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  • 更新日 2013年7月24日
  • 青梅市「広報」より
    《第三十二回》ふるさとの文化財

    花蔵院かぞういん鰐口わにぐち
    【青梅市指定有形文化財】
    掲載日 平成15年11月15日

    鰐口わにぐち」は神社仏閣の神殿や仏殿の軒先に懸けられ、前面に「かねの緒」という布縄を垂らした金属製の音響具です。 参詣人は、この緒の下の部分を手にし、振って鼓面を打ち鳴らして誓額成就を祈念します。

    花蔵院(友田町四丁目)の鰐口は銅製で鋳型に流し込んで作った表裏の2面を組み合わせてあり、その間には下部から上部に向かって音響を増幅させるため、空間の部分が1.5㎝の幅でつけられています。 また、表裏面とも同心円状に3本の隆線(盛り上がった線)があり、表面のいちばん外側の隆線内には上部から下部へ向けて左右に円状で縦書きの刻銘があります。 右側は「敬白武州杣保長淵郷共田金御嵩御宝前鰐大旦那平憲清」とありますが「憲」の字に特殊な文字を充てています。 左側には、「天長地久御願円満息災延命故也寛正四年十二月、日施主吉次」とあって内側の部分の中央下部には右側に「大工」、左側には「拾能」と刻まれています。 (寛正四年は室町時代中期一四六三年)

    この鰐口は昭和39年11月3日に青梅市の有形文化財に指定されました。 市内には、成木六丁目の慈限院の鰐口が市有形文化財に、武蔵御嶽神社にある都内最古の鰐口(一三三八年建武五年南北朝時代初期)が都有形文化財に指定されています。

    花蔵院へは、多摩バスで小作駅から青梅駅行「友田南」下車、徒歩1分です。

    市文化財保護指導員
    鈴木 晴也
     参考資料
    『青梅文化財・史跡・天然記念物』より
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