自然と野鳥たちの四季 のようにのように〜
 

1月31日(火)
 1930、敦賀港へ向けて出発。山陽道、播但道、中国道、舞鶴若狭道を乗り継ぎますが、路面に雪はありません。若狭美浜インターで降り、ガソリン給油&コンビニで食料を仕入れます。2310敦賀港到着。
  昨日まで毎日のように欠航か大幅な遅れの出ていたフェリーが、今日は珍しく定刻発です。今回、船室に持ち込んだ機材はハチゴロウ(犬じゃありませぬ! 800ミリ f5.6 のレンズです)とD5のみ。iPhoneと充電器は必携ですがMac Book Proも車内に残しました。毎年のことながら、この日も含めてここ数日は滅多矢鱈の大忙し、てんてこ舞い舞い。旅から帰ったその朝から撮影仕事は満載ですが、そんなこんなはいっさい忘れることにいたしませう〜!♪

2月01日(水)
 揺れはほとんどなく快適な船旅です。0645起床。カーテンを開けると、曇天なのですが東の空だけは開いていてまさかの朝陽、日の出直前。こりゃ写真撮らねばと慌てたけれど、持ち込んでいるのはハチゴロウとD5のみ(車両甲板へは戻れません)。せめて70〜200、サンヨンぐらいは持ち込むべきだったと後悔。となればハチゴロウ手持ちでやるしかありません。大急ぎで着替え、カメラ抱えて後部デッキへ一目散。着くやいなやお日様の頭が見え始めてまさかのダルマ!北陸の山々がそびえるからダルマ朝陽なんてありえないと端から決め込んでいたのですが、軽くジャブのひと仕事♪
 
現在、新潟県沖です。曇天と思っていたら、いつの間にか雨になっています。秋田には暴風雪警報も出ていたのですが、航路海上は案外穏やかです。
 定刻に苫小牧東港着。屈斜路を目指し夜通し走ります。今年は日高道に乗らず北上し道央道の追分インターを目指したのですが、地道なので信号やカーブが多く意外に手間取りました。大回りですが日高道を西へ走った方が良かったかもしれません。ともかく1時間程北上して追分インターから道東自動車道に乗りました。

2月02日(木)
 深夜に音更帯広で高速を途中下車し、例の展望台から日高の山並みと星空を撮ろうと想ったのですが、遠景の山々は雲に隠れていて諦めるしかありません。日付の変わった直後、愛車パジェロがついに走行20万キロ。長い付き合いに感謝です。池田から再び道東自動車道に乗り、終点の阿寒まで走ります。午前2時、阿寒丹頂観察センターに着き、駐車場で数時間の仮眠をとります。夜明けのお目当てもあったのですが曇天で絵になりませんでした。
 気温が高い(といってもマイナス7度)ので、早い時間からタンチョウたちが次々に給餌場へと集まってきます。オオハクチョウ、カワアイサ、マガモたちは何度も上空を飛び廻り、エゾシカの小群も絡みます。楽しく、見ていて飽きません。機材はD4+200〜500ミリで暫し
 10時前に撮影を切り上げ、鶴居に向かおうとハンドル切りかけると、なんと、倉敷の溝口さんが車の前をとぼとぼ(失礼!)。大声で楽しいご挨拶です。この方とは不思議に北海道でよくお会いするのです。ちなみに我がパジェロの隣に駐車している車も岡山ナンバー、小生より少しご年配のご夫婦なのでした。
 鶴居から屈斜路へと向かう途中、数ヶ所のエゾフクロウの塒を覗いてみたのですが会えませんでした。屈斜路湖に氷は張っているのですが曇天で、とても絵にはなりそうにありません。とにかく眠くて、道内最初の宿ぱぴりおさんへ午後2時過ぎチェックインし露天へ直行です。気温はマイナス10度。風呂上がりはさすがに少し寒いけれど、露天にどっぷり浸かれば疲れがジ〜ンワリと流れ出てゆくのでした

 夕陽を少しだけ期待していたのですが雲厚く、再出撃することなく本日終了。即、アルコール解禁♪
 1830の夕食まで、眠くてツライ待ち時間です。うつら、うつら…
 ガストホフぱぴりおさん泊。

2月03日(金)
 0450起床。マイナス15度(その後17度)。何処で撮影しようか迷ったのですが、屈斜路湖の北に位置する藻琴山に決め、国道から藻琴山へと向かう道道を進みます。ところが積雪で道路封鎖です。ガックリ諦め引き返す途中、除雪車とすれ違ったので、もしかすると封鎖解除になるかもしれないのですが、180度の進路変更して和琴へ走ります。結局、少しは色付いたのですがハクチョウも絡まず敢えなく撤収となりました。
 朝食後、ぱぴりおさんの餌台で少し撮影し、霧多布岬に向かいます。岬に到着し、めぼしい場所をくまなく探すのですが鳥影はゼロ。もちろんオオワシ、オジロワシは普通にいるのですが、冬の小鳥がいません(他にケアシノスリ、ハギマシコ)。小鳥は諦めて、夕陽を何処のロケーションで撮ろうかと探し回った末、アゼチ岬付近に決定。ところがこれが大正解。快晴無風で空の色付きが海にも映える幸運な絶景!想定外の収穫でした。
 民宿えとぴりか村さん泊。

2月04日(土)
 朝は霧多布岬の展望台下から、蓮葉氷になりかけた海と朝陽を狙ったのですがいまひとつ。氷上で大あくびするクラカケアザラシを少し撮影。
 0800チェックアウトし本気の鳥探しです。本港(北側の港)にはシラガホオジロがいるそうなのですが、除雪した雪を捨てるダンプカーの出入りが激しく、落ち着いて鳥見出来そうにありません。南側の港でユキホオジロ20羽程見つけたのですが警戒心がとても強くて、持久戦するも敗北です。
 今夕の夕陽、明朝の朝陽のポイントを探しながら納沙布岬へ到着。風強し。シャーベット氷の中で食事中のラッコ。ウミスズメ、シノリガモ、クロガモ、ウミアイサ、などなど。
 疲労も極限に近く、今夕は曇天と決め込んで、初めての宿に早々チェックイン。営業してるのかしてないのか微妙なエントランス。客室はやや広めで、殺風景なのを我慢すれば問題なし。ところがユニットバスのウオシュレットトイレには見たこともない設定ダイヤル。洗面やバスタブと同じ湯系統のようだから控えめに、とにかく温度を控えめにしたハズなのに、熱湯が肛門を直撃!ギャァ〜ッ!!と飛び上がればお尻シャワーは壁を熱湯ウォシュレット。最低最悪。アメリカ人なら裁判沙汰じゃなかろーか。
 根室グランドホテルさん泊。

2月05日(日)
 5時起床予定が4時に目醒め、0530納沙布岬着。快晴ではあるのですが東の空低くに雲があって、国後からの朝陽は期待できそうもありません。それでも、陽が昇ってからはシャーベット氷に海鳥たちが次々と絡み、時間を忘れてしまいそうでした。
 午前9時、今年も歯舞クルーズに乗船です。客は他にイギリス人5名。波は昨年より穏やかで風もさほどではありません。オオワシ、オジロワシが小さな氷の上に乗っていて、まるで羅臼クルーズ擬きなのですが、Uターンする納沙布岬沖までケイマフリやウミスズメにしか出会えずがっかり。引き返し始めてやっとハシブトウミガラス、そして期待もしていなかったエトロフウミスズメ!愛想の良いラッコがたっぷり遊んでくれて、それなり楽しいクルーズとなりました。
 下船後は走古丹経由で野付半島へ。野付には例年以上にエゾシカが多く、立派なツノの雄ジカも沢山。野付ネイチャーセンターで許可証を頂き少し先端部に進んだのですが、今年はそんなに入れずUターンです。ネイチャーセンターのすぐ近くでユキホオジロ2羽見つけました。
 夕陽の撮影場所に悩んだのですが、エゾシカ狙い。雪原に降りて腹這いハチゴロウ手持ち撮影です。意外にも雄ジカは逃げず、こちらは大興奮。太陽に融けこむ最高のシーンをゲットすることが出来たのです!
 標津の初めての宿にチェックイン。ふと鏡を見れば右眼の周りが赤く炎症起こしています。一瞬何事かと驚いたのですが、夕陽のエゾシカ撮影で興奮のあまりファインダー覗き過ぎ、装着しているアイキャップの痕がついていたのです。本日、マジ撮影疲れで超グッタリ〜♪♪
 ホテル川畑さん泊。羅臼の流氷の状態が判りません。

2月06日(月)
 昨夜の予報では、今日は終日の曇天。今朝はゆっくり出ようと思っていたのですが、天気が気になり予報を見れば朝のうちだけが晴れマークに変わっています。大急ぎで着替え出撃です。東の空低くが僅かばかり抜けて色付いているのですが、残念ながら陽が昇る辺りには救いようのない雲がドップリ。出漁してゆく漁船絡みを少し撮影して宿に引き返しチェックアウト。
 再び野付へ向かいます。少し進んだ辺りで10羽程のベニヒワ。3ヶ所でツグミ各1羽。野付先端部の駐車場で日記メモを少し。重くなってきたパソコンのデータ削除も少し。午後から何年ぶりかの羅臼に向かいます。
 1505、今夜も初宿の羅臼鷲の宿着。頻繁にやって来るカワガラスを見ながら、シマフクロウ観察用バスの最後尾に三脚を立てハチゴロウを乗せます。マイナス2度。暖かいので早くから現れる予感はしていたのですが案の定、1730からの夕食が始まってすぐに第1回目のお出まし。大慌てでバスの中へ。その後は日付けが変わった7時間後の0036、0310、0515切り上げるまでに続けてもう2回の、計5回。すべてオスのみ。眠いです!
 鷲の宿さん泊

2月07日(火)
 0540部屋に戻り1時間の仮眠。朝食後、カワガラスでも撮って出発しようと思っていたのですが、今朝はほとんど現れず、0910懲りもせず野付半島へまたまた。
 まるでヘラジカのようなツノを持つ大親分エゾシカが、これも見事なツノを持つ4頭もの雄ジカを引き連れて今日も威風堂々。
 のんびり鳥探ししながら鶴居を目指します。1500着。昨夜はほぼ徹夜で風呂にも入れなかったので、すぐにホテルTAITOさん自慢の美人の湯にドップリ。1600菊池牧場へ。多少色付きタンチョウも少しは飛ぶのですが、サンクチュアリに残るのは既に10羽ほどらしく、また風も強いのでコースがばらばら予測不能な飛行ばかり。
 夕食後は、パソコンに取り込めない程の量の撮影データを少しセレクトし削除。宿のオーナーたちとの宴会は、岡山から持参した酒を呑み干して22時終了。千鳥足で部屋に戻ったのは覚えているのですが、いつの間にか部屋のテーブルに突伏しうたた寝。布団に入ったのは、日付変わった0010でありました。
 ホテルTAITOさん泊。

2月08日(水)
 マイナス13度。0430起床し、阿寒の塒へ。200〜500ミリで狙おうと思ったのですが、やはり雪でも降ってないと絵にならず、すぐに鶴居へ引き返すことに。鶴居の山並みや立木絡む朝陽、朝焼けはなかなか面白いのですが、タンチョウは絡みそうにありません。
 今年のエゾフクロウは、ここまですべて皆無。鶴居は台風で塒の木が倒れ、どさんこ牧場も宿主不明、茅沼も出入りの痕跡無し。コッタロの老大木も倒れ、昨年の台風被害がいかに大きかったかを知りました。彼等はいったい何処へ消えてしまったのでしょうか。
 野鳥求めてコッタロ湿原をゆぅ〜〜〜っくり2往復。ハギマシコ40羽、アカゲラ雄1羽、ベニヒワ5羽、コゲラ1羽、ハシブトガラ、シジュウカラ、など。民家の庭先にシメ多数。今夕は曇りで夜は晴れの予報なので、もし天候の回復が早く、西の山々の稜線がスリット状にでも晴れてくれば最高の夕景になるかもと期待したのですが、暖かくてあまりタンチョウ飛ばず、色付かず残念。 (T . T)
 この宿で夕食時に毎年必ずいただく北海道の地酒2銘柄「北の勝」vs「福司」。今年は「福司」に軍配でした。
 ホテルTAITOさん泊。

2月09日(木)
 マイナス10度。とりあえずコッタロ往復するも収穫なし。1030切り上げ、阿寒経由で十勝に向かいます。
 1230音更神社着。今年はエゾモモンガが賑やからしいのですが出会えず。でもやっとエゾフクロウを今年初見。比較的警戒心が弱そうな個体でした。
 今夕は日高連峰絡みの夕景が狙えそうです。千代田堰堤からも良い絵が撮れそうなのですが、いつもの展望台に決めました。カメラをセットし終わると同時に色付き始め、焼けた空の赤色が見事に十勝川へ映えています。ロケーションが素晴らしく、見応えのある荘厳でドラマティックな夕景に感動です。毎年狙っていた(毎年たった一日だけですが)夕焼けをついにゲットすることが出来ました!
 民宿田園さん泊

2月10日(金)
 マイナス13度。朝は千代田堰堤へ。川霧上がらず霧氷も付かず。切り上げて、0710音更神社着。今日もエゾモモンガにはお目にかかれません。マヒワ15羽程度。昨日同様にエゾフクロウとエゾリスを堪能。
 今夕は完全な曇天予報です。1600最後の宿泊地苫小牧の宿へ早目にチェックインして疲れ落としの早酒。明朝は7時から北大苫小牧研究林の予定です。
 やっと羅臼の流氷がチョイといい雰囲気。でもワタシャ明日の夜は強制送還船上のひと。また来年... あるのかないのか...
 コンフォートホテル苫小牧さん泊

2月11日(土)
 車中に一晩放っておいたペットボトルのお茶すら凍らぬマイナス6度。曇り空。
 平日だと朝早くから通勤の車で渋滞するのですが今日は土曜日。宿からスイスイ15分、0645苫小牧研究林着。すぐに片道30分のエゾフクロウに会おうとカメラ一式を担ぎ森奥へ急いだのですが、留守。ここでD5の異変に気付きました。視度調整ダイアルが効いていないのです。音更神社でエゾフクロウを撮り終わり、切り上げようとした時にコンクリート製の東屋の庇にコツンとやったのを思い出しました。たいしたことないと思っていたのですがとんだ大トラブルです。シャッター押して確認のモニター見る限りではピントはきているようなのですが、ファインダー覗くとボケボケだから非常に気持ちが悪いのです。仕方なくD4+200〜500ミリ手持ち撮影に変更です。愛らしいカラたちが飛び回り、道内最後の一日をしぃ〜〜っかりと遊んでくれます。そのうち、機を伺っていたエゾリス2匹が目の前に現れ、ヒマワリの種を手当たり次第にカリカリポリポリ。ロクヨン、ましてやハチゴロウなどでは近過ぎで撮影不可能な近距離。最短撮影距離2メートル少々、このレンズの威力全開のシーンです。ホントに今年の旅はこのレンズに助けられました。解放F値は5.6。一段絞ればゴーヨンとだってそんなには遜色ないシャープさ。勿論ゴーヨンに敵うわけはありませんが、望遠接写のためだけに持っていてもいいレンズです。
 1300撮影を切り上げ、今年の旅は終了です。帰りの船は、苫小牧発では初めて乗船の舞鶴行きです。船は2時間遅れで大揺れ必至のようですが、問題はその後。舞鶴から高速道に乗れるのでしょうか。道路封鎖の可能性が高いのです。
 
0050乗船し、岡山から持ち込んでいた最後の地酒「嘉美心酒造 純米吟醸 初しぼり 原酒」を開栓。不味くはないのですがジャジャ馬状態。パチパチ感たっぷりの酸味と砂糖水。じつに中途半端な味です。この先、どういう酒に仕上げて行くつもりなのでしょう。期待していたいのですが、現在地は出来損ないで名ばかりの「純米吟醸」。表ラベルの能書きの多さが自信の無さの現れだったのかもしれません。900ml、五合瓶です。
 久しぶりに酔い止めのアネロンニスキャップ(201602の期限切れ)服用し就寝。本日誕生日。

2月12日(日)
 午前8時、朝の船内放送で起床。まだ青森沖です。いくらか波もうねりもあるようですが、廊下歩いて右の壁にドスン、左にもドカン、なあんてほどではありません。auスマホはとっくに圏外表示で、舞鶴道の道路状況がわかりません。
 明日のフェリーは北行南行共に欠航です。船舶手配の関係からか、急遽、一昨日決まったのです。本当に今年の往路復路の天候は幸運でした。

 撮影したデータは例年のほぼ3倍。久しぶりに良いシーンに恵まれた旅でした。感謝。。(舞鶴道は普通に走れ、2時間半ほどで帰着しました。)

 
 

 
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NOBUYOSHI NAKAGIRI
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自然と野鳥たちの四季 のようにのように〜