必死でもがいた様子が伺える。うつろな表情、ふるえる顔。なんとも救いの手立ては無いものか。自然の摂理とはいえ、目の前で起こる悲劇を見過ごすしかないのか。許されぬ行為とは知りながら、近くの枯れた木を折り、どうにか手掛かり足掛かりにならぬものかと、5メートル先で最後の力を振り絞りもがく子ジカの目の前に投げ入れるが、すでに足を持ち上げることすら出来ない。目の前の悲劇を救えぬ無力感に肩を落とし、その場を離れるしかないのだ。近くに、その子ジカの家族かもしれぬ親子ジカが木の皮を食んでいる。気丈に、悲しみを隠し食んでいるように思えた。一度その場を離れて折り返し、10分後にその場を訪れると、子ジカは既に息絶えていた。もう二度と動かぬ大きく見開いた左目が天を見据え、微かな命の残り火が燃え尽きたかのように。思わず手を合わせ、哀れなその場を離れた。どこで知るのだろうか、気がつけば、まわりにはすでにワシやカラスどもが集まり始めている。自然の摂理。とはいえ、目の前に起こるであろう光景に、こころ吹き荒ばぬものはいないだろう。ひとつの命が絶え、他の命を育む。自然の営みを垣間見た。
 12時過ぎに音羽橋を出発し、大楽毛のGSを経由して帯広の六花亭本店に15時前到着。買い物を済ませて、十勝川温泉での定宿に16時前チェックイン。荷物を降ろし、夕景狙いの場所を探しに出るがめぼしい場所もなくて、十勝川のオオハクチョウを眺めていると、いきなり、取って付けたように不自然な仮設トイレから何やらフワフワした格好の輩が出てきた。なんか妙だなとは思ったけれど目を擦り見れば、ナント!まさかまさか!もう一度目を擦り見れば衝撃のウェディングドレスの女性ではないか。まるで某ドッキリカメラのシチュエーションのような... いんやぁ、いまでも信じられぬ光景でした。
 宿の夕食は毎度ながら美味でドッカ〜ン!と出てくる。超満腹。女将が体調を崩しているそうで残念だが、若女将の笑顔は初々しくて、きっと心置きなく静養に励めることだろう。来年はまた、ふっくらとした女将の顔を見たい。
 さぁて、明日は札幌近郊、道内最後の宿である。−20度予報の明朝の音更に素敵な出会いを夢見て、就寝...

2月05日(金) −24度(音更町)

 就寝... したのだけれど、隣の部屋の宿泊客が大声の電話。夜中の0時過ぎてもドタンバタンガタゴトドン。五月蝿くて夜中に何度も目が覚め不愉快千万。ホテルに泊まれぃっ!
 ともかく、5時10分起床し5時50分出発。6時過ぎに音更神社へ到着。今年もまた宿で作っていただいたおにぎりを車中で有り難くほおばり腹ごしらえ。一息入れて身支度を調え、エゾリスの撮影を開始する。昨年よりも警戒心が強そうなのはこの低気温が影響しているのだろうか、などと感じつつ少し撮影。9時前から仕事の電話が絶え間なく入り始めて、堪らず9時半には撮影を切り上げて車に戻り、あちこち仕事の電話を完了する。次の目的地ウトナイ湖を、占冠インター経由でナビに打ち込み出発。驚いたのはトマム辺りから占冠までの道。山の尾根を渡り繋ぐまるで天空の道、究極の高速道です。それにしても、ちょっとした事故や天候の急変があればすぐに道路閉鎖されそうだし、高所恐怖症な小生なんぞはキ○○マ縮み上がる高速道路、初めての経験です。ところが驚くなかれ、片側一車線の高速道路の道端(広くなってる場所ではありませぬゾ)、に車を止めて平然と立小便するオヤジ発見!ありえんオヤジ!危険極まりないぞっ!! せっかくの神々しい気持ちが台無しになりそうではあったけれど、無事に現在工事中の終点占冠ICを降りた。
 音更神社から3時間弱でウトナイ道の駅に無事到着。並び建つウトナイ湖野生鳥獣保護センターの大きな窓越しに見えるのはシメだけで、イメージを創ろうとしたけれど写真になりそうもない。少し離れて建つウトナイ湖サンクチュアリーは土日祝日のみの開館なのだが、関係者駐車場には4〜5台止まっていて出入りはしている様子。あれこれあるのだろうけれど、それにしても週休5日とは...
 切り上げて野幌森林公園に向かう。主の目的はエゾフクロウだったのだが、管理事務所の職員の話では今年まだ入っていないのだそうである。残念。じっとしていても仕方ないので森を一時間ほど歩いてみたが、鳥の姿は無い。
 今夜の宿は森林公園にほど近いビジネスホテルを取ったのだが、苫小牧市内を選ぶべきだったと後で反省。
 それにしても札幌街中の路面はコワイです。絶対に、一瞬たりとも気が抜けません。毎日毎日よくもまあこんなツンツルテンな道路を走ってるもんだなぁと、地元の人には本気で感心してしまいます。

2月06日(土) −17度 曇りのち晴れのち吹雪
5時半、宿を出発。一路、ウトナイ湖を目指す。札幌道を快走し6時半に到着。昨日オオハクチョウのいた辺りをポイントに撮影しようと思っていたのだが、ハクチョウはおろかカモさえもいない。仕方なく朝陽を撮影。何気なく終わる。切り上げて、初めて訪れる北大演習林に7時30分到着。エゾリスはかなりの数がいる。カラ類、カケス、カモ数種。エゾリスもカラ類も人懐こくて、つい撮影することさえ忘れてしまうほど楽しいスキンシップ。エゾリスは手のひらに何度も前足をかけてきたり齧ってみたり。三脚によじ登ろうとする個体までいる。カラ類は、地元の人に分けていただいたヒマワリの種を取ろうと平気で手のひらに乗ってくるし、何度もカメラにとまる。クマゲラの声も近くで聞こえ、地元の若い鳥見人が走って行って上手く撮影したようだ。それにしてもこの演習林は楽しくて、旅の疲れが消えてゆく。その後ウトナイのネイチャーセンターを訪ね最近の鳥情報をお聞きするも、やはり不作のようである。僅かにいただいた鳥情報を頼りに、苫小牧から一時間ほど東に位置する鵡川で鳥を探す。バーダーの姿もちらほら見えるが、特にめぼしい鳥は見つけられない。
 午後4時20分、今年の旅を切り上げて小樽に向かう。既に風雪が強くなり始めてはいたけれど高速道は順調... と思っていたら沼ノ端西で封鎖になってしまった。吹雪になるかもしれぬと予報が出ていたのに、ノーテンキでギリギリまで鳥見したばかりにこの有様。普段なら小樽までは一時間ちょっとの距離なのに、吹雪の地道は圧雪で粉雪巻き上がる最悪の路面。そして延々の大渋滞。疲れもピークに達し、必死の4時間強。疲労困憊の距離100キロなのでした。
 なんとか小樽港に辿り着けば、船は3時間の遅れ。少々の吹雪では欠航しない高速船あかしあだって大揺れは必死かも。さぁ覚悟を決めての21時間航路(もっとかかるのかな?)。しかし、それにしても本当に凄い吹雪です。マジ、これでも船出るのかぃ?? かなりコワイ!そんな今夜の小樽港なのです。
 午前1時30分過ぎ、乗船開始。現在午前2時27分、まだ出航してもいないのに時折揺れている。すでに酒を呑み過ぎているからというわけでは勿論ない。まとにかく、酒呑んで、酔い止め薬(船酔い止めです)飲んで、さっさと寝るに限ります。復路のお供は特別純米の北海道限定「男山」。限定ってのは好きではないのだが、お供にしようと目論んでいた福司が手に入らなくて、苫小牧でやむなく仕入れた銘柄。しかし流石は男山です。ちと高いのが玉に瑕だが、さらり。上物。これは、確かに、、うんんままぁ〜〜〜〜〜いっ!酒に未熟な小生は只々ひれ伏すしかない希有な酒でありました。 。
 それにしても揺れます(重ね重ね、お酒のせいじゃありませぬよ!)。定刻は前日の午後23時30分。すでに午前2時55分、まぁだ出航前だよ〜! 男山はひとまず置き、酔い止め薬飲んで寝なければ。ほんに疲労困憊。そしてどうやら、便秘。。
2月07日(日) 曇天
 9時前起床。睡眠時間は5時間少々、ってとこだろうか。それでもしっかり眠れた気分で清々しい朝。出航直後は揺れも大きかったけれど、すでに往路と同程度の揺れに変わっていて、心配していたほどではない。携帯の電波はとっくに圏外で、微かな陽を受けた岩木山が遠くに見えている。少しお腹も空いてきたが、復路の持ち込み食料は少なすぎたし、インスタント味噌汁もドリップするつもりだった珈琲も車内に置き忘れてしまった。4時間遅れで出航したので、舞鶴着は日付の変わった8日午前1時あたりだろうか。あいかわらずミシミシ軋む音と、時折ドォーンと波に当たる音が聞こえてくる。やはり、往路よりもうねりは大きく幾分波も高いのかもしれない。きっと今頃、北海道は吹雪の直後だから、南下してきた珍鳥たちがひしめきあっているんだろうなぁと思うと、ちょっとばかり悔しい。
 午前11時頃、船長から船内放送があり、舞鶴入港は8日午前1時半の予定という。どうやら自宅に帰れるのは午前5時前あたりか。いまのうち呑めるだけの酒呑んで、船でしっかり寝ておかなければ。波の高さは4メートル、小さくゆっくり揺れています。午後になりやっと日差しが戻ってきました。外の気温は0度だそうですが、とても暖かな日差しを感じます。後部のデッキに出てみれば見渡す限りの海、また海。17時20分の日没、もしかしたら夕陽を拝めるかもしれません。
 日本酒「男山」4合と芋焼酎「白波」3合にて、午後4時前打ち止め。そこから日付の変わる1時半まで10時間近くあるわけで、ひと風呂浴びて汗かけばアルコールは抜けるのですが、現在、船酔いなのか酒酔いなのか判別不能な状態です。まぁどっちにしたって酔っているには違いないのですけれど♪

 

相棒のパジェロには大自然が似合うなぁと、極寒の地で実感しました。でもガソリン残量ばかりが気になって、もしかしたら自然破壊の旅だったのかもと...


新日本海フェリー「あかしあ」

 

 

© NOBUYOSHI NAKAGIRI
naturephoto@mac.com

(許可なく改変や引用、無断掲載することはお断りします)

 
 
自然と野鳥たちの四季 のようにのように〜