自然と野鳥たちの四季 のようにのように〜
 

2年ぶり19回目の道東撮影旅行は、幸運を呼ぶ蛇の皮のおかげで...
 
2月03日(火)岡山→名古屋→帯広→民宿田園泊

最低気温:帯広マイナス12度 曇天
 風邪気味なのは気合で治すとしても、数日前にぱっくり割れた左足親指の爪は流石に気合では治らないが、どうやら血も止まり炎症も起こしてない様子だから、これは気合いで歩けないことはない。
 未曾有の不景気ゆえか、今日の名古屋発帯広行き乗客は僅か11名。この時期、とても採算にあう路線ではない。
 帯広空港で、予約済みのカローラフィールダーをレンタルする。日中溶けて夜間凍結を繰り返す路面は噂通りに怪しくて、神経すり減らしながらの安全運転は例年以上に疲れそうである。
 無事宿に着いて荷物を捌き、車に積み直そうとしたら早速スッテンコロリン。何処を歩いても怪しそうな凍結地面ばかりだから、今年の旅で何回こけることになるのやら。今夜の客は小生のみ。良心的で居心地の良い低料金の宿だから、廊下のあちこちにセットされたストーブの油代も出るのやら出ないのやら、こちらが心配になってくるほどである。
 わずかに西の空は色付いたけれど、とりあえず本日の仕事は荷捌き。そして明日からの撮影収穫を祈願する酒盛り、と決めているわけであって... さぁてあした、あしたからなのです酔〜ぃ♪

今日のお薦め-その1 製造から2時間以内の消費義務商品、六花亭の雪こんチーズ。ここでしか食べられないからとか限定だからってわけじゃなく、こりゃマジ美味いです!
今日のお薦め-その2 もちろん十勝川温泉民宿田園です♪

2月04日(水)音更→浜小清水→はなとことりの宿泊

最低気温:マイナス17℃ 晴れ
 5時起床、チェックアウトして5時半宿を出発、6時に音更神社着。この時期の日の出は6時40分あたりなのでまだ暗い境内の車中、宿で作っていただいたおにぎりを食べようと包みを開ければ、なんとゆで卵まで同包!ただただ感激。感謝しながらおにぎりを頬ばって、まずは腹ごしらえを完了。
 いつもの場所に5匹のエゾリスが頻繁に顔を出し、シチュエーションは例年と違いはしないのだがとても楽しい撮影を満喫。野鳥はアカゲラ、ミヤマカケス、シメ、そしてカラ類。仲良く撮影させていただいた地元のアマチュアカメラマン氏から五葉松の実とヘビの脱皮皮をいただく。ヘビの皮は幸運を呼ぶ、ということを旅から帰るまで知らなかったのだが、お蔭でこの数日後、大きな幸運に巡り会うことになるのだ。
 10時丁度に撮影を切り上げ、同20分に音更を出発。帯広から高速に乗り終点の足寄、陸別、津別経由で浜小清水へ13時05分到着。初めての道だったがとても走りやすくて所要時間2時間45分。今夜の宿の前を一旦通り過ぎて国道に出ると、原生花園にタンチョウの番を発見。ファインダは覗いたのだが絵にはならない。涛沸湖西岸の白鳥公園にはオオハクチョウ、オナガガモ、マガモ、ホオジロガモetc. 水面の半分はシャーベット状態である。明朝の斜里岳からの朝日狙い、ここからは方角的に無理だが、さて...  斜里岳をバックに飛ぶオオハクチョウを狙うが斜里は色付かず今夕は早めに終了。
 はなとことりの宿に16時チェックイン。客は小生ひとり。夕食は6時半、風呂は8時半から。宿の雰囲気は、暗っ。部屋の灯りはさらに暗くて、酒でも呑まなきゃ滅入ってしまいそうだが、部屋には無いことになっているテレビをわざわざ運び込んでくれ、映りは悪いけれど明日の予報が見られたのはありがたい。そして、思いがけずネット接続出来たのが妙な気分であった。
 流氷は近くの高台から目視出来るまでに近付いている、というニュースが流れていた。

今日のお薦め 定番ですが、音更のエゾリス。

2月05日(木)涛沸湖→走古丹→ジンジロ毛の宿(仮名)泊
最低気温:マイナス10℃ 曇り
 今朝は5時55分宿をチェックアウト。10分で昨日の白鳥公園に到着。晴れのち曇りという予報に、朝焼けの淡い期待をいだいていたのだが叶わず。原生花園にいるふた番のタンチョウのうち一組が斜里岳をバックに飛ぶのを待って撮影を切り上げる。
 根室海峡に流氷が入っていれば今夕は羅臼入りの予定だったのだが、まだ暫く知床岬を南下しそうになくて今日の行き先は未定となってしまった。9時に春国岱のネイチャーセンターへ電話を入れ冬鳥情報を問い合わせるが、今年は大不作で最近の情報がまったくないという。今夕はどうやら野付の夕日でも撮るしかなさそうである。となると今日の宿はこの近辺が良いわけで、新たに野付周辺を探すのも面倒だから、もう二度と泊まることはないと思っていた、あの、ジンジロ毛の宿(仮名です)に決定。当然、すでに嫌な予感。
 それにしてもは小清水から養老牛までの道程。清里峠のなんと凄いことか。初めて走る道は延々20〜30キロも続く完全アイスバーンな上り下りに急カーブの連続。冬の道東初心者マークな小生は、前後を大型トラックに挟まれブラックバーンなカーブを時速80〜90キロで爆走する羽目に。あな恐ろしや恐ろしや。。必死の思いで裏摩周の分岐を過ぎてトンネルを抜け、やれやれ無事に越えたと思って安堵した途端に胃がキリキリ疼き、軋み始めた。
 たいていは朝食抜き、昼もたいして食べないのに、夜だけはてんこ盛りに出てくる尋常じゃない量のおかず群。残すなんてのは性に合わないから必死で食べつくし、締めは毎夜のひとり酒盛りとくるわけだから、どう考えたって胃にいいわけがない。よって今夜は素泊まり、ジンジロ毛の宿。胃薬胃薬 and いのちの薬なのである。
 野付の夕陽にはまだ時間もあり、行く当てなく走り南下。走古丹でカワラヒワ500羽前後の大群には出会ったが、駆除が効き過ぎたのかエゾシカの姿はない。途中立ち寄った白鳥台もオオハクチョウの数は少なく、もと民宿白鳥屋には「餌品切れ」の張り紙があり観光客の車も無く閑散としている。日も西に傾き一路野付の夕陽へと向かうのだが、年に一日しか訪れぬのに「バッチリ待ってました今日の夕陽」、なぁんて所詮ありえない話。それでもオオワシだけはやたら多く、道路の両側にはワシの成る電柱がいっぱい。そういえば目に付くキタキツネもいつになく多い。
 西の空に見切りをつけてジンジロ毛の宿へ到着。部屋に荷を置こうとしたら、案の定そこここに散乱する怪しい毛。ウゥ〜〜〜ンザリ!腹立たしくも呆れながらティッシュで拾い始めれば次から次に20本超! 掃除機借りりゃよかった... いやそんな問題じゃありませぬ! 客入れる部屋くらい掃除しろぃっ!!
 ともかく、室内最小限の行動範囲だけは見た目の清潔確保して、憐れキリキリ痛みの増した胃に今夜は薬服用です。って、呑むものはやっぱ呑むんですけどねぇ... なんのこっちゃら。

今日のお薦め スリル満喫清里峠!

2月06日(金)白鳥台→納沙布岬→レイク・サンセット泊

最低気温:マイナス4℃ 曇りのち晴れ
 6時、朝日狙いの白鳥台へ到着。東の空は雲に覆われていて朝日は望むべくもなし。走古丹でキタキツネを少し撮影し、風蓮湖のコマイ漁を覗いてみるが閑散としている。氷の状態が悪く薄いので漁が出来ないのだ。途中何カ所かの撮影ポイントを覗くが収穫無く、春国岱ネイチャーセンターに立ち寄り改めて鳥情報を訊ねるが、今年の冬鳥情報はやはり皆無。それどころか、昨年はベニヒワの当たり年だったのにと、聞きたくなかった悔しい話まで頂戴してしまった。
 納沙布岬へ、センターから少し急ぎ40分ほどで到着。ビュービューゴォーゴォーなんとまあ風の強いことか。それでも波間にはアザラシが愛嬌ある顔を出し、シノリガモ雌雄は波に揉まれてなんとも美しい!コオリガモ、ウミアイサ、クロガモ、ホオジロガモ、etc. こんな荒波にも負けることなく平然と泳ぐ鳥たちは美しく逞しい。
 今夜の宿は国道沿いのコテージ。併設のレストランでいただいた噂のエスカロップも思いのほか美味。3時20分にチェックインはしたものの外は快晴。もしかしたらの期待持たせる西の空に慌てて宿を飛び出し、下見していた納沙布近くのチェックポイントにスッ飛んで行く。今日こそは!の期待虚しく、いつものパターンに早々と白旗。今日も草臥れ儲けである。
 深夜めっきり交通量が少なくなるとはいえ幹線沿いだから、大型トラックの通過音はそれなりに大きいし禁止されてるはずのスパイクタイヤの音なんてかなり五月蠅い。部屋のトイレはウォシュレットだしキッチンもあり湯沸し用のヤカンも備えられているのだが、湯を沸かそうとヤカンの蓋を開ければ中はカビだらけ。酔っ払って迂闊に湯割を飲もうものなら翌朝お腹はピーヒャララの危険性。油断禁物。
 今夜のお供は地元根室の蔵元で仕入れた吟醸北の勝。楽しみにしていたのに、価格に見合う味は... もうひとつでした。
 オオハクチョウの北帰行が早くも始まったというテレビニュース。聞き飽きたし言い飽きたけれど、やはり温暖化が影響してるのに違いない。

今日のお薦め-その1 海鳥豊富な納沙布岬
今日のお薦め-その2 意外と美味いエスカロップ

2月07日(土)納沙布岬→霧多布岬→樺のん泊
最低気温:マイナス5℃ 晴れ
 前夜9時半就寝だったせいか今朝は4時半に目が覚めてそのまま起床。こう見えても、翌朝酒気帯び運転なんて情けないので深酒いたさぬ良い(「酔い」ではありませぬ!)オジサンなのです。当然ですが。
 根室半島の北側を走り、宿から30分足らずで納沙布岬に到着したが、またしても朝日はアウト。岬の先端でカモたちを撮影して時間をつぶす。シノリガモ、ウミスズメ類、ウミアイサ、ヒメウ、等々けっこう賑やかそうなのだが、帰って野鳥図鑑と見比べなければ判断付かぬ種が多いのは情けない。夜明け前にやって来た岡山ナンバーの若いカップルに声をかけると、岡山市南輝の生まれで釧路の大学生。北方領土に思いを馳せ、日の出を見にやって来たのだろうか。
 のんびり走って霧多布に昼前到着。一番に訪れた民宿エトピリカ村主人イチオシのいつもの場所で、ついに待望のベニヒワ100羽以上の群れと遭遇!逆光気味だが胸の赤色がなんとも誇らしい。ハギマシコ7〜8羽も混群となって行動している。ワクワクドキドキ感激のままに霧多布岬に向かう。岬は風も無く波は穏やかそのもの。風吹き荒れる納沙布岬とはまったく異なる海が眼前に広がっている。雪は少なく運転はとても楽なのだが、琵琶瀬の海岸に期待したコクガンはいなかった。丘の上の見晴らし良い展望台からは、残念なことに朝日夕日はまったく狙えそうにない。チェックインにはまだ時間もあり、ベニヒワにまた会えるかと、遭遇した場所に再び向かう。
 到着してすぐに、えっ、シロハラ?いやツグミか?いや違うぞ!... じゃナニ?? すぐに飛び立ち消えてしまった、いままで見たことのない鳥。後で判ったのは、今年ここで見たのは小生だけという珍鳥だったのです。あぁ、もっと撮っときゃよかった... 後の祭り。悔し。。。
 今日は夕陽絡みを狙える場所もなさそうで、色づき始めた西の空をただ恨めしく眺めながら4時前に撮影を切り上げ宿へ向かう。いい色になり始めたけれど何も絡みそうにないな、とぼやきながらの運転中、ふと西の丘のふもとを見ればなにやら茶色い塊が何個もゴロゴロ。今年は雪が少ないから下の枯れ草でも出ているんだろうかと思いながら通り過ぎる。でも待てよと、近視で遠視で乱視のまなこを擦って双眼鏡を覗いてみれば、なんと!なんと!エゾシカの群れ!!しかも2頭は立派な角を持つ雄ジカ。飛び上がらんばかりに喜び勇んでUターン。真っ赤に焼けた夕陽に照らされ角は輝き、凛としてこちらを睨みつけているではないか。思いがけずの幸運。丘に陽が沈むのも忘れてシャッターを切り続けたのです。粘り勝ちじゃ!ひとり車の中で歓喜の雄叫びを上げていました。

今日のお薦め 霧多布湿原の夕陽とエゾシカ、そして詳しくは書けませんが例の場所。

2月08日(日)霧多布→屈斜路→ガストホフぱぴりお泊

最低気温:不明 雪
 5時20分起床。外は大雪。稀に車は走っているようだが、昨日の場所には大型車でもすっぽり飲み込めるくらいのくぼみがあってベニヒワを撮るには注意が必要だし、そもそもこの雪の中を無事辿り着けるのか。とりあえず雪に埋もれかかった車を動ける状態にして6時前出発。粉雪には違いないのだがベタッとしていてすぐ融けてしまう最悪の雪質である。予報では昼頃まで降り続くそうで本日の行程がどうなることやら皆目見当がつかない。なにしろ昨日まで路面にまったく無かった雪が今朝はいきなり20センチ超はあるのだから、何処から何処までが路面なのか判断出来ないし、センターラインなんてのは何の役にも立たない。ここは安全第一。早朝の撮影は諦めて丘を降りたあたりでUターンし宿へ。諦めるのも大切なことだ。今回の旅で初めていただく宿での朝食を摂って、また出直しである。朝食はトースト、ウィンナー他のサラダ付け合せも美味しく、カルボナーラとミルクと珈琲付きである。書き忘れたが、昨夜の牡蠣の塩焼きは絶品でした。
 まだ雪は降り続いていて、路面は雪の白しか見えないのだがタイヤの轍が僅かに確認出来そうなので行動開始。8時15分再び出発である。到着後、すぐに昨日のベニヒワの群れを見つけ、窓を布や衣類で覆い隠して車内ブラインドテントの設営をする。すぐにベニヒワの群れが移動し近付いて来る。風と雪の中を何度も何度も、移動しながら飛び回り近づいてくる。そしてなんと大胆な!レンズ先端にとまろうとする個体やら、羽をプルプル横のガラスに当てる個体までいて、嬉しいやら悔しいやらピントの合わぬ近距離に何度も何度もやってくる。ハギマシコだって負けじとタイヤの傍で採餌しだす有様。あぁ、近すぎてピントが合やしませぬ!♪
 そんな素敵な群れが去り、一息入れてレンズを見るとガラスの半分は雪解けの水滴でびっしょり。出会いで高鳴る鼓動治まらぬままに、車中で鼻の下伸ばしニヤケ面のまんまメンテナンス作業開始である。いやぁそれにしてもの雪中超接近遭遇。夢の中にいるような至福の時でありました。
 さて一路屈斜路へ。ナカチャンベツでタンチョウを観察したり、標茶の踏み切りでSL操車入れ替えの10分間足止めにあいながらも、霧多布から2時間弱で屈斜路湖畔に到着。今年もまだ屈斜路に氷は無くて、日曜日なのに観光客は少ない。太陽はおぼろげに顔を出してはいるのだが夕焼けになるのかどうか、それによって夕方までの行動が大きく変わるのである。チェックイン後、車で出るならアルコール摂取は出来ないのであるからして... まとりあえず、何は無くとも露天風呂に直行し、旅の疲れを落とせば極楽極楽〜♪ 結局、シラフでもあるからと勇んで夕景撮影には出掛けたけれど、しっかと雲に覆われていてアウト。本日終了。
 夕食前、やっと野鳥図鑑にありつき、霧多布で名称不明だったツグミを探せば、な、なんと!ノハラツグミなるものであることが判明!! まるでクレヨンしんちゃん野原慎之介の新しい妹のような名前ではあるけれど、まさかまさかの大珍鳥であったとは。。 あぁ、もっと撮っときゃよかったなぁ... と、毎度のことながら。
 そんなため息が鼻チョウチンに変わったのは、たぶん午後10時あたり... 

今日のお薦め 雪のベニヒワ&ハギマシコ

2月09日(月)屈斜路湖畔→鶴居→TAITO泊
最低気温:マイナス8℃ 晴れ
 5時20分起床。5時55分、腰痛を押して砂湯のオオハクチョウに向け出発。小雪が舞っており、もちろん湖面に氷は無く波立っている。当然朝の色付きなんて望むべくもなく、諦め退散。日の出時刻を待って宿餌台の小鳥撮影に切り替える。朝早くには小鳥たちも餌が少ないのを知っているのか数羽のカラ類しかやって来ない。エゾリス2匹は早くから顔を出すが、餌のもらえる7時半頃になると4匹が現れて鳥たちも賑わい始める。ミヤマカケス、シジュウカラ、ゴジュウカラ、コガラ、ヒガラ。今年のアカゲラはたまにしか出てこない。全体に個体数が少なく、ヒヨドリは1羽しか見なかった。11時に切り上げ、シラルトロのエゾフクロウを確認してコッタロへ向かう。途中、50羽ほどのヒワらしき群れが上を飛ぶが、逆光気味で距離もあり識別不能。なかに赤い色があったような気もするのだが... ノスリ2羽確認。音羽橋近くでオオマシコ雄と出会うも撮影出来ず。そのまま宮島岬方向に進み、途中樹上近距離のオオワシに出会ったがカメラを向けると同時に飛んでしまった。近場をあちこち走り廻るが特に何も遭遇せず、14時30分にホテルTAITOチェックインの後、15時30分、菊池牧場へ向けて出発。タンチョウは低空を飛ぶのだが快晴で太陽が強すぎ、敢えなく終了。
 満月近くでもあり、撮影待機場所を路上に変えるがタンチョウの飛行は案外低くて、撮影するならもっと早く、月が山の稜線から出たばかりを狙うべきであった。じつは今夜が満月ではなく正確には明日が満月なのだが、月の出は一日で一時間近くも遅くなるから明日は写真の撮れる時間帯ではなくなる。満月とタンチョウの飛行の絡みを狙うには、一日早いが今夕の月を狙うしかなかったのである。17時にて本日終了。 TAITOのレストラン周辺は無線ランが自由に使える。
2月10日(火)鶴居→阿寒→鶴居近辺→TAITO泊
最低気温:マイナス8℃ 晴れのち曇り
 5時前に起床。道東入り二日目辺りからやたら早くに目が覚めている。携帯の目覚ましをセットして床に就くのだが、それよりかなり早い時間に目覚めてしまう。まるで毎日が遠足の朝の子供のような目覚め... そんな可愛くはなかろーこのヒゲ親父!などというツッコミは無しである。
 地平線近くに雲はあるけれど、今朝はほぼ快晴。TAITOの寒暖計はマイナス8℃だが音羽橋ではマイナス13℃になる。車で少しの距離なのに5度の温度差。こんなにも違うのだ。
 今朝も色付きは期待できなくて、コッタロ探鳥とオオマシコ探しと決め込んだ一日。音羽橋の手前でハギマシコ70〜80羽、コッタロ湿原でマヒワ10羽ほどの小群と出会ったが撮影は出来ず。エゾシカもいるのだが絵になるような遭遇はない。昨日と同じ場所でオオマシコとカラ数種を確認し、阿寒の丹頂観察センターへ一路。峠は例年とあまり変わらぬ凍結状態で、山陰はたいていアイスバーンなのだがこんな路面状態でも音羽橋から阿寒観察センターまで20分ほどで行ける距離である。
 今年の狙いのひとつは、久しぶりに阿寒丹頂観察センターでのタンチョウのダンスを撮ることだったのだが、思い描く絵はそう易々と撮れやしない。2時の餌やりが少し遅れたが、その後はオジロワシの独壇場となって、飛び回る勇姿に周りの観客やカメラマンからやんやの歓声があがる。残念ながらオオワシはいなかった。
 早めに切り上げて鶴居へ引き返す。菊池牧場でベニマシコ♂2羽発見。かなり遠いが数カット撮影。菊池牧場の夕日も撃沈!
 TAITOは6時からの夕食なので早寝早起きノンベには有難い宿。夕食後、ミニノートを持って上がったレストラン2階で酒盛り。こんな夜はまた楽しい。
 今年持ち込んだ機材も衣類も多過ぎた。次はもっとコンパクトにと思いはするのだが毎年同じ反省の繰り返し。学習能力に著しく欠けている。
 明日はオオマシコ。そしてタンチョウをもう少し撮りたいのだが。
2月11日(水)鶴居→コッタロ→鶴居近辺→TAITO泊
最低気温:マイナス14℃ 曇り
 誕生日プレゼントはオオマシコ!
 今朝は6時に出発。少し気温は下がったけれど樹氷にならず、東の空は微かに色付いたものの何も起こらず何も出て来ない。コッタロでウソ♂♀各1羽、音羽橋手前でハギマシコ30羽位。菊池牧場のベニマシコは5羽いて意外に警戒心が強く、しばらく待っても近付いてはこなかった。明日は少し雪が降りそうだから、なんとか最後にいい出会いをしたいと願うのだが...  8時50分には伊藤サンクチュアリーの撮影向きの場所はすでにカメラマンたちで一杯であった。
 コッタロ詣では朝だけにして、近場を何度も走り回ったのだが特に収穫は無く、流石に草臥れる。朝食を摂ってない日は何らかの栄養補給をしないと疲れが倍加してしまうのは、わかっているのだが。この旅の撮影データはまだ50ギガに満たないのだが、ミニノートの120ギガと外付け250ギガディスクはとても心強い。
 久しぶりに髭も剃って、2時半から小雪交じりを再出撃。やはり男前が上がれば幸運も訪れるのだろうか、菊池牧場の手前でオオマシコ雄と待望の接近遭遇!赤い色に興奮しながらの激写です!何度も何度も何度も阿呆みたいにグルグルグルグル鶴居の街中を回り続けた甲斐があったというものです。それにしても小雪舞う素敵な素敵な雪原バウンスライティング。この柔らかな光に浮かび上がる雪原の赤は、この世のものとは思えぬほど飛び切りに美しい!美男子の赤を堪能!!
 夕日は今日も望めそうになく3時半撤収。そしてこの旅で初めて(初めて!)、早めの酒盛りとなりました。
 明日はこの旅で一番の高気温予報です。最後の日の最低気温ってジンクス、今年はどうやらなさそうである。

今日のお薦め オオマシコの赤い色!

2月12日(木)鶴居→シラルトロ→釧路→名古屋→岡山
最低気温:マイナス2℃ そして日中は+3度 雪のち曇り
 最後の日の朝が最も冷え込むなんてジンクスを吹き飛ばす、夜明け前の気温マイナス2℃!汗さえ滲んできそうです。5時45分出発し、シラルトロに6時25分到着。小雪舞う中でエゾフクロウを撮影。30分ほどで切り上げ、またぞろ音羽橋からサンクチュアリ辺りを鳥探ししたけれど今朝の収穫は無し。
 この旅で3回目となる朝食を宿で摂り、9時過ぎからびっしょり汗まみれの荷造り開始。10時ジャストにチェックアウト。それにしてもこれだけ暑いとズボン下なんて履きたくないし長袖シャツだって着る気になれません。とても2月の北海道とは思えない軽装で釧路空港に向かいました。

 2年ぶりの充実した道東の旅を終えました。年追うごとに増す暖冬異変には、背筋が冷えて身震いすることも多い今年の旅でした。

 

行き当たりバッタリこそが僕の旅。
からっきしのハズレも多いが、僕の旅(人生)はこれでいい。

 

© NOBUYOSHI NAKAGIRI
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自然と野鳥たちの四季 のようにのように〜