自然と野鳥たちの四季 のようにのように〜
 

 
0203
 昨日まで日本海は大荒れで、乗船予定の船は定刻の5時間遅れで出港と連絡が入り、2300に自宅を出発。若狭美浜ICに0200着。給油とコンビニ食糧補給を済ませ敦賀港へ。ほぼ4時間遅れの0435、苫小牧東港へ向け出港。海はウネリもなく穏やかだが曇天で、夜明けの月も朝陽も夕陽も狙えなかった。
 
0204
 0025苫小牧東港上陸。−3度、小雪。徐々に全道的な猛吹雪になる予報で、急ぎ道東へ向かう。阿寒インター0320通過。雪が本格的に降り始め、峠越えは無理せず諦め迂回して釧路市内経由で鶴居へ入る。TAITOさんの駐車場に辿り着くも仮眠をとるほどの時間は無い。−4度。湿った雪で、音羽橋、伊東サンク、そして屈斜路に向かうも絵にならない。取り敢えず馴染みの宿の庭先でヤマゲラ雌雄、アカゲラ雌雄、他カラ類を撮影。早々にチェックインを済ませ、お気に入りの露天風呂へ直行し疲れを落とす。夕方は摩周湖からの雄阿寒岳を狙うが風が強く地吹雪で山が見えない。日中の気温はプラスの2度。なんともトホホないちにち。
 
0205
 −9度、快晴、風強し。0500、スマホの目覚ましに叩き起こされるまで爆睡。0550摩周湖着。本気で朝陽を狙うならスノーシュー履いて3キロのトレッキングが必要なのだが、そんな根性なんぞは持ち合わせてないので第一展望台から微かな色付きをチマチマあちらこちら。0730宿に帰り、朝食を挟んでヤマゲラ雌雄、オオアカゲラ雌雄、アカゲラ雌雄のゲラゲラゲラ三昧。チェックアウトを済ませ12時まで堪能。氷ひとつない強風の屈斜路砂湯をカワアイサの小群が水面低く飛ぶ。
 1450鶴居着。とりあえずお気に入りの露天風呂へ直行し、菊池牧場へ。快晴すぎて色付かず、数羽の小群が飛んだだけで終了。すでに伊東サンクにタンチョウの姿は1羽もなし。サンク左手奥の川を塒にしてしまったらしい。
 宿で毎年晩酌にいただく根室の地酒「北の勝」は今年もすっきりとしたもろみの旨さが際立っていて最高に美味い。好みの酒日本一!
 
0206
 −14度、曇天、コッタロで−17度。湿原の樹木に霧氷は付いているが光がなく、絵にならない。どさんこ牧場でも茅沼でもエゾフクロウのツーショット。鶴居に帰り、白い空抜けのオオタカを車を右端に寄せ撮影していると後ろからミニパトのお巡りさん。「車は左に停めなさい」と拡声器で。怪しい車の怪しいヒゲ面と思ったに違いない。終日曇天で写欲湧かず。
 なんと忘れ物発覚!カメラのバッテリー充電器がない。北海道は滅多にない寒さだとNHKニュースで高瀬耕造さんが声高に。バッテリー切れ?この先どーなることやら。
 
0207
 0530起床。−14度、小雪舞う曇天、コッタロ湿原で−17度。絵にならぬ早朝のドライブを終えてチェックアウト。釧路市内で買物を済ませ厚岸コンキリエで牡蠣フライ定食。霧多布は雪が多く野鳥がやたら少ない。夕陽など望むべくもなく、霧多布温泉ゆうゆでひと風呂。オオワシ、オジロワシ、ノスリはいるが小鳥はハギマシコのみ。
 
0208
 0540起床。−14度、いちおう晴れ。霧多布岬から鳥絡み朝陽を狙うが水平線低く雲があってアウト。0900チェックアウトし街中を徘徊するも鳥影なし。野付半島のユキホオジロにも会えず。ここ数年お世話になっている宿に1500チェックインを済ませ再度野付へ。今年は何故かオオワシもオジロワシも居ない。観測史上最も低い気温の寒気がやってきたそうで、日中の最高気温は−9度。最高気温です。
 
0209
 −19度、快晴。羅臼に向け0400宿を出発。すぐに気温が−21度に下がる。内陸部でもないのに恐ろしや。全区間アイスバーンの道を羅臼港へ0440着。港は−15度。0530出港し夜明け前の流氷群へ。強烈な朝陽が国後島からストレートに上がり、太陽にワシのシルエット写真は不可能。ニコンD5のオートフォーカスが作動しない。オオワシ&オジロワシが乱舞するも陽が強すぎて絵にならない。
 服装は完全防寒で、下は肌着の上に、ズボン下、ジーパン、オーバーパンツ、ダウンのパンツ。上はノースリーブシャツ、長袖のアンダーシャツ、ネルの厚手シャツ、セーター、フリースのジャケット、ダウンのジャケット。頭にはフルフェイスの帽子、その上に毛糸の帽子。足は靴下2枚、ソレルの防寒ブーツ。手袋はハサミで切れ込みを入れた980円のフリースと、少し厚手のもの。他に使い捨てカイロ数個。
 下船後は少し寄り道したあと野付で陽が傾くまで仮眠。空気は適度に湿り、雲も無く風も無く−10度。想定していた絵柄の太陽は地平線に沈んだのだが、一昨年に遭遇したエゾシカ絡みの素晴らしいシーンは夢物語。ニュースで内陸部の陸別は−31.8度と。

0210
 −15度、快晴。連泊の宿を0355出発し今朝も羅臼港へ。0435着。−11度。べた凪で湾の中にもうっすら氷が。昨日ほどのストレートな朝陽ではないものの今朝も強い太陽で雲も少しある。狙いのカットは撮れない。0930宿に戻りチェックアウト。屈斜路砂湯に1100着。途中、目の前を横切る黒い影、クマゲラ!山影のカーブでアイスバーン、さすがに車を停めて撮影など出来ない。湖は6日前とはうって変わりほぼ全面結氷。夕陽狙いの場所を天秤にかけ摩周湖に決めるが色付かず終了。6日ぶりの宿へ再び。お気に入りの露天風呂はここ何日かの−25度超の寒さ続きで、いつもなら少し高いくらいの湯温が下がってしまい湯冷め防止シートをかけているそうだが、開けてみればなんと熱湯風呂。とても胸まで浸かることは出来ない。
 
0211
 −17度。薄曇り。冷え込んではいるが湿度が低く樹氷にならない。朝食をはさみ、庭でこの日もゲラ三昧。1100すぎ帯広へ向け出発。
 千代田堰堤も昨年撮影した場所も十勝川が結氷していて、明朝の気嵐しはもちろん樹氷も望めない。場所をあれこれ探すも夕陽は雲に消えて終了。十勝川温泉で馴染みの宿のモール泉に浸かる。
 
0212
 −17度、快晴、無風。0550音更神社着。愛らしいエゾリス6匹が入れ替わり立ち替わり。モモンガにもエゾフクロウにも会えず。1100最終宿泊地苫小牧へ向け出発。
 1330とりあえず苫小牧研究林に到着するが、一路鵡川へと移動。道の駅の駐車場に沿う街路樹ナナカマドの赤い実に50羽ほどのツグミ。雪が舞い始め嬉々として撮影。まあよくあるシチュエーションではあるけれど。浜での夕陽もイメージしてはいたが曇天小雪。いつもの宿に戻りチェックイン。
 
0213
 −17度、快晴、微風。0630苫小牧研究林着。道内最後の一日。霧氷のダイサギを撮影。疥癬病のタヌキ3匹。エゾフクロウは不在。宿のモーニングバイキングを急いで食べ過ぎたせいかお腹が緩くて大焦り。問題を無事解決したあとは、教えていただいた厚真神社を目指す。5ヶ月前の大地震で大変な被害を受けた地で、ひっきりなしに大型ダンプが行き来する中を肩身狭く。通行止めを回避しながら境内へ着。車を降りて赤松の高木を仰げば2羽のエゾフクロウ。道中の風景や崩れた山々が目に痛く、とてもカメラを出す気持ちになれない。こんな無信心で罰当たりな髭ジジイでさえ思わず手を合わせてしまい、黙祷。
 鵡川を経由し1300すぎ苫小牧研究林へ戻る。カメラ片手に再び森へ入るがエゾフクロウは不在で溜息ついていると、地元の方からクマゲラの情報!教えていただいた木の名前を、疲れた物覚え悪い頭からゴツンゴツンと拳で叩き出しながら現場へ到着。そのうちご年配の地元の方がニコニコしながらやって来て、午後3時頃には帰ってくるんだよと。しばらくしてまたもう一人、地元のクマゲラに詳しい女性も。ところが3時半になっても現れる気配無く、どこかで残業でもしてるんじゃなかろうかと陰口たたいていたら直後、つがいが鳴き交わしながら営巣予定木へ。2羽が並ぶツーショット。雄はすぐ巣穴に入ったが雌は30〜40メートル離れた木で強烈なドラミング。呼応して雄も巣穴の中でコツコツコツ。何度も何度も繰り返し。雄は巣穴から顔を出しては雌を確認。雌は木を移ってまたドラミング。1610雌は森の中へ。地元の方の話では、昨日までは雄1羽が帰ってきてそのまま巣穴に入って終わりだったと。これは営巣直前の貴重な場面に遭遇したに違いない。何という幸運。旅の最後の最後でこんなに素晴らしい出会い。神様に感謝。。旅のすべての疲れが跡形も無く消え去りました。
 1700回転寿司で道内最後の食事を済ませ、給油と洗車。イーオンで明日の船内食を購入。苫小牧東港に2150着。船は定刻の予定。
 
0214
 0530船室でぼんやりと起床。ほぼ0度、曇天。何処を航行中か不明。北寄りの風12メートル、波の高さ1.5メートルだと。揺れはあるが白波が立つほどではない。0700持参のアルコール終了。気がつけば波もなく至って穏やか。無事今年の旅が終わりました。感謝。。

 
 

 
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