KUMA'S iMPRESSIONS
FUJIFILM FinePix4700Z

本体外観写真

更新情報

はじめに
 春のデジカメ新製品ラッシュで、各社とも新たに300万画素機を投入しましたが、フジは「ハニカム432万画素」という怪しげな画素数表記とともにFinePix4700Zを発表しました。発表前の噂の段階では「今度の新方式のCCDの写りはすごいらしい」と盛り上がり、いざ発表されて試作機の実写画像が公開されると「ノイズが多い」「細かい描写ができてない」「実際の素子の数は240万画素しかないらしい」「画素数の水増し表記だ」などと、こと画質に関してはネット上ではネガティブな意見が大半を占め、国内外からの予想外のバッシングに当初「非公開」としていた実画素数を公開する騒ぎとなりました。かくいう私も発売を前にして一気に購入意欲がしぼんでしまいまったのです。
 そんなネットでの喧噪をよそに、FinePix4700Zは予定より1週間も早くフライング発売され、好調な売れ行きスタートを切ったようです。さっそく手に入れた一般ユーザーによる実写画像もポツポツとネット上に公開されてきました。解像感がもうひとつなのは試作機から全く改善された様子は見られませんが、「意外といいな」というのが第一印象です。見栄えのする深みのある色や豊かな階調は、他の300万画素機にはないものを感じました。特に1280×960モードで撮った画像を見ると解像力不足の欠点も目立たず、同じ1280×960ドットでも130万画素機で撮った同サイズの画像とは比較にならない情報密度を感じました。「超高画質130万画素機として使えばいけるかも…」というぜいたくな案がうかんだのはこのときです。その後、知人のコネで信じられないほどの格安で入手できると聞いた時にはもう我を忘れて二つ返事でOKしてしまっていました。デジカメ選びでさんざん迷っても、決めるときはこんなものです(笑)

パッケージの内容
 付属品は、単3型のニッケル水素充電池2本,専用充電器,テレビ等に接続するためのAVケーブル,ハンドストラップです。パソコンとのUSB接続のためのケーブルや、スマートメディアは別売りとなっています。またカメラの保護ケースも別売りですが、従来の革製ケース以外に様々なバリエーションのケースが発売されているので、好みに応じて選べるようになりました。

バッテリーについて
バッテリー収納部 縦型FinePixシリーズに用いられてきた専用リチウムイオンバッテリーをやめて、一般的な単3型の電池が使用できるようになりました。緊急時にどこでも売ってる単3アルカリ乾電池が使えるのは安心です。ただし、アルカリ乾電池の使用については説明書に以下のような但し書きがあります。
アルカリ乾電池でもファインダー撮影(液晶モニターOFF状態)ならある程度撮影可能です。ただし使用時間が極端に短くなります。また、寒冷地ではご使用になれない場合があります。』
アルカリ乾電池の使用はとても実用的とは言い難いですね。
 さて、付属のニッケル水素充電池ではカタログによると液晶ONで80枚、液晶OFFで230枚撮影可能というスペックになっています。いろいろ機能を試していたせいか、満充電の状態から20数枚撮影したところでバッテリー切れとなりました。標準的な撮影スタイルで実際のところどうなのか、また追ってテストしたいと思います。
 なお、付属しているニッケル水素充電池の専用充電器(AC100V・240V対応)は満充電まで13時間もかかるという代物で、どうせならごく一般的に売られている急速充電器にしてほしかったです。13時間も電池を抜いて充電してたら、半日しか持たないデジカメ内部のカレンダー時計がリセットされてしまいます。あ〜、どうしてこういう基本的な連携に思いがいかないのでしょうか?もう2本だけ電池を買い足して、ローテーションで使うというのが現実的な解決策でしょうか。

 ▼2000..9.12追記 バッテリーの持ちに関して使い込んだ実感として、液晶ファインダーONで2〜3枚撮影毎に頻繁に再生モードで結果を確認というせっかちなスタイルで最低40枚程度は確実に撮れています。ただし、精神安定上よくないので、予備の電池は必ず携帯しています。
 一方で、バッテリーが持たないというユーザーの声もよく耳にします。私自身も購入直後に異様に電池が持たなかったり、電池によって持続時間がばらつくのが気になっていたのですが、それらの疑問について「怒れるユーザー」ことアレックスおじさんが徹底的に検証されています。具体的な実験と数値測定に基づいた詳細な検証は非常に参考になります。ぜひご一読を!

どこがお得なんだか…。
USB I/Fセットカタログ画像

別売りUSBインターフェースセットについて
 撮影した画像をパソコンに転送する手段として、今回新たにUSB接続がサポートされました。スマートメディアの抜き差しも不要で、ケーブルを差すだけで転送できるというのはいちばん手軽な方法だと思います。従来の「激遅」シリアル転送に比べて大幅な速度と使い勝手の向上が期待できます。が、しかしです。USB接続用のケーブルは本体には付属していません。まぁ必要ない人もいると思うので、本体に添付しないという方針は理解できます。でも、専用USBケーブルを単体で販売せず、16MBスマートメディアとソフトウェアのセットにしてのみでの販売というのはどういうことでしょう。この「抱き合わせ」セットの価格はオープンプライスですが、現段階で実売価格は9千円を超えています。16MBのスマートメディアが実売価格で4千円台であることを考えるとかなり割高です。64MBや32MBのスマートメディアが普及してきている昨今に、それでなくてもメモリ大食いの本機のようなデジカメに一世代前のスマートメディアをつけて売るというのはユーザーに在庫処理を押しつけているようで納得できません。こういうユーザーを無視した販売戦略には意地でも乗りたくないので、こんなセットは買う気はありません、いや、みなさん買ってはいけません(笑)。でも転送のテストはしてみたいので、ケーブルを自作しようと試みましたが、カメラ側コネクタが独自仕様のようで、ぴったり合うコネクタを見つけられませんでした(情報募集中!)。
 なお、USB接続ではカメラからの読み込みのみ可能で、パソコンに保存した画像をカメラ側へ書き戻すことはできません。たとえばFDIサービスでプリントに出そうとして、過去に撮ってパソコンに保存してある画像を選んで一枚のスマートメディアにまとめるといったことができないわけです。そもそも自社でやってるFDIサービスを本気で普及させる気があるのでしょうか?これらのことを考えても初めて買う人はUSBインターフェースセットを買わないで、それより安い価格で買えるカードリーダーを選択した方が賢明だと思います。どうせなら、抗議の意味をこめて純正ではなく別メーカーのカードリーダーを買いましょうね(笑)。IDつきスマートメディアやWindows2000に対応したこんなのでも実売7千円台ですしね(私のカードリーダーはWindows2000用ドライバがいっこうに出てきません。悲しい…出ました。嬉しい!)。

 ▼2000..9.12追記財布に優しいUSB接続」と題して、FinPix4900Zユーザーの TsuruZoh さんがすばらしい情報を公開してくださいました。USBケーブルが単品でなんと700円で入手可能とのことです。さっそく私も手配する予定です。ケーブルをつなぐだけではWindowsが認識できないようですが、必要なドライバの準備方法についても詳しく説明されています。ただし、あくまでFinePix4900Zで検証された方法ですので、FinePix4700Zにそっくりそのまま適用できるという保証はありません。ケーブルを入手次第テストしてみたいと思いますが、もしうまくいった方がおられましたら掲示板に書き込みをお願いします。
 
転送時間 転送速度
USBケーブル接続 66秒 482KB/s
USBカードリーダー 49秒 649KB/s
※32MBスマートメディアほぼいっぱいに撮影した全データー(31.1MB)の転送に要した時間を測定

 ▼2000.9.24追記 発注していたUSBケーブルが届きました。近所の家電量販店で注文していたのですが、なぜか料金は1,180円(税抜き)でした。さっそくTsuruZohさんの解説に従ってドライバを用意して試したところ、すんなり認識してくれました(Win2000/98/Meで確認)。これでFinePix4700Zにもそのまま通用することが確認できました。転送速度もカードリーダーよりは遅いですが十分j実用になる速度です。
 ▼2001.4.24追記 サンワサプライよりFinePix4700Zで使えるケーブルが定価2000円で発売されたようです。フジから補修部品として取り寄せるよりも手軽に買えますね。掲示板に情報を寄せてくださったaltoさんありがとうございました。

外観について
 構えにくい、落としそうなどと批判も多い縦型デザインですが、初代FinePix700で慣れ親しんだこのカタチ、私は基本的に好きです。高級感のある合金製の筐体も持つ喜びを十分感じられるものです。初代FinePix700と比べると全高は低く一段とコンパクトになったような気がしますが、厚みは少し増えたような気がします。とにかくこの形、大きさがこのモデルの大きなセールスポイントの一つだと思います。気軽にポケットに入れて持ち歩ける質感の高いズーム機というのがいいんですよね!

フラッシュについて
ポップアップしたストロボ 歴代の縦型タイプの欠点として、フラッシュ部をつい手で覆い隠してしまうという問題がありましたが、FinePix4700Zはフラッシュの位置を変更しポップアップタイプとすることによりこの問題を回避しています。なお、フラッシュのポップアップは自動ではありません。手ぶれ警告表示が出たら撮影者の判断により、本体側面のボタンを押すとフラッシュがポンと飛び出すしくみになっています。フラッシュを収納している限り絶対光らないというのはフラッシュ禁止の場所でついうっかりフラッシュを点灯してしまうようなことがなく、安心して使えます。その反面フラッシュが必要な場面でフラッシュを使わずに撮ってしまうというミスも考えられますが…。

見にくい光学ファインダー
 フラッシュ位置の移動に伴い、光学ファインダーの位置が真ん中付近に移動しました。ファインダーを覗こうとすると、ズーム操作のために十字ボタンにかけた親指が顔とぶつかってしまい、かなり窮屈な思いをさせられます。特に私の利き目は左目なのですが、左目で覗こうとすると十字ボタンにかけた親指と鼻が見事にぶつかってしまいます。利き目が左の人はまともに使えないと言ってもいいでしょう。利き目左っていうのはそんなに珍しいんでしょうか?(まあ私の場合利き腕も左だし、特殊といえば特殊なのかも)。
 またズーム望遠側にくると、ファインダー内の像が少しぼやけてしまいます。私の視力とマッチしていないだけだと思うのですが、オリンパスのデジカメのような視度調節機構はついてないのでこのまま使うしかありません。

秀逸なユーザーインターフェース
操作ボタン配置図 従来から抜群の操作性を誇っていたモードダイヤルと十字ボタンによるインターフェースがさらに洗練された感じがします。頻繁に操作する撮影モードと再生モードの切り替えは独立して前面に設けられたモード切替レバーで行い、連写,動画,マニュアル各種モードなどの切り替えは本体上部のモードダイアルで行うようになってます。これは正解ですね。撮影・再生モード切替レバーは電源ボタンと同じ場所にあって、どちらのモードであるかがよくわかるようになっていて、切り替えも素早く行えます。
 十字ボタン部には丸形のバックライト付きモノクロ液晶が配されていて、撮影可能残り枚数を表示するほか、ボタンの機能のガイダンス表示も行います。これによりいろんな機能を十字ボタンに割り当てても混乱することがありません。画像の記録サイズや画質などの設定もシフトボタンと併用することによりワンタッチで切り替えられます。わざわざメニューの階層をたどらなければこのようなパラメータが変更できないデジカメが多いのですが、これは便利です。

多彩な撮影モード
撮影モードダイヤル 撮影モードダイヤルをあわせるだけで、簡単に目的にあった撮影が可能です。ざっと簡単に撮影モードの内容を示しますね。

オート:標準のモードです。このモードで、ほとんど事足りるでしょう。
マニュアル:各種パラメータをを個別に設定することができるモードです。
ポートレート:肌の色がきれいに見えるようにし、ソフトな感じに仕上げるそうです。
風景:建物や山などの風景をくっきりと仕上げるそうです。
夜景:夜景の撮影に適したモードです。最長3秒のスローシャッターがきれます。
連写:0.2秒間隔で最大3コマまで連写できるモードです。
動画:最長80秒の音声付き動画を記録できます
起動の様子(88KB)

QuickTime Get 4.
QuickTime3.0以上が必要です

速い起動時間
 以前所有していた初代FinePix700は、電源スイッチを入れてから撮影可能になるまでの起動時間が遅いとさんざん批判されてきました。FinePix4700Zでは2秒台での起動を実現しています。自動でレンズバリアを開いてズームレンズを繰り出してこの時間で起動するとは大したものです。起動の様子をムービーにしてみたので、お暇な方は見てください。右の画像をクリックするとムービーが読み込まれます(再生には無料のQuickTime3.0以降が必要です)。このムービーにインポーズしたタイムコードを見ると2秒台半ばの起動時間であることが確認できます。
 なお、起動時には十字ボタン部の液晶に「Hello!」と表示されたり、自分の撮った好きな画像をオープニング画像として登録できたりと、遊び心も忘れていません。起動サウンドはピポパという感じの従来路線ですが、レンズバリアなどの作動音にかき消されてしまってますね。せっかくスピーカーをつけたんだから、お遊びついでにシャッター音なども高級一眼レフ風のリアルなサウンドにしてほしかったです。

撮影
撮影時の液晶画面 シャッターボタン半押しでオートフォーカスが作動し、全押しでシャッターが切れるというごく普通の操作で撮影します。液晶画面をONにしていると、シャッターを半押しにした段階で、シャッタースピードと絞り値が画面下部に表示されます(右図)。2インチ13万画素の低温ポリシリコンTFTの液晶はくっきりとして見やすい印象です。
 次に、撮影時のシャッタータイムラグをC-900ZOOMで行ったのと同じ方法で測定してみました。その結果、シャッター半押し→オートフォーカス動作→シャッター全押し→撮影までの一連の動作の合計を0.6秒台で行えることが確認できました。シャッター半押し状態で待機して、シャッター全押しした瞬間から実際に画像が記録されるまでのズレも0.1秒と非常に良好です。これはライバル機と比較してもかなり高速な部類にはいるのではないでしょうか。
 さらににスマートメディアへの記録時間も含めたトータルでの撮影インターバルを測定してみました。2400×1800ピクセルモードで、最初にシャッターを切ってから次のシャッターを切れるようにまでの間隔は2秒ほどと速く、待たされるといった感じはありません。1280×960ピクセルモードでは2秒以下に短縮されます。

ズームについて
 光学ズームは焦点距離が35mmカメラ換算で36mm〜108mmの3倍ズームです。起動直後は55mm相当という中途半端な位置で停止しています。さらにデジタルズームというのがついていますが、これは1280×960ピクセルモード以下でしか使用できません。このデジタルズームは液晶ONで撮影しているときのみ有効で、ズームを望遠側にしていくと光学ズームの限界を超えた時点で自動的にデジタルズームに移行します。この移行は全くシームレスに行われます。一見スマートに見えますが、デジタルズームを使いたくない人にはどこでズームを止めたらよいのかがわかりません。せっかく液晶画面にズームの状態を示すレベルメーターが出るのですから、ソニーのハンディカムなどに見られるように、光学・デジタルの境界線を表示して欲しいものです。光学ズームの限界で一旦停止しさらに押し続けるとデジタルズームに移行するというインターフェースが理想です。実際のところ私の場合電池の持ちを考慮して液晶OFFで使うことにしているので、自動的にデジタルズームは無効になっており、そんなに影響はないのですが…。
 さて、このデジタルズーム、その正体は単なるトリミング&縮小ということになります。デジタルズームを最大限まで効かしても、2400×1800ピクセルモードで撮った画像の中央部1280×960(または640×480)ピクセルを切り取った画像と全く同じ物なわけです。ビデオカメラのように小さい画像を無理矢理水増し補完して大きく拡大しているのではないので、画質の面では有利です(2400×1800ピクセル自体が水増しやんか〜という突っ込みは無しね)。

レンズの歪みについて
 ズーム最広角側で撮影すると、画面全体が樽型に歪みます。C-900ZOOMも結構歪んでましたが、本機も盛大に歪んでますね。ズーム付きデジカメの宿命なんでしょうか。広角側で、ビルや電柱などがを写すと、画面端のほうではぐんにゃりと曲がってしまってちょっと興ざめですね。ズームを望遠側にするに従って歪みは減少していき、最望遠側ではほとんど歪みはなくなります。書類や看板など四角いものを写すときは、可能であれば被写体から離れて最望遠側で撮ることをお勧めします。

歪曲テスト画像 広角・望遠側で、ほぼA4サイズの被写体が画面いっぱいに写るように距離を調整して撮影。クリックすると大きな画像を表示します.
テスト画像(45.5KB)

マクロモードついて
 撮影距離20cm〜80cmの間でマクロ(近距離)撮影が可能です。20cmまで被写体に近づいた状態で光学ズームを最望遠側にすることで最も拡大した撮影を行えます。付属ストラップの長さがちょうど20cm程度なので、撮影時の距離合わせの目安になります。この状態での撮影範囲は横6cm×縦4.5cmほどで、名刺よりも一回り小さいサイズを画面いっぱいに撮影することが可能です。

 ▼2000.6.1追記 なんと4cmまで近づいて接写可能な裏ワザを見つけられた方がいます。発見者のゆっきんさんによると「全くの偶然から発見した」そうで、実際試してみると確かに効果絶大です。ただし下の作例を見るとわかるように、ピントの合う範囲(被写界深度)がかなり少ないピンポイントなので、撮影時はミリ単位で微妙に撮影距離を変えて何枚か撮っておいた方がいいでしょう。

通常マクロ撮影例 裏ワザ使用例 ハサミ(左利き用なのだ)
通常マクロ限界(59KB) 裏ワザ使用(61KB) 作例(43KB)
【裏ワザ接写のやり方】
1) マニュアル撮影モードにする。
2) メニューからマニュアルフォーカスをONにする。
3) ズームを最大限テレ側にする(十字キーの上ボタン)
4) フォーカスを最大限手前側にする(十字キーの左ボタン)
5) ズームを最大限ワイド側にする(十字キーの下ボタン)

マニュアルフォーカスについて
 マニュアルモード、夜景モード、連写モードでは、マニュアルフォーカスが使えます。どうしても希望する被写体にピントが合ってくれないときに、マニュアルフォーカスを選ぶと十字ボタンで自由にピントを操作できます。夜景を撮る時など、オートフォーカスが迷走しがちですが、これなら問題ありません。

連写機能について
アイコン  連写モードでは、どのクオリティー設定、ピクセル設定でも約0.2秒間隔で3枚まで連写できます。実際カウント中のストップウォッチを連写した撮影画像を見ると0.25秒間隔で撮影されているのが確認できました。連写撮影後は瞬時に液晶画面に3枚のプレビュー画像(撮影結果)が並べて表示され、実行ボタンを改めて押すことによりスマートメディアへの記録が開始されます。記録時間は取扱説明書によるとNORMAL・2400×1800ピクセル設定で11秒とされていますが、私が試したときは5秒で完了してしまいました。なんだかよくわからないけど、速いんだからいいことにしておきます(笑)

オートブラケティング機能使用例
オートブラケティング機能使用例

 連写モードを活用したおもしい機能が、オートブラケティング機能です。同じ画像でそれぞれ露出を小刻みに変えて3枚連写してくれるのです。例えば-1/3EV → ±0EV → +1/3EVというふうに3段階に露出補正を変えて連写してくれます。設定値は他に±2/3EV ,±1EV の計3種類が選べます。カメラに詳しい人は景色を見て適正な露出補正がぱっと浮かぶらしいですが、私なんかよくわからないのでこの「数打ちゃあたる」機能は役に立ちそうです。フィルムカメラだとこんなことをしてると破産してしまいますが、デジカメの場合うまくいった結果以外はすべて削除すればいいんですもんね。

ムービー(動画)モードについて
アイコン 320×240ドット・10コマ/秒で最長80秒の撮影ができます。80秒間撮影した場合の記録サイズは約14MBです。音声も同時に記録され、再生時は本体内蔵のスピーカーから音も再生されます。ムービーのファイルフォーマットはMotion JPEG形式であるためパソコンでの再生にはQuickTime2.0以降をインストールした環境が必要です。この形式は比較的高画質ですがフレーム間圧縮をしないためファイルサイズもそれなりに大きくなります。動画の場合、つい前後によけいなカットを撮ってしまい、無駄にスマートメディアの空き容量を減らしてしまうことになりかねません。再生画面でIN点とOUT点を指定して、必要な部分のみ残す簡易編集をサポートしてくれると出先で重宝するんですが…。なお、パソコンに転送後、E-Mail等に添付して動画を送るなら、MPEG-1やシネパックなどの形式で最圧縮してサイズをコンパクトにすることをお勧めします。QuickTime3.0以降をインストールしてレジスト登録している場合はSorenson Video形式を選ぶのもいいですね。動きの少ない動画であれば画質を保ったまま驚異的な圧縮率で最圧縮可能です(上の起動ムービーもSorenson Video形式で圧縮しました)。QuickTime標準付属のQuickTimePlayerだけを使って簡単に編集・最圧縮する手法はまた後日ここでまとめますね。

動画サンプル
QuickTimeムービー
320×240(295KB)

 ▼2000.3.28追記 QuickTimeプレーヤーを使ったムービーの簡単な編集・圧縮方法をまとめました。説明が面倒なので(おいっ!)スクリーンショットを多用してしまって結構重たいページになってしまいました。それでも見るという方はこちらからどうぞ。またSorensonVideo Codecを用いて再圧縮したサンプルムービーを作ってみました(右のサムネイルをクリックしてください)。オリジナルの2MB近いサイズを300KB以下に圧縮してますがそれほど画質は劣化していません。
 ▼2000.5.30追記 FinePix4700Zで撮影したMotion JPEG形式のムービーをQuickTimeを使わずにWindows標準のメディアプレイヤーで再生する方法をまとめました。こちら(2001.8.21加筆・修正)からどうぞ。

 ▼2000.12.1追記 無料の Windows Media エンコーダーを使って動画を再圧縮する方法をまとめてみました。こちら(2001.3.19加筆・修正)からどうぞ。

再生機能について
 再生モードで過去に撮影した画像を順に見ていく際の表示速度はかなり速いです。ほとんど瞬時と言ってもいいでしょう。さらに順(逆)送りボタンのどちらかを3秒以上押し続けると、早送りモードになり、画面下部のサムネイル画像が横にスクロールして、高速に目的の画像を探すことができます。その他にも同時に9コマのサムネイル画像を表示して画像を素早く探せるマルチ再生モードや、画像の任意の場所を拡大表示・4方向スクロールできる機能など、完璧な仕上がりです。

早送りモード画面 マルチ再生画面
早送りモード画面 マルチ再生画面
比較画像
比較画像(70KB)

432万画素出力の実力は?
 まずは右の比較サンプル(クリックで拡大表示します)を見てください。後のサンプル欄に掲載しているポケモンジェットのフルサイズ画像の一部を切り取ってあります。左端の2400×1800モード、すなわち432万画素相当で撮影したものは輪郭はギザギザで、画像はザラついてしまって、見るに耐えません。画面上の1ピクセルがちゃんと1ピクセル分の仕事をしていないという感じです。中央は同じものを1280×960モードで撮り直したものです。当然画像は小さくなってしまいますが、アラが見えなくなって見やすくなっています。右端は1280x960モードで光学3倍ズームで撮影したものです、左の2400×1800モードの画像と比較すると、1ピクセル当たりの情報量が充実していて本来の画面の解像度を生かしているのがよくわかります。1280×960モードだと、有効216万画素の情報をさらに凝縮して画像を生成しているのでこれだけの情報密度が得られるのでしょう。かたや2400×1800ピクセルモード、すなわちハニカム432万画素出力は無駄に表示ピクセルを水増しして大きくしているだけで、表示サイズに相応の実力が伴っていないように見受けられます。とにかく2400×1800モードで撮影したものはどれを見てもこんな感じなので、おそらくこれが実力でしょう。はっきり言って解像感では他社の300万画素機にも負けています。「ハニカム432万画素」の正体は有効216万画素CCDなのだから当然といえば当然です。ハニカム化による解像度向上効果は1.6倍程度と発表しているのに、なぜか2倍に引き延ばしているのだからさらに無理があります。「ハニカム432万画素」ではなく「なんちゃって432万画素」(笑)とでも呼称を変えたい気分です。本機を432万画素相当の出力という点だけとらえて購入するのであれば、きっと後悔することでしょう。

 しかし、本機を所詮216万画素相当の解像度のカメラだと割り切って考えれば、他のメリットが俄然光ってきます。他社が同様のチップサイズに300万画素を詰め込んだ結果、1画素あたりの素子のサイズが小さくなり、感度や階調などを限界ぎりぎりのところで運用しているのに対し、こっちは216万でいいんです。しかもハニカム。色や階調に関して一歩リードです(ノイズは大差ないですが)。有効216万画素を素直に用いた1600×1200ピクセルモードがなぜ本機にないのかは大いに疑問ですが、撮影した画像を後で50%〜75%程度にリサイズするか、いっそのこと最初から1280×960ピクセルモードで撮影してしまいましょう。水増し解像度のアラが消えて、情報量が濃縮されてハニカムCCD本来のメリットが強調され、見違えるほどです。画面で見るのにも大きすぎず、ディスク容量も圧迫しないし、サービスサイズのプリントには十分なクオリティーです。これが私の購入時のもくろみであり、今のところ大成功です。是非とも1280×960モードでのいくつかの撮影サンプルを見てください。従来の130万画素機で撮影したものより、ぐっと情報量の「濃い」画像になっていないでしょうか?

撮影サンプル
 サムネイルまたは、解像度表示をクリックすると大きい画像を別ウインドウに表示します。特に断りが無い限り、掲載しているのはノーレタッチ(無加工)の画像です。

サンプル画像
1280×960(287KB)
2400×1800(780KB)
奈良平城京跡の朱雀門です。なぜか画面左上隅が暗くなってますね。
▼2000.4.13追記 左上隅の影は光学部品の初期不良でした。交換後は解消されています。
サンプル画像
1280×960(278KB)
同じ場所から、光学3倍ズームで撮るとこうなります。
サンプル画像
1280×960(292KB)
2400×1800(759KB)
解像度比較のところで用いた元画像です。曇天の微妙な空の雰囲気が良く出ています。 サンプル画像
1280×960(268KB)
同じく光学3倍ズームです。
サンプル画像
1280×960(282KB)
マクロモードです。構図が下手くそなのはご勘弁を。 サンプル画像
1280×960(276KB)
いつもの撮影ポイントを遠くからズームで撮っています。機体の塗装色もよく撮れてますね。また夕方の雰囲気もちゃんと再現されてます。
サンプル画像
1280×960(303KB)
連写モードで撮影。あっという間に通り過ぎる被写体の撮影には、この連写モードは大変重宝します。これは1コマ目。 サンプル画像
1280×960(289KB)
そしてこれが3コマ目です。
サンプル画像
1280×960(293KB)
B777です。いつもマンネリのサンプルばかりでごめんなさい。 サンプル画像
1280×960(276KB)
どんよりとした最悪の曇りの日でも、結構見られる写真にしてくれます。
サンプル画像
1280×960(298KB)
天気が良かったのでまた来てしまいました。ポケモンジェットを後ろから。ワイド端で撮ってます。 サンプル画像
1280×960(283KB)
気持ちよい青空の広がる一日でした。マンネリの構図を打開しようとしたのですが…。
サンプル画像
1280×960(297KB)
今度はジャンボジェットを後ろから。やっぱり迫力がありますね〜。 サンプル画像
1280×960(275KB)
夕焼けをバックに。よく見ると遠くにもう1機飛んでますね。実際は全体にもっと明るかったのですが、このほうが雰囲気があるからいいか(笑)
サンプル画像
1280×960(275KB)
2400×1800(735KB)
私的定点画像です。光学部品の初期不良で新品交換後の撮影です。撮影時期も天候も異なりますが同じ地点で撮った他のデジカメ画像と比較するのも一興かと。
OLYMPUS C-820L(141KB)
OLYMPUS C-900Z(174KB)
FUJI FinePix700(314KB)
サンプル画像
1280×960(275KB)
同じ場所から3倍ズームで撮影。
サンプル画像
1280×960(291KB)
離陸しま〜す サンプル画像
1280×960(277KB)
着陸しま〜す(笑)

オートでなにも考えずにポンと撮っても失敗が少なく、見栄えのよい画像が撮れるのは大きなメリットですね。
サンプル画像
1280×960(284KB)
気がつくと、サンプルがヒコーキばかりになってしまっていたので…。(だからと言って電車にすればいいとゆー問題かい?)
踏切待ちで何気なく撮った阪急電車です。
サンプル画像
1280×960(271KB)
造幣局の桜です。
プラス側に露出補正をしたほうがよかったんでしょうね。
サンプル画像
1280×960(281KB)
薄暗い場所でもこれだけ写れば十分です。 サンプル画像
1280×960(286KB)
新緑と満開のつつじの美しい奈良の長岳寺にて。
サンプル画像
1280×960(266KB)
夜景モードのサンプルです。
深夜0時頃撮影。
シャッタースピードは1秒を越えてるのでミニ三脚を使ってます。意外とノイズが少ないですね。
サンプル画像
1280×960(284KB)
こういう動きの速い被写体をフレームいっぱいに撮るには、視野率の小さいビューファインダーも、AF/AEロックで一瞬フリーズする液晶も使い物になりません。
サンプル画像
1280×960(283KB)
…で、どうするかというと、連写モードで運を天にまかせて撮るわけです(笑)。流し撮りのカメラの振り方を被写体よりほんの少し遅めにしてると、どれか一つはピッタリおさまるというわけ。 サンプル画像
1280×960(261KB)
風景モードで撮ってみました。このモード、全体に色が濃いめに撮れるようですね。
サンプル画像
1280×960(280KB)
ビューファインダーでは機体をフレームいっぱいに撮ったつもりでも、失敗するとこんな感じになっちゃいます。胴体の異常に長いB777-300に警戒して後ろにさがりすぎちゃいました。 サンプル画像
1280×960(292KB)
というわけで、なかなかねらった構図通りには撮れないものです。まだまだ修行が足らんなぁ。
無料WEBサイトのアカウントを取ったので、今まで容量オーバーでボツにしてきた画像などをそちらで公開することにしました。転送速度は遅いしバナーも邪魔ですが、無料なので文句は言えませんね。容量無制限(ほんまかいな?)だそうなので、また画像が増えたら登録していきます。
ギャラリーページは、ちょっと手抜きしてPhotoshopの自動処理(Web フォトギャラリー機能)でお手軽に作ってみました。こりゃ楽だわ〜。

FinePix4700Z 画像ギャラリーを見る

FinePix1700Z(150万画素モデル)と比較する

FinePix4700Z vs FinePix1700Z
比較画像(175KB)

 わざわざ130万画素出力機として使うなら、安い150万画素機のFinePix1700Zでもよいのではないかというのが、みなさんの率直な疑問だと思います。果たして数万円の差額を払ってまでFinePix4700Zを買うだけの価値があるのか?という問いに対して、それぞれの機種の違いを両方の機種を所有するThinkcatさんが掲示板でうまくまとめてくださっています。また比較画像も提供していただけたので、まとめて公開します。そのなかから、解像力やノイズに関して比較しやすい顕著な部分を切り抜いて並べた後JPEG最高画質で保存しなおしたのが右の画像です。解像感、ノイズともFinePix4700Zのほうが優れていることがわかります。またFinePix1700Zは輪郭強調の不自然な縁取りが目障りですね。ただし、これはあくまで重箱の隅的比較であって画像全体をぱっと見た限りにおいてはそれほど差を感じるほどではないという人も多いと思います。機能差も含めてそのあたりを許せるかどうかというのが機種選びの分かれ目になると思います。


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