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  • 更新日 2013年7月24日
  • 青梅市「広報」より
    《第二十九回》ふるさとの文化財

    都名勝めいしょう 奥御岳景園地おくめたけけいえんち
    【東京都指定名勝】
    掲載日 平成15年8月15日

    御岳山の山中に渓谷を刻む御岳沢は、秋川の支流養沢川の最上流部にあたります。 御岳沢には名瀑めいばくとして知られる綾広あやひろの滝と七代ななよの滝が懸かり、遊歩道で結ばれる二つの滝の間の渓谷は通称、岩石園と呼ばれます。

    この渓谷部は、昭和10年、東京緑地計画協議会により御岳景園地に指定されました。 景園地は、優れた風景地を公園化することなく、部分的な利用施設を整備しながら保全しようとする地域です。 御岳山が秩父多摩甲斐国立公園に指定される昭和25年より、15年も前のことです。 現在の遊歩道の原型は、昭和12年11月から翌年3月にかけて整備されました。

    二つの滝を含む渓谷部約3.3ヘクタールは、景観的に優れるだけでなく、固い岩盤上を流れる滝の形成過程を知るうえで学術的価値も高いとされ、平成12年3月6日に東京都の名勝・奥御岳景園地として指定されました。

    上流の綾広の滝は落差10m、武蔵御嶽神社の御師おしみそぎの滝として知られます。 下流の七代の滝は、八段で落差50m。 渓谷を流れる沢の水量は多くありませんが、ヤマメやカジカなどの魚類、ヒダサンショウウオ(両生類)、カワネズミ(ほ乳類)、ミソサザイ(鳥類)、多くの水生昆虫など渓流を中心とする生き物たちが観察できます。

    歩くには運動靴で十分ですが、結氷期には軽アイゼンなどが必要になります。 渓谷への降り口まで、御岳登山鉄道御岳山駅より徒歩約40分です。

    市文化財保護指導員
    櫻岡 幸治
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