自然と野鳥たちの四季 のようにのように〜
 
0203 水
 コロナ禍の渦中、ど真ん中。今年は昨年以上に感染へ細心の注意を払い、ひっそりと、ひと目を憚りながらの北海道行。冬の北海道病を患う重症患者の旅。ご容赦を。
 東北の日本海側が大荒れで、出港は定刻の3時間半遅れ。4日の午前3時出港で苫小牧東港23時45分到着予定だと連絡が入り、夕食と入浴を済ませて2120自宅を出発。道中の最低気温はマイナス1度。敦賀港はプラスの5度。雨上がりの曇天。日付の変わった0030ころ敦賀南スマートICを降り、セブンでPayPay買物。おにぎり3個、サンド2個、ウインナーとミニチーズ各1。お酒とつまみを加えれば往路の船内食は適量。例年ならほぼ満車の敦賀港フェリー乗り場駐車場はガラガラ。乗船した車は小生入れてわずか4台。積み卸しに長時間を要する大型トラックもコンテナもかなり少ない印象。
 なにがなんでも、とにかくコロナだけには罹患して帰るわけにいかない今年の旅。買い物は極力コンビニでpaypay。アルコール除菌スプレー、手指消毒スプレー、除菌ペーパー、マスクなどなどなど、考えられる限りの重装備。

 
0204 木
 9時起床。海は荒れているが昨年よりまだマシ。雲は多いが時折陽も差す。波ウネリ共それなりに高い。能登沖を過ぎたのに、微かながらスマホの電波がまだ届いている。と思っていたらいつの間にか圏外表示。5階客室の窓が何度も何度も波飛沫に洗われている。
 苫小牧東港入港予定時刻が午前1時に変更された。道東道、夜間工事で浦幌から阿寒まで通行止めなので、足寄インターで降り能取岬へ向かうべきか。
 
0205 金
 5時間以上遅れて、日付の変わった午前0時40分苫小牧東港上陸。いつものように苫小牧新開町のGSで給油し、午前1時10分、道東へ向け出発。トラックの巻き上げる粉雪と強い風に舞い上がる雪で、夕張から新得辺りまで、延々と続く恐怖のホワイトアウト。本当に怖いのです。
 この日の朝の道内は冷え込んでいて絵になるカットが期待大。何処に向かうか撮影場所を決めかねたが、網走(能取岬)は午前8時ころまで曇り予報となっていたので諦め、道東道の夜間工事通行止めも考慮して摩周湖に決定。足寄から津別、そして美幌峠を経由して摩周湖へ。ところが想定していたルートとナビの指示は違っていて、わざわざツンツルスリリングな阿寒湖を経由するルート。そして阿寒湖近くになるまで気付かないというお疲れ頭のジーサンドライバー。とんでもないくねくねカーブの急坂が続く厄介な道。もちろん全区間アイスバーン。余裕だったはずの摩周湖の朝陽に間に合わないかもと疲れた頭で計算しながらも、かろうじて6時10分、摩周第二展望台へ到着。苫小牧で給油してから5時間ノンストップ。さすがに草臥れました。道中、陸別辺りでマイナス24度。
 摩周湖には少し霧がかかっていて、朝陽は出たけれどなんにも起こらず終了。マイナス15度。数人のカメラマンがいたが、小生以外マスク非装着。
 山を下り屈斜路湖に向かう。広い駐車場には5台ほどの車。閑散。ハクチョウの数も少なく空も薄曇り。和琴半島から硫黄山へ。コロナ禍で人っ子ひとりいない硫黄の湯煙を少し撮影。再度屈斜路砂湯の駐車場で時間潰し。撮影機材や衣類など、今夕からの撮影態勢を整える(時間に余裕があれば、弟子屈から屈斜路湖へ一直線のパイロット街道でなく、その裏にある地道を転がしてみる方が面白い)。
 ぱぴりおさんに2時チェックインし、もちろん露天へ直行。骨まで染みるいい湯である。1530夕陽狙いで摩周湖へ向かう。霞がかかっているので変化に少し期待。ところが、地上には霞がかかっているのだが上の方はそれなりに空気が澄んでいて日差しが強く、な〜んにも起こらず本日終了。
 ぱぴりおさんの夕食は量多過ぎ。苦しい。。 日中、屈斜路砂湯の駐車場でスマホ日記をつけていたら、眠くて眠くて何度も何度もスマホをうたた寝落とし。なんとか今日は乗り切ったが、明朝、眼が覚めるのか。
 
0206 土
 マイナス17度。寒くて夜中に目が覚めてしまったが、着れるもの着込んで寝直し。気がつけば午前6時10分。今日は曇天のはずだからとカーテンを開ければ正面にはお月さま。嘘じゃろもう間に合わん。と諦めかけたのだが、チャレンジしないのは主義に反すると往生際悪く、大慌てで着込み、最低限の機材を携えGO!  幸いにもフロントガラスには凍結も雪もなくセルいっぱつ。間に合わないとは思いつつ摩周第1展望台へ向け出撃。気温マイナス16度。0615出発し、摩周第1展望台到着。すでに日の出時刻を数分過ぎているのだが、山の端から上がるのでお日様さえ顔だしてくれれば... ま、そう上手くはいきません。どんより曇天で思ったより強い風。こりゃダメだと数分後撤収。登ってくるまでは微かな期待の持てる空だったのにガラリ。山を下りると雲は開き快晴に(昨夕と逆です)。屈斜路湖から和琴へ回り朝の部が終了。
 朝食後、午前9時から午後3時まで宿の庭で野鳥の撮影。クマタカがすぐそばの樹上で2時間動かず。キレンジャク100以上、シマエナガ数羽、ウソ、マヒワ、キバシリ、トラツグミ、シロハラ、ヤマゲラ雌雄、オオアカゲラ雌雄、アカゲラ雌雄。ほかにコゲラ、ミヤマカケス、ゴジュウカラ、シジュウカラ、ハシブトガラ、ヒヨドリ、ハシボソガラス、低空を飛ぶオジロワシ。一年ぶりに堪能〜♪ 明日は、昨日までいたというクマゲラ〜出ておいで♪
 今夜も夕食てんこ盛りで、嬉しく苦しい超満腹。。死にそ。
 
0207 日
 0550起床。0630起床のつもりだったのに目が覚めてしまった。マイナス7度。日中マイナス6度。今朝は予報通りの曇天。夜の間に少し雪が降ったようだ。
 午前7時から8時。朝食後の9時から10時。チェックアウトしてなお12時までクマゲラクマゲラ。結果いちども逢えなかったけれど(もしや、クマタカに喰われちまったのか)、想定外の鳥たちにも会えて感謝。
 1210出発し1410霧多布到着。なーんでか、今年は鳥がなんもいない。ぱぴりおさんにもう数時間いた方がよかったか。夕陽も望めずそのまま終了。
 夕食事(昨年末から夕食が廃され、持ち込みに)と朝食事は例によって絶妙の夫婦漫才。遅くなったけれど、今年の心底初笑い。
 
0208 月
 マイナス14度。岬で朝陽を狙うも東の空低く雲がありアウト。鴨もクロガモらしき2羽がいちど飛んだだけ。ホントな〜んもおらん。
 ところが宿に戻るとハイタカ!ハギマシコを狙っているのです。何処かへ逃げていたハギマシコたちが大群で帰ってくるや、雪面低くを飛び一気に襲いかかるも失敗。それにしてもガラス越しの目の前でなんたるスペクタクル。凄い。珈琲飲みながら堪能とは、えとぴりかさん羨ましすぎます! オオワシ、オジロワシ、ハクセキレイ。
 朝食後早々に出発。花咲港の東寄り、車石に近い湾でコオリガモつがい。1245納沙布岬到着。昼食をとり今回初のドローン撮影。気温マイナス5度、風速数メートル。その後、昨年見つけたポイントへ移動するつもりだったのですが、雪が積み上がっていて道も見えず本線からの侵入はほぼ不可能。無理せず諦めて今日の宿にチェックインし、1550再出撃。根室寄りに夕陽撮影ポイントを変更。太陽は見事に沈んでくれたのに海面が氷に覆われていてダルマ夕陽も変形夕陽も出現せず。鳥も絡まず呆気なく終了。せっかく色付いたのに、もったいない今日の夕陽。明朝は納沙布岬。でも風が強そうで望み薄か。コオリガモ、シノリガモ。
 
0209 火
 0545宿を出発。0610納沙布岬到着。マイナス6度。例によって東の空低くに雲がある。日の出時刻をだいぶ過ぎた頃、太陽が僅かに顔を出したが大して色付きもせず終了。オオワシが例年より多く飛ぶ。宿に帰り、0845チェックアウトして野付へ。槍昔から走古丹の辺りにハクトウワシが出ているらしい。野付の観光客も幾分少なめ。 明朝の羅臼観光船は客が少なくて中止と連絡が入る。明後日の5時便は出るという。
 1450とりあえず宿にチェックインし、荷物と長玉以外の機材を降ろし野付へ再出撃。マイナス4度。野付灯台そばの駐車場には車が5台。途中にも数台。それなりにカメラマンはいるのである。結局、夕陽はまずまずだったのに生き物絡まず。24〜70ミリ、70〜200ミリを宿に降ろさなければ壮大な夕焼けが撮れたのに。愚か者である。
 クマゲラ出没確認のため、ぱぴりおさんに電話を入れるも、あれ以来姿を見せていないという。クマタカを警戒して暫くは出てこないのか、それともやはり喰われてしまったのか。間違いなくどちらか。
 
0210 水
 0525起床。0540出発し野付の朝陽ポイントへ。途中数台の撮影目的とおぼしき車とすれ違う。マイナス6度。東の空に雲はあるが少なめで、上手くいけば... そんな空模様ではある。そのうちにみるみる空が海面が色付き始めて、出漁する漁船群団との絡みが言葉にならぬほど素晴らしく、無我夢中で撮影。ダルマ朝陽は望めなかったが朝焼け雲が蜃気楼となり大感動。想定外の大スペクタクルなのでした。
 0700切り上げて宿へ。朝食は頼んでないので、持ち込んで冷蔵庫に入れていたトマトジュースをゴクリ。コッタロ湿原の道路が封鎖通行止めのため、今年は我が北海道撮影旅行で初めてのコッタロ詣ナシ。ガッカリです。あちこち徘徊して鳥探ししたけれど、いるのは純粋なツグミのみ。
 鶴居着。タンチョウの飛行ルートが大きく変わり、夕空を飛ぶタンチョウがほとんど狙えない。あれこれタンチョウ情報を仕入れなければ。明日夕は大観望しかないのかも。明朝は一日延ばしで羅臼観光船のつもりだったのだが、曇りのち晴れ予報。超早朝の羅臼片道2時間と深酒天秤にしてハムレット。結局早起き中止。今夜は酒がゆっくり呑めるってもんだ。あのね... (^_^;  直接問合せたら、ゴジラ岩の観光船は特にはコロナ対策していないという返答だったので、中止にして正解だったのかもしれない。
 夕食でいただく今年の「北の勝」は口当たり良く、フルーティで上品な後口、そして最高の旨味。久しぶりに大満足。明日は「福司」?もういちど「北の勝」?嬉しい悩み。TAITOさんの夕食、なんか薄味になったような。ワタシャ好みです。
 
0211 木
 68歳の誕生日です。 0530音羽橋方向に向け出発。マイナス16度。曇天。羅臼に行かなくて正解。墓地のそばでウサギ!初見のエゾユキウサギです。ホント真っ白。雪裡川に霧氷はあるものの色付かず終了。コッタロが通れないのであれこれ難儀なことではある。
 0910チェックアウトしあちこちのエゾフクロウを目指すも、出会えたのはどさんこ牧場のみ。細岡展望台で仕方なくSLをドローンで撮影。夕陽もここでやると決めているので長い待ち時間。コッタロが通れないのはホント痛いのだ。冬の小鳥を探しまわるもツグミのみ。
 再び細岡展望台へ。ワタリガラスが鳴きながら上空を通過。夕方はスチールとドローンの二刀流。思っていたほど焼けなかったけれど、まあこんなもんか。1700切り上げ、コッタロが通れないのでカーナビの指示を守りながら宿へ。ところが、釧路市内を簡単に裏道通過出来ると指示していたナビ。5キロほど走ると通行止めであえなくUターン。クソナビに罵詈雑言。
 TAITO着は1820。即夕食。なんと「北の勝」よりも、今年は不味い「福司」の方が値段が高いとは!ありえへん。和田ミュージアムで香港人のウイリアムズさん(日本在住)から赤ワインを一杯ゴチになり、さんざ煽られて明朝は羅臼行きの羽目に。深酒せずさっさと就寝。
 
0212 金
 マイナス2度。曇天気味。0320TAITO出発。比較的?安全運転で0520羅臼港着。乗船するのは知床ネイチャークルーズ長谷川さんの船。0605出港し港のすぐ近くで餌を海に投げワシを集める。朝陽も無く楽しくはない。ウネリも少しある。じつに楽しくない。乗船するべきでなかった。客は約20名。0730終了。時短値引きで7000円。
 宿のチェックアウトに間に合うかもと、少々大急ぎ。0800羅臼港を出て0940鶴居着。有り難いことだが、仕事の電話が頻繁にかかってくる。少し仮眠をとりたい。1000ジャストにチェックアウト。
 最後の挨拶代わりに伊藤サンクチュアリーに出向けば、駐車場はほぼ一杯で撮影するカメラマンたちは約30名。ツアー客も外国からの団体さんもいないのに凄いね、鶴居村は。鶴見台の方がタンチョウの数は多いのだけどカメラマンはゼロ。ゼロでした。
 峠を越えて阿寒観察センターへ、たぶん1230辺り。1400切り上げ帯広へ向かう。池田インターで降りて数ヶ所のポイントを廻り、いつもの宿にチェックインして再び十勝が丘展望台へ。壮大な夕景になりそな予感大だったのに、焼ける雲が少なくてガッカリな幕引き。
 宿の料理は毎度のことながらてんこ盛り盛り。なにかで御礼をせねば、仁義に反する。その夕食時、小動物のビッグな情報!明日の音更神社はほっといて...
 
0213 土
 マイナス13度。ほぼ無風。普通に着込んでいればノープロブレム。風がないのは楽なのです。0605いつものように手持ちのハチゴロー一本でポイントへ。ほぼ間もなく、ジリ...  ジリ...  ジリ...  ジリ...   ほぼ同間隔で聞いたことのない音(声!)。エゾモモンガ発見!動き回ったあと、10メートルほど先の枝に約1分じっとしてくれてバシャバシャバシャ。ピント微妙で露出アンダーの超高感度。でもとにかく感動。少なくとももう一匹は木の上部にいたのだけれど、近くの個体に思いっきり集中しているうちねぐらに潜り込んだようで撮影出来たのはこの個体のみ。たったいちど、ワンチャンス。とりあえずなんとか撮影はしたけれど、たぶん露出アンダーの若干ピンアマ?それでもいちおうの大感動。0625巣穴に入ってからはノーコンタクト。もし来年チャンスがあるなら再トライ。岡山へ帰り次第、仕上げたプリントとデータを早々に送って差し上げねば。
 結局、音更神社には初めて行かずじまい。 0900チェックアウトし鵡川へ。そして最後の宿泊地苫小牧へ向かう。プラスの4度。鵡川のいつもの場所でやはりキレンジャク。ただし1羽のみ。山形からキャンピングカーの先客がいて撮影中。てっきりキレンジャク狙いかと思っていたらハチジョウツグミ狙いの超ベテラン氏。1時間半、同席させていただきパシャパシャ。感謝。
 1700苫小牧の定宿へチェックイン。道内最後の宿で今夜も酒盛り。明日は苫小牧演習林オンリー。さてどうなりますやら。
 
0214 日
 前夜、日付けの変わりそうな時間に、道内で震度6の地震があったらしい。苫小牧も震度3だったようだがぐっすり眠っていて感知せず。
 曇天。0615出発し苫小牧演習林0630着。マイナス2度。とりあえずエゾフクロウに挨拶と森へ。エゾフクロウは1羽のみ。とはいえ今年も会えて良かった。辺りを少し探してみたが、つがいのもう1羽は見つからなかった。数枚撮影してさっさと退散。餌やりのヒマワリの種にやってくる小鳥と遊ぼうと思っていたのだが、数年前から餌やり禁止になっているのだと知る。クマゲラ情報もあったのだが、現れず。カワセミのみ。
 その後、町中の公園でキレンジャク50羽の群れ。日曜日で散歩するひとが多く、通るたびに飛んでしまって撮影は難しい。1330苫小牧研究林に戻りクマゲラ... 近くには出ていたそうだが、タイミング合わず残念。今年の旅はこれにて終了〜
 給油と洗車を済ませ、例年通りイーオン苫小牧店で1630〜2105まで休憩、スマホ日記。船が「すずらん」から「あかしあ」へ変更となってしまったので、ステートBツイン(冬季ひとり利用割引)にはトイレも冷蔵庫もない。食糧注意。もちろんコロナ感染には最大の注意。。
 苫小牧東港から敦賀行きに乗船する乗用車は約10台。少ないが、それなりにはいるのだ。日本海は大荒れ予報で、あすのフェリー運行は怪しい。 乗船は2300、出港は定刻の2330。
 
0215 月
 0730お目覚め。秋田県男鹿半島を過ぎた辺りで、まだ海は穏やか。スマホはとっくに圏外。午前11時、揺れはほとんど無く、想定外に穏やかな海。それでも少しずつ小さな白波が立ってきた。今夜からは暴風雪になるようで、帰路のタイミングとしてはベストだったに違いない。1130日本酒5.5合。摂取終了。^_^;
 1430現在能登沖。微かなウネリはあるが海は穏やか。外は雨。電波は届かない。能登のほぼ真北を航海中、富山県に暴風雨暴風雪警報が発令され、今夜から明日にかけ特大級の爆弾低気圧予報。昨年に引き続き、今年も滑り込みの復路だったに違いない。敦賀港着まであと2時間。船が揺れ始めました(やはり今夜発の苫小牧〜敦賀は北行南行ともに欠航となりました)。あとは敦賀から岡山へひとっ走りです。
 今年の夢旅が終わりました。さあ頭を切り替えねば。。
 

 
 

 
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自然と野鳥たちの四季 のようにのように〜