自然と野鳥たちの四季 のようにのように〜
 

18回目となった、恒例の冬の道東撮影旅行!!
 
4日(日)岡山→名古屋→帯広
 朝は曇り。完全な晴れ予報だったのに、直前で低気圧が北海道を覆ってしまいヤキモキ。いきなり帯広に入る今年の撮影行は、名古屋小牧空港からの小型飛行機である。名古屋駅から空港に向かうバスがマイクロなのにもプチ衝撃を受けてしまったが、こんな小型機が強風予想の帯広に無事着陸出来るのかと不安がよぎる。何事も起こらず無事帯広到着。
 オリックスレンタカー帯広空港店で車を借り、いつものように助手席に600ミリ付きのカメラを置いて走り始めると、シートベルト未装着時の人感センサーが作動して警告音がけたたましく鳴り響く。四苦八苦、苦肉の策でなんとか音を止めたのだが、安全装置もここまでくると余計なお世話でしかない。スイッチひとつで助手席の音くらいは消せないと使いづらくて仕方ない。
 帯広駅前で車を預け、「ブタ丼のばんちょう」を探す。表通りにまで流れ出す香りに吸い寄せられて難なく発見。帯広名物「ブタ丼」なるものを初食。店内は大賑わいで当然の相席。待つこと10数分、やってきたブタ丼の記念撮影をしようと、ホントは内気な小生が勇気を振り絞りポケットからカメラを取り出すと、ほぼ同時に入店して相席となった東京から出張のサラリーマン氏も「良かった同じ目的の人がいて」とカバンからおもむろにカメラを取り出した。満員の店内、狭苦しい4人がけの片側2人席で撮影会。味はまずまず、ほぼ想像していた通り。でもこれで1,050円(だったかな?)は少し高すぎるのではなかろうか。お腹に少し空きがあったので、目と鼻の先の六花亭本店にて本店限定の「さくさくパイ」やらケーキ、無料の珈琲などをたらふく、と目論んでいたのだがシャイな小生にはとてもじゃないが不可能な店の雰囲気。仕方なく店内をさらりと物色してお土産を数点購入し退店。最近は岡山のデパートだって頻繁に北海道フェアがあるから、ご当地でなければ手に入らないものをと探すのだが、そんなものはほとんど無いし、仮にあってもあまり魅力的な商品でないのはとても残念である。
 音更神社と十勝川を下見して宿へ早めのチェックイン。到着していた荷物を捌き、車で十勝川周辺を流す。今日からお気に入りの温泉民宿田園に3連泊である。ここの夕食は質、量、ともに素晴らしくて食べ過ぎてしまう。胃が痛くて痛くて... (^_^;)
 夕食後、胃を押さえながら宿の主人にこの時期の帯広の祭り「彩凛詩」会場に連れて行っていただいた。イベントは正直好きではないのだが、会場は想像以上に広くて、宣伝ポスターでイメージしていたよりもスケールがありドラマティック。上手くアピールすればもっと大きなイベントに育つに違いない。休憩所でいただいた暖かい牛乳が美味くて、一気に飲み干してしまった。
 帯広の今朝の気温は−1度だったという。お昼に−5度、夕方7時頃に寒暖計を見たら−10度であった。
5日(月)帯広周辺徘徊

 6時15分に音更神社到着。もうエゾリスは木を枝を渡り歩いている。車を停めて(参拝者以外は東の駐車スペースに停めた方が良い)階段を降りてゆくと昨年も出会ったことのある地元のカメラマン氏(昨年、ツアー客を引き連れて来た某氏)がエゾリス撮影の舞台を作っている最中である。こんなとこでしなくてもと思うのだが...  とにかくそこでしか撮影が出来ない場所なので、挨拶をして彼の少し後ろにカメラを据える。リスはあまり出てこなくて10時半に切り上げ、太平洋側の広尾まで出て海沿いに鳥を探し大津漁港経由で宿へ帰る。アトリやチュウヒ、ハイイロチュウヒには出会えたが撮影の収穫は無し。宿の近くに帰ってきてウソ4羽。近かったのだが既に陽は落ちていて観察のみ。
 最低気温−14度、最高気温は+2度。地元の人には過ごしやすくとも、内地から来た旅行者には物足りない気温である。それに日中がプラスになると路面の氷が溶け、夕方にはまた凍り始めてツンツルテン。小生のような北国運転経験不足ドライバーにとっては、とんでもなく恐ろしいスケートリンク状態になってしまう。
 さすがに今夜の夕食は食べきれなくて珍しく、本当に珍しく、出されたものはすべて食べ尽くすという主義に反し数品食べ残してしまった。それでも食べ過ぎ。苦しくて苦しくて...  卑しさも程々にいたさねば (__;)

6日(火)帯広周辺徘徊
 最低−6度、最高+6度、快晴。3月下旬の気温なんだそうな。ったく春じゃがぁ!
 早朝の十勝川大橋でオオハクチョウや水鳥を狙うが色も光も芳しくない。ミコアイサ(通称パンダガモ)雄3羽を少し撮影して音更神社に向かう。今日はオオタカが出たりカラスが数羽出入りしていて、警戒モードに入ってしまったリスはなかなか下に降りてこない。近くに住むKさんという年輩の方と話。リスは絵にならないのだが他に行く場所も無くて昼過ぎまで粘る。車に戻って昼食。宿で作ってもらった大きなおにぎり2個と昨日コンビニで買ったサンドイッチをほおばる。昨日今日(もちろん明日も)朝食抜きなので多少はダイエットになっているのかなとも思うのだが、毎夜の豪華な夕食でぶっトンでしまう気になるウエスト廻りなのである。
 明日は遠路の羅臼入り予定だったのだが、宿泊予定のラウスクルさんから携帯直電が入り、今年はまだ根室海峡に流氷がなくて鷲の数も少ないのだという。明日は予定を変更してシラルトロ湖畔で宿を取ることになりそうである。それにしても日中のこの暖かさは一体ナニ!どーなっているのだろうか。
 今夜も連泊の田園。地の料理が豊富で味付けもまた素晴らしい。とにかくまたまたの豪華版、胃が贅沢な悲鳴を上げる夜である。たとえ質素な食べ物であってもその土地臭い物が夕食に並ぶと嬉しい。この季節、その地を訪れた者にしか味わえないもの、それこそが五臓六腑にも染み渡るというものだが、本当にわかってる宿は案外と少ないように思う。
7日(水)帯広周辺→コッタロ→シラルトロ

 −6度の朝。今朝も十勝川大橋付近で少し時間潰し。7時に切り上げて音更神社へ。地元で写真の先生といわれてる人たちが入れ替わり立ち替わり、ツアーやらその下見に現れる。エゾリスは昨日に比べ頻繁に出てくる。撮影の合間、手渡しの餌やりを試みていたら、そのうちナンと!ついにナンと!!目の前までヨタヨタヒョコヒョコとやって来て、ナァ〜〜〜ント!指を囓ったのだ!(=^0^=)左手の人差し指を、とうとうリスにかじられた〜 じか指をかじられた。かなり鋭くて、カワイイ!♪ 歯の後がくっきり。嬉しい痛さ!!もしも手袋をしていたら五葉松の実の色とはコントラストがあるから、間違うことなく手渡しで餌を食べたに違いないけれど、じか指をかじられた方が遥かに衝撃的。それにしてもよほど美味しそうに見えたのかなぁ(=^0^=) 至福至福〜♪
 10時に切り上げ、和商を経由してシラルトロ方向へ車を走らせる。な、なんと、この時期に遠矢駅近くの国道で道警がネズミ捕りのまっ最中!あなおそろしや。雪がないから出来るのだろうが... 驚いてしまった。やっぱり冬は雪に降ってもらわないと困る、のである。くわばらくわばら。
 コッタロの第一展望台そばでオオマシコ5羽。夕方で山陰だから色も露出も情け無いのだが、感激である。今年は案外小さな鳥たちが多いのかもしれない。朝から夕方まで4ギガ2枚と2ギガ1枚をほぼ完撮。まずは満足の一日。
 今日の宿は昨年もお世話になったロッジシラルトロさんである。最後の〆はここの露天風呂。少し色付いた空に雄阿寒雌阿寒が浮かび上がり、湯船に浸かりながら美しさに見とれて暫し感動。今夜の食事もてんこ盛り盛り。なんでこんなに多いんじゃろ。とてもじゃないが食べきれん。もう少しだけ少数精鋭にしてもいいんじゃなかろーか。これはコマイでこっちの魚はチカであるとか、刺身はナニナニでその白っぽいのはナンとやら... なぁんて教えて戴くのが嬉しかったりするのであるけれど、頭の中は人一倍風通しが良いもんだから、数分もすれば忘却の彼方。哀しくも綺麗サッパリ脳内通過してしまうのだが、説明されると何となく有り難さが増すというものではある。

8日(木)シラルトロ→霧多布→野付
 最低−12度、最高−2度。コッタロの湿原にはタンチョウのつがいやカワアイサ、オオハクチョウがいるのだが、木々の小枝が被って道路からは案外撮影出来ない。霧氷がついたロケーションにエゾシカを見つけたが、逆光の霧氷を絡めるには少々ウルサクてまとまらず、絵になりにくい。9時前にシラルトロをチェックアウトし、厚床経由で霧多布へ向かう。あまりにも雪が無くて、違う季節に来たような風景が延々と続く今年の霧多布。ここにもやたら外国のツアー客が多い。タンチョウの撮影地には韓国や台湾の人が多いのだが、ここはヨーロッパやロシアの観光客が多いように思う。それにしても、ナァ〜ンも被写体おらんぞ霧多布。今年良く出会うノスリさえ見つけられない。初田牛経由で走古丹へ向かう。害獣駆除が効きすぎたのかエゾシカの姿がまったくない。役所からお達しがあるのか知らないが、たいていの宿でシカ肉料理が出てくる。こんな地まで来て数日で帰る観光客なんてほとんどいないのだから、毎晩毎晩シカ肉料理なんてまったく勘弁願いたいものだ。そんなに美味いモンじゃないのはみんな知っている。
 羅臼行きを諦めて今夜の宿は民宿みさきに予約変更しようと、昼前から何度も電話を入れるのだが繋がらないまま宿に到着。荷物を一式ヨッコラショ、玄関へ運び込みチャイムを鳴らしたり、女主人の携帯や宿の電話を鳴らすこと30分あまり。いくらなんでも勝手に上がり込むわけにもいかず、仕方なく降ろした荷物をまた車に積み込んでブーたれながら、一端退去して野付に。当然の如く浪速の大将と、一年ぶりの再会。きっと彼の住民票はこっちにあるに違いない。残念な夕陽を恨めしげにボヤキ合いながら終了。ここでやっと宿に繋がりホッとひと安心。チェックイン。ところが夕食後、押入の寝具をひこうとして絶句!シーツも枕カバーも前泊者の使用したまんま!いくらなんでもそりゃないだろーっ!! タダで泊まってるわけじゃないんだから。最低限のルールを破っちまっちゃぁ。信じられん!昔のユースホステルだってシーツと枕カバーくらいは糊がパリッと利いていた。いくら風呂の泉質が良かろうとビール呑んで4500円の激安だろうと限度がある。可もなく不可もない適量の料理に文句はないが、いくらナンでもシーツと枕カバーは勘弁願いたい。おまけにビミョーな毛まで枕には付いておったし... え?おま毛?(__;) どうも「家族的」だとか「家庭的雰囲気」なぁんて言葉が宣伝文句の宿は、往々にして不愉快な思いをする場合が多い。昨年の十勝○イヤルホテル然り、他に売りがないから掲げているに相違ない。
9日(金)野付→養老牛→屈斜路

 最低気温−8度。6時05分、天気予報を確認して出発。朝日狙いに旧白鳥屋のすぐ近く、昨年よりもっと近い場所でまたまた大将と当然の遭遇。雲厚く、まったくの完敗。それにしても今年も呆れるほどに朝日夕日とは縁がない。無い物ねだりは止めてのんびりゆっくり、エゾフクロウやクマゲラ、昨年の苦い想い出シロハヤブサを探しながら屈斜路へ。接近遭遇は皆無、いちおう無事には到着。
 ナント!屈斜路湖に氷が無い。当地へは今年で15年目になるのだが初めての光景が目の前に広がっている。まるで「まだ初冬」の様相なのである。全面結氷御神渡りの屈斜路は、いったい何処へ行ってしまったんでしょう。目の前に広がる湖には近い将来の地球の姿が映っているのでしょうか。温暖化恐るべしです。
 時間もあって仕方なく、下見がてら、以前から展望風景の気になっていた藻琴山に登ったのですが、天候不良でやたら視界が悪く、何処が何やらまったく判別不能ですぐさま下山。晴れていれば素敵な雪景ポイントがあちこちにありそうなのですが、少し吹雪けばたちまち通行止めになりそうな場所です。降りてきて、今日の宿パピリオの入口あたりでまたまたまた浪速の大将と遭遇。これってラッキー?アンラッキー? ^_^;
 チェックインには少し早くて、暫く餌台の鳥たちを撮影。3時チェックイン。即、露天に直行です。小雪舞う中で小鳥を撮り続けていたから、冷え切っていた手足が体がうるうる甦るようです。たっぷりの長湯を楽しみました。
 なんと今日の宿泊客は小生ひとりのみ。明日の予約は一杯とかで連泊は断られていたのですが、10日前に突然キャンセル変更になったとかで明日も宿に余裕があるとか。不確定な旅行客たち、冬の宿経営は大変なリスクなのです。夜、宿の冷蔵庫に見つけた旭川の地酒一合缶の「男山」にグラグラリ。なんとクマゲラ味とシマフクロウ風味... なわきゃありませぬ、缶のデザインのみですね。当然でした(*^。^*)
 パピリオの料理はお洒落です。どっかのヒゲオヤジには不釣り合いとは思いつつ、今夜も腹一杯。さぁて、また明日明日...

10日(土)屈斜路周辺徘徊
 最低−16度、最高−6度。冷え込んではいるけれど今朝も曇天。8時頃からやっと青空が広がり始めてはどうすることも出来ず、パピリオの餌台で鳥たちを撮影するしかありません。わずかな収穫はアカゲラvsミヤマカケス。両者譲らず、類い希なニラメッコを楽しませてくれました。
 氷のない屈斜路の砂湯では絵にならなくて、摩周道の駅やら摩周第一展望台を観光客気分でウロチョロ。さすがに摩周湖は観光客でいっぱいです。冬の北海道って今や人気のツアーコースなんですね。驚きました。
 今夜は初めての宿「仁伏の里」。ここは国民宿舎で野鳥の会の協定旅館、餌台にやって来る鳥たちも楽しめそうです。早めにチェックインして、餌台のアブラ身目掛けてやって来るオオアカゲラを2階の部屋からとりあえず撮影。目の前には屈斜路湖が広がり、オオハクチョウもいて案外面白いロケーションです。結局、今日も色付かず終了。夕食後、広い温泉風呂を独り占め。露天はないけれど、窓越しに屈斜路湖が広がっていて開放感がある。ただ居室の壁が薄く客層もいろいろ。両隣がワイワイ賑やかで、ドアでもなんでもガラガラピッシャン、ドタドタゴットンなのには辟易。うぅぅむぅ... イビキで仕返ししちゃる... (‐_‐)
 明日は小生の誕生日。吹雪予報も出ていて、どんな一日になることやら。
11日(日)屈斜路周辺徘徊
 最低気温−8度。明け方、外に出てみると以外にも朧月。慌てて機材を積み込み湖畔を走ってはみたけれど収穫無し。ほんとに色付く日があるのかと疑ってしまうような朝夕の繰り返しには呆れてしまうばかりだが、オオハクチョウやオオワシをメインに撮影に来ているならヘコんでしまうに違いない今回の旅も、雪の小鳥を狙う者には案外と楽しいのである。早々に朝食を済ませ身支度を整えてとりあえずチェックアウト。小雪舞う餌台にカメラを向けてアカゲラ、ヤマゲラ、オオアカゲラを狙う。げらげらげらのどっぷりたっぷりゲラ三昧。堪能♪
 撮り疲れて1時20分宿を出発。1時25分次の宿に到着。なんのことはない、今夜はまたパピリオ泊なのである。羅臼の流氷の動きを睨みながらの行程なのだが、どうやら今年は諦めるしかないようである。湖面がシャーベット状にはなるけれど昼には融けてしまう屈斜路湖。ひと冬氷らなければ観測史上初めてらしいのだが、3月に入って氷る、なんて年もあるそうなので、さて今年は... ?
 雪のパピリオで3時まで小鳥たちと戯れる。本日6ギガ撮影。朝日夕日を恨めしくは思いつつも、それなり楽しい撮影を堪能した一日でした。
 パピリオの夕食は6時から。仁伏の里も民宿みさきも6時半からの夕食。のんべタイム導入で、もう少し早よしてもらえんじゃろかねぇ... ついウトウト...  あは、夕食の電話連絡をモーニングコールと勘違いし飛び起きてしまいました。
 今夜は客が多いのだが若いカップルばかり。何故かラウンジではほぼ無言の時が過ぎ、カマトトとキンパクの空気が重いこと重いこと。ワシャひとり。どーにも間が持たん。誰か付き合え! そんな侘びし〜ぃ誕生日の夜が過ぎてゆくのでありました。はっぴばすでぇ乾杯!(▼▼メ)
12日(月)屈斜路→鶴居
 最低気温はたぶん−8度あたりかと... まぁ当然の曇天というか雪の朝である。降ったり止んだり、たまに晴れ間が顔を出したり。となれば予定通り、今日もまた完全な野鳥狙いの日。朝食後チェックアウトした後も餌台の鳥たちを撮影。11時半出発し、許可をもらって再度仁伏の里で2時間ばかりの撮影。横殴りの雪が吹き付けてくるけれど僅かな光も射し込んできて楽しいゲラ三昧。マジで40ギガのフォトストレージが一杯になってしまいそうな勢い。今日も堪能し、お礼を告げてシラルトロのエゾフクロウを確認しコッタロへ向かう。
 予定していたわけでもないのだが、たまたまSL湿原号釧路行きの通過時刻に遭遇。車を降りて急ぎコッタロの第1展望台へ駆け上がり始める。途中、先生とおぼしき人を含めて5名が既に何やらカメラを持ってガヤガヤ。いきなり入ってゆく訳にもいかないからすぐ傍で当然の挨拶をする。撮影してるわけでもないのに返事がない。聞こえなかったのかと大接近し、ひときわ声を上げて「こんにちワ!」。ん?ナンジャコリャ?反応さえしてくれないのであった(^◇^;) お互いに会話をしているから声は聞こえているはず... うーっむ、そんな連中だね、こりゃ。いくらなんでも先生と言われる御仁であるならば、普通挨拶くらいは返すだろうにねぇ。と呆れつつ、彼方のエゾシカを入れ、遙か彼方のSLを撮影。それなりの絵にはなるのだがモノトーンの世界ではある。
 コッタロを抜け音羽橋へ向かう途中で、アトリとカワラヒワの混群に遭遇。3時過ぎ、TAITO到着。ここでは初めての和室に通され荷を降ろし、早速菊池牧場へ。暖かいせいか次々と西の空を真上の空を何組もが連なり飛んでゆく。見事に色付いた空を横切るたびにカメラマンたちから歓声が上がりシャッター音が響き渡る。本当に久しぶり、約10年振りに出会う楽しい飛行にワクワクしました。
 やぁれここは最終目的地。ホッとした途端に疲れがドッと押し寄せてきて、食後恒例のうたた寝。そして露天風呂へ直行。流氷も氷も無い今年の旅なのに、しっかりくたびれるほどの撮影量。連泊のこの宿で少しは疲れを取っておかねば、岡山に帰って相当な反動が出そうで怖いのです。後は明後日の飛行機。なにやら吹雪予報みたいで...(^_^;)
13日(火)鶴居周辺徘徊
 昨夕のタンチョウも良かったけれど、今朝の音羽橋は今年一番の色付きなのだそうで、マイナス17度の橋の上には日本中(世界中?)から集まったニコニコ笑顔が並んでいる。横目で見ながら小生はシカ絡み小鳥絡みでコッタロ詣で。残念ながら出会いは無くて途中の峠で霧氷を撮影。野鳥を探して走り回ったけれど昨日のアトリ数羽に会えたのみでした。
 昼に一旦宿に帰ってテレビ3局の天気予報をチェックです。暴風雪予報も出る巨大な低気圧が近付いていて、なんとか明日、とにかく気になる天気予報です。微妙だけれど明日のJAL機釧路発はギリギリなんとかなりそうな予報が出ています。なんせ明後日早朝から以降、ビッシリ本業の撮影が便秘状態に詰まっているのですから気が気ではありません。まぁ後は神のみぞ知る、運に任せるしかないのです。
 そしてまたもや明日は最後の日の冷え込みが待っている様子。流氷も根室海峡に流れ込み始めたそうだけれど、ま、そんなモン、あんた、いまさら知りますかいな (;-_-メ) さぁて荷造り準備にも精出さにゃあきまへん。
 本日、カラスをタンチョウと間違えてカメラで追ってるオバちゃんに遭遇。逆光で狙っているにしても... スゴィ...
14日(水)鶴居→釧路→名古屋→岡山
 やはり冷えこみは今朝が最高。最後の日のジンクスは生きています。数日前の予報では、昨日今日はたいした冷え込みではなかったはず。なんともはや不思議な巡り会わせとしか言いようがない、本当にゾッとするような巡り会わせです。
 残念ながら期待したほどの色付きではありませんでした。コッタロの樹氷はそれなりに付いてはいるのですが、今朝も主役の生き物が絡みません。菊地牧場近くまで帰って来てアトリとカワラヒワの小群に出会い喜んでいたら、サンクチュアリー近くの空き地でウソとアトリの小群に接近遭遇です。白抜け気味なのですが、あまりの近さに嬉しく堪らずバシャバシャ。4ギガのCFはあっという間に一杯です。今年は鶴居からコッタロ近辺で小鳥を楽しめました。フクロウもユキホもベニヒワも、オジロやオオワシさえ撮っていないのにまずまずの楽しさ。行き当たりばったりの旅ですが今年は愉快でした。40ギガのフォトストレージは昨日で一杯。4ギガのCF2枚も終了、2ギガ1枚もほぼ満杯、フィルムも約20本撮影。今朝も儲けもののカットを手に入れて心うきうき、鼻歌交じりに荷物三個を作り上げてチェックアウトです。
 さてあとは天候です。もし欠航なんてことになると明日も酷い吹雪らしいから大変だったのですが、ホントにきわどく、吹雪は滑り込みセーフで名古屋行きの機上の人となったのです。幸運でした。

 

 ずぅっとずっと昔から変わらぬ時間が流れていて、なつかしく、愛おしく。旅で出会う人も宿のスタッフたちもずっと変わらずに、去年のことがまるで昨日のことだったように。みんなひとつづつ年を重ねているのだけれど、いつまでも変わらぬ永遠の時間、悠久の時。
 この旅はタイムスリップ。僕の大切な夢見の旅。

 

© NOBUYOSHI NAKAGIRI
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自然と野鳥たちの四季 のようにのように〜