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  • 更新日 2013年7月24日
  • 青梅市「広報」より
    《第百四十七回》ふるさとの文化財

    懸仏かけぼとけ
    【市指定有形文化財】
    掲載日 平成25年7月1日

    懸仏かけぼとけは、鏡面に神像や仏像や梵字を彫刻したもので、社寺の内陣に懸けて拝まれてきました。

    本来神像をもたない日本の神は、鏡などを御神体として祀られてきました。仏教が伝来すると、神は仮の姿であって本質は仏であるという本地垂迹説ほんじすいじゃくせつという神仏習合思想しんぶつしゅうごうしそうが現れ、懸仏はこの神仏習合による信仰から生まれました。

    形は円形で、素材は木製・鋳鉄製もありますが銅板製が多く、大きさは直径15cm前後から1mほどです。線彫りから半肉彫りとなり、鎌倉時代後半には丸彫りが現れ、次第に大型化していきました。製作は平安後期から始まり江戸時代まで続きましたが、鎌倉から室町時代にかけて最も盛んでした。

    ここで紹介するのは小曾木5丁目にある御嶽神社の懸仏で、千手観音菩薩像せんじゅかんのんぼさつぞう蔵王権現像ざおうごんげんぞうの二面があり、共に市指定有形文化財です。両面とも直径約15.5cm、厚さ約1cmの金属製の円形で、中央部に像が半肉彫され、像と左右の華瓶けびょう、円周部には、金色が残っています。千手観音菩薩は座像で高さ約7cm、蔵王権現像は右手と右脚を上げた片足立ちで高さ約9cmです。製作は鎌倉から室町時代ころと推定されています。

    両懸仏は御嶽神社の御神体として厨子の中に懸けられ、神職・氏子でさえ見ることもはばかられる尊いものとして、代々大切に祀られてきました。

    御嶽神社へは、バス停「東京炭鉱前」下車、徒歩5分ですが、懸仏は非公開となっています。

    市文化財保護指導員
    三好 ゆき江
    蔵王権現像

    蔵王権現像

    千手観音菩薩像

    千手観音菩薩像

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