エルク Elk(Wapiti)
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この動物こそ2年前最初にバンフで初めて出会った動物であり、そして今回のジャスパーの旅でも何度となく出会った動物です。わかりやすく言えばそれほどエルクはそこいらじゅうにいる。それも人目に付きやすいところにいる動物なのです。
何しろバンフやジャスパーの街の中を朝夕うろつき回っては渋滞(と言ってもせいぜい車2〜3台だが)を引き起こしているのが彼らなのです。これほど街の中をうろうろしていれば下手な観光客は街で飼われているんだと勘違いしてついついすり寄って首のあたりをなでたくなっても不思議ではないでしょう。ところがバンフやジャスパーのパークスはこのエルクの危険性を必死でうったえているのです。逆に言えばこれほど人間の近くにいるからこそトラブルもつきません。子連れのエルクは殺気立っています。下手にエルクの子どもに近づいたばかりに母親のエルクに足蹴にされた上に踏みつけられてしまったかわいそうな観光客もいます。しかもエルクは実際巨大なのです。体重も200キロくらいありそうなのがごろごろしているから怒らせないことに越したことはないでしょう。
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そして雄のエルクはさらに何とも立派な角を持っている。この角は言ってみれば帝王の証。彼らは秋には何十頭という雌をしたがえてハーレムをつくりまさに夢のような、失礼(^^;人間社会とはほど遠い生活を営むのだ。もちろんハーレムを作れる雄のエルクはごく一部なわけで一般庶民のエルクとはほど遠い生活なのだ。だから結局一夫多妻というのは何となくうらやましく聞こえるのだが考えてみれば一夫多妻こそ一部のものが女性を独占する憎むべき制度なのであって・・・(^^;;;
でつまり繁殖期が終わるとエルクの角も落ちてしまうのです。
ただこのエルクもビッグホーンシープと同じく2種類の生態があるのです。人間が近くにいても逃げないエルクと逃げるエルクです。だいたい街の中にいるエルクというのはまず走りません。特に大人のエルクは走らないのです。道路を横断するときの雄のエルクなんかは実に悠然としてます。向こうからやってくる車に一瞥を与えると堂々と巨体を移動させます。ところが森の中にいる本当の野生のエルクは人間を見ただけで走るのです。それこそカモシカのように。