自然と野鳥たちの四季 のようにのように〜
 
じつは今回の旅を決定したのは出発の四日前。
予約の取りにくい宿だけは一応早くに押さえてはいたのですが
「マイカー&船旅」なればこその臨機応変。
のんべんだらり、唯我独尊鳥見の旅なのです。

本編2月3日の「佐賀のカメラツアー主催の写真家岩崎さん」を、
福岡のカメラツアー主催の写真家岩崎さん」に訂正しました。

訂正が遅くなってゴメンね! _(m_m)_
 
1月28日(月)自宅から舞鶴港へ

 今朝の自宅の気温はマイナス4℃。外は岡山県南にしては珍しく雪がうっすら。今夕に向かう舞鶴港までの路面状態が朝から気がかりなのです。翌29日午前0時30分出港予定のフェリー「はまなす」は定刻の二時間遅れだと連絡が入り、20時前に家を出ました。舞鶴東のインターで降り、ガソリン給油、コンビニで食料品を仕入れます。心配していた路面に雪はなくて、約三時間で舞鶴港に到着しました。でもやはり日本海は荒れているようです。

1月29日(火)舞鶴港から小樽港へ

 午前2時出港。一杯呑んで即就寝。午前7時半には目が覚めてしまいました。たまに薄日も差していて、揺れは幾らかあるものの去年と比べれば天国のような船内です。行きのお伴は栃木の無濾過生酒原酒「開華」。口の中でパチパチ弾け、名前の通り華やかに咲き広がり、ご機嫌爽やかな朝なのです。海は微かに白波。能登沖までは届いていた携帯の電波も既にほぼ圏外。佐渡ヶ島の辺りからまったく届かなくなりました。
 今年で20何回目なのか数えるのも億劫になってしまった冬の北海道撮影行。冬のこの地にあるのは、人を寄せつけぬ荒々しさと底しれぬ切なさ。そして、真綿のように包み込んでくれる温もり。冬の旅人は心の隙間を癒し埋めに来るのだよ。なぁんてすでに訳のわからんノーテンキ酔っ払い。船の旅は止め処なくて、ただただぼんやり嵌ってしまうのであります。奥尻島が近づき、突然メールやら電話が入りはじめました。微かに電波が届くようになったのです。
 22時、小樽港に到着。さあ今から一路、屈斜路湖の西、美幌峠を目指します。明朝の天候は悪そうですが、とにかくひたすら走るしかありません。

1月30日(水)小樽港から屈斜路湖へ

 今年の路面はほとんどが圧雪アイスバーンで、とても神経を使います。とりわけ占冠からトマム間の高速道路は地吹雪が酷くて神経をすり減らしました。胃がキリキリ痛いです。道中、足寄などで何度かマイナス18℃まで下がりましたがそれ以下にはなりませんでした。午前4時過ぎ美幌峠に到着。寄り道や休憩をしなければ小樽港から5時間半程度の道程です。予報通り美幌峠は雪。峠を下り、和琴からの撮影も諦めて屈斜路の砂湯に向かうことにしました。それにしても今年は路面に気を使います。午前6時、屈斜路砂湯の気温はマイナス6℃。小雪舞う完全な曇天です。写欲喪失。胃薬服用。とにかく、いたるところが地吹雪なのですから運転しながらの鳥探しなんてありえません。不可能です。横殴りの雪はベタ雪で、パウダースノーなんかじゃありません。今年の冬は厳冬でもあり屈斜路の氷は例年以上にびっしりなのですが、オオハクチョウの数が少ないようです。知床の流氷も案外早くに岬を回り南下したのですが、天候不良で羅臼の観光船はまだ仕事始めをしていないのだそうです。
 屈斜路砂湯の駐車場で、持参した焼酎を今宵の晩酌用に小分けしようと卑しく企み、500ccのお茶の空ペットボトルに注いでいたら突如背後でワタリガラスの声。かなり近くで鳴いているようです。早く見たい。でも途中で小分けを止められません。あーどーしましょ。。ボタボタこぼしながらも大慌てで分け終えたのですが、すぐ頭の上を数羽が通り過ぎて行った後でした。
 10時過ぎから、今夜の宿「ぱぴりお」さんで小鳥を撮らせて頂くことにしました。午後1時半まで、雪のアカゲラ、オオアカゲラ、ミヤマカケス、ヒガラ、ハシブトガラ、ゴジュウカラ、シジュウカラを堪能し、露天にどっぷりどんぶらこ。道内の一日目が終わりました。

1月31日(木)屈斜路から霧多布へ

 朝6時の気温はマイナス6℃、曇天。とりあえず出掛けなけりゃ始まらないと、いちどは湖畔に出掛けたのですが何か起こりそうな気配なんてこれっぽっちもなく、結局「ぱぴりお」さんの敷地内で昨日に続き小鳥の撮影です。午前7時過ぎから朝食をはさみ11時まで、雲の切れ間から僅かながら届きはじめた柔らかな陽に浮かぶ鳥たちを、たぁ〜っぶり堪能したのでした。
 霧多布に午後1時半到着。なぁんもおらん予感はどうやら大当たりのようで、小鳥は皆無。ノスリ、ケアシノスリ各一羽。他にハギマシコと、微妙にシジュウカラ数羽。仕方なく、夕陽を浴びたエゾシカで本日終了。流氷の南下は早かったけれど、天候や風でどうやら今年も羅臼は期待薄。明日はとりあえず海岸からの朝日、そして宿で頂いた鳥情報を楽しく吟味し、運が良ければ羅臼入り... ?  宿のご夫婦の楽しい会話を聞きながら、二日目も終わったのでした。

2月01日(金)霧多布から弟子屈へ

 午前6時前出発。今日はいちにち晴れ予報だったので、とりあえず海岸からの朝陽を狙ったのですが鳥はまったく絡まず敢えなく終了。この後は羅臼の氷次第なので、今日明日明後日の宿は未定です。羅臼なのか弟子屈なのか、それとも根室になるのでしょうか。堤防の上で思案していると突如小鳥の鳴き声。サイドミラーにシジュウカラがとまって大声で鳴いていたのですが、目があったら慌てて飛んでいってしまいました。昨日今日、霧多布で出会った鳥は、ノスリ、ケアシノスリ、ハギマシコ、シジュウカラ、クロガモ、ホオジロガモ、シノリガモ、他に双眼鏡では判別不能のカモ類少々。
 午前8時、少し気温が下がってマイナス12℃。昨夜宿でいただいた情報のヒメハジロを見に行くことにしました。でも今日は霧がとても酷くて、居るには居るのですが遠く、証拠写真を撮影して撤収するしかありませんでした。
 今夜は「ぱぴりお」さんに教えていただいた、モモンガやらコアカゲラに会えるという宿にしたのですが、モモンガは二週間前にいなくなったそうです。聞けばストロボ焚いて撮影するそうですから、そりゃおらんよになるでしょな。コアカゲラも最近出てないそーであります。ありゃりゃぁ (-。-;)

2月02日(土)弟子屈から再び屈斜路へ

 気温0℃。最高気温はなんと7℃の予想。プラスの7度ですぞ!最悪の曇天、そして小雨。仕方なく宿の敷地内で6時半から8時まで撮影。シマエナガ、ヤマゲラ、エゾリス、などなど。今日も羅臼からの連絡待ちです。昨夜から少し胃が痛くて、お腹もわずかにゆるめ。絶対に避けたいのですが、もしかしたら風邪? 少し寒気もあります。弟子屈市内の水郷公園傍の駐車場で3時間ばかり休憩しました。気温はさっきまでプラスの6℃。そのうちに青空が広がりはじめました。街路樹にウソ1羽。
 夕方は再び屈斜路でオオハクチョウを狙ったのですが思い描く時間帯にはまったく飛んでくれず終了。今夜は再び「ぱぴりお」泊。やはり風邪のようです。食欲が無く、主義に反し珍しく夕食を残してしまいました。「改源」の+1/5処方を服用。20時半就寝。

2月03日(日)屈斜路から鶴居へ

 4時半起床。マイナス10℃。「改源」特別処方でほぼ復活。いちおう空には星が瞬き月も輝いています。快晴になるとは思えないのですが朝焼けを狙いに美幌峠へ向かいます。西欧からのカメラツアー客約20名と一緒になった(こんな場所までもが海外ツアーのポイントなのでしょうか)のですが敢えなく終了。マイナス12℃。
 宿に帰ると、餌台にやって来る小鳥やリスを狙って、同宿だった香港グループ8人が撮影中でした。そういえば昨夜、道東ではかなり大きな地震があったのだそうですが、風邪薬多めに服用していたせいか疲れていたからなのか、確かにかなり大きく揺れたのは覚えているのですけれど、朝には綺麗さっぱり忘れ去っておりました。あ、ちなみに昨夜は呑んでませぬゾ。禁酒ってワケじゃなく、ただ胃が痛くて仕方なく。呑みたいと思いもしなかった、なんて、かなり酷い症状だったのかもしれません。 昼まで「ぱぴりお」さんで撮影し、茅沼経由で鶴居へ向かいます。
 和田さんち(ホテルTAITO)に2時チェックインし、燃料切れ寸前だった車に持参したガソリン16リットルを給油しました。菊池牧場の夕陽は最悪でした。早い時間からよく飛んでいるなと思ってはいたのですが、早々と今日のサンクチュアリにタンチョウの数は少なくなっていて、こんなに飛んでまだ残っているのだろうかとスマートフォンでライブカメラを覗いてみれば案の定、既にサンクには皆無。このあと何処かから飛んで来るかもと思いはしたけれど、本日切り上げ。今年は和室なのですが隣の客人の音がチト五月蝿いのです。夜は昨年も同宿だった福岡のカメラツアー主催の写真家岩崎さんたちと和田さんを囲み、持参した岡山の地酒「冬の月」一升瓶で乾杯!こいつは日本で五本の指に入る銘酒に違いありません。
 どうやらバックアップ用の外付けHDDが壊れたような... 少し気懸かり。

2月04日(月)鶴居周辺徘徊

 今朝は少し冷え込んでいて(気温未確認!)とりあえず音羽橋へ。色付きは僅かだったのですがキタキツネ登場でタンチョウたちはザワザワ。カメラマンたちもザワザワ。その後は今日もまたまた鳥探し。鶴居村を走り回り、宮島岬も途中まで走ったのですが、路面の何カ所かにエゾシカのものと思われる多量の血痕。そして、路端にころがるエゾシカの骨にこびり付く僅かな肉片をつつき貪るアカゲラ、ハシブトガラ、シジュウカラ。
 たいした出会いもなく午後4時前に菊池牧場へ着いたのですが、少し色付いた空をタンチョウの群が何度も何度も飛んで行きます。圧巻は4時25分、暮れなずむ空を大編隊が通過した時には歓声が沸き上がりシャッター音が響き渡りました。その直後にも何度か上空を小群が通過して行き大盛況。今年一番の夕景なのでした。

2月05日(火)今日も鶴居周辺徘徊

 今朝は5時前に音羽橋到着。さっさと切り上げコッタロ湿原に向かったのですが撮影収穫は皆無。朝食後、昨日同様にあっちこっちを走り回りました。今年も鶴居の小鳥はダメなのかとガックリ凹みかけていたら、なんと!なんと!なんと!ノハラツグミ発見!!たぶん5年振り。車の傍を飛び立つツグミ一羽を見つけ(そういえば道内で今年初めてのツグミ)、続いて飛び立つもう一羽のツグミ。かと思ったけれどチョイと違うような... 少し大きい。シロハラ? いや違う。って、この思考パターン... あの時の霧多布での出会いと同じパターンです。ああっ!ノハラツグミじゃん!!一度は飛び立ったけれどすぐにまたもとの場所に舞い戻り、ツルウメモドキの実を一生懸命啄んでいます。気づいている人は皆無のようで、今回もただ一人の発見者撮影者になりそうです。いままで落ち込み凹んでいたのが嘘のように疲れは吹き飛び幸せいっぱい胸いっぱい♪ まったくのド快晴で順光なのが玉に瑕ですが、逆に羽の美しさは格別に際立ちます。至福至福大至福〜♪
 堪能した後は夕焼けのタンチョウを狙うことにしたのですが、今日の西陽は強そうなので色づき始めた雄阿寒岳をバックに飛ぶタンチョウ、そのピンポイント狙いに決めました。ところが待てど暮らせど狙った空を飛ばなくて、午後4時30分に潔く負けを認め機材撤収。車に積み込みUターンしかけた途端、なんとまぁその狙いの空を、2羽4羽2羽。3組が色づく山をバックに見事に通過。幾ら悔やんでも悔やみきれません。もう少し我慢強く待たなければ。これじゃただの阿呆イラッチです。嗚呼無情(T_T) それにしても、なんとまぁ波瀾万丈な一日だったことでしょう(^_^;)
 基本ぼくの鳥見は行き当たりばったりです。鳥情報をもとに知らされた場所に出向き、ああこの辺りだな、あそこに人も集まっているし、あぁあれかいな?いたぞいたぞあの鳥だ。なぁんて鳥見はホントは性に合わないのです。当てもなく(とはいえもちろん居そうな気配があるところを探すわけすが)行き当たりばったりの感動を味わいたくて、えっ!今のはなんだろう?おおっあれだ!あの鳥だ!! 凄い出会いだ、最高に感激!!! ってのが基本僕の鳥見スタイルなのです。ま、もちろんたいていハズレばっかりなのですけれど。

2月06日(水)鶴居から帯広へ

 今朝こそはの音羽橋だったのですが、やはり期待外れ。仕方なくノハラツグミを(贅沢な!)、昨日は順光だったので斜光線で少し撮り直しました。チェックアウトし、コッタロ、宮島岬などを経由して、今日は帯広を目指します。
 旅に出る前から幾らか違和感のあったパジェロのエンジン(じつは2年程前にも同様の症状で修理したのです)が、「TAITO」さんをチェックアウトした頃からかなりな異常で、この先、帯広、苫小牧、敦賀から自宅まで、とてもじゃないけど走り切れる状態でないのがわかります。こんな事態が起こらないようにと、エンジンの違和感を伝えて出発直前に点検と車検を済ませて来たのですが、これではまったく意味がありません。結局、胃の痛くなるような路面を胃の痛くなるようなエンジンで延々と走り、なんとか帯広市内の三菱に辿り着き修理をすることになりました。岡山に帰ってからあれこれ調べたのですが、GDIエンジンってのは不具合が多くて、早ければ数年、遅くても5〜6年すると今回と同様の症状が出るようです。ディーラーも修理に頭を痛めてるようですが、いちばんの被害者はユーザーです。燃焼システムの違うエンジンに丸ごと交換しろ!リコールしろ!でしょ、これは。一時、トヨタも三菱も他の社もこぞってGDIの開発販売競争していたのですが、道理で最近まったく耳にしなくなったわけです。
 今夕の空気は適度に濁っていてかなりの色付きが期待出来そうなのですが、どうすることも出来ません。そればかりか、最悪の場合は車で帰ることを諦めねばならないかもしれません。結局、代車をお借りして薄暗くなった午後5時、宿に到着しました。宿へのお土産の写真を車に忘れてしまい、帰ってからお送りする約束をしたのでした。夜9時頃、三菱西帯広店から電話が入り、なんとか修理を完了したと本当にありがたい連絡。遅くまで対応して下さった同店の横岡さんに大感謝。ありがとう!!

2月07日(木)帯広から苫小牧へ
 午前5時起床。代車にて予定通り音更神社へ。今年はエゾリスが7匹います。昨宿の「田園」で分けていただいた朝鮮五葉松の実も和田さんに分けていただいた実もすべて使い果たしたのに全然食べ足りない様子で、何度も何度も足元にやってきて三脚にだって登り始めます。なんともかわゆいのですが、もうあげるものが無いんだよ〜 ^^;
 実は午後の天候が気になっていて、十勝清水から夕張まで雪のため通行止め、なんてことにならぬか気が気では無く、8時50分に早々と切り上げて三菱西帯広店へ向かうことにしました。見事に修理復活して下さった御礼を何度も伝え、苫小牧へと向かいます。路面は心配していたほどの苦労もなく、2時間15分でウトナイ湖サンクチュアリに到着したのですが残念ながら休館日。土日のみ開館っての、なんとかならんのでしょうか。今日明日連泊予定の宿のチェックインは15時なので、仕方なくウトナイ湖サンクチュアリの駐車場で画像のセレクトをしました。外付けハードディスクは不調だしPCの残り容量も心ァ許ないので、明らかに不要なカットを削除して、数本持参していたUSBメモリーにコピー するのです。マイナス1℃、あったかいベタ雪が相変わらず降り続いています。いつからでしょう、道路交通情報では十勝清水から占冠間が通行止めになっていました。
 あっちゃ、今夜はいつの間にか焼酎五合!やっちゃいましたね〜^^; ま、どーせ明日は昼まで吹雪だし〜♪  だよね?
2月08日(金)苫小牧でマッタリ

 ところがどっこい案の定?、明け方まで続いていた吹雪はぴたりと治まり、僅かに青空さえもキラリ。車に積み上がった雪をかき落とし出撃です。除雪されてるか心配だったのですが、まるでお伽の国のように素敵な雪化粧をした苫小牧研究林に難なく到着しました。
 さっそくカメラ三脚機材一式抱え背負ってフクロウの住む森へ向かいます。気温マイナス1℃。フウフウ大汗かきながら、まだ足跡のない雪道をおぼつかない足取りで進みます。到着。しかしお目当てはいません。あっちこっち探したのですが居ないものは居ません。自然の生きものですから仕方ありません。やれやれ汗は噴き出し、重い疲れがどーっと。がっくり引き返して小鳥を少し撮影することにしました。通りかかった地元の人に話を伺うと、昨日も一昨日もフクロウいたよ。ってことで、再び大汗かきながらフクロウの森を目指すことに。でも探したけれどやはりいないものはいません。結局二往復かいっ!ってガックリグッタリ。見兼ねたその方が、運が良かったらクマゲラが見えるかもしれない、案内してあげる。と夢のようなお言葉。重い機材一式抱えフウフウハアハアゼエゼエ最後の気力を振り絞り、雪の中を足速に進んでゆく地元の人を追っかけるキツさツラさ。ああ心折れそう、勘弁してくれ、もういい諦める!言葉が口をついて出てくる寸前、案内して下さった方の指さす方向彼方にチラリ黒い影。そして赤いアタマ。おおっ!たぶん10年ぶりに出会うクマゲラ君が、営巣のための穴掘り工事中です。雪の張り付く木々の間から垣間見える姿をバシャバシャバシャ!! しっかとゲット♪ ところが少し撮影し落ち着くと、こちらからは水路で隔てられているクマゲラの営巣準備木すぐ近くで撮影する数人のカメラマン発見。地元の諸氏と見受けたのだけど、これから抱卵し巣立つまで、放棄しなければ良いのですが... あぁ、クマゲラに会え底抜けに嬉しいのですけれど、機材担ぎ雪中大移動の連続で足は棒、腰はヘナヘナ抜けそうです。
 明日深夜発のフェリーは、数日前の荒天のシワ寄せが残るもののいちおう定刻に出港予定らしいのですが、到着は2時間遅れの予定なのだとか。これって、お船は揺れ揺れ揺りかご状態ってことなのでしょうか^^; それにしても北海道の天気予報って当たらなさすぎです。ホント、下駄投げた方が確率高いかもしれませぬ。
 帰りのフェリーでいただく酒も調達し終え、鵡川での鳥見も考えたのですが、明日は最後のブラァ〜リ苫小牧研究林に決めました。あれこれてんこ盛りの旅だったけれど大満足。とっても楽しい北海道でした。感謝!
 やたら暑い夜ですが、ホテルの窓を開け放つと心地良い冷気が流れ込んできます。それに、部屋に充満するクッサイ酒肴のニオイが少しは逃げてゆきますから。

2月09日(土)引き続き苫小牧
 もちろん朝から苫小牧研究林です。身仕度整え、さあ今日こそはエゾフクロウ!と数歩進んだとこで、今行ってきたという地元の人にばったり。聞けば今朝もいなかったそうです。草臥れ儲けしなかったのは良いのですが、とうとう今年は一度も道内でフクロウに会うことが出来ませんでした。残念ですが仕方ありません。まぁ夕方までここでしっかり楽しむことにしましょう。昨日より気温は下がったのですが、それでもまだまだ期待外れの暖かさなのです。
 今日の鳥。キバシリ、ゴジュウカラ、シジュウカラ、ハシブトガラ、ヒガラ、ヤマガラ、 ウソ、ツグミ、ヒヨドリ、ホオジロガモ、アカゲラ、シマエナガ、ミヤマカケス。手乗りの小鳥たちのなかでもゴジュウカラの爪はちょっぴり痛い愛らしさ。他の鳥たちはしっかり軽い愛らしさ。ちっこいヒガラの爪は優しくて遠慮がちなのでした。
2月10日(日)苫小牧から敦賀港へ、そして岡山帰着
 曇天ながら時折陽も差し、日本海はまずまずの穏やかさです。 帰路のフェリー「すいせん」の一等客室にはシャワートイレと冷蔵庫が備え付けられています。海が見える客室は和室タイプだけなのですが、主室は京間の四畳半なのにゆったりとした前室があるので、ツインの洋室タイプでは未使用のベッドには基本(マナーとして)触れませんから、和室の方が広く使えるのです。穏やかな日本海を眺めながら安心して呑み続けていたのですが、佐渡ヶ島が近くなった辺りから白波立ち、うねりが少し出始めました。これ以上の揺れは勘弁です。折角美味しくいただいたモンが飛び出すよーな、そんな事態にだけは...
 午後1時10分、アルコール類完呑〜♪ 午後2時、とりあえずアルコールを抜きにお風呂へ向かいます。大浴場は「はまなす」や「あかしあ」より少し狭い気もしますが、新設された露天がなかなかいいのです。外に出るドアを恐々開けると、風に舞う雪が素肌に貼り付きます。湯船に浸かれば大海原を並走するカモメが数羽。さあアルコール抜いて正気に戻らにゃと思い入った露天風呂だったのに、「あぁ、旅っていいなぁ」と再び。

  

 
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自然と野鳥たちの四季 のようにのように〜