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  • 更新日 2015年3月30日
  • 青梅市「広報」より
    《第百六十八回》ふるさとの文化財

    北条氏照印判状 ほうじょううじてるいんばんじょう
    【青梅市指定有形文化財】
    掲載日 平成27年3月15日

    戦国時代、北条早雲そううんを始祖とし、小田原を本拠地とする北条氏は、青梅とその周辺地域を室町時代から支配してきた豪族三田氏を永禄6(1563)年(永禄4年説もあり)に滅ぼします。その後天正18(1590)年まで、北条氏の支配下となった青梅市内には、北条氏関係から発給された古文書こもんじょが20点近く残されています。

    この「北条氏照印判状」もその内の1点で、縦31.6㎝、横22.5㎝の大きさです。「書出/右、為漆買銭代物壱貫四百文被下之間/漆七ツ相調、十二月十日を限而可納之由/被仰出者也、仍如件/亥十一月十二日/駒木野両分百姓中/《印》(如意成就)」と書かれています。

    北条氏照が使用していた「如意成就」の朱印が押され、発給された年号は「如意成就」印の使用期間(永禄2年~永禄12年)内の亥年にあたる永禄6年と推定されます。永禄6年に北条氏照が駒木野(現駒木町)の農民へ銭一貫四百文を渡すので、漆七ツを調達し、12月10日までに納めるように仰せであるという内容です。

    漆は古くから武具・甲冑かっちゅう等の製作、寺院の造営や修築に欠かせない原材料です。江戸時代の中頃まで奥多摩・青梅地方の村によっては、年貢の70%を漆の現物で納めています。この古文書から、永禄6年以前、中世から多摩川上流域の村は漆が特産物であったことがうかがい知れます。

    「北条氏照印判状」は、市内で「漆」に関して一番古く、また三田氏滅亡直後の北条氏の支配状態を知ることができる貴重な古文書として平成18年青梅市指定有形文化財となりました。(個人蔵のため非公開)

    問い合わせ 郷土博物館☎23・6859

    市文化財保護指導員
    小島みどり
    北条氏照印判状
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