岩の原葡萄園 Iwanohara vineyard 上越市
妙高連山のすそ野がなだらかに日本海に接する越後・頸城平野にある葡萄園。1890年(明治23)、後に「日本のワインの父」と呼ばれる川上善兵衛が、貧しい農民を救済するために自宅の庭園で鍬を入れたのが始まりといわれている。 礫岩質の土壌を当時の技術で開墾するのは苦労の連続だったが、欧米から苗木を取り寄せ品種改良に情熱を注ぎ、1922年(大正11)から1万回以上の品種交雑を重ね、現在の日本ワインを支える優良22品種を生み出している。 1927年(昭和2)、日本の風土に合った新品種マスカット・ベーリーAを作り出した。現在、日本のワイン用ブドウの15.2%を占め、赤ワイン用としては最も多く栽培されている品種だ。そのほかにも20種類の良質なブドウが作り出された。2013年(平成25)にOIV(国際ブドウ・ワイン機構)に登録された「マスカット・ベーリーA」は岩の原ワインの代表品種。 現在6haの自社畑は、マスカット・ベーリーAが3.5haで全体の約6割を占め、その6割が有機栽培だ。ほかにブラック・クイーン、ローズ・シオター、レッド・ミルレンニュームなどが栽培されている。 以来創業1世紀以上に亘り、善兵衛が葡萄とワインにかけた情熱を引き継いでいる。地域のために尽くした善兵衛の魂を受け継ぐ岩の原葡萄園のワインには、歴史の重みと品格が感じられる。 1895年(明治28)製造で日本最古のワイン蔵「第一号石蔵」は見学可能で、ガーデンレストランでの食事、試飲が楽しめるワインショップなどおいしい体験もできる。マスカット・ベーリーA。そのまま食べても美味い。 ☯2017年、国産ブドウを100%使ったワインの日本一を決める「日本ワインコンクール2017」で、「岩の原ワイン マスカット・ベーリーA 2015」が「国内改良等品種・赤」部門で金賞・部門最高賞を受賞した。 ☯2018年7月、女性が選ぶ「フェミナリーズ世界ワインコンクール世界中から出品されるワインを、ワイン業界の女性プロフェッショナルがテイスティング審査する非常に稀有なコンクールです。」で、「レッド・ミルレンニューム2016辛口」が最高賞の金賞を獲得した。 ☯2019年6月28日、岩の原葡萄園の代表的銘柄「深雪花・赤」が大阪市で開かれた20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)で提供された。
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