平成16年度夏休み自由研究「ナメクジに立ち入り禁止を知らせる研究」 <目次>表紙 1.これまでの研究経過 2.今回の研究の動機 3.今回の研究テーマ 4.研究にあたって調べたこと 5.研究内容 (1)予備実験 (2)本実験 6.研究の結果と考察 7.今後の課題と感想 8.最後に 9.参考文献ほか ★貝らワールドのトップページへ★ |
予備実験
(実験の目的)
ナメクジの忌避剤に使われている物質の中から、唐辛子、木酢液、椿油、ナメ逃げでその効果を試してみる。
(実験の道具と材料)
ビニールの風呂敷、新聞紙、干した唐辛子(切った物とそのまま)、木酢液、椿油、ナメ逃げ、液体用小皿、綿、ビール、ナメクジ
(実験の方法)
ビニールの風呂敷に新聞紙をしいて水でぬらし、その真ん中にナメクジを置き、忌避剤をその上に置いた。忌避剤から10p以上離れたものを逃げたものとして数えていった。
新聞紙は毎回取り替えて実験した。
(結果とまとめ)
予備実験・7月18日・日曜日実施
(1)ナメ逃げ
ナメクジ13匹を使用
1.開始直前
2.入れたらすぐに動きだし逃げ始めた。
3.3分後、2匹が10pぐらい逃げて新聞の外に出た。
4.5分後、4匹逃げた。
5.10分後、1匹逃げた。
6.15分後、2匹逃げた。
7.20分後、2匹逃げ、あとの2匹が動かなかった。
結果:逃げたナメクジ11匹
(2)乾燥唐辛子そのまま・・・13匹使用
1.2分後、3匹逃げた。
2.5分後、2匹逃げたあとは変化なし。
3.そのあとも変化なし。
気絶してしまったように動かなかった。
結果:逃げたナメクジ5匹
(3)切った唐辛子(種をなめたらとんでもない辛さでちょっと心配)・・・13匹
1.5分後、1匹逃げた。
2.10分後、3匹逃げた。
3.15分後1匹逃げ、そのあとは変化なし。
結果:逃げたナメクジ5匹
切った唐辛子の実験を終えた段階で、1匹は触覚以外動かさなかったのでリタイアさせて草むらにかえし、12匹で実験を続けた。木酢液と椿油は液体のものなので、おぼれないように小皿の真ん中に綿をおいて使用した。
(4)椿油・・・12匹
1.開始直後
2.3分後、7匹逃げた。
3.そのあとは変化なし。
結果:逃げたナメクジ7匹
(5)木酢液・・・12匹
1.開始直後
2.2分後、4匹逃げた。
3.6分後、1匹逃げた。
そのあと動かなかった。
結果:逃げたナメクジ5匹
(6)ナメ逃げ2回目
よく動く元気なナメクジ7匹だけ使用した。
1.開始直後。
2.すぐに逃げた。
3.1分後、5匹逃げた。
4.その後変化なし。
結果:逃げたナメクジ5匹
実験の後、ナメクジに協力してくれたお礼のビールをあげてからナメクジを元々いた鉢の裏にかえした。
予備実験の結果を表にまとめた。
予備実験の結果からわかったこと
確かに市販のナメ逃げの効果は抜群だった。ぼくの身の回りで買える物の中では椿油が一番効果があった。花から抽出した物の中にナメクジを寄せない物質があるのだろうか。
インターネットでさらに調べていったら、アレロパシーという言葉を知った。これは、ミツバチが甘い蜜の匂いにひかれ、花から花へと飛び交うように、異種の生物間でお互いに影響を及ぼし合う事をアレロパシー(
他感作用・特定の生物個体の生産した物質が周囲の同種または異種の生物個体に及ぼす通常好ましくない作用のこと)
と呼んで、花とミツバチのように互いに引き合う関係もあれば、虫が嫌う匂いを漂わせ、虫を寄せ付けない関係(忌避作用)もあるということだった。忌避作用とは虫を寄せ付けないだけで殺すわけではないので、生態系のバランスを崩す事はなく、昔の人々は無意識のうちに、このアレロパシーを利用して生活をしてきたと言うことだった。
これを読んで、椿油だけではなく他の花にもそういう忌避効果があるのではないかと思って、忌避剤にも使われているハーブの辞典を調べたら、庭にあるコリアンダーやラベンダーがナメクジにも防虫効果があると書いてあった。そこで、この2つも実験材料に加えた。さらに、科学雑誌ネイチャー誌に発表されたカフェインによるナメクジやカタツムリの防除という研究も読んだので、インスタントコーヒーも実験材料に加えた。
実験材料の追加に加えて、小4の実験からナメクジは夜の方がよく動くとわかっていたので深夜にできるだけ暗くして本実験をすることにした。本実験では、小3・小4の実験結果から得ているナメクジがビールをとても好むという性質も利用して実験を進めることにした。
実験の方法も、もっとはっきりした形で忌避する様子が写真でとれて逃げたナメクジの数も数えられるように考え直すことにした。