自然と野鳥たちの四季 のようにのように〜
 
往きのフェリーは11時間遅れ、でも行き当たりばったりの楽しい旅なのでした♪
 
2月01日(水)

 例年ならもっと北にあるはずの吹雪をもたらす低気圧が、今年は緯度低く発生していてラニーニャ絡みの寒い冬。今日から明日そして明後日にかけ、この冬一番のこわもて低気圧がドッカと居座る所為で、日付の変わった00時30分出港予定だった小樽行きのフェリーは大幅に遅れていて、舞鶴港出港は明朝6時頃だそうです。日本海は大荒れに違いなく、自宅を出発する前から船酔いでの睡眠不足が気になります。
 舞鶴近くまでの路面状態はたいしたこともなさそうで、とにかく、早めに舞鶴港に到着し仮眠しようと、21時半自宅を出発しました。

2月02日(木)

 0時30分舞鶴港に到着。本来の出港時刻です。舞鶴は当然の雪。それもかなり激しい横殴りです。出港予定時刻までは時間があり過ぎますし、エンジンを切れば寒いので「仕方なく!」、持参のお芋をチビリ。酔っ払っちゃあ洒落になりませんから、軽ぁ〜るく、ひとくち、ふたくち…  となればツマミだって欲しくなるわけで… みくち、よくち… ^^;
 小樽行きのフェリーはまなすが入港したのは午前3時。午前4時半頃からやっと乗船が始まりました。乗ってしまえば船が沈もうがひっくり返ろうが知ったことじゃありませんから、そそくさと嘉美心酒造の無濾過生酒「冬の月」を開栓します。この岡山の地酒、昨期も呑み仲間の評判は良かったらしいのですけれどノンベはいまひとつと評価していました。ところが今年のこいつぁ「旨い!」。いい酒に育ったなぁと、寝惚け眼でグイグイ。夜明けの頃から呑み始めるなんてのは人生初のシチュエーションかもしれませぬ。
 現在、午前6時。まだ停泊中なのに揺れています。もしや呑みすぎたか?いんや違う。確かに船が揺れております… 揺れとる… それもかなり揺れとるよ〜っ!この先、どないなるんでしょ。「冬の月」、まもなく空いちゃいます酔ぃ♪ 室内の時計が1時間進んでいて、どうも気になり修正しようと試みても上手くゆかずフロントへコールするのですが、何度コールしてもだぁ〜れも出ません。むむ…
 午前9時、まだまだ、舞鶴港停泊中です。デッキの雪はみるみるうちに降り積もってゆきます。9時を過ぎて、やぁ〜〜〜〜〜っと出港。きっと、めいっぱい、揺れるんでしょうねぇ。酔い止め薬のアネロンって大酒呑んだ後でも効くんじゃろかと、ふと。
 案の定、最悪の船酔いです… 揺れて揺れて揺れて… 回って回って回って… 何十年ぶりでしょう… あぁぁキツかったです。キャベジン飲んで、ずっと横になっていて、ネットも携帯も使えないし、ずっとずっと横になっていて… 腰が痛くなりそうです。
 日付の変わったころやっと復活し、フリーズドライの玉子スープをひさしぶりに胃の中へ。あぁ美味かった!現在、津軽沖を航海中です。

2月03日(金)

 結局、2日の午前9時過ぎに舞鶴を出港し、小樽に着いたのは3日の午前8時過ぎ。ゲッソリ大揺れ23時間の航海でした。
 予定より11時間遅れ、札幌はラッシュ真っ只中の時間帯ですから上陸直後に立ち寄るつもりだった給油所には寄らず、一路鶴居を目指すことにしました。でも残念ながら、敢えなく、白糠の手前でガス欠です。携帯した19リットルのガソリンをさっそく補給することになりました。和商でお土産を早々に済ませ、鶴居の宿で荷を捌き、とりあえず菊池牧場へ向かいます。夕焼けにはまだ早い時間からよく飛んでくるのですが、陽が強くて絵になりません。5時、切り上げて宿に戻ると、不思議なことに風呂は貸し切り状態なのでした♪極楽極楽♪〜♪
 今夜は持参した地酒3本で和田さんたちと酒盛りなのです♪ (^。^)

2月04日(土)

 午前5時、TAITOの寒暖計はマイナス18度。ま、とりあえずビール。のような感覚で、とりあえず音羽橋へ(マイナス27度まで冷え込んだようです)。7時半のコッタロの気温はマイナス24度。エゾシカ以外には出会わず。今日は伊藤サンクチュアリーでタンチョウのダンスを狙います。午前9時半から午後2時まで粘ったのですがチャンスらしきチャンスはありませんでした。サンクで小鳥情報をたずねたのですが、やはり道内も今年は極端に少ないようです。
 場所を変えて風景絡みのタンチョウ飛行シーンを狙ったのですが、決定的なチャンスがあったのにモノに出来ません。下手っくそっ!
 さあ明日からは宿未定、放浪の旅が始まります。未知との遭遇に期待です。とりあえず明朝は、峠で、らしくない風景写真を狙おうと思います。

2月05日(日)

 今朝も昨日とほぼ同様の冷え込みです。コッタロで夜明け前のグラデーション絡みの被写体を撮りたくて目を皿にして探すのですが、そうそう上手くいくはずもなく、凡作を押さえて鶴居に引き返し小鳥を探したけれど出会ったのはハギマシコ数羽のみでした。シラルトロのエゾフクロウにも会えぬまま霧多布へ向かいます。霧多布湿原周辺でツグミ1羽と遭遇。ツグミさえ貴重な今シーズンなのです。ここは嬉しいことにケアシノスリ数羽がいます。すぐ傍でホバリングしてくれるのですが、海から吹く風なのでカメラからはお尻ばかりで絵になりません。何羽かいるはずのコミミズクも探したのですが見つけることが出来ませんでした。納沙布岬の太平洋側には10羽ほどのコミミが入っていたそうなので、道東にいる間に立ち寄ってみたいと思います。オオワシ、オジロワシ、ケアシノスリ、ノスリ、ワタリガラス、ツグミ、ハギマシコ、オオアカゲラ、ミヤマカケス、カラ類、オオハクチョウ、ウミアイサ、クロガモ、ホオジロガモ、etc.
 民宿えとぴりか村の主人曰く。地元警察の交通取締は一旦停止と駐禁しかやらないが、地元民との付き合いが拙くなるのは嫌なので検挙するのは地元以外のドライバーだけなんだと。われら観光客は絶好のターゲット二重丸!なんだそーであります。くわばらくわばら。前の車が一旦停止してないからって、ゆめゆめ油断なされませぬよーに。

2月06日(月)

 夜明け前、とりあえず海岸に出てみました。気温はマイナス11度。東の空低く雲があるようなので、急ぎ岬に変更します。なんとか朝陽を拝むことは出来たのですが、鳥も絡まず絵にはなりません。蓮葉氷上で休むアザラシを遠目に少し撮影し、8時半、走古丹〜弟子屈〜屈斜路を目指します。今日は全道的に気温が上昇し、旭川では一ヶ月続いた真冬日から抜けそうだという予報です。
 弟子屈の気温はプラスの1度。あったかいです(そりゃ岡山県人的には寒いですけれど)。水郷公園でクビワキンクロ♂と初遭遇。首輪よりも嘴の付け根を縁取る白いラインが印象的で、なかなかオシャレな珍客です。カメラは持参せず双眼鏡片手に池の畔を一周しました。
 15時、屈斜路の定宿へ到着。もちろん速攻で露天へ直行です。いい湯だなぁ… 風呂から上がり、もしかすると色付くかもしれぬとすぐ傍の屈斜路砂湯へ向かいます。今年は氷がびっしり。久しぶりに見る景色です。こうでなくっちゃいけません。でも夕色のオオハクチョウは期待できず敢えなく撤収。宿に戻り17時から、チョビ早いひとり酒盛り開始。ここの夕食は18時半から。ノンベにゃ過酷な1時間半です。つい一杯が二杯… 三杯が四杯… わたしだって出来ることなら真っ赤なお顔でオシャレな夕食レストランに着席したかぁないんだけんど… 酒呑みにはツライ宿ではありますなぁ。もいちど風呂入ろっと。

2月07日(火)

 午前5時40分、マイナス1度。予報通りの曇天、そしてやたら暖かい朝です。でもまあ折角ここまでやって来てふて寝するのも勿体ないし、とりあえず美幌峠にでもと走ってみたけど山も見えず、さっさと諦め、和琴からは砂湯方向の山々も木々も見えないのを確認し、屈斜路の釧路川源流出発地点辺りに佇む90羽ほどのオオハクチョウを少し撮影。砂湯にはまだ1羽もやってきていません。宿に戻り朝食を摂ります。エゾリスは4匹現れ、設けられた餌台に今年はカケスが主役。かと思いきや、ハシブトガラス2羽が我がもの顔で、木に金網で貼り付けられた脂身をがっさがっさとむしり取り、オオアカゲラもアカゲラもミヤマカケスだって遠巻きに様子見するしかありません。カラ類(ハシブトガラ、ヒガラ、シジュウカラ、ゴジュウカラ)も少なめでいまひとつな餌台だったのですが、耳を澄ませば近くでウソの声が延々と延々と森を取り囲みフィッフィッフィッフィフォ〜。つがいで木の上部をディスプレーしながらくるくるぐるぐる♪6〜7羽の小群です。アトリも10数羽が同様に上の方で枝移りしていて、なにやら春近し?そんな屈斜路の湖畔なのでした。
 9時半に宿を発ち、弟子屈の公園で、昨日は撮影する気にならなかったクビワキンクロを少し撮影しました。虹別でのお目当てには会えませんでした。今日の目的地をやっと根室に決定し再び南下します。歯舞から納沙布岬に集中しているというコミミズクも探してみようと思います。お昼頃から、この時期には珍しい霧が道東一帯で大発生しました。日中の気温はプラスの2度。夕方も0度にしか下がらなくて路面はびしゃびしゃ楽勝なのですが、問題は明日の朝です。完全なツンツルテンに決まってますから、明朝の運転には相当な注意が必要なのです。内陸部でこれだけの霧が発生すれば明朝は霧氷でワクワクドキドキに違いないのですが、根室の路面状態は粗暴で野蛮な危険極まりない朝に違いなくビクビクドキドキなのです。まぁなるようにしかなりませんが。
 本日根室での出会い、期待していたコミミズクは2羽、チョウゲンボウ1羽。霧で見つけにくかったのか、それともこの暖かさで移動したのでしょうか。
 今夜は、数年前に泊まったことのある春国岱近くの宿。かつての道東旅日記に書いた「ヤカンのカビ!」。ことしもそのままじゃぁ!って思ってヤカンの底をガリガリやってみたのですが、カビらしきものは取れそうもありません。気持ち悪いがどうやらカビじゃさそうだし、ヤカンで何度か湯割りの湯を沸かせば煮沸消毒も同じ。お芋の酒が増してくにつれ、いつのまにか許容範囲なのでした。
 路面状態が気になる明朝、晴れていれば未明から納沙布岬。そして歯舞までのコミミズク再探索。晴れてなけりゃ9時起床… なぁんて、そんな馬鹿な ^_^;

2月08日(水)
 4時50分起床。一応スマホの目覚ましをセットしているのですが、今朝もその前に目が覚めます。納沙布の岬に向かう手もあったのですが、根室市内の気になる路面状態、そして車道から狙わざるを得ないコミミを諦め、まだ日の出に間に合いそうな槍昔に向かうことにしました。西の地平線にはオレンジ色の満月が沈みかけています。
 結局、鳥に絡まない残念な朝陽に終わり、走古丹のエゾシカとトビのなる木を見て、白鳥台から野付に向かいます。ハシブトガラ、シジュウカラ、ハギマシコ、ノスリ、もちろんオオワシ、オジロワシ、オオハクチョウ、ホオジロガモ、クロガモ。野付には9時に到着しました。
ここから見る羅臼は荒れ模様なのがよくわかります。6日〜9日まで(場合によっては10日も)、羅臼の船に乗りたくて予約しているのですが… さて… 
 いつものように野付灯台近くの駐車場で日記を書いているのですが、風は強く、日が差したり横殴りの雪が降ったりめまぐるしく天候が変わります。灯台から先に入る許可証をいただき、車で行けるところまで進んでみました。途中、雪が深くて仕方なく車を降り、そこから30分ほど歩けばユキホオジロやツメナガホオジロにも出会える幸運があるかもしれないのですが、車中からの撮影に比べ当然警戒されるので距離があり、絵にするのは難しそうです。それでも海岸でコオリガモ1羽を見つけました。素敵な笑顔のレンジャーさん♪の話では、先月末の吹雪を境にコミミズクの姿は見えなくなったそうです。他にキレンジャク1羽のみでした。
夕陽も良くなくて(他の事情もあれこれあって… )本日終了。
 今夜の宿は初めてお世話になる民宿です。トイレはウォシュレットじゃなく、ネットは繋がらず、ティッシュも何故か部屋に置かれていません。それでも部屋はこぎれいで、あれこれ切り盛りされてる様子の女性は丁寧で感じが良い方でした。ここも夕食のみでの宿泊をお願いしたのですが、美味しくてボリュームもたっぷりでした。
2月09日(木)

 5時起床。5時半の尾岱沼の気温は、野付名物四角い太陽なんて絶対あり得ないマイナス3度。とにかく暖かい。おまけに東の空低くにはしっかと雲があり、ダルマ朝陽さえも望めません。ならばと、西の空低い満月(一日遅れですが)を野付半島の岬に向かって走ったのですが、昨夕からの立ち入り禁止バリケードでネイチャーセンターから先へは進めません。昨日は「16時から通行止めだ!」なぁんて高飛車な態度で閉め出しておいて、実際は17時になってもバリケード押しのけ先へ向かう車を何台も許可しており、双眼鏡で見ればずっと先端部で撮影しているカメラマンも何人かいた。馬鹿役人!
 尾岱沼の港から出漁する船団の漁り火を満月が照らす… そんな絵を描いていたのですが、先へ進めないのでは仕方ありません。午前7時半になり羅臼と連絡を取ったのですが、明朝も荒天で船が出せないだろうとの返事で、仕方なく羅臼の宿をキャンセルしました。4日続けてのキャンセルです。申し訳ないけれど、船次第なので許していただくしかありません。それにしてもいつ羅臼に入ろうかと、当初予定していた以上に何日も道東で待機しているのですが、この先も良い予報は出ていないのです。
 虹別〜シラルトロ〜コッタロ〜鶴居を走り廻り、鶴居では風景絡みのタンチョウ飛行シーンのリベンジを狙ったのですが… チャンスは何度かありその度にバシャバシャ。でも、下手クソを改めて思い知らされただけの結果に終わりました。それでも、今日は虹別のお目当てに出会えたのでラッキーなのでした♪ 明日もきっと羅臼の天候は望み薄。このまま旅の終盤、西へ西へと向かうことになるのでしょうか。
 今夜はシラルトロの宿に決めました。夕食は例年通りのお弁当形式なのですが、いつもと変わらぬボリュームと美味さでした。ひとりじめのお風呂(見た目はたいしたことないけれど泉質が素晴らしいのです)と可愛い露天を満喫しました。そしてなんと、ここもネットできるようになっていたのですが、いささか回線が遅すぎます。画像添付のメール送信なんて不可能ですし、ほんの少し重いページなんて閲覧不能なのですから、「ネット使用可」とは、チト。
 旅に出ると、天気予報以外のテレビ番組はまず見ません。地上デジタルで、どんな僻地(^_^;)に行ったって天気予報がバッチリ見られるのは有難い限りですが、ほかの番組(自然以外の番組)は見たくないのです。旅って、いいですね。あしたは何処で宿探しましょうか…

2月10日(金)

 今朝は風がなく冷え込みもまずまずだったので、樹氷狙いでコッタロへ向かいます。もちろん一番の狙いは夜明けのグラデーションと動物たちが絡む絵です。マイナス22度まで下がり、樹氷は美しく、ダイアモンドダストが舞っています。でも結局、今朝も撮影出来たのは「風景」だけでした。イメージはしっかり持っているつもりなのですが、そんな素敵な出会いは砂漠で小さなダイアを探すのと同じなのかもしれません。零か百かは承知してますし、行き当たりばったりの旅なのですから外れるのは当然なのですけれど、それにしてもチャンスがありません。
 羅臼とは今朝も連絡を取ったのですが、今年は諦めるしかないようです。帯広郊外の音更を目指すことにします。鶴居から音更神社までは2時間半程度の距離です。音更に近づくにつれ雪に変わりました。境内で、シメ♀1羽、アカゲラ♂1羽、ツグミ5羽。今夜当てにしていた帯広での定宿は臨時休暇ということで、初めての宿にしました。
 帰りの船を予定通り12日深夜の苫小牧港発にするか、一日早めて小樽港からの便にするか思案しています。どっちみち遅れはありそうですし揺れるのでしょうけれど、数日前の天気予報が今朝には大きく変わっていて、札幌、小樽、苫小牧の天候がとても気になっているのです。とりあえず明日日中、苫小牧へ向かう高速道路の状況も気になります。
 宿で案外困るのが部屋の温度調節です。宿によって千差万別で、パンツ一丁でうろちょろしたいくらい常夏状態な宿の翌日は、部屋で上着を脱いだくらいが丁度いいよな寒宿だったりしますから、初めて泊まる場合はなおさらなのです。室温が高くて湿度も高かったりすると、マイナス20度近い外部から部屋に持ち込んだ機材は瞬間で結露してしまいます。要注意!なのです。
 明日は少し冷えそうです。

2月11日(土)
 音更はマイナス15度。まずまずの冷え込みです。夜明け前には宿を発ちたいので、いつも通り朝食は頼まず前夜に精算を済ませて、そ〜っと静かに宿を出たのですが、なんと宿の主人は私のバッチィパジェロに着いた雪を払い落として下さってるではありませんか。いやはや感激です。
 5時50分、音更神社到着。境内の駐車場でコンビニ朝食を済ませ、さっそく撮影にかかります。でも問題はエゾリスの餌、朝鮮五葉松の実です。手持ちの実(昨年、親切に分けて頂いたものの残り)は僅かで、すぐ無くなってしまいました。でも、よほどお腹が空いていたのか7匹のエゾリスたちがひっきりなしに近づいてきます。真新しくもない何時もと変わらぬ光景なのですが、かわゆいかわゆいリスたちを、鼻の下思いっきり伸ばしてヒゲオヤジ激写。11時まで堪能しました。
 最終宿泊地の苫小牧へ移動します。2時間半で無事ウトナイ湖サンクチュアリに到着しました。道東道で残っていた工事区間、夕張から占冠までが昨秋開通し、小樽から帯広や足寄までは高速道路の利用が出来るので、事故や雪での閉鎖がなければとても移動しやすくなりました。でも「大切な自然を壊し手に入れた便利さ」には違いありません。何年か前にも書いたのですが、釧路方面へ南下する片側3車線のとんでもなく無用な新設道路があります。そのすぐ傍をほぼ並行して走る国道だってガラガラなのに、ありえない、唯々無用な道路。なぜ造らなければならなかったのか到底理解出来ない道路です。
 今年は支笏湖畔にも行ってみようと思っていたのですが、支笏湖畔は「氷濤まつり」の真っ直中で、本日土曜日の夜は最後のクライマックス。まだ少し早い時間なのに湖畔の手前からすでに大渋滞が始まっていてウンザリ、諦めました。結局、苫小牧から支笏湖畔の往復をしただけに終わったのですが、スピード違反と思われる検挙シーンが、なんと4度! パトカー3、覆面1。もし行かれるならここは要注意区間です。
 明日は苫小牧研究林(旧、北大演習林)で早朝からたっぷりの予定です。同日深夜23時30分苫小牧出港予定のフェリーに決めたので、夕方は鵡川近辺の探鳥もありかな、とは思っています。今夜の宿は苫小牧駅近くのホテルに決めました。
2月12日(日)

 4時50分起床し、室内でおにぎりの朝食をコソコソ摂りました。6時前、苫小牧演習林に到着、一番乗りです。気温マイナス8度、いちおう晴れ。身支度を調えて、3年ほど前から営巣を始めたというエゾフクロウの森に向かいます。たぶん30分ほども歩くのですけれど、暑くて暑くて汗かきながら、重ねていたニットの帽子を一枚脱ぎ、ジャケットの前をはだけ、襟元を広げ進みます。頬を刺す冷たさなのですが、暑くて堪らないのです。去年も鎮座していた洞に1羽がいました。つがいの1羽は40メートルほど離れた松の木にひょこり。それにしてもエゾフクロウの白さは神々しくて、昔から森の神として崇められてきたのがわかります。じつは昨日、ネイチャーセンターの女性職員さんから「演習林のエゾフクロウご存じですか?」と問われ唖然としたのでした。ここのフクロウはまだみんな内緒にしているのだろうと思って一年間誰にも言わず伏せていたのですけれど、こんな簡単に... 驚いたのと拍子抜けしたのとで返答に窮してしまいました。
 それにしてもなんと楽しい森でしょう。エゾフクロウ、エゾヤマセミ、カワセミ、ハイイロチュウヒ♀、オジロワシ、オオアカゲラ、アカゲラ、シジュウカラ、ゴジュウカラ、ヒガラ、ハシブトガラ、キバシリ、ヒドリガモ、マガモ、ホオジロガモ、etc. 今年会えなかったクマゲラとエゾライチョウはまた次にとっておきましょう。朝の6時半から午後4時までカメラ担いで歩き回りさすがに草臥れました。いやあ、それにしてもほんとに心地良い疲れなのでした。
 駐車場で靴を普段履きのズックに替えます。帰りの身支度を始めねばなりません。あとは乗船し、敦賀港から自宅まで走るだけなのです。ところが最後の食料を仕入れに立ち寄ったコンビニ駐車場でスッテンコロリン!左手には少しばかりの傷が多々。ほどなく出血も止まり幸いだったのですが、運が悪ければ大怪我ってこともあり得ますから油断は大敵です。中途半端な時間になってしまい、することもなく早々と19時過ぎに苫小牧東埠頭へ到着しました。ふとスマホで道内の高速道路情報を見れば、ナント、道東道上りの十勝清水から千歳東までが雪で通行止め。また札樽道上りの銭函から小樽も雪で通行止めになっています。今回は高速道路の運にだけは恵まれていたようです。船の遅れは僅かのようですから、日付の変わった14日午前1時頃には自宅にたどり着いているでしょうか。
 今夜の船の友は根室の地酒「北の勝」です。さあ、とにかく船酔いよりも先に酔っ払わなければなりませぬから♪

2月13日(月)
 もちろん朝からいただいております♪ 出港直後の何時間か、津軽海峡を出てしばらくは揺れもいくらかあったのですが5時間もすれば収まり、益々お酒も進む酔い機嫌です。午前10時10分、兄弟船のあかしあ号と洋上ですれ違いました。シケなどで遅れることも多くて、6航海目で初めての接近遭遇です。陽の差すオープンデッキに出てみても寒くはなくて、缶ビール片手にスマホでパシャパシャ。
 最後にスッテンコロリン擦り傷のオマケも付きましたけれど、とてもとても楽しい旅でした。敦賀から三百数十キロ。もちろん安全運転で帰ります。酔〜ぃ♪

 来年は… 冬に来れるのかどうかわかりませんが、この時期に仕事の都合がつかなければ、そろそろ他の季節も有りかなと… ふと。
 能登半島近くを通過する午後3時には携帯も繋がり始めました。海は穏やか。あと5時間の航海です。

  

今年の手抜きスマホ画像はこちら

 
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NOBUYOSHI NAKAGIRI
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自然と野鳥たちの四季 のようにのように〜