吉川文学と記念館 | 日本の作家の中で古今を通じて最も多く著作が読まれた人――それは吉川英治です。 「宮本武蔵」「新・平家物語」など、吉川英治の文学は数多くの名作によってあらゆる階層の人々に親しまれ、あらゆる世代の人々の生きる力となりました。 吉川英治記念館は、その偉業と人生を偲んで、英治が生前、自ら「草思堂」と名付け、愛して止まなかった東京・青梅の旧居宅の敷地に昭和五十二年、三月に開館されました。 | |
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名作のふるさと | 昭和十九年、戦火を避けて青梅の吉野村に疎開した英治は、ここで終戦を迎え、一切の筆を絶って、思索と晴耕雨読の時を送り、やがて二十五年に至って、畢生(ひっせい)の大作「新・平家物語」の執筆を始めます。 清らかな梅の香りに満ちた静寂の里・吉野村(現青梅市・梅郷から柚木)は、この平和への祈りに貫かれた名作の母なる故郷となりました。 | |
文豪の息吹をそのままに | 時代劇に出てくるような堂々とした長屋門が、記念館のある吉川邸・草思堂の入口。 門を入ると、百四十年前の庄屋の住居だったという母屋が見下します。 この建物の一部に、今も英治の書斎を、往時の通り保存して、机や文房具もそのまま特別に展示しています。 庭の緩いスロープを登りつめると、そこが記念館。 広いロビーには、晩年の英治作品の挿絵を一手に描いた杉本健吉画伯が追幕の思いをこめた英治の肖像画が、穏やかに微笑みかけえます。 展示室には、英治が心血を注いだ原稿、著作、卓越した人生観がにじみ出た書画、そして、妻子への骨肉の愛で綴られた書簡等――。 苦難の道を究め、文化勲章に輝く国民文学者となった、その感動的人生を語ってくれます。 | |
静かな思索の時を・・・・・・ | 園内の樹齢二百年を過ぎる梅林で憩うのもよく、また記念館のロビーに立って、眼前にそびえる椎の巨木を眺めれば、この大樹の下で野点(のだて)の茶を楽しみながら思索にふけった英治と、同じ心境にひたれることでしょう。 | |
記念館だけで売っている記念品 | 図録「吉川英治・人と文学」 「吉川英治・歴史小説の世界」 ※遺墨色紙 ※文学陶器 ※ビデオ ※絵葉書 | |
英治忌 | 九月七日(吉川英治の命日で、個人の偉業を偲ぶ催しが繰り広げられます。) | |
開館時間 | 三月一日~十月三十一日 十一月一日~二月末日 |
十時~十六時三十分(閉館十七時) 十時~十六時(閉館十六時三十分) |
入館料 | 大人・500円 学生・400円 小学生300円 |
大人・400円 (団体20名以上) 学生・300円(団体20名以上) 小学生200円(団体20名以上) |
交通 | JR青梅線二俣尾駅から徒歩15分。 日向和田駅から梅郷経由で40分。 青梅駅から都バス「吉野行き」で「柚木」下車。 マイカーの方は、記念館前と市営無料駐車場に。 | |
住所 | 〒198-0064 東京都青梅市柚木 1-101-1 Tel 0428-76-1575 http://www.kobansha.co.jp/yoshikawa/ | |